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新世紀勇者大戦 - (2011/07/05 (火) 03:37:22) の編集履歴(バックアップ)


新世紀勇者大戦

【しんせいきゆうしゃたいせん】

ジャンル シミュレーションRPG
対応機種 プレイステーション2
発売元 アトラス
開発元 ウィンキーソフト
発売日 2005年2月17日
定価 7,329円
分類 黒歴史ゲー
ポイント 万能すぎる主人公一家
ジェイデッカーと他勇者の差

概要

  • サンライズのロボットアニメ『勇者シリーズ』を中心にキャラクターが競演するスパロボに近いコンセプトを持ったゲーム。
    • 以前にこのゲームと同じく勇者シリーズが競演した『ブレイブサーガシリーズ』があるがこちらは今作の販売元でもあるタカラである。
  • 参加作品は勇者シリーズから『勇者特急マイトガイン』『勇者警察ジェイデッカー』『勇者指令ダグオン』『勇者王ガオガイガー』とエルドランシリーズの『絶対無敵ライジンオー』の5作品に本作オリジナル作品として『量子跳躍レイゼルバー』が登場する。
  • 2001年春の東京ゲームショーにて、コナミコンピュータエンタテインメントジャパン(KCEJ、現:コナミデジタルエンタテインメント)とタカラのコラボレーション作品としてでの発表が行われたが、その直後製作会社をKCEJからタカラに変え、しばらくの間情報が途絶え2005年にアトラスから発売された。
  • 勇者シリーズをCGで再現、という点に期待を寄せる人も多かったと思われるが…。

特徴

  • 大本と言えるスパロボから見て本作独自の要素として「バランス」「団結度」「勇者値」がある。
    • 「バランス」は「機体がどこまで踏ん張れるか」といったような要素で、攻撃や被弾で減少しバランスが低いと命中・回避が下がるだけでなく気力・ENが足りていても使えない武装も出てきたり、一部隠し勇者の加入にも関わってくる。敵味方両方に適用されるため本作の重要な要素となる。
      • 威力は低いがバランスを大きく削る武装なども存在する。
    • 「団結度」は必殺技で敵を撃破した際に敵のバランスを削った数値だけ増え、一定量以上だと敵と隣接してる味方が協力攻撃をしてくれるようになる。
    • 「勇者値」は主人公兆太のみが持つ要素で「勇者としてどう行動するか」で増減し、特に本作ではスパロボと違い防衛対象でなくともビルなどの建物に体力が設定されており、時には機体を犠牲にしてでも防ぐ必要がある。つまりは「街を守れない奴は勇者じゃない」って事である。勿論自分から建物を攻撃してはいけないため、敵が建物を背にしてるなど攻撃を躊躇しかねない状況などもでてくる。勇者値は合体技や一部武装の追加条件となる。
  • またパイロットだけでなく機体である勇者もレベルアップする。
  • 勇者シリーズのキモともいえる合体はCGムービーで再現され一部必殺技もムービーとなっている。
  • 世界観としては全て「平行世界」として扱われている。

問題点

  • シリーズ毎の格差が非常に大きい、というよりもジェイデッカー以外は再現率が低い。今作が黒歴史扱いされる理由の大部分を占めていると言ってもいい(残りは酷いCG)。
  • ほとんどの作品が最終回に相当する話に進まず仲間になる勇者の数もまちまちである。以下は作品ごとの問題点の一部である。
    • マイトガイン
      ライバルであるジョー(轟龍)が仲間になる一方で原作から勇者特急隊の一員である「トライボンバー」は登場せず「バトルボンバー」「ガードダイバー」は何故かゲスト参戦扱い。
      「マイトガンナー」はグレートマイトガイン・パーフェクトモードのみの登場でパーフェクトモードが登場するのは最終話の一話前と他のシリーズの最強形態に比べ極端に遅い(体力・強化パーツ装備数増、マップ兵器が追加されるだけで一気に強くなるわけではない)。
      マイトカイザーも原作では登場後はマイトガインと同時出撃が基本だったが今作ではどちらかしか使えず、グレートマイトガインの合体イベント以降は分離しない。
      隠しユニットは人気も高くブレサガシリーズでも仲間になったブラックマイトガイン。原作有数の悲劇エピソードでファンも少なからずいる胡蝶の二名。しかし上記の勇者特急隊がゲストなのを差し置いて(隠しではあるが)レギュラー参戦する為、おかしいのではとの批判もある。
      結果として他の勇者シリーズに比べてユニットが少なく、隠しの二名を除けば最終的に使えるユニットはグレートマイトガイン・パーフェクトモードと轟龍の二機のみ。
      合体ソング「レッツ・マイトガイン!!」「グレート・ダッシュ!!」が流れない。マイトガインを語るには欠かせない要素でこれが無いだけで今作をクソゲー扱いするファンがいてもおかしくないくらい重要な要素である。
      合体ムービーはマイトガイン、グレートマイトガイン。必殺技ムービーは縦一文字斬り、真っ向唐竹割り、パーフェクトキャノン。
    • ダグオン
      一応全員仲間(武器になるガンキッド、ライアン除く)になり合体ムービーも多いがスーパーファイヤーダグオンへの合体が原作とは展開が全く異なり盛り上がりも無く合体してそれで終わりである。強化パーツの装備スロットがグレート合体しても増えないためガオガイガーと同数で他の主人公勇者に比べ少ない。
      サンダーダグオンは登場時期も遅く武装が少なく気力も必要で使い道が無い。「トライアングルクリスマスビーム」の習得条件が非常にわかりにくく特にイベントもないため覚えたかどうかわかりにくい。
      ストーリーとして主人公の炎と同じく高校生であるマイトガインの舞人との関わりが取り上げられており、そのためラスボスにトドメをさした主人公でトドメ演出の展開が変わるがマイトガインとダグオンは台詞が多少異なるだけでムービーなどは使いまわしである。
      原作再現率の低さからアーク星人と決着がついただけマシなほうである。もっともその後のファイヤージャンボの戦線離脱の経緯が大幅に異なるのだが。
      合体ムービーはファイヤーダグオン、スーパーファイヤーダグオン、ライナーダグオン、スーパーライナーダグオン。必殺技ムービーはファイヤーライオソード、スーパーファイヤーメガ光波、無限砲、トライアングルクリスマスビーム。
    • ガオガイガー
      ゴルディマーグを除いたゾンダー編の勇者が仲間になる。勇者値に関わる地形を消滅させる事ができるディバイディングドライバーを持っていたり基礎能力も他の勇者より高いが強化形態「スターガオガイガー」が登場しない。そのため強化パーツの装備スロットが非常に少ない。
      これはストーリーがゾンダー編で終わってしまうためで同時に「激龍神」「ジェイダー/キングジェイダー」も登場しない。合体ムービーが少ないためかゴルディオンハンマーが合体・必殺技両ムービーに存在する。
      原種編は宇宙も舞台になるため地上が主軸の他のシリーズとの兼ね合いがあるともいえるのだが原種編の勇者が登場しない理由にはならない。
      合体ムービーはガオガイガー、超竜神、ゴルディオンハンマー(合体)。必殺技ムービーはヘル・アンド・ヘヴン、ゴルディオンハンマー(必殺技)。
    • ライジンオー
      唯一のエルドラン作品だが原作再現の部分が他の作品より非常に少ない。
      使用できるのはライジンオーのみ。バクリュウオーとゴッドライジンオーはライジンオーでラスボスを倒した場合のみ登場し操作できず「ハイパーサンダークラッシュ」はラスボス用トドメ演出である。
      合体ムービーはライジンオー、ゴッドライジンオー。必殺技ムービーはゴッドサンダークラッシュ。
    • ジェイデッカー
      スタッフにファンでもいたのか非常に優遇されている。他の作品がストーリーの半分程度も原作再現されない中ほぼ最終局面まで進み、「完成!ビルドタイガー」「デッカード殉職」「合体!ファイヤージェイデッカー」などの有名エピソードは軒並み再現されている。
      デッカード(ジェイデッカー)がオリジナル勇者レイザー(レイゼルバー)の親友になるなどストーリーにおける重要度も高い。
      ガオガイガーでラスボスにトドメを指すと凱が各主人公を思い浮かべるがその中に何故かファイヤージェイデッカーがおり、同じように心を持つ主人公勇者であるレイザー(ダイレイザー)、ガイン(グレートマイトガイン)は思い浮かべない。他の作品が中途半端な扱いのため非常に目立つ形となった。
      最終的に隠しのカゲロウを除けばマックスキャノンになる(ならなければそのまま操作できる)ガンマックスアーマー含めた全員仲間になる。なお武器勇者で仲間になるのはガンマックスアーマーのみ。
      合体ムービーは合体勇者全て。必殺技ムービーはマックスキャノン、ファイヤーソード・ローリングサンダー、バーニングファイヤーソード。
    • レイゼルバー
      このゲームオリジナルの作品なのだが、あちこちに謎を残したまま最終決戦まで進み、あげくラスボスまで死に際に伏線をはって逝く。
      続編でも作る気があったのだろうか?
      レイゼルバーに関わる那由他一家とライバルのガリオ・ソーンブラは全員なんらかのスペシャリストのためか専門用語が多く予備知識がないと理解できない要素が多い。
      やりすぎなぐらい万能な家系であり最年少のせつな(9歳)ですらGGG(ガオガイガー世界の組織、今作に登場する組織ではおそらく最高峰の技術力)を平気でハッキングして「セキュリティが甘い」と言い切れるレベル。家族で一番技術力が無いと思われる熱血主人公タイプの兆太でも科学知識は非常に豊富である。
      最強機体ダイレイザーは主人公機ということで非常に強力だが使用できるのが中盤2話と最終話一話前~EDと使用機会が少ない。因みに最終話直前の復帰戦の時は何をとち狂ったのか合体ムービーを流さず、それなのにムービー内に出てくる台詞をわざわざ喋るためテンポが悪すぎる。
  • 本作のウリとされているCGムービーだが、開発初期が2001年で発売が2005年と四年のブランクがあるが、ムービーが2001年相当と進化していないためチープに見えるものがある。特に合体ムービーは速度重視で「間」が短い。カットも可能でムービープレーヤーもある事から短いという意見が多い。
    • ジェイデッカー以外の作品はマイトカイザーやパワーダグオンなど人気勇者のムービーが無かったりする。
  • 攻撃演出はCGムービー、ポリゴン、紙芝居と三種類に分かれ質の差が非常に大きい。メイン必殺技(主人公勇者とガリオ機のみ)はムービーだがそれ以外の技は強力な技だからポリゴン、というわけではない。
    • 意味不明なところではOPデモでしか戦闘画面がないガインにポリゴンムービーが用意されている。それだったらマイトカイザーのドリルクラッシャーを…。
  • 合体技はレイゼルバー&各主人公機とグレートマイトガイン&ファイヤージェイデッカー、スーパーファイヤーダグオン&ガオガイガーだけである。
    • ENの消費などからあまり実用的なものではなく基本ロマン技なのだが合体の関係で1ステージでしか使用できない(合体技のムービーもそのステージでしか見えない)ものがある。
      • ダイレイザーが復帰するステージで初参戦するグレートマイトガイン・パーフェクトモードとの合体技など使わせる気すらあるのか怪しい。
  • 前述の団結度に関わるため必殺技を狙いたいがどれが必殺技かは実際に敵を撃破するまではわからない。
  • 原作で語られてないロボの型番や会社などが台詞に登場することがあるなどスタッフが原作をよく理解できてないような描写が複数ある。
  • フルボイスではなくボイスはまちまちで規準も不明。心なしかクロスオーバーの時音声が多い気がする。
    • 文章を飛ばしたいときにボタン連打する事があるが音声が入った場合はそれをキャンセルしないと次の文章に飛ばせない。
  • 中盤以降は攻撃力不足且つ必殺技を持たない勇者は足手まといになってしまう。隠しキャラであるブラックマイトガインやカゲロウがお荷物となってしまうのは非常に勿体無い。

評価点

  • 主人公兆太を始めとした那由他家とガリオ、ヒロインの美里、主人公機レイザーや敵のバリオース6騎士などのキャラは立っており他の主人公に埋もれたりはしないため異常なほど万能という点を除けば評価はそれなりにいい。
    • 上記の通り他作品の科学力を余裕で上回るなど「メアリー・スー」の要素を兼ね備えているがどこぞのミストさんのような事は無く性格面では十分溶け込めている。
    • ただこれだけ万能一家なのでストーリーが進んだという面もある。
    • ただしライバルであるガリオは中盤~終盤にかけてストーリーでは空気になってしまう。
  • レイザー、レイゼルバー各種、ダイレイザーの造形も「勇者らしくない」という評価が聞かれることもあるが主人公機らしい造形である。
  • 勇者や用語を参照できる辞典があり、意外と原作に忠実(だが、こちらでは正しいものが何故かゲーム中では間違ってる事がある)。
  • ムービープレーヤーがある。だが前述の通り作品でムービーの差が激しい。
  • 協力攻撃の時に追加攻撃をしてくれるキャラが音声有で台詞を言ってくれるが、その時に別作品の勇者の名前を読んでくれたり(全部ではない)とちょっとしたサービスがある。
  • 主題歌は好評。遠藤正明とMIQが歌っており、サントラやシングルが発売されていない事を残念がる声もある。

余談

  • 今作オリジナルの『量子跳躍レイゼルバー』は名に「勇者」を含めない事から「勇者シリーズに含むのか」と言う点で揉める事がある。
  • 『ブレイブサーガ』に登場する『勇者聖戦バーンガーン』を指すと思われる単語が登場する。

総評

「ブレイブサーガ以外で勇者が競演する」「CGで表現される」と言った要素から期待が高まりすぎた感がある。
ゲームシステムとしてはスパロボとは違う方向性を出そうと言う努力が見られるが、「勇者シリーズのキャラゲー」としてはエクスカイザー、ファイバード、ダ・ガーン、ゴルドランが登場しないなど物足りないつくりとなってしまった。 2005年に相応しいとは言いがたいムービーに作品毎の大きな差、多すぎる専門用語など「勇者・エルドランシリーズ」として期待してたファンとしては肩透かしを食らった形になる。
なお誤解の無いように言っておくとゲームの部分はスパロボに比べ勇者値などとっつきにくい面があるが、全滅プレイも可能など理不尽な難易度ではないため平凡といったところである。