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聖刻1092 操兵伝 - (2012/07/26 (木) 19:13:41) の編集履歴(バックアップ)


聖刻1092 操兵伝

【わーす 1092 そうへいでん】

ジャンル RPG
対応機種 プレイステーション
発売元 ユタカ
開発元 ?
発売日 1997年11月6日
定価 通常版:5,800円
初回限定生産版:9,800円
分類 クソゲー判定
ポイント 仮面めんどくせー
金溜め辛い
演出考えろ


概要

千葉暁の小説『聖刻1092』を原作とするRPG。原作小説の第1・2巻をほぼ忠実にゲーム化している。
つまりキャラゲーなのだが、なぜかパッケージも説明書も、原作の存在に付いてまったく触れていない。

特徴

  • まず原作の主要キャラであるフェン、クリシュナ、ガルンの3人の中から1人を選び、そのキャラを主人公としたシナリオをプレイする。
    • 一部のイベントは、フルボイスで行われる。
  • 戦闘は、常に巨大ロボットである「操兵」に乗った状態で行われる。
    • 最高3人パーティだが、コマンド入力できるのは主人公のみで、他2人は常にオートである。
    • ライブ・ア・ライブ』の様に、敵との距離の概念がある戦闘システム。1ターンごとに行動できる回数が決まっており、それに応じて移動・攻撃を行う。

評価点

  • OPや、一部のイベントで流れるデモはフルCGで、当時としてはそのレベルは高い。操兵の動きもスムーズである。
  • グラフィックやBGMは、原作小説の雰囲気にマッチしている。
  • マップ上での主人公の移動スピードは速い。更に町の中のみだがダッシュを行う事もでき、文字通り疾風の如く駆け回る事ができる。

問題点

戦闘関連

本作の成長システムは、「経験値によるパイロットのレベルアップ」「鍛冶屋で武器・パーツを交換して強化」「操兵の『仮面』に『聖刻石』を埋め込む」の3種類から成り立っているが、これが問題だらけ。

  • 仮面には聖刻石という石が64個埋め込まれており、この埋め込む場所と石の種類の組み合わせによって様々な特殊能力を得られるのだが、この石には寿命があり、戦闘を行う度に擦り減って行く。通常攻撃でも退却でも消費される。1度寿命の尽きた石は復活しない。
    • 石を手に入れるには、特定のイベントを除くと、敵が戦闘後にランダムで落とす仮面から埋め替えるしかない。ドロップ率自体はそれほど低くは無いのだが、入手できる石の色や寿命はバラバラである。
    • 組み合わせによって得られる特殊能力は、属性攻撃無効やHP自動再生など強力なものが多い。一方逃走不可能入手経験値半減といったとんでもないマイナス能力もある為、一度便利な能力を得たらそれを維持し続けたいところだが、上記の通り石の入手法そのものが不安定の固まりなので…。
    • そもそも64個所も置き場所のある石の組み合わせなど、とても覚えていられるものではない*1
      • なお寿命の尽きた石は「灰色」と説明書に書かれているが、どう見ても黒である
    • 原作では仮面の寿命は100年程度はあり、そんなにすぐに消耗したりはしない。そもそも仮面から聖刻石を取り外したならその時点で仮面は「死んで」しまい、一度死んだ仮面は復活する事は決してない。つまり完全に原作を無視したシステムなのである。
      • なお説明書には「石は仮面から外すと効力を失うので、石だけアイテムとして持っていく事はできない」とある。つまり予備として持ち歩いたり、敵に応じて付け替えたりはできないのである。なぜ余計な所だけ原作に合わせるのだろうか。というか「外すと効力を失う」物をそもそもどうやって交換しているんだ?
  • パイロットの能力は、1ターンにおける行動回数と、操兵の能力に対する「補正値」のみ。従ってレベルを上げるだけでは、行動回数が増えない限りはそれ程有利にはならない。
    • しかもレベルアップの必要経験値がやたらと高く、なかなか上がらない。
    • 魔法や必殺技は、イベントや宝箱から入手する為、新しい場所へ行かない限りはまったく増えない。
  • 装備品の交換は、あくまで「交換」なので、余った装備品を仲間に渡す事もできない。
    • 敵を倒しても、仮面以外のアイテムや金は落とさない。金はイベントや宝箱からも入手できるが、それ以外で稼ぐには道具屋で売られている「交易品」と呼ばれるアイテムを利用するしかない。
      • これは売る以外に使い道が無いアイテムだが、買値と売値が町毎に違う為、差額で儲ける事ができる。しかし、どの町で何が高く売れるかなどという情報は全く無いので、博打で買うしかない。『ドラクエ』のルーラやリレミトに当たる手段は存在しない為、高く売りたければ長いダンジョンを抜けた先の町に行かなければならない…なんて事まである。
      • しかも余計な事に、アイテムは1種類に付き9個までしか持てないので、1度に稼げる額にも制限が付いてしまう。
    • 敵の仮面は、石を交換せずにアイテムとして拾えば売る事はできる…という触れ込みだが、1度交換画面を開いた途端、石をまったく交換していなくても、アイテムとしては持っていけなくなってしまう。前述の通り石は消耗が激し過ぎる上に何が手に入るか判らないものだから、交換画面を開かずにはいられない存在だというのに…。
  • 敵の強さもメチャクチャ。HPが3500しかない時期に1ターンに7回も8回も行動し、1700ぐらいダメージを与えてくるザコが当たり前の様に出てくる。HPは店で売られている装備品によって決まるので、「その時点でのHP」はどうしても決まり切ってしまう。
    • 仮面による特殊能力次第では、どうにかなるかもしれない。結局本作における戦力とは仮面がほぼ全てであり、レベルや装備品は補助的なものに過ぎない。しかしその仮面がよりによって1番不安定なので…
    • そしてエンカウント率もやたらと高い。しかし逃げても石は消耗する…。
  • 石の組み合わせによって「剣質」という特殊能力も変化するのだが、これの効果説明は説明書を含めてどこにも無い。技や魔法の効果説明も同じく。
    • 強力な攻撃を使うには、MPに当たる「冷却水ポイント」を消費するのだが、必要消費ポイントも表示されない。
    • 「戦闘での行動に応じてどの石を消費するかが違う」との事だが、どの行動がどの石に対応しているかはやはり説明が無い。

それ以外

  • メッセージの句読点や改行の位置がおかしく、読み辛い文章が多い。
  • 操兵で移動するフィールドやダンジョンでは、1歩歩く毎に大きな足音がガシャンガシャン鳴る。うるせえ
  • OPデモの前半はセルアニメーションかつフルボイスによるものだが、BGMがうるさくて声が聞き取れない
  • 世界地図を見る事ができるコマンドが存在する。町や、次に行くべき目的地は表示されているのだが、肝心の現在位置が表示されない。地図上では山や森の表示もアバウトなので、ダンジョンを抜けて新しい場所へ付いた時などは混乱する事もあるだろう。
  • 宝箱には、開けた後に画面を切り替えると蓋が閉まっているものもある。中身は空っぽのまま。
    • 更に、開けたのにグラフィックでは蓋が閉まったままという箱まである。ファミコン並みである。
  • セーブには3ブロック使用するが、1つのメモリーカードに1か所しかセーブできない。絶対仮面のせいだ。なお町でしかセーブはできない。
    • 長いダンジョンを苦労して抜け、そこにあった町でセーブしてみたが、石は消耗していて、店ではろくな装備が売られておらず、次の町に行こうにも敵は極端に強くなっており…なんて事も大いに起こり得る。八方ふさがりである

特典「仮面成長シミュレーター」

本ソフトには、通常版の他に初回生産限定版が存在しており、これには操兵の「仮面」の模型と、その裏面に配置できる聖刻石(BB弾サイズのプラ玉)が同梱されていた。

  • ゲーム上における主人公の仮面と同じ様に玉を配置しておき、ゲーム中に石を入れ替えてその効果が気に入らなかったら、特典の配置を見直して元通りに並べ直しなさい…というえらく使い道の狭そうな特典である。
    • そもそも、元の位置に戻そうにもどんな石が手に入るかはランダム(以下略)。
    • 玉をはめる穴自体が浅いので、ちょっとした衝撃でも玉は転がってしまう。
      • 玉の入っているケースはプラスチック製だが、蓋がきつくて妙に開けづらい。玉が勝手に転がり出す心配は無いが、蓋を開ける時にひっくり返しそうな構造でもある。
  • この他、玉をコマにした対戦ゲームもできるという触れ込みなのだが、プレイする人がいるかどうか微妙なものである。そもそも玉は、コマにするには小さすぎて扱い辛い。
  • 仮面は樹脂製で、ウェザリング(汚し塗装)も入っており、質感自体は良い…というか、まるで呪いのアイテムか何かの様に生々しい出来となっている。原作のイメージ通りではあるのだが気持ちの悪い特典…モッコスですか?
    • 仮面の上部には小さな穴が開いている。壁掛けにでも使えと?
    • 因みにこの特典の為に定価は4000円跳ね上がっている
    • パッケージ裏には、特典の使い道やゲームに付いての説明も載っているのだが、原作準拠の専門用語ばかりが並んでいる為、キャラゲーだと気付かない人には意味不明の一言でしかないだろう。

その他

  • 説明書に「このキャラは実はスパイだ」などといった重大なネタばらしは無い。
  • ゲーム中、主要キャラの名前を何度も間違える様な重大な誤字脱字は無い。
  • 戦闘では技や魔法が使える為、レベルを上げて物理で蹴るしかないなどといった事は無い。
  • レベルアップに必要な経験値は、きちんと表示される。 …「そんなの当たり前じゃないか」と思った人は、こちらの項目も読んでみよう。
    それにしても、なぜ2作揃って原作の存在に触れようとしないのだろうか?