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三國志曹操伝 - (2011/01/14 (金) 09:29:05) の編集履歴(バックアップ)
三國志曹操伝
【さんごくしそうそうでん】
ジャンル
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シミュレーションRPG
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対応機種
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Windows 95/98
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発売・開発元
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コーエー
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発売日
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1998年12月11日
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分類
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バカゲー判定 一部鬱ゲー クソゲー扱いされやすい良作 一覧ではバカゲーに指定
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ポイント
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特に諸葛亮ファンにとっては黒歴史
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概要
三國志や戦国時代を題材にしたコーエーの『英傑伝シリーズ』の5作目であり、かの曹操を主人公としたマップクリア型シミュレーションRPGである。
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物語の途中には選択肢がありこの選択肢で史実通りのものを選んでいくと赤シナリオ(史実の延長シナリオ)、
史実に反する選択肢ばかりを選ぶと青シナリオ(架空シナリオ)に分岐する。
評価点
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マップ上を動き回るキャラのシンボルは非常に細かく作られており滑らかに動く。
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三國志の物語としては珍しく曹操を主人公にしており、彼に従った魏の武将達が活躍する話を見ることができる。
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当時『蒼天航路』などで曹操再評価の動きが見られたためか。最も曹操も何度か命の危機に陥った戦いが多く(董卓征討の折の敗戦、呂布との戦いの敗戦、宛城の戦いなど)そうした点では厳しい戦いも多い。
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BGMの質は高い。また本作のゲームCDは音楽プレイヤーにかけることで普通にゲーム中の音楽を聞くことができる。
この仕様はコーエーのWinソフトではほぼ共通。
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敵軍のレベルが自軍のレベルに合わせた物になっている為、前々作「英傑伝」の異様に高い難易度(特にPC-98版)と前作「孔明伝」の低い難易度と比べるとかなりバランスが取れた難易度となっており、後述のように問題作とされる割にはシリーズ最高傑作の呼び声も高い。
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前二作と異なり味方となる武将が演義の有名どころに絞られており、また確かに弱い武将(曹洪など)もいるが「英傑伝」の耿武や「孔明伝」の高定など使い物にならないくらい弱い武将はおらず、仲間にして後は放置される武将が大量発生することは少なくなった。
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登場する武将が相当に個性あふれる物となっているが、以外と史実に合わせたものになっていたりするなどよく作られている。
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「妖術使い」「軍師」といった異常に強かったクラスが「策士」「妖術士」「風水士」などに分けられているなど、極端に強いクラスを作っていない。「孔明伝」で最強を誇った騎兵も弓兵に弱くなっており、役立たずだった歩兵も防御力が大幅に上昇して盾役が務まるようになっている等徹底してバランス調整が図られている。
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その為徐晃が弓兵、龐徳が歩兵など微妙にイメージに合わないクラスになっていることもある。
批判点
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登場する多くの武将の性格が、良くも悪くも個性的。
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格言ばかり喋る呂蒙、不真面目な馬謖、日本語でおk状態な周瑜、腹ペコ天然ボケな孟優など、前作までの英傑伝シリーズの雰囲気からすると異彩をはなっている。顔グラの使い回しは前作「孔明伝」からであり問題は余りないが、袁譚の顔が王平の、辛評の顔が郭図の色違い同然、何故か味方になる貂蝉は「孔明伝」のモブ女官の顔になっているなどやや手抜きが目立つ面も。
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味方武将を絞っている為、本来魏軍に加わるはずの武将が敵軍のまま戦死したり、友軍として登場しても惰弱に描かれ途中退場したりすることが多い。
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ことに「孔明伝」で強敵として出現した魏後期の名将・郭淮は凛々しかった顔グラを大幅に改悪されており、性格も気弱な無能武将として描かれている。
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曹真や韓浩、夏侯覇といった魏後半期に活躍した武将や文官などは登場すらさせてもらえない。
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死亡イベントを回避した武将の出番がない。
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郭嘉・夏侯淵など一部の武将には史実どおりの死亡イベントが用意されているのだが回避して生存させたとしても以降の物語はほとんど変わらず、
台詞も無ければ顔も出さない。苦労して生き残らせても空気化するだけ。
郭嘉は生き残らせていると、赤壁の戦いの前に復帰して(少しだけ台詞あり)、下記のように曹操軍に有利な戦いに分岐するのだが。
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一応S-RPGパートでは活躍の場も存在している。特に典韋は職種的に替えの効かないポジション。
郭嘉については、曹操が「奉孝(郭嘉のあざな)が生きていれば、このような敗戦はなかっただろう」と
赤壁の戦い後に嘆いたように、彼が生きていると曹操軍に有利な展開になる。
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実は青ルート最終面に出撃させるとほんの少しだが戦死組にもセリフがある。
まあこうした点は同社の無双シリーズなどと比べれば微笑ましい・面白いという程度なのだが、
このゲームをバカゲー(欝ゲー)足らしめているのは概要に記した架空シナリオ「青シナリオ」なのである。
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物語は劉備の入蜀あたりから分岐していくのだが、なんとここで突然諸葛亮が豹変。
龐統や劉備・張飛を謀殺し、趙雲らを騙して劉備軍を乗っ取ってしまう。しかも性格だけでなく顔グラまで如何にもな悪党顔に変更される。
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ちなみに関羽が仲間に加わる唯一のルートである。
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最終戦と真相
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最終マップでは諸葛亮の秘術によって蘇らされた劉備・張飛・孫親子などのゾンビ武将と戦うという、後の無双シリーズでも類を見ない(といっても、無双2猛将伝孟獲シナリオにおいても、諸葛亮は孟獲軍との決戦のためにその時点では死んでいるはずの曹操・周瑜・呂布などを動員するということをやってのけている)決戦風景に。そのゾンビ武将達の台詞により、極度の鬱ゲー化する。
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諸葛亮が豹変したのは伝説の魔王に憑依されたため。本来は劉備がその標的だったのだが、
諸葛亮は主君に憑依させまいと自身を犠牲にした。曹操が魔王の完全復活を阻止すると、諸葛亮は最後の力を振り絞って魔王を道連れにする。
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しかしトンデモなストーリーとはいえ中々話は上手くまとまっており、難易度とも合わさって青ルートの評判は上々である。
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余談だが死人が復活して襲ってきたり、主要人物に魔王が憑依してそれが周辺人物を操っていくというストーリーはFEシリーズの「烈火の剣」「聖魔の光石」等と酷似している。
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その後の展開
以上のことで諸葛亮ファンや蜀漢ファンの批判を浴びたのかはたまたコーエー側が自粛したのか、コンシューマ移植はおろか
攻略本の出版すらされないというコーエー歴史ゲームとしては異例の事態となった。
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補足すると、コーエーの攻略本は有料取説と揶揄される必須さや曲芸商法並みのマイナーチェンジ大量出版で悪名高い。
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『三国志 英傑伝』『三国志 孔明伝』と合わせて三部作なのだが、前途の2作がGBAにリメイク移植されているのにこの作品はハブられている。
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なおGBA版の攻略本は白黒なのに中身はPS・SS版とほとんど変わりがない内容で失笑を買っていた。
現在もGAMECITYの通信販売などで普通に買えるため、公式に黒歴史となっているわけではない。
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後に無双OROCHIが発表された際ごく一部で「魔王孔明再来か」と話題になった。
シミュレーションRPGとしてはシリーズの中でも出来が良く、
固定ファンがいるのも事実であり有志による攻略サイトやファンサイトも作られている。入手は困難だが、同人攻略本(コーエー名物ハンドブック)も存在する。