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【ているず おぶ ふぁんたじあ なりきりだんじょんくろす】
ジャンル | ロールプレイングゲーム(シリーズ固有ジャンル名:真実と向き合うRPG) | |
対応機種 | プレイステーション・ポータブル | |
発売元 | バンダイナムコゲームス | |
開発元 | ナムコ・テイルズスタジオ | |
発売日 | 2010年8月5日 | |
定価 | 5,480円 | |
プレイ人数 | 1人 | |
セーブデータ | 544KB以上 | |
レーティング | CERO:B(12歳以上対象) | |
コンテンツアイコン | セクシャル、犯罪 | |
廉価版 | PSP the Best:2013年2月21日/2,800円 | |
分類 | 劣化リメイク | |
黒歴史 | ||
ポイント |
退化したなりきり服 原作(TOP本編&GB版)レイプ シナリオ大幅改悪 タンス 原作や『ファンタジア』に思い入れの強いファンほど黒歴史にしたい悪夢orクソゲー |
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テイルズオブシリーズ関連作品リンク |
GBで発売された『テイルズ オブ ファンタジア なりきりダンジョン』(以下「原作」と表記)をPSPでリメイクした作品。
台詞のほとんどなかった双子に台詞を用意したり、戦闘システムをシリーズと同じアクションのものにしたり『テイルズ オブ ファンタジア』との橋渡しの役目を持つ新キャラクター・ロンドリーネの追加などが行われている。
原作は暗く重いながらも練り込まれたシナリオが高く評価されたが、戦闘システムはシリーズ恒例のアクション要素の強いリニアモーションバトルシステムではなくターン制に近いものとなってしまい、戦闘システムを改良したリメイクが望まれ続けていた。
また、本作だけをやっても、あくまで原作および本作が『ファンタジア』本編を前提としているため、本編をやっていないとシナリオが理解しにくくなっている。
そのため、『テイルズ オブ ファンタジア -フルボイスエディション-』の戦闘システムを洗練させた『テイルズ オブ ファンタジア クロスエディション』を同時収録している。
アニメーションは多数のシリーズ作品にキャラクターデザイン・作画監督として携わる松竹徳幸自身が監督を務めており、背景スタッフはスタジオジブリの作品やアニメ版『時をかける少女』に関わったスタッフで制作されている。
なおリメイクである本作の開発スタッフの上層部(ディレクター・プロデューサー・シナリオライター等)には、原作およびファンタジア本編の開発スタッフの人間は一人もいない。そのため「シナリオやシステムはしっかり再現してくれるのか」「余計な要素を加えてぐだぐだな展開にならないか」と、ファンからはいろいろ不安がられていた。
結果的に新規のプレイヤーには受け入れられたが、原作のプレイヤー、そして『ファンタジア』のプレイヤーからすれば到底看過できない改悪点が多数挙がり、クソゲーという評価を下すファンも多数いた。さらに、受け入れられた新規プレイヤーすら引かせる要素も多々あった。現在では「劣化リメイク」という評価が固まっている。
+ | 超ネタバレ注意! |
+ | ネタバレ注意。 |
以上のように新キャラクター全員に目立つ批判点が存在する。
当たり前のことだが、原作のシナリオを考慮すると、どのキャラクターも介入する余地が無いため、原作ファンからは「全員いる必要がない」と斬って捨てられている。
なお、ディオ・メル・クルールの既存キャラの性格設定は「メルはネガティブシンキングが過ぎて見ていて苛ついてくる」「ディオの日本語がおかしく、誰得などのネットスラングを使い、世界観に合わない」という意見も見受けられるが、アルベルトの影に隠れているのかそれ程多くはなく、賛否はあれどそこそこ妥当ではある。
+ | ディオ達と出会わなかった場合の本編キャラクターの悲惨な未来。ネタバレ注意。 |
+ | ネタバレ注意。 |
リメイクとしては問題点が多すぎるタイトルではあるが、ファン感情を抜きに『なりきりダンジョンX』という一つのゲームとして見れば、大枠としてのシステムなどの完成度は高いこともあってそれなりの出来であり、クソゲーとまで断じるのは難しい。実際にレビューサイトなどでは新規ユーザーは本作を高評価している者が多い。しかし「GB版をプレイしました」といったいわゆる原作プレイ済みのプレイヤーのほとんどは本作を低評価している。
本編である『ファンタジア』のストーリーも楽しむことができ、また本作品は価格が大暴落しており非常にお手ごろな価格で手に入るので、新規のプレイヤーには充分オススメできる作品である。
ただし原作をやっていない人でも、アルベルトを受け付けるかそうでないかで評価は大きく変わってくる作品で、そのため、原作を知らない新規プレイヤーからも「アルベルトがウザ過ぎてプレイするのが苦痛(あるいは全てぶち壊し)」といった意見が少なくない。
リメイクとして評価できるのはやはりターン制に近かった原作の戦闘がテイルズオブシリーズらしくリニアモーションバトルになった点である。しかし戦闘に関してはあくまで原作がターン制だったために評価されただけにすぎない。PSPで発売された他のシリーズ、特に戦闘システムの評価が高いD2、Rと比べると上記のように地味すぎる秘奥義にキャラバランスの問題や鋼体の問題によりかなり見劣りする。しかも本作のモンスターグラフィックはほぼ過去作の使いまわしという手抜き感の漂う有様となっているため、リメイクとして唯一評価できる改善でさえ微妙という結果に終わった。
本作がリメイクとして擁護出来ない仕上がりになってしまった理由として、「本作の開発スタッフが原作の人気の秘訣を全く理解していないのでは? 」ということが考えられている。
原作は所謂「完成度の高いシナリオ」が評価のポイントとなった作品だが、物語の内容のみで人気を得たわけでは決して無く、ましてや『ファンタジア』の後日談というだけで人気を得たわけでもない。
物語全体の雰囲気、人間のドラマ性、ほどよい本編のシナリオ補間、たのまれごとの脚本など結末に至る過程がしっかりと書き込まれているからこそ、魅力のあるシナリオとなり大なり小なりファンに受け入れられたのだ。
いくら原作のシナリオが高評価を得たからといって、上っ面だけをなぞらえて、肝心の過程を描写せず説得力も魅力も皆無な新規キャラや後日談を安易に量産しても意味が無いということが、本作を通じてよくわかるというものである。
そして、シナリオ以外でも原作で評価された要素の悉くを排除するという、原作無理解、あるいは尊重しようとする姿勢が見られない点も駄目押しになっていると言える。
原作のシナリオライターである新免G之進氏は攻略本で「この物語は世界を救え!というような壮大な物語ではなく、自分の心との対峙といった人間の内側にテーマを設定した」と語っている。
虹輪やシグルド、プルートにより度々世界が危険にさらされる本作を見れば、スタッフの理解がまるで足りていないと考えるのは邪推とは言えないだろう。
以上のことから、『ファンタジア』本編や原作をプレイ済みの人は、イメージを壊さないために本作を「『ファンタジア』や『なりきりダンジョン』のキャラクターのそっくりさんが出て来る、原作や『ファンタジア』本編とはまったく違う別の何か」・「SFC版やPS版の続きでは無く、クロスエディションの続き」としてプレイすることが推奨される。
原作ファンには開き直って「別ゲー」として、または極端な例だが「劣化リメイクだが良ゲー」「隠れた名作が劣化して良作になった」と考えて楽しんでいる者も少なからずいるようである。
ただ、それは「そう思わないととてもやってられない」ということの裏返しでもあるが…。
散々シナリオの改変、改悪について述べてきたが、実はバンダイナムコ公式の攻略本のインタビューにて、開発スタッフが本作の原作からのシナリオの改変について、その理由を語っている。しかし…
「オリジナル版のシナリオは倫理的な問題で難しかった。」
メディアクリエイトの初回のランキングでは第1位を獲得し初週の売り上げ本数は10万8356本であり、最終的な売り上げ本数は原作の15万4602本を上回る18万4355本(いずれもファミ通調べ)であった。
しかし、上記の悪評により現在は中古が溢れている状態となってしまっている。
同時収録されている下記の『クロスエディション』も質の悪い劣化移植となっているためか、元となっている『フルボイスエディション』の方が中古価格が高くなっているのも普通に見かけられる。
現在はかなりおさまったが、あまりにも原作との違いにリメイク版しかプレイしてないユーザーは、インターネットの『なりきりダンジョン』に関する事項を語っている掲示板、スレッドには会話に参加しにくい、または『なりダン』総合で扱うスレッドの場合は会話がかみ合わない現象が相次いだ。
本作に同時収録されている『ファンタジア』の移植作品。
詳細はこちらのページを参考にされたし。