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北斗の拳 ラオウ外伝 天の覇王 - (2013/02/14 (木) 17:06:53) の編集履歴(バックアップ)


北斗の拳 ラオウ外伝 天の覇王

【ほくとのけん らおうがいでん てんのはおう】

ジャンル 3D対戦格闘アクション
対応機種 プレイステーション・ポータブル
発売元 インターチャネル
開発元 ライトウェイト
発売日 2009年1月22日
定価 5,040円(税込)
分類 クソゲー判定
ポイント ぬるいCPU戦
ストーリー手抜き
ひたすらに地味な戦闘
クソゲーオブザイヤー関連作品一覧
北斗の拳シリーズリンク

概要

  • かつて『週刊コミックバンチ』にて連載されていた『北斗の拳』のスピンオフ作品、およびそのアニメ版のゲーム化にあたる一作。
  • ジャンルとしては1対1で対戦する、ごく一般的な3D格ゲーである。

問題点

  • CPU戦がとにかくぬるい
    • KOTYの選評にも書かれていたが、ラオウなどを自キャラにしている場合はダッシュ弱攻撃を連発しているだけで、大体はどうにかクリアできてしまうぬるま湯バランスである。最高難易度のハードでもぬるさ加減はさほど変わらない。さすがラオウとは言うものの、ひどすぎである
    • 使用キャラによってはダッシュ弱攻撃が使いにくい場合もあるが、それでも適当に攻撃すればどうにかなってしまう…というかどのキャラでも適当攻撃だけで勝ててしまういい加減さである。
    • 例え負けたとしても、コンティニュー無限で何度でも再チャレンジは可能。さらにはストーリーモードを中断しても、セーブさえすればそのステージからいつでも再開できる(この辺はむしろ評価点だが)。
  • 手抜きなストーリー描写
    • 「ストーリーモードを選ぶとイベントを挟んでバトルシーンとなり、それをクリアすれば次のイベントが続く」という流れなのだが、このイベントシーンが手抜き極まりない。
    • そのイベント内容とは「あらすじの文章と数枚の絵が淡々と表示されるだけ」という、一昔前の短編サウンドノベルを彷彿とさせるもの。凝った演出やフルボイスの熱演などは一切無し。
      • しかもイベントの繋がり方がやけにちぐはぐで、原作を知らない人が見ると「わけわかんない」状態になる事が必至だと思われる。
      • さらにいうと妙に文章表示が長い。但し文章自体は早送りやスキップが可能。
    • 一応バトル前にてキャラの駆け引きボイスがあるが、どれも短い上に会話バリエーションも少なく、ほとんどあってないようなレベルである。例えるなら例のライダーバトル並のそっけなさ。
  • 少ない登場キャラ、モード数、隠し要素
    • 登場キャラ数は全13キャラ、極端ではないにしろ少ないと言わざるを得ない。
    • 主なモードは「ストーリー、対CPU戦、サバイバル、タイムアタック、対人戦、トレーニング」と近年の格ゲーとしてはあまり多いとはいえない。
    • ストーリーモードは初めから選べるラオウ側のストーリーをクリアすると、エクストラストーリーがプレイできるのだが、その実態は「ラオウ以外のキャラが使用でき、少しだけステージ数とストーリー部分が延長しただけ」という水増し以外の何者でもないやっつけ具合。もちろんぬるい難易度や手抜きイベントも全く同じなので、プレイするうちに飽きてくる事は必至だと思われる。
      • しかも信じられない事に、このエクストラステージをクリアすればすべての隠し要素が解禁されてしまう。やり込みプレイヤーからしてみれば、あまりにもふざけた薄さと言わざるを得ないだろうが、そもそもゲーム自体が単調なので、むしろ飽きる前に隠し解禁できる親切仕様といえなくもない。
    • 対CPU戦はプレイヤーとCPUを選んで対戦できる格ゲーお馴染みのモード。もっともCPUがゆるいので、純粋に楽しめるかどうかは疑問であるが…。
    • それ以外のモードは名前の通りの内容なので、ここでは省略する。
  • ゲーム自体の薄さ
    • 近年の3D格ゲーと比べると、行動パターンが格ゲー初期並に少なく、明らかに単調である。
    • 基本攻撃は弱・強の2種類のみ。コンボバリエーションもかなり少ない。
    • 必殺技がLかRボタンを押しながら攻撃ボタンで発動するという、初心者に優しい操作性だが、逆にいうとコマンドを使い分けて技を出すという楽しみが削がれている。
  • ロードがかなり長い
    • 一戦闘毎に軽く10秒近くは読み込む(PSP3000型にて)。サバイバルのような連続戦闘を伴うモードでは、特に苦痛を味わう事となる。ネオジオCDの再来といっても過言ではない。
  • アニメ版とは一部ボイスキャストが違う
    • これは問題点というよりは賛否両論に近いが一応表記させて頂く。一例としては、アニメ版のラオウ役は宇梶剛士氏だったのだが、本作では『ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド』のツェペリ役などでお馴染みの小山力也氏が担当している。
      • この点に関してはアニメファンからすると不満を述べる者もいるが、小山氏のボイスもなかなかのはまり役で決して評判が悪い訳ではない。
      • もっと言うと、宇梶氏の声は原作の『北斗の拳』のラオウの声優・内海賢二氏のボイスとはあまりにも似ておらず、アニメでの声には不評も多い。だからといって小山氏もそこまで似ているかといわれれば微妙であるし、どのボイスも一定の支持はあるのだが。
      • 劇場版公開時より宇梶氏の評価は最悪であり、ケンシロウ役の阿部寛氏が一定の評価を得たのとは雲泥の差である。
  • アミバが自分に激震孔を突くなどとんでもない間違い(激震孔は相手を殺す秘孔である)を犯している他、ジャギは必殺技でショットガンを発射するときに「ショットガーン!」と叫ぶ。普通に「死にやがれ~!」とかで良かっただろうに…。

評価点

  • とりあえず最低限の格ゲーとしての体裁は保っており、目立ったバグや、操作性の不備は特に無い。
    • それで当たり前といえばそれまでだが、他のKOTY2009のノミネート作のいくつかはそれすら守られてなかった事を考えると、一応は評価しておきたい。
  • 登場キャラの人選はバランスが良く、極端な贔屓やばらつきはほとんどない。
    • ちゃんと北斗四兄弟も登場し、因縁の対戦が可能。アミバ様とジャギ様との偽者対決、ラオウとサウザーの頂点対決だってできる。ここの辺りは評価できるだろう。
  • グラフィックはPSP相当のレベル。
    • ただ、背景やキャラの攻撃の地味さ加減が災いし、あまり印象の残るグラフィックではないのが悲しいところ。
  • ワゴンに置いてある事が多く、安価で入手可能。
    • まあ、ゲームへの評価でもなんでもないが。

余談

  • ユダの奥義「血粧嘴」は原作では構えのみでほとんど描写がされなかった。『AC北斗』では衝撃波を飛ばしてそれを追う形で回転しながら体当たりするという技だったが、本作では空中に飛び上がり衝撃波を連続で放つという技になっている。『真・北斗無双』でもこちらに近い技になっていた。

総評

  • 薄いストーリー、弱すぎるCPU、ボリューム不足で飽きやすい、といった問題を抱える正統派キャラクソゲーといえる存在。
  • ただしまだKOTY2009携帯機のノミネート作としては、クソ度は比較的低い部類に入ると思われる。まともにゲームすらさせてくれないバグ宝庫の『戦国天下統一』『戦極姫』や、究極の低ボリュームかつ電波まみれだったフリュー三銃士(『ラスト』『さらば』『ふしぎ』)と比べると、ゲームとしてはそれなりに形成されている本作はいささか(クソゲーとしては)地味な目で見られがちな印象がある。
    • 『北斗』という枠でくくってもまだマシな部類かもしれない。他が酷過ぎるうえに五十歩百歩の話だが。
    • 本当に北斗らしい格ゲーが出されるのはいつの事になるのだろうか?