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ファイナルファイトCD - (2013/03/02 (土) 04:16:04) の編集履歴(バックアップ)


ファイナルファイトCD

【ふぁいなるふぁいとしーでぃー】

ジャンル ベルトアクション
対応機種 メガCD
発売元 セガ・エンタープライゼス
開発元 A Wave
発売日 1993年4月2日
価格 8,800円(税抜)
分類 劣化移植判定
ポイント SFC版では削られた要素は健在
しかし、操作性、ゲームバランスは大幅悪化
延期の末に出した結果がこれだよ!

概要

傑作ベルトスクロールアクション『ファイナルファイト』のメガCD版。発売・開発はセガ。
セガからすれば、スーファミ版との差別化を図り、メガCDの性能を宣伝したかったところと思われる。しかし、その結果は残念無念なものであった。

評価点

  • SFC版と違いキャラは3人、2人同時プレイも可能
  • SFC版でカットされた4面の工業地帯を含むステージも全部再現。
    • 敵及びアイテムの配置及び種類も当然ながらAC版の物を再現。
  • 敵の出現数も最大で4人まで出現。
  • 上記に加え、新たにムービー形式のOPや制限時間以内にどれだけ敵を倒せるかどうか競う「タイムアタックモード」も追加。 …と見た目だけはSFC版を超えている様に見えるのだが…。

問題点

  • OPで声優を当てたキャラ全員がミスキャスト。
    • 特にファンの間で市長のあだ名で人気が高いハガーは筋肉質のイメージからかけ離れた置鮎龍太郎氏になっているので、かなり違和感がある。
      • ちなみに後に同氏は後に同じカプコンのPS2『戦国BASARA2』にて同じく筋肉質の豊臣秀吉の声優を担当。このことを思い出した人も少なからずいるかも知れない。
      • また、コーディーがガイと共に登場し、ファンの間でも有名な「せっしゃもすけだちいたす!」の一言がが有名なジムのシーンでの、ガイの「ジェシカァ!?」の間の抜けた一言は耳を塞ぎたくなるほどイメージに合っていない。
    • デモ画面では親切に音声でキャラ解説してくれるが、作品全体から溢れる緊張感が崩壊し、変に笑いを誘う。
      • 『好きな食べ物は、鮭茶漬けと冷や奴』
  • グラフィックの劣化。
    • 当時の家庭用移植では当然だが、グラフィックは劣化している。メガドライブは発色数が同世代の機種で一番少ないためさらに拍車をかけている。
  • BGMのアレンジが微妙。
    • 妙にカッコ良い1面地下道や、暗いメロディと明るいギターがミスマッチな2面地下鉄等、BGMのアレンジがどれもステージに合っていない様な物ばかりになっている。
      • ちなみにBGMをアレンジしたのはかの『スーパーダライアスII』で無駄にさわやかなアレンジを担当したT's Music。『スーパーダライアスII』といい、移植ゲームのアレンジに関しては失敗する事が多いのか…
    • 元がアーケード基板でメガCDに移植するんだから普通にFM音源使えば良かった物を……。
  • 操作性が悪すぎる。
    • パンチが遅すぎて全キャラがハガー化。
      • いくらボタンを連射しても秒間3発程度しか出せず、AC版で正面から止められたアンドレの体当たりを食らってしまう。
      • 元から振りが遅い鉄パイプや日本刀を使っての武器攻撃やハガーのパンチは、コーディーのパンチ以上に遅い。
      • 一応裏技でパンチの連射をONに出来るが、焼け石に水。
    • 操作感覚も難。
      • 斜めに入りやすいメガドラのコントローラーの所為で細かな操作が出来ず、操作感覚がやけに重い。本来のファイナルファイトの魅力を全く再現できていない。
    • メガクラッシュも出しづらい。
      • アーケード版のようにジャンプボタンを押しながら攻撃ボタンを押しても、メガクラッシュが出ない事があり、敵に囲まれた状態からまともに脱出できない。
  • 最低難易度でも難易度が高い。
    • 難易度最低のEASYにしても難易度が高い。特にAC版でも苦戦するハリウッドやエルガドといったナイフ使いはAC版以上に意地悪。
  • ハガーのみに存在するバグ。
    • ロキシー、ポイズンに引っこ抜きことバックドロップをかけると、頭を落下させた時に何故か打撃でダメージを与えた時のダメージマークが表示されてしまい、運が悪いとすぐに起き上がられて反撃を喰らってしまう。
    • ハガーはバックドロップが重要な技になっているキャラだが、このバグのおかげでハガーのプレイが辛い。特に5面前半のニューハーフ地帯ではバックドロップ厳禁と言える。
  • 誰得なタイムアタックモード
    • 移植に当たりタイムアタックモードも追加されたが、とって付けた様な内容で、存在意義が薄い。

総評

「大容量・高性能のメガCDで出す以上完全移植+αで当然だ!」と力んだ結果は「ごらんの有様」であった。
これをやれば、キャラ1人、2人同時プレイ、ステージ1箇所を削ってでも爽快感を重視したスーファミ版がいかにマシか解る。
後にPS2版『カプコンクラシックコレクション』にてほぼAC完全移植の『ファイナルファイト』が収録されたので、お勧めするなら断然そちらである。

  • セガによるカプコンゲームの移植と言えば傑作『大魔界村』や『ストライダー飛竜』等があるのにこの落差は何だ。
    • MD版大魔界村は完全移植ではないが、ゲーム性を損なわずに移植しているという意味ではFFCDの対極にあると言えよう。

余談

  • 本作は元々一週間前の1993年3月26日に発売される予定だったのだが、発売直前になり急遽1週間も延期になった経歴がある。肝心の出来はこのように中途半端で、本作を待ちに待ったAC版のファンはさぞかしショックを受けた事だろう。