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AKIBA'S TRIP - (2011/11/08 (火) 05:55:08) の編集履歴(バックアップ)


AKIBA'S TRIP

【あきばず とりっぷ】

ジャンル アクション

対応機種 プレイステーション・ポータブル
メディア UMD 1枚orダウンロードソフト
発売・開発元 アクワイア
発売日 UMD版:2011年5月19日
DL版:2011年7月6日
価格 UMD版:5,670円
DL版:4,500円
レーティング CERO:C(15歳以上対象)
分類 バカゲー判定
ポイント アキバでストリップ


概要

  • アクワイア発売・開発のソフト。
  • リアルに再現された秋葉原にて、「カゲヤシ」と呼ばれる吸血鬼を 服を剥いで倒す (正確には、裸にすることで直射日光を浴びせて倒す)という、誰がどうやったら思いつくのか分からないバカゲー*1
  • タイトル名もゲーム内容も色々な意味でネタに走っており、発売前から各メディアで色々な意味で期待されていた*2作品だったのだが……。

問題点

ソフト本体の問題

  • 携帯機なのにやたらとローディングが多い。店に入ったり、エリアを移動する度に頻繁にローディングする。酷い時にはローディング時にフリーズしてしまうことも。
  • ロード時間を減らすためのデータインストール機能には対応しているが、インストールデータは5分程度でインストールが完了するほど小さいもの*3で、ほとんど役に立っていない。インストール後もほとんど変わりがない。
  • さらにやたらと処理落ちして動きが遅くなったり、酷い時にはロードが間に合わず移動中に突然人や敵が出現することもある。

アクション性の問題

  • 最近のアクションゲームでは大抵付いているはずの、自由に攻撃対象を切り替えられるロックオン機能が無い。基本的に近くの敵に勝手に狙いを定め、攻撃を喰らったりした際にその方向に勝手に振り向く。
    • こういったゲームはそれほど多くないものの、本作ではそのせいで「攻撃したい相手を攻撃できない*4」「攻撃したくない相手に攻撃を当ててしまう」「逃げようとしても正面を向けない(向こうと思ってボタンを押すと敵の方向にふり返る)」などといった致命的な欠点に繋がっているため無視できない。思うようにいかず、プレイヤーにストレスを溜めてしまうのである。
  • カメラワークも最悪。Rボタンを押せば正面を向けるのだが、一部シーンでは効果がない。それどころかメチャクチャにカメラが動き回ってプレイに支障が出る事もある。
  • 攻撃を喰らった際の無敵時間など全くと言っていいほど無い(存在していない?)。そのため一度攻撃を喰らうとたちまちボコボコにされてしまう。大抵のゲームでは無敵判定が生じる起き上がりながらの攻撃も、本作では敵の攻撃を喰らうとあっさり潰されてしまうどころか倒れてる最中にも攻撃が当たってしまう。さらに酷い時には大勢の敵に身動きもできないままタコ殴りにされ、服が破けてゲームオーバー……などということもよくある。特に本作では1対複数の戦いが多い為この事象は頻繁に起こる。
  • 攻撃技も若干出しにくく、そして当てにくいのが多い。威力は高く隙が大きいガード不可能攻撃も、あまりの出しにくさと隙の大きさに1対1では間違いなく決まらない(乱戦時でも攻撃がかすった程度で呆気なく止まる)他、うっかり暴発してしまうこともある。代わりにボコボコにされている時に敵からこの技を正確に喰らうことは多く、理不尽感が増している。
  • 動きも全体的に格好悪い。特に素手による下段攻撃。下段攻撃といえば普通はローキックのようなものを想像するが、本作ではなんと「体を前に屈めて敵の足元を殴る」というもので、実際見ると結構ダサイ。さらに攻撃を喰らって吹っ飛ぶ際も明らかに不自然な動き(空中で犬かきしながら吹っ飛ぶ、と言えば分かりやすい)である。

ビジュアル面の問題

  • 登場キャラはみんな3Dグラフィックなのだが、非常に出来が悪い。
    • 表情は一切変化せず、画質も粗くて脱がせても色気の欠片も感じられない。さらに動作もカクカクしており、まるで一昔前のポリゲーのような出来。
    • (特に主人公は立ち絵は地味な青年といった感じだがゲーム内ではダルそうな顔をしたツンツンヘアーである)
  • 誰の服を剥いでも、下着はキャラモデルのままで固定。人ごとに違う下着なら良かったのに。
    • 服は自由に着替えられるんだから、下着も自由に着替えられる仕様でもよかったはずだが…。
    • 一応主人公の下着は変更可能なのだが、「主人公が下着になる=ゲームオーバー間近」なので、特に意味はない。
  • 周回プレイ時には主人公を女性にする(モデル変更で女性キャラにする)ことが出来るが、イベントや台詞は変化しないのでほとんど意味がない*5。妹は「お姉ちゃん」と呼んでくれるが、ある条件を満たすと見れる妹エンドでは「お兄ちゃん」に戻っている。さらに装備品の性能も男女差が少なく、細かいところの配慮が行き届いていない。
    • キャラモデルにはおっさんやおばさんといった使いたくないキャラも追加される。ちなみに作中ではストーリーイベントにより半強制的に女装をするところがある。まずいないと思うが、キャラモデルにおっさん系を選んでしまった時は……
    • 何故かゴンちゃんにキャラモデルを変えることは出来ない 道行くおっさんや高校生にはなれるのに何故…
      • これは妹も同様。レアな服を入手するためには便利なのだが…。
  • 吸血鬼を脱がすと恥ずかしがる事も無く、太陽の光にやられて化け物のような断末魔を上げつつ灰と化して消えていく。折角美麗なキャライラストを用意し、設定も様々だというのに、これでは萌えもクソも無い。

その他の問題

  • ゲームの重要な要素の一つであるカメラ撮影は基本的にいつでもできる。が、撮影対象に近づきすぎると何故か映らない。さらに縦にしての撮影も不可能。
  • 何故かプロローグの会話だけがフルボイス。他は全てボイス無しなのに、何故ここだけフルボイスにしたのだろうか?
  • 本作はマルチエンディングなのだが、エンディングに関わる選択肢は終盤しか出ない。そのため周回プレイでも序盤から中盤は全く同じことを繰り返させることになり、段々作業ゲーじみてくる。(序盤からの選択肢の選び方によっては特定エンドへ行くための選択肢の項目が消滅することがある。)
  • 上記のローディング時にフリーズバグ以外にも、様々なバグ・不具合が確認されている。

評価点

  • 『ベン・トー』のアサウラ氏がシナリオ執筆という触れ込みのとおり、ストーリーは短めながらもバカゲーとは言えないほどにしっかり作り込まれている。何度もプレイして明らかになる謎や登場人物の内面も多く、奥が深い。
  • 敵の服をはぎ取る「ストリップアクション」も、単純でこそあるがやり込み次第で一度に多くの敵の服をはぎ取ることができ、なかなか気持ちいい。
  • 服や武器は好きな物を持ち歩くことができる。好きなキャラの見た目を好きな風にいじるだけでもなかなか面白い。
  • 秋葉原の再現度はかなり高く、ただ歩いているだけでも本当に秋葉原を歩いているような感じになれる。とらのあなのテーマソングや「カレーパンの歌」といった音楽もある。現実同様に絵画を売りつけてくる人までいる。
  • ネタ要素が非常に多く、他ゲームのパロディや魔法少女、かの「邪神モッコス」のパロディなどもあり、知っていると思わずニヤリとしてしまう。

総評

  • もう少ししっかり作り込まれていたなら、評価はもっと上がっていたと思われる。良バカゲーに成りうるだけのポテンシャルを秘めていたのに色々と残念な部分が目立つ作品となってしまった。ファミ通のランキングでも1位を取った事があるだけになおさら残念である。
  • 本作のことを表現するなら「材料は良かったが、調理がうまくいかなかった」といった感じである。