「真・三國無双5 Special」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る
【しんさんごくむそうふぁいぶ すぺしゃる】
ジャンル | タクティカルアクション | ※PS2版 |
※PSP版 |
対応機種 |
プレイステーション2 プレイステーション・ポータブル |
||
メディア |
【PS2】DVD-ROM 2枚組 【PSP】UMD 1枚 or ダウンロードソフト |
||
発売元 | コーエー | ||
開発元 | コーエー(オメガフォース) | ||
発売日 |
【PS2】2008年10月2日 【PSP】2009年10月22日 【PSP・DL】2011年8月11日 |
||
定価 |
【PS2】7,140円 【PSP】5,544円 【PSP・DL】2,400円 |
||
プレイ人数 | 1~2人 ※PSP版はアドホック通信を使用しての協力プレイが可能 | ||
セーブデータ |
【PS2】300KB以上 【PSP】704KB以上 ※PSP版はメディアインストール機能を使用する場合は別途260MB以上必要 |
||
周辺機器 | 【PS2】PlayStation BB Unit対応(HDDインストールのみ) | ||
レーティング | CERO:B(12歳以上対象) | ||
コンテンツアイコン | 暴力 | ||
分類 |
劣化移植判定 ※PS2版はクソゲーとする意見も少なくないが一覧ではPS2/PSP共に劣化移植として扱う |
||
ポイント |
固有モーション、無双モードのシナリオ追加 恐怖のステルス爆撃兵 処理落ち&ステルス地獄 PSP版は処理落ち&ステルスは改善 しかし、プレイの選択肢を狭めるバグ搭載 |
||
廉価版 |
【PS2】PlayStation2 the Best:2010年9月2日発売/4,179円 【PSP】PSP the Best:2011年8月4日発売/2,940円 |
||
備考 | 【PSP】メディアインストール機能を利用することで戦闘中フルボイス化 | ||
無双シリーズリンク |
PS3と360で発売された『真・三國無双5』(以下「無印」)に新要素を追加してPS2に移植した作品。
無印で無双モードのシナリオが用意されていなかった、通称フリー専用キャラクターであった曹丕、張郃、太史慈、凌統、馬超、月英の6人に新規に無双モードのシナリオを追加し、更に武器やモーションも他武将と共有(コンパチ)であったものを一新して、完全に固有化した。
それに伴って新規の戦場が追加され、既存の戦場にも新規のシナリオが追加されている。
後に、『真・三國無双5 Empires』でプレイアブルキャラクターとして再登場を遂げた孟獲をフリー専用キャラクターとして追加してPSPにも発売されている。
※下記の問題点は主にPS2版の内容になり、PSP版に関しては一部改善されているものもある。PSP版に関しては後述の「PSP版について」を参照のこと。
このSpecialの発売により無印をプレイできなかった層からも、新システムどうこう以前に無双シリーズや商品として根本的な問題点による批判が続発し、無印の時点で上がっていた批判点も相まって更に評価を落としてしまった。
ちなみに、後のスタッフインタビューでこの移植について無理があったことを認めている。
PSPへの移植の際に、フリーモード専用ではあるが後に発売された『真・三國無双5 Empires』で復活を果たした孟獲を追加し、NPCとしては後期の蜀軍の戦い(五丈原の戦いや街亭の戦い、漢中攻防戦など)に蜀軍の一員として追加されている。
また、小さな変更点だが無双モードのシナリオを選択した時に『真・三國無双 マルチレイド』の流用ではあるが、選択した武将のボイスが挟まれるようになっている。
それ以外で改善点としては処理落ち・ステルスの緩和が上げられ、処理落ちは頻度も大きく低下し、PS2版で問題になったフリーズも皆無と言える程になった(*9)。
ステルス自体はPSPのスペック上発生してしまうのだが、PS2版のようにステルス爆撃兵と揶揄される原因となった敵からの一方的な攻撃が無くなり、それ程強烈なステルスも起こらなくなった事で集団戦・連舞システムならではの立ち回りも満足にこなせるようになった。
しかし、その代償でグラフィック面が大きく劣化してしまい、実機モデルは同じ素材でPSPに出たマルチレイドよりも劣っており、手がドラえもんのそれと見紛うような物になっていたり、勝利画面でドアップになる武将が一部禿げて髪が薄くなっているように見えてしまうなど、見た目の点では不満が残る仕上がりとなってしまっている。
見た目だけでなく可能な限り多くの人物を描写できるようにすることを優先する為か、遠景が霧が掛かってしまったかのようにぼやけてしまい、本作の特徴である入り組んだマップが災いして、慣れるまで迷子になりやすくなってしまっている。
操作面ではボタンとアナログスティックなどの減少に伴い、視点の自由な移動が出来なくなり、特殊技の発動が回避とガードの2つのボタン(基本L+R)を同時押しで発動する形になっているため、一部の動作に制限が生じてしまっている(*10)。
ゲームプレイ上ではそこまで問題になるようなものではないが、シリーズではおなじみの戦闘開始時に戦場を俯瞰する演出がカットされてしまっていたり、ムービーにおいて無印やPS2版では武将の立場(役職など)と名前が表示されていたものもカットされているため、同じ顔である一般武将が出て来ると誰が誰だか解らない(*11)。
これもスペックの問題に近いが、拠点攻略時、門を攻撃している際に無印やPS2版では見られなかった敵の攻撃が門を貫通してこちらに当たると言う事象も起こるようになったため、これを考慮した立ち回りが必要になった。
ここまでならまだ良かったのだが、その後、「連攻撃の攻撃速度を早くする技タイプ武器の武器効果が発揮されない(*12)」、「氷属性がデフォルトでついていたキャラクターや衝撃波などの遠隔攻撃に属性がのらない(*13)」というプレイの選択肢が狭められるバグがみつかり、結果的にPS2版と比較しても一長一短な出来となってしまった。
特に技武器のバグは攻撃速度の遅い夏侯惇や典韋にとっては致命的とも言え、立ち回りが非常に厳しくなった(*14)。
また今作で追加された孟獲は攻撃速度が全キャラ中トップクラスの鈍さで、技武器推奨なモーションにも関わらず、バグの影響で使用がためらわれるキャラになっている(*15)。
ただし、PS2版は根本的な問題として処理落ち・ステルスがかなり激しく、更にはフリーズの危険とも隣り合わせの状態でプレイを要求されてしまう事を考えれば、こちらの方が余程遊べる仕上がりであると言える。
そもそも、PS3やXbox360といった所謂次世代機用に作られたソフトをPS2などの前世代のハードに移植すること自体が無茶ではあるが、商品として出す以上はそんな言い訳が通用しないのは言うまでもない。
特に、PS2版に関してはステルスや処理落ちと言った要素故に完全に無双シリーズの売りである「一騎当千の爽快感」からかけ離れてしまったこと、そして前述の要素のせいで無印における立ち回りがほぼ不可能になってしまったことで連舞システムの魅力を大きくスポイルしてしまったことは大問題である。
勿論、無印から改善を見せた要素や追加要素に評価すべき点がない訳ではないのだが、それを無にして十分すぎるほどの劣化要素を考慮した場合、本作は劣化移植作品の謗りは免れないだろう。
しかしながら、慣れてしまえばそこまで気にならないと言う意見も決して少なくはなく、バグやフリーズなどの問題はあれど、1つのゲームとして見た時に「完全に破綻している、遊べない」というレベルのものではない。
それを踏まえると、ゲームそのものをクソゲーと断じる事も(限りなくギリギリではあるが)また難しい。
PSP版ではステルスと処理落ちの問題は大きく改善を見せたが、今度はプレイの選択肢を大きく狭めるバグのせいで一部の武将の使用意欲を削ぐといった問題を抱えていることで、PS2版と別ベクトルでゲーム性をスポイルしてしまっているのは間違いない。
PS2版と比べればゲームの根幹である連舞システムの魅力を味わえるほどにはなったため「バグさえなければ」と惜しむ声は非常に多い。
たらればの話をしても仕方ないが、PS2版の時点で処理落ちやステルスがPSP版のレベルまで抑えられていれば、純粋に追加要素が歓迎され、もう少し評価は上がっていたのではないだろうか。