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爆ボンバーマン - (2011/12/01 (木) 15:18:21) の編集履歴(バックアップ)


爆ボンバーマン

【ばくぼんばーまん】

ジャンル アクション
対応機種 ニンテンドウ64
発売・開発元 ハドソン
発売日 1997年9月26日
定価 6,980円
分類 バランスがかなり不安定なゲーム・賛否両論ゲー
※一覧では前者として扱う
ポイント ノーマルエンドを見るだけでも結構な難易度だが……
公式ガイドブックのクリア方法すら鬼畜
爆弾は踏み台にするもの……として使うには難しい
パーツコンプリートでさらに鬼畜
2にも受け継がれる鬼難易度
難易度を除けば良作
ボンバーマンシリーズリンク


ストーリー

ボンバーマン達の故郷ボンバー星の空に、アルタイルという男とその部下達が治める要塞都市「ブラックシティ」が現れる。
彼らはボンバー星の生命エネルギーを我が物とするべく、ボンバー星の街に対して空爆を開始した。

主人公であるボンバーマンが腰を抜かしているところに現れる、シリウスという男。
アルタイルに恨みがあるという彼はブラックシティがバリアに守られていること、ブラックシティと連結している四つのエリアからのエネルギー供給を絶つことでバリアが破壊できることを伝えた。

シリウスの協力のもと、ボンバーマンはアルタイルの撃退に向かう。

特徴

  • ニンテンドウ64におけるボンバーマンシリーズの第一作。
  • 爆弾の爆発が球状、2D見下ろしから3Dマップとなり自由に行動できる、持っているボムを巨大化させて火力を上げる「ためボム」など従来のボンバーマンとは大きく違う。また、ボム投げとボムキックがアイテムなしで使用できる。
  • モードは「ストーリーモード」「バトルモード」。
    • ストーリーモードは全6ワールドで、難易度設定は二段階。但し、ワールド6は隠し。
    • バトルモードは従来のボンバーマンと同じルールの「シングルバトル」と、相手チームの宝石を破壊する「チームバトル」の二つ。
  • ストーリーモードにおいては、ステージの随所に「ゴールドカード」や「カスタムパーツ」というものが隠されている。
    • 「カスタムパーツ」は純粋なやり込み要素。ストーリーモードで手に入れたカスタムパーツでボンバーマンを着飾り、バトルモードで使用することのできる「カスタムボンバー」がある。ただし、コントローラーパックが必須。あくまでも外見のみが変わるだけで、特別な効果は何もない。
    • 「ゴールドカード」は各ステージに5枚ずつ存在。隠されたものを回収する(普通のステージ限定で1ステージにつき3枚)、雑魚敵の一定数撃破(普通のステージ限定で1ステージにつき1枚)、特殊な行動をする(ボスステージ限定で1ステージにつき4枚)、規定タイムより早くゴール(1ステージにつき1枚)で取得できる。一見すると単なるやり込み要素に見えるが……
  • そしてこの作品を語る上で欠かせないのが、「ボムジャンプ」「ボムタワー」である。
    • 「ボムジャンプ」とは、地面に置いた爆弾を踏み台にしてジャンプすること。分かりやすい基本例は段差の下へ向けて爆弾を蹴るか投げるかして配置し、爆弾の上へ飛び降りて爆弾を踏むと、ボンバーマンが弾かれるようにして飛び上がる。クリボーを踏んだ時のマリオを想像すると分かりやすい。但しマリオと違って跳んだ後の自発的な空中制御はほぼ不可能で、踏みつけた角度によって飛ぶ方向が変わる。また、この作品のボンバーマンは自力でジャンプすることができないので何らかの手段で爆弾の上へ行く必要がある。
    • 「ボムタワー」とは、爆弾の上に爆弾を乗せて爆弾の塔を作ること。爆弾の上に乗った爆弾は跳ねるのだが、状況次第ではそのまま下にある爆弾の上で跳ね続ける。この上に更に爆弾を積んで跳ねることもできるし、この状態で爆破して通常なら爆風が届かないところに爆風を届かせることもできる。
    • だいたい予想は付くと思うが、「ボムジャンプ」と「ボムタワー」は組み合わせることが可能である。更にこの二つはどこにどうやって爆弾を設置するかだけではなく、「ためボム」で爆弾のサイズを変えることでも結果が変えることができるのである。このように組み方はそれこそ多彩に用意されており、その気になれば実質的に自力でジャンプしたのと同じ結果を得ることも可能となっている。
      しかし一方で、ジャンプ中の制御がほとんど効かない以上少しでも飛び込む角度がズレたり爆弾の設置をしくじればよくてやり直し、最悪転落死。そして爆弾は爆弾なので特殊なアイテムを取らない限り時間が経つと爆発する。跳んでいる前や途中に爆死する危険性はもちろん、火力次第では跳んだ後に死ぬ可能性もありうるのである。
      ジャンプ方法はこの危険な「ボムジャンプ」を利用するものしかなく、このような方法でジャンプするためにやり直しが効かないケースも往々にして発生する。無論、扱いが難しいなら無理に使わないか、単純な組み方のみ使えばいいのだが……そうはハドソンが許さなかった。

評価点

  • BGMの数は少ないが、質が高いものが多い。
  • ワールド自体は6つと少ないが、それぞれボリュームたっぷり。謎解き要素も存在する。全部解こうとすると嫌になるほどに。
  • 「ボムジャンプ」「ボムタワー」を使いこなすことでとんでもないルートからの攻略が可能になる。使いこなせれば、の話だが
    • 一応、ほとんどのステージではボムジャンプが必要とされる所へ行く前に起爆タイミングが自由にできるようになる「リモコン」を手に入れることができる。
  • カスタムパーツというやり込み要素。どれもこれも入手するのは非常に困難で、様々なテクニックを必要とする。困難ってレベルじゃないものもあるが。
  • 真エンディングにたどり着く過程でかなりのどんでん返しがあるが、後からストーリーを見直すとちゃんとフラグが仕込まれている。
  • 特にやり込まずにノーマルエンドを見るだけならば、歯ごたえのあるゲーム程度の難易度で済む。この場合、失敗すれば最初からやり直しになったり死んだりするようなボムジャンプやボムタワーが必要とされることはほとんどなく、「3Dになった普通のボンバーマン」程度のプレイだけでも頑張れば表向きのラスボスまで倒せる。
    • 幸い、爆ボンバーマン2と比べるとノーマルエンドの後味はそれほど悪くない。そのため、難易度の高さも相まって、これで終わりだと思いワールド6の存在を知らなかったプレイヤーもいるようだ。
  • バトルモードの隠しステージを出すためにはストーリーモードで一定の条件を満たすことが表向きの条件だが、裏技として即座に全ステージを出せる方法が用意してある。
  • バトルモードでの対戦は他の64名作ゲーと同様普通に盛り上がる。対戦のためだけに持ってても間違いなく損は無いレベル。ただし、上記のとおりゲームシステムが一般的なボンバーマンとはかなり違うため、従来の格子状のステージでのテクニック等はほとんど使えない。

問題点

  • あまりに高い難易度。ボンバーマンシリーズ自体「自爆」の危険が常にはらむ難易度の高めなシリーズであるが、3D化による距離感の測り辛さがそのまま本作の高難易度化に直結している。
    • ボス戦はその極み。アクションが不得手な人はノーマル難易度の最初のエリアのボスすら倒すのが難しい。
    • 3D化第一弾の為か、操作性はお世辞にもよいと言えない。カメラワークはおおむね良好なものの、固定カメラになる場面も多い。
    • ボンバーマンは基本的にダメージ一撃で死ぬ。特に場外・穴への落下はハート*1も当然効かない。
    • 使いこなせれば様々な場所に行けるボムジャンプだが、途中での軌道変更不可、踏み台にする爆弾は爆発したり跳ねたりする、とはっきり言って極めて不安定なシステムである。
  • …と通常攻略すら難しい本作であるが、真エンディングを目指す場合はさらに鬼畜である。
    • ワールド6へ行って真エンディングを見るためにはワールド5までのゴールドカード全回収が必須。しかもこのゴールドカード、生半可なことで取れるものではない。何せゴールドカードの取得条件のうち、「隠されたものを回収する」と「特殊な行動をする」はノーヒント。言うまでもないが、隠してある場所と特殊な行動はステージによって違う。
    • 「隠されたものを回収する」に該当するゴールドカードは分かりやすい例で言うと、ドラクエシリーズで壷などに隠された「小さなメダル」のようなもの。その全回収を迫られているのである。
    • 通常の爆弾では破壊不可能の障害物(パワーボムという赤い爆弾で壊せる=パワーアップアイテムを別に探さなければならない)の奥にあったり、見えてはいるが何をどうすれば行けるのか分からない(しかも絶対に行けないわけではない、ジャンプやタワーを組み合わせれば行けるいやらしい場所が多い)通路の先にあったりする。酷いときには取る前に穴や海に落ちてしまうことも*2
      • こうなると入門ステージだった筈の1-1すらも隠された本性を現し牙を剥くのだから恐ろしい。
    • 低難易度なら規定タイムが緩い、それほど難解な位置に隠されていない、といった理由でまだ集めやすい(ボスは体力が低くなっているのですぐに死んでしまって集めにくい場合もあるが)。だが高難易度では入り口が見えない隠し部屋に配置とかボムジャンプ&ボムタワーを使ってショートカットすることが公式ガイドブックで紹介されるタイムなどを平気でやってくる。
    • また、ボス(中ボス)戦のゴールドカードは一度に5枚全て入手する必要がある。4枚以下の場合、取得の記録こそ残るが取り逃し回収の際には持ち越されず、最初から全て取り直すことになる。
  • そしてやっと現れるワールド6も鬼畜の所業。
    • 普通にクリアするだけでもボムジャンプをするのが当たり前。できなければ落下して死亡、もしくはブロックが無くなって最初からやり直し。高難易度になるとリモコンなし、つまりちょっと待てば爆発してしまう爆弾を踏み台にしてジャンプするのが当たり前になる。焦って軌道がズレたりのんびりしすぎて跳んでる途中に爆弾が爆発すれば当然死ぬ。例えダメージを一回だけ無効にする「ハート」を持っていようとも、ジャンプに失敗すればもとの場所に戻れない位置取りになっていることが多いのでどの道自殺を強いられる。
    • こんな状態なので、ゴールドカードの回収難易度はこれに輪を掛けてひどい。公式ガイドブックでは「タイム条件を満たすためにラスボス第一形態は場外に落として即死させろ(意訳)」などととんでもないことを書いてある(つまり、普通に戦っていたら間に合わない)。ラスボスを即死させるのが公式かよ!?
  • 一部カスタムパーツの取得条件が鬼畜。
    • 具体的に言うと「高難易度で3時間以内にゴールドカードを120枚集めると自動入手」。要するにワールド6のゴールドカード回収も必須、しかもゆっくり集める余裕もない。*3単なるおまけ要素なのが救いか。

その他

  • ボンバーマンが色々と出来るようになったためか、シリーズおなじみのアイテムが軒並みリストラ。
    • 能力アイテムは『爆弾』『火力』『ハート』『リモコン』『パワーボム』しかない。ずいぶん減ったものだ。
    • 能力系以外、対戦専用のものを合わせてもかなり少ない。
  • ゴールドカードを120枚全て集めると、オプションに「フルパワー」という項目が追加される。これをオンにすると、最初から最大火力のリモコンパワーボムを使える状態でスタートできる。条件はかなり厳しいが、これを使ってプレイするとあっという間にヌルゲーと化す*4
  • 隠しステージを出現させると、他ステージのボス戦ではリモコンは自力で入手することになる(スタート時すぐ側にある)。当然落としたりしたら詰み。

総評

普通にプレイするだけでは表面をなぞるのが限界、真エンディングを見るためには相当のやりこみが必要というバランスはまさに鬼畜。
当時はネットも広まっていないことを考えると、攻略本抜きで全カスタムパーツを回収できたプレイヤーが果たして存在したのか疑問である。
とはいえ、癖のある操作性を使いこなせれば十分に楽しめる。 なお、続編に爆ボンバーマン2があるが、こちらでも自重していなかった。詳しくは該当記事で。