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SDガンダム スカッドハンマーズ - (2012/11/22 (木) 22:54:16) の編集履歴(バックアップ)


SDガンダム スカッドハンマーズ

【えすでぃーがんだむ すかっどはんまーず】

ジャンル アクション
対応機種 Wii
発売元 バンダイナムコゲームス
開発元 ベック(チームアカネコ)
発売日 2006年12月2日
分類 バカゲー判定
ポイント 頭がおかしいテム・レイ
でもアムロとの親子仲は良い
武器はハンマーのみ
ゲインは5倍!!
「よくもジーンを!」×7
ガンダム「ビームなんて幻想」GM「え?」
理論上良作
SDガンダムシリーズリンク


理論上の概要

Wiiロンチタイトルとして作られたゲーム。
「キャラゲー」、「ロンチタイトル」、「武器はハンマーのみ*1」と不安要素はいっぱいであった。
…が、いざ発売されれば良作であり、プレイヤーの不安を腕と腹筋と一緒にふっとばす一作となった。

+ まずはこれを見てほしい。(要・ニコニコ動画アカウント)

理論上のバカなところ

本作は「SDだからはっちゃけていい」という部分を最大限に引き出したゲームだが、SDという部分を差し引いてもはっちゃけ過ぎてる部分が多数存在する。最近は原作再現が中心のGジェネが主流のためなおさらそう感じる。

  • 一応本編に沿って話は展開されるがキャラがほとんど死ななかったり、SDらしくギャグ調である。
    • ガンダム初の戦闘→最初のジーンのザク撃破→「よくもジーンを!」怒ったデニム機の突撃の有名なくだりはそのまま再現…と思いきや。
      「よくもジーンを!」の大量の吹き出しとともにデニムが大量発生するという超展開に発展。
    • ルナツーでは補給をくれないワッケインをボンクラ扱いして補給物資を強奪していく。完全に泥棒である。
    • 「コンスコン強襲」ではコンスコンが道中でリックドム50機ほど、ザク20機ほど、高機動型ザク30機ほど、ザクレロ3機、ビグロ6機、ムサイ10隻、チベ1隻、ついにはブラウ・ブロまで出してくる。リックドム12機じゃなかったのか。つか戦力多すぎ。
    • 途中アムロが何故戦力を集中させないのかという疑問を言うと、テムが「論理的に言って、ケチな指揮官ほどこのような傾向にある。よって、今回の敵はかなりケチだ」いくらなんでもコンスコンの扱いが酷過ぎる。*2
    • ラストの浮きドックでの戦いではザク12機、リックドム12機、ザクレロ3機、ビグロ1機、ムサイ2隻、チベ1隻という何とも中途半端な戦力で攻めてくる。
      • ちなみにこのステージでは原作通り非戦闘宙域を抜けるシーンがあるのだが、普通に火器(ハンマー)を使える。テム曰く、「火器の使用が禁じられているが、ハンマーは火器ではない。論理的に言って、ガンダムの機動力がスピード違反に引っかかるぐらいだ」らしい。
    • ランバ・ラルがマ・クベに呼び出され、ドムと偽ってアッグを渡す。しかも青色のランバ・ラル専用モデル。「重装甲のホバーとは聞いていたが、噂よりも破壊力がありそうだ」とラルはまったく怪しまない。(ちなみにこのアッグ、グフどころかドムやゲルググよりも強い。)
    • 「ソロモン攻略戦」でダミーの入り口に入った際、アムロは戻ろうと言うが、テムは「掘り砕いて進め」「いや、むしろ好都合だ。ふふふ、ソロモンを崩壊させてやる」と言い、岩盤を砕いて進むのだが、本当にソロモンが崩壊する。ソロモン脆すぎ。ちなみにア・バオア・クーも同様の展開となる。
    • ガルマが特攻→病院送り、マチルダは突き指、ララァが全治一週間のねんざetc…とても戦争をやっているとは思えない。
    • もちろんふざけているものばかりではなく、「太平洋の激闘」ではククルス・ドアンのザクとともに補給物資を強奪するためユーコン狩りに行き、「コロニーの落ちた地で再び…」ではホワイト・ディンゴ隊らしきジム小隊と共闘し、アスタロス*3輸送を阻止したり、「北海の戦い」では北極基地で新兵器*4を守るためサイクロプス隊のハイゴッグ(15機ほど)と戦ったり、「宇宙要塞ア・バオア・クー」ではジオングヘッドとの一騎討ちなど、比較的真面目なものもある。
  • ホワイトベースのクルーがテムとアムロだけ。ブライトなどいない。当然カイ、ハヤトもいない。ビーム兵器がいらなくなったガンダムはクルーもいらなくなった。
    • もっとも連邦軍の登場人物もレビル将軍、ワッケイン少佐、マチルダ中尉しか出てこないが。上記のオープニングにてゴップらしき人物は確認できるが、リード中尉、ウッディ大尉などは登場すらしない。
    • そのホワイトベースも最初はパーツのほとんどを奪われとしか言いようのない散々な状態。*5もちろん耐久力も戦闘力も低く、初期の状態では機銃とミサイルしか装備していない。だが特定のステージをクリアするとホワイトベースのパーツを取り戻すことができ、アイテム枠や機能が解放されていく。
  • 本作の主人公はテム・レイ」と言われるくらいテムが色々な場面で出てくる。
    • なにかにつけて親父は「理論上は~」「論理的に言って~」と言ってくるが、何の理論上なのかわからない。*6
    • また、都合が悪くなるとすぐに回線を閉じたり、ガンダムを囮にして逃げたり頼りないところがあるかと思ったらホワイトベースとガンダムだけでグラナダに突撃したりよくわからない。
    • 酸素欠乏症にこそならなかったが、初めから頭がおかしかった。だが技術力は本物。原作では投げ捨てられた「親父の回路」は、本作ではガンダムの全能力がアップする効果となっている。
    • 様々なガンダムゲーがあるが親父が一番活躍し、息子とも仲が良かったのは本作だけではなかろうか。
  • プレイヤーが操作する機体に搭載されている武器がハンマーのみ
    • 本作のテム・レイは「理論上ビーム兵器は無理!」という理由で(?)、ガンダムにハンマー以外の武器を搭載しなかった。その割には味方のジムは普通にビーム兵器を搭載している。
      • 電撃を放つハンマー、ドリルとなっているハンマー、爆発するハンマーなどなど、実に個性的なハンマーが多い。ってか全部ハンマーかよ! しかも全て大河原御大によるデザイン。本人もさぞ戸惑ったことだろう…と思ったらタイムボカンシリーズに通じるものがあったのか、意外とノリノリでデザインしていた。
      • 更にビーム兵器より奇天烈なハンマーが登場しており、ビーム兵器は搭載できないのは親父の趣味のせいである可能性が高い。時代を飛び越してフィンファンネルを開発できる事もその疑惑を強める一因。
  • そんなこんなで問題は山積みなのだが、ガンダムは親父の期待通りに活躍する。

評価点

  • 独特な操作性が生む爽快感
    • このゲームの「どこが楽しいか?」と聞かれれば真っ先に挙げられるのが爽快感。Wiiリモコンの操作でハンマーを振り回し、ザクを薙ぎ払いザンジバルを叩き潰すのが気持ちいい。かといってただハンマーを振り回していれば勝てるなどというヌルゲーではなく、中盤以降は装備吟味やテクニックも重要となる。
    • ステージには地雷、電波塔、核燃料などの罠やギミックが仕掛けられており、物によっては一気に窮地に立たされる。また、ゴッグの頭突きやゲルググのビームライフル狙撃はシールドを吹き飛ばす「ガードクラッシュ」が付加されており、回収するまで防御効果が消えるため、立ち回りが重要。
    • 戦艦やモビルアーマーなど大型の敵は主砲やバーニアを破壊して防御力を下げるといったことができ、ボコボコの鉄クズ同然のような見た目になっていく。
      • 両方の腕を捥がれたビグロや両足が無くなり鉄クズの塊にしか見えないビグ・ザムが見れるのはおそらくこのゲームだけであろう。
    • プレイヤーの操作するガンダム(ジム含む)はハンマーのほかにシールド、強化パーツを装備できる。
      • シールドは種類ごとに無効化できる属性が異なるため、ステージに合わせてシールドを選べば攻略が楽になる。*7
      • 強化パーツはスピードやジャンプ力を強化したり、敵やアイテムを発見できるレーダーなどがある。
    • ジムと∀ガンダム以外の機体にはレベルアップがあり、レベルが上がるとHPとENの上限が上がっていく。
      • もちろん敵にもレベルがあり、レベルが上がるほどHPが高くなっていく。
  • ガンダムゲーにしては珍しく出来がいい。やりこみ要素もあり、末永く遊ぶことができる。
    • 使える機体はガンダムのみでなくジムやマグネットコーティング版ガンダム(姿は一切変わらないが)、G-3、アレックス、そして∀ガンダムの全六種類が使用できる。仮にも別世界の機体である∀ガンダムが何故使えるのか? というと、おそらくはハンマーを使った数少ないガンダムの一体であるからだろう。
      • ボルトガンダム…? どうやら富野作品じゃないからか出られなかったようだ*8
      • ちなみに∀ガンダムが本作に出ることは、あろうことかCMで思いっきり暴露されている
    • ステージクリア時のクリアタイムや最大パワーが毎回記録されるため、タイムアタックなどに挑むもよし。
    • ステージ中一定時間ガンダムを強化してくれるアイテムがあるのだが、これらを種類ごとに一定数集めるとENと引き換えに集めたアイテムと同じ効果を発動できる強化パーツが手に入る。
      • EXAMシステムなど強力なものもあり、非常に有利に戦いを進めていくことができる。
    • またステージ中手に入るハンマー&シールド(以下装備品)は個体によっては強化補正値や無効化できる属性が追加されていることもある。
      • いらなくなった装備はジャンクや解析(後述)に回すことができる。
    • 通常ステージ攻略中に倒されると一定確率で装備品が壊れて無くなってしまうが、テム・レイに解析してもらい「成功すれば」壊れなくなる。
      • 「成功すれば」というのは失敗すると同じように壊れてジャンクになってしまうのである。しかも最初は成功率5%。が、成功失敗にかかわらず解析するたびに成功率が種類ごとに1%ずつ増えていく。100%目指して解析していくのもまた一興。
      • 捨てたり解析に失敗したアイテムはジャンクとしてストックされる。これを「親父の閃き」で消費して何かを作ってもらえることがある。大抵は普通の装備品だが、たまにレアな強化パーツになることも。
    • 原作シナリオを基としたステージをすべてクリアしても、「気ままにハンマー」というやりこみ用ステージが各地に出現する。簡単に言うと「スカッドハンマーズ版不思議のダンジョン」で、ハンマーやシールドを拾い集めながら奥のフロアへと進んでいく。
      • 場所によって階数が違い、サイド3の続・気ままにハンマー100が最も多い。
  • 出現する敵の種類が非常に多い。
    • ザク、グフ、ドム、ゲルググなどのほか、アッガイ、ゴッグなどの水泳部、マゼラアタック、ドップ*9、ガトルといったMS以外の兵器、グラブロ、アッザム、ビグ・ザムといったMAも登場。
    • ムサイ、チベ、ザンジバル、グワジン、ガウ、ギャロップ、ダブデ、ユーコン、マッドアングラーと戦艦も豊富に登場する。
      • ディザート・ザク、ザクキャノン、ドム・トローペン、ゲルググキャノン、ケンプファーといったMSVや他ファースト関連のMSも登場する。
    • 特定のステージでは低確率でズゴックE、黒い三連星専用高機動型ザク、グフカスタム(B3グフ)などのレアな敵が登場する。
      • これを撃破するとハンマーのコンテナを落し、ハロハンマーという最強ハンマーが入手できる。

問題点

  • 聴けないことはないが、BGMがしょぼい。
  • 腕を痛めやすい。
    • 「リモコンを振る速度によってハンマーの威力が上昇する」仕様のため、思いっきりリモコンを振り回して腕を痛めるプレイヤーが続出した。ゲームで肉体を物理的に傷つけるという、ある意味最大の問題点。
    • 勢いを付けるためには別に目一杯振る必要はない*10のだが、頭では分かっていてもゲーム中で振る物が物なため思わず力んでしまう。
  • 気ままにハンマーでの装備品の強化が面倒。
    • ステージに入るたびにアタリの装備品が決定され、そのアタリを取得するたびに装備品の強化値が増える仕様となっている。このアタリは大ボスのいるフロアを過ぎるたびに変化する。しかし中にはハズレに設定される装備品もあり、それらを拾うと強化値が下がってしまう。
      • しかもアタリは大抵+1ずつ増えるのに対しハズレは一個とるだけで-3だの-5だの下がる大ハズレが平気で現れる。酷い時には-10も下げられる。これじゃ俺、アイテムを取りたくなくなっちゃうよ…
      • また、この仕様のため強化を優先すると好きなハンマーを持ち帰れないことも。
    • フロアの敵を全滅させるたびに全滅ボーナスとして次のフロアへと進む出口の周囲にアイテムが出現するのだが、このアイテムは通常のアイテム同様一定時間で消える。これをきちんと回収するためには、出口のある部屋の敵を最後に全滅させる必要がある。
  • 味方の種類が少ない。
    • ゲーム中に出てくる敵は多いのだが、味方はジム*11、ボール、61式戦車、ミデア(1ステージのみ登場)、サラミスのみ。正直少ないと言わざるを得ない。
      • 余談だが、このゲームのサラミスはムサイどころかチベやザンジバルにも引けを取らない重火力である。

総評

全体的に馬鹿らしさの漂う作風だが、Wiiリモコンとガンダムハンマーを組み合わせたゲーム性は好評価で、良作の部類に入る。
ロンチタイトルとしての評価も合格点だろう。