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HAPPY★LESSON - (2013/03/02 (土) 18:33:05) の編集履歴(バックアップ)


HAPPY★LESSON

【はっぴーれっすん】

ジャンル アドベンチャーノベル
対応機種 ドリームキャスト
発売元 データム・ポリスター
発売日 2001年4月26日
定価 6,800円
分類 クソゲーかつバカゲー
※一覧は前者に指定
ポイント 私たちが今日からあなたのママです!
全てが不足したシステム
ギャルゲーとしての致命的欠陥


概要

かつて電撃G's Magazineで連載されていた同名の読者参加企画をゲーム化したもの。
幼い頃に両親を亡くし、孤児院で育てられた主人公が故郷である師走町に戻り、私立こよみ学園で出会った五人の先生と紆余曲折を経て、同居生活を始めることになる…というストーリー。

同時期の「G's」の企画としては、あの説明不要の大物『シスター・プリンセス』があり、今作は『シスプリ』には少ない「男性(主人公)視点」を重視した内容で差別化を図っている。

問題点(バカゲーポイント)

コンセプト・ストーリー・キャラ

  • 五人の『ママ先生』との、同居生活の前提が異常
    • 概要の項では省略したが、主人公が五人の先生と同居生活を開始する経緯はなんとも異常である。彼は概要のとおり天涯孤独の身で、一人暮らしをしているのだが、五人の女先生はなんと自分の意志で主人公のことを心配し、彼のママとなることを買って出る
      • 百歩譲ってこれは「二次元のご都合主義」として見逃すとしよう。だが、そのような現実ではありえない設定に慣れ親しんだヲタクたちをも震撼させる展開が、この後に待ち受けている。
      • 主人公が自分以外誰もいないはずの家に帰宅し、なぜか家にいるママ先生たちと対面した際の、ママ先生側の一言がこれである。
        うふっ! ね、私たちが…今日からあなたのママですよ!
    • 並の超展開も裸足で逃げ出すこの超展開である。そして、この後はなんと、主人公と五人のママ先生との「幼児プレイ」にも等しいダダ甘生活がスタートする。理由? 整合性? そんなものはこのゲームに求めてはいけないのだろう…。
      • 年上のきれいなオネーサンに憧れる少年は多いだろうが、このゲームはそのさらに斜め上を行き、彼女達からは母性に基づくダダ甘い愛を享受できるというカオスな世界となっている。おそらく主人公は18歳の高校3年生、先生達は20代である。そんな主人公が家の中では5人の先生達と常に幼児プレイをしている状態といえばその異常っぷりが少しは想像できるだろうか。
      • 確かにこのようなギャルゲーには、「ベタ甘な幼なじみ」「ツンデレヒロイン」「常軌を逸したドジっ子」など、現実ではありえない事柄が多数登場する(二次元のファンタジー、とでも言うべきか)。だが、それらに慣れ親しんだ二次元の住人でさえも、あまりのイタさについていけず、多くが脱落した
      • 母性で包む包まれるにしたってもう少しなんかあるだろうとツッコミを入れたい。ありがちな幼馴染とかというご都合主義よりもっと恐ろしいものを味わえる。それに馴染んでしまう主人公も主人公で異常である。
      • 一応、このご都合主義な設定はシナリオ中のドタバタコメディを活かすのには役立っている。
      • だが、これは問題の核心ではなく、どちらかというと賛否両論点といったところで、このゲームがクソゲーたる問題の核心は後述する二点の問題にある。
      • そもそも「G's」のこの手の読者参加企画のブッ飛び振りは今に始まったことではなく、それは同期の『シスプリ』を見れば理解いただけると思う。比較されがちなシスプリも『12人の妹が最初っから兄に好感度MAX』というこれと引けを取らない壊れっぷりであり、正直他所の事は言えない。
  • 盛り上がらない結末
    • 普通こういったギャルゲーであれば、前半の共通ルートを通過し、各キャラとのフラグを立てて個別ルートへ進み、デートや心のすれ違い、そしてそれを経ての告白、というのがパターンである。だが、このゲームはほぼずっと平行線でダダ甘ライフを送り、そのまま終了してしまう
    • 最初から最後まで各ママ先生は主人公に愛情を注いでくれるのだが、それが「同情から来る愛」から「恋愛感情」へと変化していく描写等は一切なく、最初から最後まで幼児プレイ、そしてED。というか、告白イベントがないというのは恋愛主体のギャルゲーとして失格ではないのか…!?
    • 一応、生徒のヒロインには告白イベントはあるのだが、イベントに至るまで、主人公にそれを匂わせる心理描写がないため、脈絡が感じられない
      • ついでにいうとこのクラスメイトに告白する際にはママ先生達との間柄を説明することになるのだが、彼女もそれを「な~んだ、そうなんだ」で納得してしまう。勘弁してください。

システム

  • 非常に簡略で最低限しかない。
    • はっきり言ってしまえば不親切な設計である。スキップが遅かったり操作しづらかったり誰がどこにいるか行ってみないとわからないなど。しかしこれでも発売延期がされている。
  • フラグ管理に問題があり、一度ノーマルエンドを迎えると個別エンドに入れなくなるバグがある。
    • 余談だが、本作の発売元データム・ポリスターは以前に『ルームメイトW ~ふたり~』で似たようなバグを発生させ、「これは仕様」の一点張りで逃げた事がある。
  • キャラの攻略は割とシビア。攻略情報なしでの自力は難しい。

総評

一見シナリオの根幹に根ざすイタい設定に目を奪われがちだが、システム・シナリオの質の低さこそがこのゲームのクソゲーたる所以である。この二つの致命的欠点から、「年上のお姉さんに死ぬほど甘えたい!」というプレイヤーであっても購入はおすすめできない。
同じブッ飛んだ設定でも『シスプリ』が大成したところを見ると、やはり設定のインパクトも大事だが、それを支えるのは確かなシナリオやシステムなのだ、ということが再認識出来る。

この作品も出来がもう少しまともであれば、少なくともクソゲーの項ではなく、バカゲーの項に載っていただろう。

余談

  • 『HAPPY★LESSON ~ファーストレッスン~』というファンディスクが先駆けて発売されている。内容は主にミニゲームとそれにより得られる画像などの特典が少々。
    • こちらは中古屋のワゴンの常連であり、価格もせいぜい二、三百円である。しかしこのページで扱っている本編の方はそのゲームとしての出来にも関わらず、新品も中古もほとんど値を下げなかった。なんだかんだ言ってもママ先生達との逢瀬を夢見る特定需要層が存在したのである。これこそキャラゲーの恐ろしさと言えよう。
  • 完全に余談だが、このゲームの女性ヒロインの名前は、名字には数字を含み、下の名前はそれに対応した月名を別の読み方にしたものとなっている。例でいえば、一文字むつきや、六祭みなづき等。ゲーム版で確認できるのは八まで、アニメを含めれば十二までいる。が、十一だけはぶられました
    • さらに言えば、ママ先生以外の名前が「仁歳(ひととせ)ちとせ」という若干噛みそうな名前の(アニメ)主人公から「十二支 師走」という名前の学園長までもがいる。…もうちょっと名前何とかならなかったのか…。
  • ちなみに、今では歌手としても活動している水樹奈々が上記にあげた「六祭みなづき」役で参加している。
  • 一応現実世界でも、摂食障害者向けにリ・ペアレンティング・セラピー(再養育療法)が実在するが、主人公に摂食障害はない。
  • ゲームはこのザマであったが、アニメはそこそこどころか結構好評で、メディアミックスも盛んに行われた。
    • OVAからスタートしたアニメ版は、TVシリーズを2期、OVAを全8巻、ドラマCDを10作、その他イベントDVDやキャラクターソングCD、ラジオなどに展開し、G's読者参加企画史上最大とも言える規模にまで成長した。
  • また、これや『シスプリ』から始まった『G's』の読者参加企画の暴走はこの後さらに強さを増し、その質はともかく、破天荒で、時には痛々しい企画が連発されていくことになる。
    • 「双子萌え」を全面に押し出し、シスプリほどではないがメディアミックスなどでそこそこの人気を獲得した『双恋(フタコイ)』、「百合」で新規層の開拓を図った『ストロベリー・パニック!』はまだ序の口、最近では、こんなものまである。『G's』はどこへ向かおうとしているんだ…。