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怒 (FC) - (2013/03/09 (土) 10:50:41) の編集履歴(バックアップ)


【いかり】

ジャンル アクションシューティング
対応機種 ファミリーコンピュータ
発売元 ケイ・アミューズメントリース
開発元 マイクロニクス
発売日 1986年11月26日
分類 劣化移植では済まないクソゲー判定
ポイント このゲームそのものに「怒」

概要

本作は業務用で人気を博したトップビューアクションシューティング『怒』(SNK)のファミコン移植版である。ラルフ大佐とクラーク少尉*1が、秘密結社を名乗る悪の組織の壊滅を目指すという設定。全4面。

十字キー+2ボタン(ショット、手榴弾)で操作。

道中に置いてあったり、建物を破壊すると出現するアイテムを取るとプレイヤーがパワーアップする。道中に置いてある戦車に乗ると、敵の機銃では一切ダメージを受けなくなるが、爆発攻撃を受けたり、燃料切れになるとその戦車は爆発してしまうので、爆発に巻き込まれる前に降りなければならない。

問題点

本作の移植を担当したのは悪名高いマイクロニクスであり、業務用のプレイ感覚は全く再現されておらず、難易度も業務用に輪をかけて理不尽な高さになっている。正直、敵の出現位置、出現パターンを完全記憶して何とかまともに攻略出来るというレベルである。

  • 業務用のループレバーによる操作は再現されておらず*2、プレイヤーのショットはプレイヤーが向いている方向にしか撃てない。つまり、後ろに下がりながら、左右に動きながら前方に撃つ、といったことは出来ない。
  • 主人公の動きは常時処理落ちしているかのように遅い。業務用も決して機敏とは言えなかったが、本作はとにかく遅い。その癖、敵兵士はやけにちょこまかと動いてこちらを狙い撃ちしてくる。
  • 戦車に乗れば敵の機銃攻撃は効かなくなるので楽にはなる。というより、戦車は命綱に等しい。激戦区では戦車を失う=ゲームオーバーと言っても過言ではない。
    • 川を渡る場面があるが、戦車は川には入れないので、乗り捨てていかざるを得ない。ただでさえ遅いプレイヤーの動きがさらに遅くなるので、突破は困難を極める。
  • マイクロニクスのゲームにはよくある事だが、本作は処理落ちが非常に酷い。画面上にキャラクターが3人ぐらい出るともうチラツキが起きる有様。
    • というか、何が処理落ちで何がもともとの仕様なのかもはや分からない。
  • 兵士の服が単色であるなど、グラフィックも非常にのっぺりとしている。BGMも単音で非常に寂しい。

評価点

  • ゲームオーバー表示中に、ABBAとボタンを押すと何度でもその場でゲームを再開できる裏技がある。と言っても、3面と4面のスクロールストップ画面では使えないので、この裏技ありでもクリアできるかどうか怪しい。
  • 道中に置いてあるヘリコプターに乗れるという本作独自の要素がある。と言っても燃料の減りは戦車と比べると異様に激しいし、燃料を補給する手段も無いので、ほんの一時しのぎにしかならない。
  • 2人同時プレイ出来る。

本当にテストプレイしたのか、と疑いたくなるような操作性、難易度。「怒」はこのソフトに対するプレイヤーの感情だろう。
本作発売から大分年月を過ぎたがPSP『SNKアーケードクラシックスゼロ』でAC版がプレイできる為、本作及び他のマイクロニクスによるSNK作品の移植の存在意義は無くなった(ただし、この移植版も2人同時プレイが出来なかったり、ループレバーの操作を完全に再現出来て無かったりと良移植とは言い難い)。
ちなみに本作パッケージイラストを担当しているのは漫画家のたがみよしひさ氏。ミリタリーものの漫画を多数手がけてきた漫画家だけに格好よさは抜群なのだが、肝心のゲームの出来が悲しいことになっているだけに不憫。