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ファイナルファンタジーVIII - (2013/03/01 (金) 09:25:05) の編集履歴(バックアップ)
ファイナルファンタジーVIII
【ふぁいなるふぁんたじーえいと】
ジャンル
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RPG
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対応機種
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プレイステーション Windows 95/98
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メディア
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CD-ROM(【PS】4枚組、【Win】5枚組)
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発売・開発元
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【PS】スクウェア 【Win】エレクトロニック・アーツ・スクウェア
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発売日
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【PS】1999年2月11日 【Win】1999年10月3日
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定価
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【PS】8,190円 【Win】6,800円
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プレイ人数
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1人
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セーブデータ
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1ブロック使用(最大15ファイル保存可)
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周辺機器
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ポケットステーション対応
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レーティング
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CERO:B(12歳以上対象) ※アルティメットヒッツ版で付与されたレーティングを記載
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分類
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賛否両論ゲー
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ポイント
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システムがいずれも難解・面倒 激ムズ/激ヌルの両極端になりやすいバランス 賛否分かれるシナリオ・世界観
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廉価版・配信
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アルティメットヒッツ:2006年7月20日/2,625円 ゲームアーカイブス:2009年9月24日/1,500円 ※表示定価は全て税込
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ファイナルファンタジーシリーズ関連作品リンク
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ゲーマガ特集/期待外れだったゲームベスト10
サンダーフォースVI/
ファイナルファンタジーVIII
/聖剣伝説4/逆転裁判4/ローグギャラクシー/スーパーマリオサンシャイン/ アンリミテッド:サガ/デビルメイクライ2/ファイナルファンタジーXII レヴァナント・ウイング/ブラッド オブ バハムート
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ストーリー
精鋭傭兵部隊「SeeD(シード)」を擁する兵士養成学校「バラム・ガーデン」。主人公・スコールは幼少の頃からそこに在籍する青年である。
彼は他人を避け、常に一人で生きていこうとする意志を持つ少年であった。そんな彼の人生は、初のSeeD認定試験を境にして大きく動き出す。
晴れてSeeDとなったスコールは、同じ日に合格した同期のSeeD達と共に、大国ガルバディアの占領に反発するレジスタンスの支援任務に駆り出される。
時を同じくして、ガルバディア大統領は全世界規模の演説を行い、ガルバディアによる世界統一の意思をほのめかす。その隣には、15年前の「魔女戦争」で世界に恐怖を振りまいた「魔女」の存在があった。
魔女の目的とは、世界の行末は。そしてスコールの夢の中に度々顔を出す謎の男・ラグナとは一体…?
レジスタンスの少女リノアと出会い、彼女を護衛することになったスコールは様々な出来事を経験し、次第にそのかたくなな心を変化させていく。
概要
ゲーマーであればその名を知らない者はいないであろうRPGシリーズ『ファイナルファンタジー』の第8作目。プラットフォームをPSに移し、CG・3Dポリゴン化してからの2作目にあたる。
前作『7』の成功を受けて販売本数はこれまでのシリーズ史上最大を記録し、特定条件下でゲームの進行が不能になるバグの存在がTVニュース等で報道されるほどの凄まじい知名度であった(再現性は低く、殊更に強調しなければならないほどではなかったが)。
しかしながら、この作品はFFシリーズの中でも特に評価がわかれている。その所以は些細なバグではなく、「当初は話題にしづらかったそのゲーム要素」にこそある。
有名タイトルであることと、プレイヤーの立ち入った努力が必要なゲームであるため、Web上でも様々なサイトで考察がなされており、相応の検索ワードで探してみると擁護、批判共にかなりの数を見ることができる。
ゲームシステム
本作は他のFFシリーズから見てもかなり異質なシステムを採用している。
本記事で論ずる話題を理解するために必要な、最低限のシステムをここで解説しておく。
魔法とG.F
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本作ではMPは存在しない。魔法はキャラクター1人につき、最大100個まで持て(ファイア100個、ファイラ100個…という具合)、他人との受け渡しも出来るアイテム的な存在として設定されている。魔法を使うと数が減る。これは後述のジャンクションシステムに関係する。
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主人公や敵兵士が使う魔法は「疑似魔法」と呼ばれ、魔女が使う本来の「魔法」と区別される。疑似魔法の威力は魔法に到底及ばず、シナリオ中での魔女の恐ろしさを表現している。
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「ガーディアンフォース(G.F)」と呼ばれるエネルギー存在が「召喚魔法」の役割を果たす。このG.Fも脱着自由な装備品的な扱いをされており、ジャンクションシステムの中核となる。
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魔法やG.Fの入手方法は主に以下の2つ。G.Fに関してはイベントで入手する物もある。
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ドロー:戦闘中にこのアビリティ(コマンド)を実行することで、敵が保有する魔法やG.Fを奪うことが出来る。魔法については世界各地に「ドローポイント」なるエリアが存在し、ここからも一定量を入手することが出来る。はっきり言って入手手段としての効率は悪い。
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精製:特定のアイテムを別のアイテムや魔法に変換する。例えば「回復魔法精製」のアビリティを使えば、テント1つからケアルガ10個が精製できる。本作では敵が頻繁にアイテムを落とし、ショップの物価もそこまで高くないため、余ったアイテムをどんどん精製することで楽に魔法を集められる。
ジャンクションシステム
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本作のキャラクターは、初期状態のままでは「たたかう」アビリティしか選べない(アイテムも魔法も使えないのである!)。G.Fをキャラクターに「ジャンクション(「接続」の意)」すると、そのG.Fが持つアビリティが使用可能となる。
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「まほう」「ぶんどる」などの戦闘で実行するコマンドアビリティ・「HP+40%」「歩くとHP回復」等の常時発動型であるキャラアビリティ・「炎魔法精製」「ショップ呼び出し」といったフィールドで実行するメニューアビリティといった種類が存在する。自由にアビリティを取捨選択できるのが特徴。
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G.Fをジャンクションすることで、キャラのステータスを強化することが出来るようになる。具体的にはステータスアビリティ「力J」を持つG.Fをジャンクションすると、キャラクターの「力」ステータスにそのキャラが持つ魔法をジャンクションすることが出来るようになる。
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基本的にジャンクションする魔法の数が多い・威力が高い・レアであるほど上昇値が高いが、それとは別にステータスによって向き不向きの魔法がある。
例えば、プロテスは体力の上昇量が高く、シェルは精神の上昇量が高い。アルテマはどのステータスの上昇量も高いが、命中の数値だけはトリプルがアルテマの2.5倍という圧倒的な上昇量を見せる。
成長システム
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本作でのキャラのパワーアップにレベルはほとんど影響しない。基本的にジャンクションでステータスを上げることになる。
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G.Fを使わないSeeDはただの兵士と変わりない。SeeDの強さの理由付けと「RPGの主人公が常人より並はずれて強い理由」への解答を兼ねた設定である。
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キャラのレベルが上がると雑魚敵のレベルも上がる(ストーリー上倒さなければならないボスは上限が設定されている)。
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ちなみに味方のレベルアップに必要な経験値は一律1000で固定されている。後述の「敵の成長を利用したアイテム収集」を容易にするための調整と思われる。
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G.Fも戦闘によって経験値を獲得し、レベルアップする。更にG.Fは戦闘で得られる「アビリティポイント(AP)」を蓄積することで、新たなアビリティを習得していく。APの蓄積先はプレイヤーが任意で決められるので、欲しいアビリティを優先して選べる。
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防具・装備品は存在しない。武器は新しいものを購入するのではなく、集めたアイテムを使って「改造」していく。
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これまでのシリーズに存在した「属性攻撃」「属性防御」「オートへイスト」などのアイテム効果は、ステータスアビリティ「属性攻撃J」やキャラアビリティ「オートへイスト」という形で表現されている。
賛否両論のシステム群
レベルに応じて強化される敵
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レベルが上がると相対的に雑魚敵のレベルも上昇するシステムの為、漫然と遊んでいるだけではレベルアップを実感出来ない戦闘バランスになっている。
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こちらのキャラの強化もレベルに依存しない為、精製とジャンクションをフル活用すればそれだけでヌルゲー化する。
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ただし大体のボスのレベルには上限があるため、漠然とレベルを上げただけの初心者でも詰まる事はまず無い。「ボスが強くなりすぎて詰んだ」は的外れ。
また、レベルが上がった雑魚からはより強力な魔法がドロー可能になり、より多く・よりレアなアイテムを落とすようにもなる楽しみもある。
ジャンクションシステム
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ジャンクションして始めて各種アビリティを使用できるようになる仕様は少々わかりづらく、煩雑。小学校低学年などの小さい子供ならともかく、一般的なゲーマーなら「理解できない」程複雑ではないのだが…。
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「HP+80%」「力ボーナス」等の強力なキャラアビリティの取得にも関わる重要な部分であるだけに、ゲーム内で詳しく説明されていない点が惜しまれる。
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装備している魔法が減るとステータスが下がる仕様のおかげで、システムを理解しないうちは魔法の使用をためらいがちになってしまう。
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とはいえ、一気に20個や30個も使うのならともかく、10個程度の使用ではそこまでステータスに影響はない。そもそもジャンクションしていない魔法を使えばいいだけの話である。
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また、「魔力」ステータスにジャンクション強化していない場合の「魔法の素の威力」は貧弱この上ない(あるキャラが後半で習得する特殊技を除く)。ゲーム序盤はステータスアビリティ「魔力J」を持ったG.Fが少ないため、未ジャンクションに気づかぬまま使用した魔法の威力に失望し、「魔法は使いづらい・使えない」という印象を持ってしまったプレイヤーも多い。
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最終的には他のシリーズと同じく、力255で殴った方が魔力255でアルテマを撃つより(演出などの都合で)効率がよくなってしまうが。
ドロー
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はっきり言ってしまえば、G.Fや上級魔法などの精製できないもの以外を入手するためにドローする必要は皆無。これに気付けるかが勝負。
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各種精製アビリティを使えば非常に楽に魔法が集まる。しかしゲーム開始時から実行可能な魔法の入手法はこのドローのみで、なおかつ発売前のゲーム雑誌でもドローシステムを強く宣伝しており(精製に関してはろくに解説されてもいない)、「魔法を手に入れるにはドローしかない」とプレイヤーが誤解する土台はあまりにも完璧にできあがっていた。
結果、雑魚敵に殴られながらドローを繰り返す作業に限界を感じ、投げるプレイヤーが多発。発売から10年以上が経った現在でも「ドローは糞」と、精製を知らないままに愚痴るプレイヤーは多い。
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ただし、特定アイテム以外の入手以外でもドローは使える。ドローした魔法は自分のものとして「ストック」するほかに、その場で発動する「はなつ」の2つを選べる。はなった場合は自身の魔法を消費しないため、前述の魔法が使いづらい状況の救済にもなっている。
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ドローに関しての一番の問題は「ボスからのドローで入手するG.Fの存在」が完全ノーヒントという点。G.F.を集めたいのであれば、とりあえずボスにはドローアビリティを選択し、チェックする必要がある。
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ドロー、精製、いずれにしても「集める」ことが主眼にあるため、プレイヤーの好みが色濃く反映された評価になるのは仕方のないことだといえよう。
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いちおう、回復魔法が使いにくいという声への対策か、HPを全回復する「かいふく」と、ステータス異常を回復する「ちりょう」というコマンドが存在する。
金銭の入手
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主人公たちが傭兵という設定に基づき、敵を倒してもギル(お金)は入手できず、一定歩数で「給料」の形で振り込まれるシステムとなっている。
給料を上げるためには戦闘を多めにこなすか、「筆記試験」と称したFF8の世界観やシステムに関する○×クイズを数多く答えなければならない。
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「システムがJRPGらしくない」「敵の成長と合わせて戦闘のメリットがアイテム収集以外にない」との批判意見が多い。本作ではレベルが上がりやすいため、適度なレベルを維持したい人間によっては更にストレスがたまる。
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もっとも、本作では精製を別にすれば店で買い物をする必要性が薄いため、実際はそれほど資金繰りに奔走する必要はない。ある程度アビリティが集まれば「店売りアイテムを『精製』して別のアイテムにしてから売却する」という無限稼ぎもできる(これはこれで問題だが)。
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戦闘をこなしていないと給料が下がる仕様をゲーム批評家の白川嘘一郎が過剰強調し「RPGなのに情報収集してはいけない(移動を封じられる)」とレビューしたが、実際は街1つ端から端まで回っても1段階下がるか下がらないか、しかも下がったにしても1段階500ギル程度という減給ペースのため、情報収集の阻害要因とはなっていない。
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また、給料という体のためか「SeeDの任務をうまく遂行すると上昇する」「らしくない行動をすると下がる」という点もある。下がるケースの殆どミニイベント的なものなので、それほど神経質にならなくてもいい。
その他
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直接攻撃のダメージは「力+20%」といったステータスアビリティの併用を前提に調整されている面があり、遊び方によっては魔法と同じく「通常攻撃は使えない」という印象を抱いてしまいがち。
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ラストダンジョンでは「通常攻撃」以外のさまざまな行動(ダンジョン内でのセーブや戦闘不能の復活すら項目に入る)が封印され、ダンジョン内のあちこちに潜むボスを倒して少しずつ解放していかなければならない。しかもそのボスに会うためには高難度かつヒントが少ない仕掛けを解く必要がある。
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仕掛けを見落としたり、解けずに放置して進んだ場合はコマンドが封印されたままラストバトルに突入することになる。敵のレベル変動が完全ランダムになっているのも特徴で、ノーヒントで挑んだ熱心なシリーズファンの間ではシリーズ最難関ダンジョンとして語り継がれている。
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ジャンクション自体は勿論可能で、更にステータスアビリティは封印されないので「エンカウントなし」を装備していけばじっくり謎を解くことができる。勿論ダンジョンを出れば封印は解除されるので、体勢を立て直すことも十分に可能。
最大の賛否両論点・シナリオ
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伏線の張り方が巧妙過ぎ、注意しないと気付けない。普通にゲームを進めながらでは示されない設定があるなど「説明不足」な面も強く、シナリオ理解を妨げている。
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重要な世界観設定等はチュートリアルに全て記載されているのだが、このチュートリアルは悪く言えば「辞典のような構造」で、いちいち見る人はそういなかった。チュートリアルの内容をストーリーに組み込まず、その把握をプレイヤーの任意に任せたために「ご都合主義」「唐突な展開が多い」という批判が生じてしまっている。
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リアルチックになったデザインのため忘れがちだが、本作のパーティメンバーはいずれも十代後半のティーンエイジャーである。本作のシナリオは「大人になろうとする彼らの成長物語」の要素も内包している。
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が、まだ若い彼らは序~中盤にかけて失態を繰り返す。主人公のスコールは自分の考えを他人に伝えることが苦手で、辛辣な言動も多く、他人(そしてプレイヤー)から見ると理解しがたい言動もとる。この一種稚拙で青臭いムードに馴染めず、先を見るのをやめたというプレイヤーも存在する。
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特にヒロイン・リノアは、その数々の迷言と世間知らずの考え方から嫌悪するプレイヤーが大半。思い詰めた末に行動を起こし、事態を悪化させたり足を引っ張ったりを天然でやってしまうキャラクターであり、そこが嫌われる元となっている。物語後半で成長のきざしが見えるが、素のセンスがどこか浮世離れしているために引いた目で見られがちな所もある。
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このように、演出が分かりにくい・万人が受け入れにくいという点で、制作側の目論んだストーリーテリングは失敗してしまったともいえる。
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一方で、ガーデンの設立経緯や魔女の存在、主人公の生い立ちやG.Fの「副作用」等、シナリオ等の設定は非常に良く練りこまれており、安易に「クソ」と断じられるほど低品質なものではない。
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綿密な伏線・緻密な設定(裏設定ではない)はシリーズ1、2のレベルで練られており、説明不足に関しても実際は投げっぱなしになっている伏線もない。発売から数年以上経っても、深読みのしすぎを含めて「あそこの場面のあの行動にはああいう意味があったのか」と驚く声がwebで見られるほど。
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主人公たちに無理に感情移入しようとせず、彼らがどのような人間なのかを考え、その行動の意味を察しながらシナリオを追える余裕があれば、また印象も変わってくるだろう。そういう意味では、FF8は「大人のための作品」と言えるのかもしれない。
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スコール達の年齢を過ぎて「成長物語の終わった大人」になるとそういった視点で見ることができるようになるためか、「発売当時はクソだと思ったけど、今やってみたらいいストーリーだった」という、他のゲームではあまり聞かないような評価をされることもある。
評価点
当時最高レベルの演出
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グラフィックはFF7から段違いの進化を遂げた。技術的に進歩を遂げたためモンスターやキャラクターの等身が上がり、身体の各パーツがより精密に作られている。
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さらに今作では、ムービーを背景化してポリゴンのキャラクターをその中で歩かせるという面白い試みも行われている。
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世界の各都市はどれも「お国柄」がよく出ており、ちょっとした観光気分が味わえる。スタッフ曰く「7は暗い雰囲気だったので、今作は明るくしようとした」とのこと。
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植松信夫の手による音楽も変わりない高クオリティ。
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ラグナ編戦闘BGM「The Man with the Machine Gun」やラストバトルBGM「The Extreme」は特に名曲と名高い。
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一部の曲はシリーズで初めてのオーケストラ音源を使用している。更にやはりシリーズ初のテーマ・ソングも導入され、フェイ・ウォンの歌う「Eyes On Me」は1999年の日本ゴールドディスク大賞を獲得した。
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エンディングの演出は当時話題となった。「メイン・テーマ」を組み入れた音楽と画面構成の相乗効果が素晴らしく、まさに映画のエンディングを見ているような余韻を味わえるだろう。「Eyes On Me」の歌詞が本編とリンクしているのもポイント。
充実したミニイベント
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このためにかの「アルティマニア」が刊行されたのではないかと思えるほど、本筋とは関係のない寄り道イベントが相当数存在する(ちなみに、アルティマニアシリーズは本作から始まった)。
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惜しむらくはわざと寄り道をしないと見ることが出来ないことか。中にはキャラの印象を変えるようなイベントもあるため、見ないで終わるのはかなりもったいない。
カードゲーム
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「8はカードゲー」とまで評されるほどに中毒性の高いミニゲーム、それがトリプルトライアドである。
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運の要素が極力排され、プレイヤーの思考力が試されるシステム。世界各地で異なり、プレイヤーの移動と共に伝播するルール。ゲームを進めるに当たっては何らプレイしなくとも問題ない設定……。その完成度は高い。
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レアカードは「カード変化」アビリティによってアイテムに変換することも可能。強力なレアカードをそのまま使うか、アイテムに変えるかという選択が頭を悩ます。
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キャラクターのカード(とG.F.のカード)世界で1枚しかないレアアイテムだが、カードの持ち主と所持カードのキャラにはなんらかの繋がりがあることが多い。例えばゼルのカードはゼルの母さんと割と分かりやすい人物が所持しているが、スコールのカードは…
その他
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多数のアビリティやカードゲームの存在により、FF5とはまた違った形で高い攻略の自由度を獲得している。
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これまでのシリーズでは使いづらかった「じばく」アビリティは、今作ではダメージ9999を突破する大ダメージ攻撃に強化することも出来る。
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「カード変化」アビリティを使えば経験値は加算されず、APだけを獲得できる。これを生かせば初期レベルクリアも容易。
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少し頭をひねれば、前述したラストミッションの封印を1つも解かず、「たたかう」アビリティのみでラスボスに勝利することも可能。
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本作に色違い・バリエーション違いの水増しモンスターは登場しない。
問題点
ディスク4のあれこれ
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シナリオ進行上、ディスク4になると全ての街に入れなくなる。ショップに関しては救済処置があるが、カードコレクションはとある工程を踏まないと不可能となる。
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飛空艇に関しても再利用する手順が非常にわかりにくく、2度と使えないように思ったプレイヤーも少なくない。
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召喚魔法としてのG.Fがラスボス戦で突然使えなくなってしまう。
劣悪な仕様の連動ミニゲーム
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ポケットステーションとの連動ミニゲーム『 おでかけチョコボ 』は、チョコボを操作してアイテムを発見し、見つけたアイテムはFF8本編に持ち込むことが出来るゲームである。
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問題はこのアイテム入手の仕様。ポケステのロット番号下3ケタに応じて設定されたレア度に応じて入手アイテムが変動するのだが、一番低いレア度のものはゴミアイテムしか貰えず、一番高いレア度のものはいいアイテムがどんどん手に入るという極端なもの。一番いい組み合わせは1つしかなく、その確率は実に1/1000。
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通信対戦で、上手くいけばよいロット番号のデータを貰う事が出来るが、元々かなり低い確率なので救済処置としてはあまり意味がない。
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ここで育成したチョコボをG.Fとして使用できる……のはいいのだが、チョコボのみがラストバトルで何度でも召喚可能で、最終段階まで育成したチョコボを呼び続けるだけで簡単にクリア可能というバランス調整ミスがある。そこまでやりこむ人がいるかどうかはともかく。
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なお、ミニゲームの内容そのものは暇潰しに丁度よく、遊ぼうが無視しようがFF8本編には何ら関係がない、という点についても付記しておく。
召喚魔法としてのG.F
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威力自体は高いが、ムービーが30秒~1分程度とテンポが悪い。最強のG.F.である「エデン」に至っては2分強。
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今作では待ち時間の緩和作として、ムービー中に□ボタンを連打して威力を上げるアビリティ「おうえん」を覚えることもできる。
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が、単純に□ボタンを連打するだけではなく「連打してはいけない時間帯」がところどころ発生し、その時に□ボタンを押してしまうと威力が大幅に下がってしまう(残り時間があれば再び連打できる)穴がある。ムービーを見る暇もなく、画面上の入力禁止タイミング表示に注意を払いながら連打することになるため、むしろ逆効果。
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ちなみに、本作では魔法の威力が低いため、G.Fを中心に戦うユーザーも多かったが、実際は各キャラ固有の「特殊技」を使ったほうが効率的。だが「特殊技」はピンチのときにしか使えない一発逆転の技という説明をされており、しかも初期状態では威力がそれほど高くないので有用性に気づくのは難しかった。
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G.F.で敵を倒すと、給料システムの査定の一つである「敵を倒した数」にカウントが入らないため、給料が下がりやすく感じられる。
その他
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パーティメンバーを入れ替える時にジャンクションしているG.Fを交換する場合、G.F・魔法・アビリティの全てをいちいち設定し直さなければならない。
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一部特殊技が桁外れに強く、完全にマスターするとそれだけでゲームが終わってしまうほどの威力を見せる。
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飛空艇の移動速度が遅く、これまでのシリーズの爽快感が消えている。
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アイテムやカードを捨てるコマンドが存在しない。また、一種類につきアイテムは100個、カード(レアカードは除く)は100枚までしか所持できない。
Windows版での変更点
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各キャラのジャンクションをそっくりそのまま入れ替える「ジャンクションいれかえシステム」の実装。
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一部の道具、禁断薬精製の材料が変更。
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おでかけチョコボRPGがポケステ不要で遊べる。また、IDもやり直しでいくらでも変更できるため難易度が緩和された。
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ひとつの魔法を何ヵ所にもジャンクションできる「マルチジャンクション」が廃止。というかこれはバグのようなもの(しかしなぜか公式攻略本には載っている)だったのでバグ修正とも取れる。
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カードゲームプレイ中、プレイ時間が通常の3倍の速さで経過される。
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バラムガーデンの学生食堂にあるグラビデのドローポイントが、ゲーム開始直後からドロー可。
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音楽がmidi音源になってしまっているので、PS版経験者は要注意
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その他細かい修正点はこちらを参考されたし。
総評
グラフィックはより美麗になり、(仕様外の)バグも少なく、映像と演出は当時の最高水準に仕上がっている。シナリオやシステムを理解した上で高く評価するユーザーもいるほどで、単純に出来の悪いようなゲームとは比べるまでもない。
とはいえ、とにかく「説明不足」な点が目立ち、改善すべき点も多く見られる作品であったこと、ムービーだらけのゲームの風潮に批判が出はじめていた時代でもあったこと、(過去のシリーズから見て)色々な意味でこれまでのFFから離れ過ぎた作風であった事などが起因し、ゲーマガ特集・期待外れだったゲームベスト10にノミネートされてしまった事実からも、極端に分かれた評価の様相を窺い知ることができよう。
※参考ページ
今だからこそFF8:詳細な文章で本作を肯定的に見るサイト。