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ヨッシーアイランドDS - (2013/06/03 (月) 18:23:05) の編集履歴(バックアップ)


ヨッシーアイランドDS

【よっしーあいらんどでぃーえす】

ジャンル アクション
対応機種 ニンテンドーDS
発売元 任天堂
開発元 アートゥーン
発売日 2007年3月8日
価格 4,800円(税込)
プレイ人数 1人
セーブデータ 3個
レーティング CERO:A(全年齢対象)
分類 シリーズファンにとって黒歴史
ゲームバランスが不安定
ポイント 世界観に似合わぬ難易度
微妙なグラフィックとBGM
ラスボスのスカシっぷり
マリオシリーズ・関連作品リンク
ヨッシーシリーズリンク


概要

  • スーパーマリオ ヨッシーアイランド』の正統な続編。前作から12年もの空白があった上での突然の発表はファンを大いに驚かせた。
  • 絵本のような絵柄など前作の世界観はそのままに、今作はヨッシーはベビィマリオ、ベビィDK、ベビィピーチ、ベビィワリオ、ベビィクッパの5人を背に乗せ、各キャラが持つ力を利用してヨッシーアイランドを冒険する。
  • ベビィDKは時期的に考えるとクランキーコング(初代ドンキーコング)の方と思われるが、姿は二代目に近く、公式ではどちらか明かされていない。

前作からの変更点

  • ヨッシーアクションの効果音がヨッシーストーリーで使用されていたヨッシーの声になった(実際にはGBA版ですでに変更済み)。
  • 乗せるベビィを変えることでヨッシーのアクションが変化するようになった。ただ、このシステムを入れたいがために劣化した部分もある。
  • ステージ数が(8+1)×6=54(GBA版では(8+2)×6=60)から(8+2)×5=50に減った。
  • スイカが廃止された。
  • スペシャルアイテムが廃止された。
  • モーフィングの数が前作の5つから3つに減った。そのうちの「せんすいかん」は魚雷が撃てなくなった。
  • ミニゲームはボロドーとのバトルからヨッシーアクションを元にしたものに変更され、数も4つから5つに増えた。
  • ボーナスチャレンジが6つから5つに減り、前述のスペシャルアイテムの廃止に伴い景品が残機増殖に変更された。
  • キャラクターコインと呼ばれる新アイテムの導入。1ワールド内のキャラクターコインを全て取るとミニゲームのハードモードが解禁される。なお、コインに描かれているキャラ(マリオ・ピーチ・DKの3人)を乗せていないと出現せず、タマゴで取ることは不可能。
  • ヨッシーの舌がスライディングで貫通させる裏技ができなくなった。
  • タマゴ投げの最大バウンド数が3回から2回に減った。さらに、緑→黄色→赤に変わるに従ってバウンド回数が1回ずつ減るようになった(つまり赤は一度壁にぶつけると終わり)。ピーチやDKを乗せている場合はバウンドしない。
  • 普通のコインと赤コインの見た目上の違いが全くなくなった。

問題点

  • 異常なまでの難易度の高さ(100点はおろかクリアするだけでも難易度が高い)
    • 具体的には、即死トラップの増加、意地悪な敵配置(特にムーンサルトヘイホー)、初見では気付きにくい仕掛けなど。
    • ミニゲームやボーナスチャレンジの景品が残機のみになったのもこの難易度上昇の裏返しなのかもしれない(しかしスペシャルアイテムはあるに超したことはないのでやはり…)。
    • 初見殺しも多い。ベビィごとにアクションが変わるので特定のベビィでないと詰んでしまうステージがある。
      • 例えばピーチのパラソルによる飛行が必要なステージがあるが、他のベビィでは無条件で落下死である。
  • プレイの爽快感の減少
    • ゲームフィールドの表示部分が上下の画面を2つとも占有するするほどだだっ広いため、両方に気を遣わなければならない上に、状況によってはカメラを上下にずらさなければならず、煩わしいと感じる人もいる。そのせいで、例えばプロペラヘイホーは出てきたことに気付かないまま逃げられるということもザラ。
      • 2画面の間にある枠部分に隠れて見えない部分がある。
    • 一部キャラやエフェクトのモーションが俊敏さに欠け、若干もっさりしている。
    • 足場が微妙に高い位置に配置されていることが多く、いちいち踏ん張りを駆使する必要がある。
    • マリオを乗せている場合はダッシュができるが、Bボタンを押しっぱなしにする必要がある上に逆にマリオ以外ではダッシュができないので、前作をプレイ済みだとそこのところ煩わしい*1。また、Bボタンは食べるアクションでもあるため、歩行中にダッシュを始めようとすると足が止まってしまう。
    • 前述したようにピーチとDKを乗せているとタマゴがバウンドしないが、DKの方は着弾点で爆発して広範囲を攻撃できる。一方ピーチの方は弾速が遅くなっている上、破裂した時の特殊効果もないので使い辛い。
  • ステージ構成の悪さ
    • ステージ数が減った分1ステージを長くし、2画面を生かして縦にも長いステージ構成になった。それに対して赤コインとフラワーの最大配置数はスコアシステムの関係でそれぞれ20と5で固定であるため、アイテムの密度が薄くなって余計に冗長に感じる。
      • その赤コインとフラワーも偏って配置されている場合がある。また、それらがヘイホーが出てくる土管の中に隠されていることもあってかなり意地悪。
    • また、前述したように今作では普通のコインと赤コインを見た目で判別できなくなったため、総当たりを要求され非常にだるい。後述のスペシャルアイテムの廃止もこのことに拍車をかけている(この例では見破り虫メガネが該当する)。
    • さらに、1ステージのエリア間は一方通行で戻ることができない(前作では原則前のエリアに戻ることは可能だった)。そのため、赤コインやフラワーの捜索が非常にシビアなものとなっており、自力でパーフェクトクリアを目指す場合は途方もない労力を求められる。
    • 強制スクロール面が多い。ただでさえ長いステージがさらに長く感じる。
    • あるステージではたまごリフトに乗って即死トゲ地帯を進むのだが、タマゴの使い方を1回でも間違えると詰んでしまう。
  • 一部ボスの凶悪さ
    • 4-4のボス「プーリーボス」はサンボを吐き出して攻撃するのだが、最終的には6つの顔全てが吐くようになるため、サンボの雨になってよけるのは困難。そんな中でリフトを回してボスの本体を引きずりおろす必要があるので非常に辛い。
    • 5-4のボス「ビッグデブあほーどり」は空中戦になるのだが、ボスの体以外に全く足場がないため、ヒップドロップを1回でもはずすと落下ミスしてしまう。
  • ラスボスの正体
    • ベビークッパが仲間になるという発売前情報を聞いた時、「じゃあラスボスは誰!?」と思ったユーザーもいたはず。しかし、ラスボスは現代からタイムスリップしてきたクッパであり、新キャラを期待していたユーザーを見事に裏切った結果となった。
      • 同じくクッパが仲間になる「スーパーペーパーマリオ」では、一発キャラのノワール伯爵やディメーンがボスだったのに、どうしてこうも扱いに差が付いたのか…。
  • グラフィックの問題
    • ヨッシーやヘイホーなど一部のキャラはドットの打ち直しが行われたが、その他大多数のキャラは色が塗り直されている程度。ごく一部全く変えずに使い回されているキャラも。また、打ち直されたキャラも一部劣化が見られる。
    • 背景や地形はバリエーションが大幅に増えたものの可もなく不可もないといった感じ。前述のキャラもそうだが、前作が特に美麗だから比較されていることもあるのだが。
      • また、ワールドに似合わない地形タイルが当てられているステージが一部あり、特に最終ワールドであるワールド5はそれが顕著であり、難易度の高さもあって非常にアンバランスに感じる*2。ヨッシーアイランドの暖かい世界観を守るあまりの結果か。
    • ただ、タイトル画面の島やステージセレクトのメニューはなかなか雰囲気があって評価に値する。
  • サウンドの問題
    • 音質は向上したものの(ただ前作の時点で結構高音質なのだが)、BGM自体の質は今一つ。
      • 特に洞窟・お城・無敵のBGMは明らかに劣化している。洞窟は前作を知っていなければともかく、無敵は歴代のメロディですらない。お城に至ってはは単調かつ地味な音が繰り返されるのみであり、眠くなってくる。ステージ構成に殺気が感じられなければともかく基本的にどこも本気で殺しにかかってきているので全く合っていない。
      • そうでなくてもBGMの一部は(一メロディの変奏であることもあって)妙に似通っており、しかも使用箇所に統一感がないため、作り分けた意味がわからない。
      • ボス曲についても、テンションや緊張感がほとんどなく、いまいち士気が上がらない。
      • 批判すべき点ではないが、全体的にマリンバ(カリンバ?)を多用しすぎである。
      • ただ、タイトルや荒野など好評なBGMもいくつかある。
      • 初代のBGMが名曲揃いだったとも言える。なお、本作のBGMの作曲者はアニメ版遊戯王シリーズのBGMを担当している蓑部雄崇である。印象の違いはこれによるものかもしれない。
    • 効果音はどうも稚拙なものが多い。
      • 例:ビッグワンワンの音は前作ではドスドスとド迫力だったのに対して今作ではプ~ンプ~ンと何だか間抜けである。
      • 敵が地形にバウンドする音は結構響くためイヤホンで聴くと耳障り。また、タマゴフラワーやサンボフラワーが弾を吐き出す音がやや汚らしい。
      • 一方、炎やモグラタンク、回転リフトなど前作より上質な効果音も多い。
      • ベビィの泣き声も複数キャラを登場させるため変更されているが、どれも聞き苦しい。泣き声というより喚き声に近い。
  • スペシャルアイテムの廃止
    • これにより、タマゴの補充や敵の一掃、ゴール直前での足りないスターのおまもりの補給が不可能になり、難易度の高さに拍車をかけている。かといってスターのおまもり補給用に赤タマゴを作ろうにも前述のバウンド数減少により(赤色になった時点では上に飛ぶため)受け止めにくく、作ったとしてもハテナ雲やメッセージブロックではなく敵に当てなければスターのおまもり(に限らず黄タマゴのコインも)が出てこない
      • ちなみに、とあるステージではスターのおまもりが出るハテナ雲が全て隠しハテナ雲になっている。下から溶岩が迫って来るため、ゆっくりと探す暇はなく、100点を狙うのが非常に困難。
  • その他
    • 2画面構成故にかなり高い位置にアイテムが配置されていることが多いが、正直狙いにくい。
    • アイテムを高所から落とすと高くバウンドするため、非常に回収しにくい。
    • 変身できるものが減ったうえ、潜水艦は魚雷が撃てなくなり登場は一回きり。モグラタンクも方向転換がしづらかったり上に進もうとすると落ちたり、操作性が悪くなっている。
    • タイムアタックモードは、ボーナスとして集計時に道中のアイテムを取った数に応じてクリア時間を引かれる*3のだが、普通にプレイするとスターのおまもりは最低10個所持してクリアする事になるので本来のタイムが記録される事はまずない。それはタイムアタックと呼ぶのだろうか。
      • 一部ステージではクリアタイムがマイナスになるという珍事も起きる。
    • 仕方のないことではあるが、タイムアタックモードでは中間ゲートを潜った後でミスしても始めからやり直す事になる。死にゲーと化した本作でこの仕様は辛い。というか中間リングが配置されている意味がない。
    • ワリオとクッパが使えるのは一部ステージのみ。とはいえゲームバランスを崩さないためなのでここは目をつむるべき。
    • ミニゲーム終了時の演出がメダルの表示のみで、残機が増えたとはわかりにくい。

評価点

  • タイトル画面が美麗
    • 前作のタイトル画面は島の各オブジェクトが平面で構成されていたが、今作では3Dのトゥーンレンダリングで構成されている。
    • ただ、前作のようなワールドをクリアするたびに城を爆破するという描写はなくなった。
    • しかし、肝心の中身が鬼畜難易度なために逆にタイトル詐欺になっている感がある。
  • ヨッシーパークの実装
    • これにより、普段じっくりと見る機会の少ない敵キャラを存分に見ることができるようになった。
    • ただ、開放するにはタマゴを当てる必要があり、タマゴの無駄撃ちを誘発させることとなった。また、状況的にタマゴを当てることが不可能な敵は会うだけで開放されるが、ロケットヘイホーだけはなぜか開放されない。*4
      • しかし、完成時の演出はしょぼい。苦労したのに・・・
  • ドットの打ち直しによりヨッシーの書き込みが深くなり、きれいに動くようになった。
    • これが上述の「もっさりしている」に繋がるわけだが・・・
  • 仕掛けのバリエーションが増え、攻略の楽しみが増えた。
    • ベビィ毎に対応する仕掛けの他、的にはめ込むことで道が開く「すうじだま」、溶岩を渡る「たけうま」、荷重をかけている間だけスイッチが入る「乗っかりスイッチ」など。
    • その一方で「石像リフト」など制御の難しい仕掛けも多い。
  • ひみつステージに黒ヨッシー、スペシャルステージに白ヨッシーが当てられた(前作では緑ヨッシーのみ)。

総評

前作経験者からは「ヨッシーアイランドの皮を被った何か」と評され、未経験者からはそれなりの評価を受けている。
やはり最大の汚点はクオリティの高い前作と比較されたことであろう。それを再現するにはアートゥーンは力不足だったといえる。
このように前作をプレイした事があるかないかによって評価が大きく変わるゲームである。


余談

  • ロケットを操作して移動する場面があるが、遅い上に障害物に当たると即爆発し、中に乗っていたヨッシー達は跡形も無く消え去る。某世界のポンコツロケットに勝るとも劣らない脆さである。しかも爆発のエフェクトはなく普通に消えるだけ。
  • 1-8のボス「ビッグブツブツくん」が人によっては不快に感じるデザイン。倒した際の演出もなかなか狂気じみている。
    • ザコ敵のブツブツくんもただ振り子のように揺れるだけだが、その時の音が気持ち悪い。
  • 前作にも登場したひまわりがなぜかにやけた顔になっており、ちょっとウザい。
  • プロデューサーにはなぜか『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』のキャラクターデザイン及び『ソニック・ザ・ヘッジホッグCD』のディレクターである大島直人が担当している。このことが開発の方針に影響してしまったのだろうか?