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ワリオの森 - (2011/05/03 (火) 10:48:17) の編集履歴(バックアップ)


ワリオの森

【わりおのもり】

ジャンル アクションパズルゲーム
対応機種 ファミリーコンピュータ
発売元 任天堂
開発元 インテリジェントシステムズ
任天堂
発売日 1994年2月19日
定価 4900円(税別)
分類 スルメゲー判定・賛否両論ゲー判定
※一覧では前者
ポイント ハード末期とは思えない見た目のショボさ
複雑すぎる操作とルール
1990年代におけるワゴンの常連
マリオシリーズ・関連作品リンク

概要

任天堂がファミコン最後の自社発売ソフトとして放ったアクションパズルゲーム。キノピオを操作して爆弾やモンスターを動かし、ゲームフィールド内のモンスターをすべて消すとクリア。ゲームフィールドがモンスターなどで埋まりキノピオが動けなくなるとゲームオーバー。 1人用のゲームモードには99面クリア後にエンディングが用意されているAゲームおよびBゲームと、段位認定機能付きのタイムレースがあり、他に2人対戦モードがある。

ハードの終焉を飾るはずのソフトなのだが、発売時期の悪さ、複雑な操作方法とルール、見た目の印象により大多数の人には良作と評価されず、クソゲー扱いされてしまった。その一方でゲームに慣れた人からは中毒性のある良作とみなされている。

発売当時の状況

  • すでにファミコンが時代遅れの機種と判断されていた時期かつ、落ちゲーが飽きられていた時期でもあり、今さら感が強かった。
    • 任天堂は1990年のドクターマリオから年1作ペースで新作アクションパズルを供給しヒットを飛ばしていたが、さすがに前年のテトリスフラッシュからは勢いが衰えていた。
  • さらに大量出荷で投売りされため、その異常な投売り価格を見た者にクソゲー判定をされてしまった。
    • 1995年当時の新品価格は500円以下(筆者調べ)であり、年月を経るごとにさらに下落したワゴンの常連。
    • 2000年代になっても残り続け、ネオファミなどのファミコン互換機のオマケに付けられることもあった。
    • 今でもAmazonなら中古が1円から買える。
  • なお当時のファミコン通信クロスレビューの評価もあまり良いものとはいえなかった。
    • 当時のファミ通はベタ移植もレビュー対象にしており、同時発売の『ゼルダの伝説1』は「最新ゲームに見た目は劣るが歴史に残る名作をもう1度体験すべき」と大プッシュされた。一方本作は「 落ちてくるブロックを並べ替えられたら落ちゲーじゃない 」とゲームコンセプトそのものを否定された。
    • ただし慣れたら楽しめるのではという意見や、複雑な内容を指摘するもっともな意見もあった。

特徴と問題点

  • ゲーム画面のグラフィックが当時のファミコンソフトより見劣りする。
    • このころのファミコンソフトのキャラクターグラフィックは黒など濃色の縁取りを多用したものが多かったのだが、本作は表示の制約からゲームフィールド内のキャラクターがドットむき出しで描かれている。さらに原色を多用し背景は黒単色のため、プレイ画面はまるで初期~中期のソフトのように見える。
      • 端的に表現するとショボくてどぎつい画面
      • 前年にはすでにファミコン上位レベルのグラフィックと評される『星のカービィ 夢の泉の物語』が発売されていた。ハードメーカー最後のソフトなのにこれと比べるとどうしても…。
    • ちなみにゲーム選択画面とレッスンモード(操作練習)の説明文は全部カタカナ表記。A・Bゲームのワリオのセリフは普通にひらがな・カタカナ混合なのに…。
    • ハード制約のせいなのだろうが、ゲーム全編を通してワリオの服の色が公式イラストと明らかに違う。
      • そのためコレジャナイ感やパチモノ臭が強い。
        カラフルすぎるゲーム画面
        なぜかカナ表記オンリーのレッスンモード
        いい感じのデモ画面なのだが、ワリオの服は…
  • アクションパズルにしてはルールや操作方法が複雑で、覚えるまでが大変。基本ルールはゲームフィールド内のキノピオを操作して、同色のモンスターや爆弾を3個以上縦・横・斜めのいずれかに並べて消すというものだが…
    • モンスターだけをいくら並べても消えない。モンスターを消すには画面上から降ってくる同色の爆弾を並べる必要がある。
      • モンスターには斜め方向でしか消せないものや、爆弾を複数回使わないと消せないという曲者もいる。
      • うっかりモンスターを3匹以上並べてしまうと、そのラインの延長線上にある爆弾がモンスターに変わってしまう。爆弾が少ないときにこれが起こると萎えることうけあい。
    • ゲーム中は爆弾が降ってくるだけの爆弾タイムのほか、モンスタータイムというワリオによる妨害時間帯が交互に巡る。モンスタータイムでは爆弾が少なくなるかわりにモンスターが余分に落ちてくる。さらに天井が下がりゲームオーバーの危険が高まるので、特に中盤以降では連鎖による防御およびモンスタータイムの短縮が不可欠。
    • キノピオのアクションは十字ボタンの移動のほか、Aボタンによる縦列全部の物を持つ・置く、Bボタンによる物を1つだけ持つ・置く、↓+Aによるキック、AB同時押しによる脱出などがあり、フィールド内の状況によってはこれらのアクションに制約がかかる。操作方法やアクション可否の判断に慣れが必要。
      • 脱出は多用する動作なのに複数ボタン同時押しとややこしい。この動作に気付かない人もいる。
    • お助けアイテムとして同色のモンスターまたは爆弾を5つ以上消すと「ダイヤモンド」が現れる。ダイヤモンドを消すと同色のモンスターが全部消える。
      • しかしダイヤモンドと同色の爆弾は消えないため、モンスタータイムで残った爆弾と同色のモンスターが降ると元の木阿弥。
      • さらにダイヤモンドは持ち運びができないので、変な場所にできると使うこともままならない。
  • セーブ機能によりAゲームとBゲームは5面ごとに続きからプレイできるが、その合間の面でコンティニューするには面クリア時に入手できるコインを集め、クレジット(コンティニュー可能回数)を増やしておかなければならない。コイン30枚でクレジット1回増加。
    • ゲーム開始および再開時クレジットは全くないため、ゲームオーバーになったら即終わりと厳しい。
    • コインは面を早くクリアするほど多くもらえる。しかし長丁場になる終盤の面ではコインの獲得が期待できない。
    • コインは面クリア時に自動で入手できるのではなく、上から落ちてくるコイン現物をわざわざ拾わなければいけない。さらに地面に落ちてしばらくすると消えてしまう。
    • エンディングを見るためには95面から連続5面クリアする必要がある。クレジットがあれば楽だが、ないとミスが全く許されない精神的な面からもだいぶきつい。
      • この対処方法として次の方法がある。まずあえて序盤の面から再開してクレジットをためておく。そしてステージクリア直後、次の面へ進む前にセレクトボタンを押すとその場でクリア済みの面を5面単位で飛ばす「ジャンプ」ができる。この機能を利用すると序盤で稼いだクレジットを引き継いだまま後の面から再スタートできる。
      • この面ジャンプ機能は説明書に掲載されているが、説明文が目立たない上にコンティニュー方法と混同されておりややこしいため、気付かなかった人もいると思う。
      • しかも任天堂のバーチャルコンソール公式ページおよびゲーム付属の説明書データにこのジャンプ機能の説明は一切ない。

評価できる点

  • セーブ機能を搭載している。
    • この当時の落ち物パズルはスコアを保存できるセーブ機能はまずなく、パスワード等によるコンティニューを搭載している物もわずかだった。
    • さらにプレイヤー名の登録もできる。段位認定機能の成績表示用に使用するだけだが。
  • タイトルやデモ、メニュー、対戦時の結果発表など、ゲーム画面以外のグラフィックは見栄えがいい。ゲーム画面のようにチマチマした印象はなく、少なくともファミコンソフトとしては標準以上のレベル。
    • タイトルデモ間に挿入されるキノピオとワリオの一枚絵やA・Bゲームの寸劇はなかなか壮観。メニュー画面の草のグラデーションも見事。

まとめ

アクションパズルゲームは兎にも角にも連鎖ができなければ面白さが見出せないものだが、このゲームは数に制限のある爆弾必須というモンスターの消滅条件と、一般的なアクションゲームさえも超えるキノピオの複雑な操作により、偶然に任せて連鎖が起きることはあまりない。そのため自力で連鎖を組めるようになるまではろくに快感が得られず、作業ゲー感が漂いがちである。クソゲー扱いされるのはこれが原因と言えるだろう。 さらに上達には連鎖の組み方のほか、キノピオを自在に操りモンスターと爆弾を並べ替える操作テクニック、モンスタータイムの適切な対処方法も必要になり、 99面クリアを果たすにはかなりの持久力が求められる。良作として捉えているプレイヤーはこれらを乗り越えた猛者、あるいは物好きといえるかもしれない。

その後の展開

  • サテラビュー配信番組として供給されたスーパーファミコン版および海外市販されたSNES版が存在する。見た目もよくなり、キックや脱出がワンボタンで行えるなど多数の改善が施されたものの、なぜかクレジット増加に必要なコインは50枚に増えてしまった。
    • サテラビュー版はユーザー参加型ランキングイベント用として制作・放送されたもので、放送開始時の1995年にサテラビュー向けラジオでパーソナリティーをやっていた爆笑問題が登場する爆笑バージョンと、2年後に放送された再びの二本ある。爆笑バージョンではキャサリンが田中に、ドッスンが太田になっている。
  • 後のゲームキューブソフト「どうぶつの森+」および「どうぶつの森e+」にファミコン家具の1つとして収録され、面白さを見出したユーザー間では どうぶつの森の中でワリオの森に入り浸る という冗談のような現象が見られた。
  • 現在はWiiのバーチャルコンソールソフトとして配信されているので、パズル好きの人は興味があったらどうぞ。