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ロマンシング サ・ガ2 - (2013/05/04 (土) 01:21:36) の編集履歴(バックアップ)


ロマンシング サ・ガ2

【ろまんしんぐ さ・がつー】

ジャンル RPG
対応機種 スーパーファミコン
発売・開発元 スクウェア
発売日 1993年12月10日
定価 9,900円
配信 バーチャルコンソール
2010年3月23日/800Wiiポイント
分類 ゲームバランスが不安定
賛否両論
ポイント 数値にミスだらけ
レアアイテムばっかり
敵の火力高すぎ
しかしやりこみ要素は強い
サガシリーズリンク

概要

数々の斬新なシステムを売りにするも、その酷いバグ振りで良くも悪くも話題となった『ロマンシング サ・ガ』に続くシリーズ第2弾。 しかしシステム的には、フリーシナリオ以外は殆ど受け継がれておらず、更に斬新なシステムが多数盛り込まれている。

ストーリー

古代、七英雄と呼ばれる集団は数多くの悪しき魔物を倒し、いずこかへ消えた。
いつの日か、七英雄は戻ってきて世界を救うのだという。
世界が乱れるたびに人々は伝説を語り、七英雄が戻ってくることを願った。
平和な時代が訪れると七英雄の伝説は忘れられたが、また分裂と闘争の時代が始まり、
七英雄の名は再び語られ始めた。そして、彼らは帰ってきたのだが…。
バレンヌ帝国の皇帝レオンは世界の統一を掲げ、大陸を駆け回っていたが、
帝都アバロンの東の町・ソーモンを根城とする七英雄の1人クジンシーの突然の襲撃によって
長男ヴィクトールを殺害される。七英雄は世界を救う存在などではなく、
もはや七英雄を倒さなければ世界の統一も平和もあり得ないことをレオンは悟る。
女魔道士オアイーブから志と能力を伝える伝承法を教わったレオンは、
自らの命を犠牲にして次男ジェラールにそれらを託し、またジェラールも同じように次の皇帝へと託すのであった。
こうして、何百、何千年にも渡る皇帝とその仲間達による、世界統一に向けた戦いの歴史は紡がれていく…。

評価点

ひらめきシステム

  • 「ひらめき」システムの導入により、今までに無いRPG体系を実現させている。
    • 従来のRPGでは、大抵は敵を倒し経験を積み、その報酬として新しい特殊技能を修得できるシステムであった。だが今作では戦闘中に突然キャラの頭上に電球が出て「ひらめき」、その特殊技能をいきなり使えるようになるという画期的なシステムが導入された。
      • 一応、術レベルを上げることで上位の術を習得できるようになったり、武器レベルを上げれば必殺技の威力も概ね上がるようになったり、といった「経験を積んだ事への報酬」はある。使った技能が伸びるシステムなので育て方を工夫できる。
    • 特定の技を使用していないと「ひらめけない」技:「派生技」の存在により、やりこみ要素を生み出している。序盤でしか利用価値がないと思われていた技が、実は最強クラスの技の派生技としての唯一の「元ネタ」となっているものもあり、その探求に莫大な時間を費やしたプレイヤーも多いだろう。
    • 「ひらめき」は『使える技』のほかに、「相手の技を完全に回避できる技能」:『見切り』というものも生み出す。これも新要素であり、攻略に欠かせない。
      • また、キャラクターが技と見切りを装備する技覧は共通で、装備数にも制限がある(術は別にセットする)。これが良い制限で、技の装備数を少なくする事で見切りを多く装備したり(逆もしかり)、技覧に装備しなくても使える武器固有技や術を活用する必要が出てくる(一番には技覧が一杯だと閃けなくなる事が大きいか)。
      • あるとないとでは大違い。イベントでも使用され、以後の作品(『ロマンシング サ・ガ3』など)にも大きな影響力を及ぼすことになる。
      • ゲーム進行に欠かせない、または無いと攻略が極めて難しくなる『見切り』(※ソウルスティール・※テンプテーション)はもちろん、実はすべての『使える技』には『見切り』が存在する。極端な例では味方しか使えない技の『見切り』も存在する(誘惑などのステータス異常で同士討ちされない限りはひらめけない)ため、そこもプレイヤーのやりこみ魂をくすぐるエッセンスになっている。
      • 強敵との戦闘でも「ひらめき」が発生する。運が良ければ、それによって苦戦から脱することもできた。が、逆にあと一撃で落とせるところで「回避技」や「強化技」「カウンター技」をひらめいたために、負けてしまうと言う事もあった。

LP(ライフポイント)システム

  • HPとは別に「生命力」を示すLP(ライフポイント)の導入。戦闘不能になったり、戦闘不能時に攻撃を受けたり、LP直接攻撃系の技を食らうたびに1ずつ減っていく。
    • HPゼロ≠死となっており、戦闘不能にはなるが一般的な回復手段で復帰させられるようになった。その代わりLPゼロ=死から復活する手段はない。
    • その一方で常にHP全回復の状態で戦闘が始まるしくみであるため、LPさえ減らなければダメージを全く気にせず戦うことができる。
    • また、ロマ2時点ではLPを回復させる手段が少なく、回復量1の希少なアイテムか、宿に泊まると装備者のLPは全快するが仲間のLPは1減るという装備品くらいしかない。お陰で戦闘不能になるたびに迫ってくる死に怯えるハメに。
      • 死亡しても後から際限なく補充できてしまうため、キャラを使い捨てる覚悟があれば死亡など怖くないのだが。とはいえ、戦闘中やダンジョン奥など補充が出来ない・難しいときのキャラロストはやはり怖い。良くも悪くも、多くのRPGの常識観念が通用しない要素である。
    • キャラごとに最大LP(それ以上の数値には上げられない固有値)が設定されており、そこからもキャラの背景や役回りなどが見えてくる。最強クラスの能力なのに最大LPが1というなんともはかない命のキャラも存在するが、逆にLP99のキャラもいる。

陣形

  • “陣形”(戦闘時のキャラの立ち位置)が進化。前作を含む歴代のスクウェアRPG作品の「前・中・後列」だけのシステムから大幅に戦略要素が追加されており、戦闘の局面に応じた陣形を選ぶことにより、低レベルでも有利に戦闘を進めることが可能。
    • 攻撃力・防御力・素早さ・魔法攻撃力の上昇するものから、必ず先手・後手を取れる陣形やパーティーメンバーの行動順序が固定できる陣形まで、様々なバリエーションに富む。各陣形のキャラの立ち位置は決まっており、皇帝以外のメンバーの配置換えができる。
    • ただし、効果が極端な陣形もある反面、誰が得するのか分からない陣形もある。
      • また縦列・横列といった攻撃範囲の概念もあり、例えば縦並びの陣形では横列攻撃に強いが逆に縦列攻撃には非常に弱くなってしまう。敵の攻撃と陣形の相性を考えて戦う必要がある(また上記の「見切り」で陣形の弱点を補うこともできる)。

属性に関して

  • 本作での攻撃は斬る・殴る・熱・冷気等8種類の属性に分類されており、攻撃にはいずれかの属性が、各防具やモンスターにはそれぞれの攻撃属性に対して個別に防御力数値が設定されている。
    • これについてはマスクデータと言っていいほどゲーム中では不親切な仕様だったが(詳しくは後述)、術法には特定の攻撃への防御力を高めるものが数多く存在し、「なべつかみ」といった一見防御力の低そうな武器でも特定の攻撃に対しては思わぬ防御力を発揮することもあるなど、敵の攻撃と防御属性を考えて装備を吟味するなどの戦略性が生まれた。

皇帝たちの何代にも渡る戦いを演出する「伝承法」システム

  • 本作には一貫した主人公は存在せず、パーティーの中心である操作キャラはバレンヌ帝国の皇帝である。
    • 皇帝は「伝承法」による能力の継承により、先帝の技と術、そして技能レベルが受け継がれるようになっている。皇帝となるキャラクターがどんどん変わっていっても(腕力、魔力など基本能力はキャラクターごとに固有ではあるが)育成を続けることが可能となっている。
    • 次の皇帝への継承(皇位継承)が行われるのは基本的に「皇帝のLPが0になって死亡した場合(この場合は残ったパーティー内から次の皇帝候補を選ぶ)」、「パーティーが全滅した場合」、「年代ジャンプ(詳しくは後述)が行われた場合」である。
      • このため、皇帝以外のキャラの技能レベルが高くなったら、(前皇帝を死亡させて)そのキャラを次の皇帝にすると育てた技能が引き継がれて無駄がない。
  • 本作では一定数のイベントをクリアすると「○○年後」とメッセージが表示され、次の時代へと移る。これは「年代ジャンプ」と呼ばれており、ジャンプすると以下のようなことが起こる。
    • 前時代のパーティーはリセットされ、新しい皇帝による新パーティーを再編成することになる。
    • 時代が変わり、新しいイベントが発生する(ストーリーが進む)。
    • 前時代に閃いていた技・見切りが技道場に登録され、全てのキャラが習得可能になる。
    • 前時代に試作品を開発していた武具が、量産されて購入可能になる。また新世代の武具が開発可能になる。
      • このように、年代ジャンプが行われたタイミングで技術・装備品が充実してくるので、年代ジャンプで時代が下る度にパーティーを強化していける。
      • ただし、年代ジャンプが発生する回数は有限。もう年代ジャンプが発生しない時代に無計画に到達すると、技を閃いても登録できないわ、武具が開発・量産できないわで泣きを見ることになる。一世代で計画的に技の閃きや武具開発を行っておくプレイが求められる。
  • 今作のストーリーは年代ジャンプのシステム上、(長くて)何千年にも渡り、(序盤と終盤を除いて)皇帝は「伝承法による皇帝位と能力の継承」を繰り返して代替わりしていくことになる。

パーティー構成の選択の幅が広いクラスシステム

  • 本作のパーティーキャラクターは何かのクラスに属している。クラスとは職業・種族のことであり、1クラスは8人のキャラで構成されている。仲間になっているクラスから好きなキャラを自由に選んでパーティーに加入させることができ、もちろん皇帝となるキャラもどれかのクラスから選ばれる。ただし、同クラスのキャラはパーティーに2人以上入れることはできない。
    • クラスは全部で32種類で、それぞれ8人所属しているので、256人のキャラがいる計算になる(また、扱いが特殊なキャラがあと5人ほどいる)。
    • キャラのLPがゼロで死亡しても、名前は同じ新キャラ*1としてまた現れるので仲間が無くなる心配はない。
    • おそらくSRPGの影響と思われるシステム。基本はイベントをクリアすると問題解決のお礼としてその地域のクラスが加わっていく。クラスによっては皇帝にした際、特定の陣形を思いつくのもポイント。
    • 体力に優れる「帝国重装歩兵」、大剣が得意で腕力と素早さが高いが、体力の低い「イーストガード」など、クラスそれぞれ得意な技能や能力値がある。得意技能や能力値は固定なので、それぞれのキャラにあった立ち回りをパーティー内で考える必要がある。「剣が得意な~」「何でも器用にこなし、特に小剣が得意な~」という加入前のセリフでクラス全体の特徴はある程度判断できる。また、同じクラス内でもキャラによって、所持技能、閃きに優れる武器の種類、能力値の違いが個性として現れる。
    • ちなみに、クラスのキャラ名にはそれぞれ元ネタがある。例えば、シティシーフ男なら「ピジョン」「スパロー」など鳥の名前から、宮廷魔術士男なら「ジェミニ」「カプリコーン」など星座の名前からである。

成長システム

  • まず、前作のように「キャラを好きなように育成できる」のではなく、本作ではキャラの(腕力、体力などの)能力値は完全に固定で変化しない(HPなどは除く)。 魔力が高く術法に向いたキャラ、器用さが高く弓が得意なキャラなど、キャラの向き不向きはほぼ決まっている。
    • 新たに、「技能レベル制」を採用しており、武器と術法のそれぞれの技能(剣と大剣、斧と棍棒、天の術法、火の術法などの種類)ごとにレベルが設定されている。
    • 戦闘で使用した技能は技術点を獲得してレベルアップしていき、その技能の威力や効果が強力になっていく。
    • キャラの所持技能という概念もある。簡単に言うと、初めて仲間にしたキャラでも初期状態で一定レベルに達している技能のことである。「魔力が高いキャラは術法系の技能を所持している」など、基本的にキャラの能力値に合った所持技能となっており、それを戦闘で使用して伸ばしていくことがほぼ前提となっている。
    • パーティーに加入したキャラの所持技能レベルは、総合的な技能レベルである「マスターレベル」を基準に調整されるので、初期状態でも十分即戦力になる。パーティーキャラの入れ替わりが頻繁に発生するために採用された成長システムであろう。

武器や術法の開発システム

  • 装備については店で買う・宝箱で手に入れる、魔法は戦闘を重ねて覚えていくだけでなく、自帝国内で何十万クラウンとお金を投資することで武器や術法を「開発」していく。
    • 最終的には各系統ともゲーム中最強クラスの武器・防具が開発され、自由で店で購入することができるようになる。帝国を率いて強大な敵と戦う、勢力拡大と共に扱える武器も強力になっていくというスケール感を表現している他にも、法則を見つけることで狙った系統の武器の開発を進められるという戦略性もあった。

自由度が高いイベント構成で、プレイヤー独自の帝国史を作れる

  • プレイヤーはバレンヌ帝国の皇帝を操作し、世界の統一と七英雄打倒を目指していく。基本的には世界各地の問題(イベント)を皇帝直々に解決し、お礼にその地域をちゃっかり帝国の領土にすることで世界を平定していく。問題の多くは七英雄と繋がりを持つ事が多く、実際は世界の平定より七英雄打倒が主目的である。
    • 世界各地のイベントや、七英雄を倒す順番はある程度自由に行える。また、1つのイベントに複数の攻略法が用意されているため、プレイヤー個人個人によって違った展開となるのが魅力(反面、選択次第でクラスを仲間にできなかったり、領土にできなかったりすることもある)。
      • そして、エンディングではクリアまでにプレイヤーが作り上げた帝国の年表が表示される。
    • ある地域のイベントをクリアしてから何百年か経つとまた次のイベントに派生したりと、年代経過を生かした壮大なストーリー展開である。
    • 帝国の領土の拡大や、帝都に大学や新市街が建設されたりと帝国の発展する様も楽しい。

その他

  • 戦闘とフィールドのキャラグラフィックが統一されている。実は新機軸であり、戦闘シーン時の多彩なモーションが、マップ画面でのイベントのキャラのリアクションやステータス表示画面のモーションとしてよく使われる。この仕様が、以後のドット絵のスクウェアRPG作品に多大な影響を及ぼしているのは言うまでも無い。
  • 現在でもネタにされている独特なセリフ。
    • 「流し斬りが完全にはいったのに……」「ははっ、ざまあみろ!」「アバロンのダニが一匹減ったな」「やめろー!卵をよこせー!」「アリだー!!」「男が来たら殺すのよ!」などシュールな言い回しはサガシリーズを象徴していると言える。
  • 前作から引き続き、伊藤賢治氏がBGMを担当。「クジンシーとの戦い」「七英雄バトル」といったバトル曲はもちろん、「皇帝出陣」などのダンジョン曲も好評。何千年にも渡る戦いの帝国史という本作のテーマに合った重厚かつ哀愁あるサウンドである。

評価点が完全に入ったのに……

前作のバグが頻度・重大さ共にあまりにも酷かった事と、本作には一見そういった点が見当たらない事から、不具合らしい不具合は無いと思っている人も多いが、実はかなり困った不具合もある。

ステータス等の表示関連

  • 画面に表示されている性能と、実際のゲーム中での効果が違っているものが数多い。
    • 武器は表示される数値が実際の数値に比べ2~5少ないなど多少ズレているものが大半だが、特に大きいのが大剣の1つオートクレール。攻撃力50と表示されているが実際は35。
    • 防具に各属性に対する防御力があるが、数字として画面上に表示されるのは「斬る」に対する防御力のみ。あとは「どの攻撃に耐性を持っているか」意味するアイコンが表示されるのみで、具体的にわからないのが困りもの。
      • この仕様を利用した、決して嘘はついてないというトラップ的な装備も存在する。
    • 装備するとステータスがアップする防具がいくつかあるが、この上昇数値も嘘ばかり。「+1」と表示されるものは、実は全く上がっていない。「+2」の場合は1上がったり、「+4」では2上がったり、「+3」では2上がったり3上がったりとぐちゃぐちゃ。
    • 盾は装備するだけで防御力がプラスされている様に見えるが、実は上がっていない。戦闘中に盾を使って回避しないと防御力に変化は無い。
      • しかも他の防具の重さによって回避率が下がることに対しても説明と表示がされていない。
      • 但し上がる数値は表示上の数値の2倍だったりする。
      • ワンダーバングルという盾は、説明では弓攻撃を100%無効にする盾とあるのだが、設定ミスで全物理攻撃を100%で無効化する最強盾と化している*2。こう聞くとスゴイと思うかもしれないが(実際スゴイが)、盾で回避しにくい技も存在するため、喰らうものは喰らう。
    • ステータス異常を無効にする防具が幾つかあるが、その無効化の説明が表示されていない物が一部存在する。
    • 一部の「陣形」が、ゲーム中での触れ込みと違ったプログラムが成されている物が多く、入手し辛いくせに使い道が無いという物も幾つか有る。
      • 更に実際には入手できない没陣形も1つあるのだが、これもエンディングで当たり前の様に登場するため、どうやったら入手できるのかと物議を醸し出した。
  • 武器を使って行う「必殺技」とそれを回避する「見切り技」は、条件を満たせば道場に登録でき、誰でも使えるようになる…のだが、なぜか登録されないものが計4種類ある。
    • 見切りに関しては、登録されているが対応する武器系統が技道場に無いため修得できないらしい。
    • その内2つは実用性はほぼ無いので問題ないのだが、あとの2つは便利なので問題である。 …とはいえ、ゲーム進行に係わるような重大なバグは、意図的に狙わない限りはまず発生しないため、その点は前作より遥かに安全ではある。 また、作りかけで放棄されたイベントやダンジョンも見当たらない(通常では絶対に行けない図書館以外は。またなぜかデバッグルームが残っていたりするが)。 バグ・不具合以外の主な問題点は、

敵の強さ

  • 敵が全体的に強い。その理由は火力の高さにあり、雑魚ですら初期だと防御が売りのキャラが3発食らえば死に、キャラによっては一撃死後半は最大HP999までなのに平気で1000ダメージ以上を出してくる。
    • なお絡め手は絡め手でまた強い。序盤から様々な状態異常が飛んでくるが、回復、回避手段が限られておりせっかく存在する耐性防具も数が少なかったり、表記ミスの関係で分かりづらかったりと、難がある。
      • 凶悪なものでは1ターン行動不能になる範囲技(序盤から複数出る雑魚が撃ってくる)。また中盤以降は味方が味方を攻撃するようになる 重度の混乱、魅了(ダメージバランス的に何をしても大抵一撃で味方を殺してくるため、全体攻撃を持つ味方がかかった瞬間、敗北を覚悟する必要がある)。などが挙げられる。
    • 戦闘回数に応じて出現する敵キャラは変化していくのだが、一部明らかに強さと登場時期が合っていない敵がいるのもこれに拍車をかけている。
    • 救いとして退却は出来る場合(ボス戦ではなく、皇帝のHPがあり行動可能なときのみ)は相手の行動前に必ず成功する。しかし戦闘回数は、倒しても逃げても全滅しても加算される為、逃げ続けていると成長しない上に敵ばかり強くなるという悪循環が起こる。進行の仕方によっては何も出来ないような状況に陥ってしまうこともしばしばある。
      • 但し、本作は敵を攻撃するとき、確率で技を覚える「閃きシステム」を採用していて、強い敵ほど、強い技を覚えやすい。又、敵に対してボスは戦闘を重ねても対して強くならないことを利用して、早めに強敵と戦い強力な技を覚えてボス戦で楽をするというテクニックもある。実際、技能レベルもガンガン上げたいなら、一気にモンスターを高レベルにして即死技で狩りまくるほうが時間的に効率がいいことも。
    • 本作のラスボスはRPG史上最強のラスボスと評されていた事もあり、ゲームバランス崩壊級の技を使わないと勝利するのがかなり困難であるなどという(誇張気味な)評判まで流れた。しかも、ラスボス戦前にセーブをすると後戻りできなくなる為、ネット情報が無い当時は泣きを見た人も多い。ラスボスのもとへ向かう前に「もう戻れないぞ」としっかりと警告は出ているのだが…

その他

  • 一度仲間に加えたキャラは、死なない限り外すことはできない。故に、特定のキャラを仲間にしたいときはそのキャラが出てくるまで無駄に仲間殺しを行うという作業プレイが必要になる。
    • 人によってこの行為は「謀殺」「ルドン送り」などと呼ばれ、ネタとして愛されてはいる。
    • 謀殺作業は無理に行わなくてもクリアはできる。…効率を重視したり、陣形・技コンプなどを狙うとどうしても必要になるが。
    • 恐ろしい事にこの「謀殺」は、ムック「ロマンシングサガ大全集」において「スキルを効率よく上げるには、皇帝を早く交代させろ」「仲間は使い捨てが可能だ。いらなくなったら遠慮なく殺せ」と書かれており、公式に推奨されている
  • 一部の術法が非常に強力。
    • 斬り属性の攻撃を100%無効化する術法、全物理攻撃を2/3近い確率で無効化して一部の複合属性なら100%無効化する術法、ずっと俺のターン!をできる術法、など一部の術法を用いるとゲームバランスが著しく変わる。
  • 隠し要素として、本来は敵専用である術も使えるようになるのだが、「敵が使うもの」という前提でプログラムされているため、味方が使っても弱いものばかり。
    • 「本来敵専用」かどうかは疑問だが、手に入れるには特別な手順が必要(しかも覚えられる場所がほぼ隠し要素)。なお、その系統には強力すぎる術もあるのだが、使いどころを見極めて初めて真価を見せるタイプなので、使い勝手はよくない。
    • 使い勝手最悪といっても、変則的な攻略が可能になる要素としてとらえられている。また、その術系統はあるクラスと二者択一なのだが、強力な弱体や分身などはこの術以外では使えないため、術のほうを選択するプレイヤーは多くいる。
  • またしても攻略本に大嘘ばかり書かれている(それでも前作よりまだマシだが)。 ···といったところ。

その魅力とは?

  • 問題点自体は前作よりはマシになったが、システムが前作と変わり過ぎてしまったため、前作のそれに愛着を持っていた人々には違和感を与えた。
    • またゲーム中に明確な主人公と呼べるキャラが存在せず、好きなキャラでパーティを組める事と、代替わりによってそのパーティの総取替えを強要される事が「自由度が高い」「いや、キャラに感情移入しにくい」と賛否両論を巻き起こした。
  • 難易度がかなり高いのも特徴であり「サガシリーズは難しい」という印象をプレイヤーに植え付けたのは本作によるところが多い。
    • とはいえ、防具の特性、パーティー強化(武器・術・陣形の開発)の方法などを理解できれば、つまずく事なくクリアが可能なバランスに仕上がっている。大味かつ絶妙なゲームバランスは本作の大きな魅力となり、様々なやりこみを生み出した。皇帝1人でラスボスを倒す、さらにはノーダメージという条件付きでそれを行う猛者も現れるほど。
    • 先述のラスボスについても、システムや術を理解していれば普通に倒せるレベルで、決して理不尽な強さという訳ではない。しかしこれ以前に登場したボスは皆強力な技で一気に押し切れるレベルのため、補助の有用性に気づく暇が無い。そのため、長期戦の戦い方を知らないままラスボスに到達してしまったという事態に陥り、HPが多い上に段階を経る必要があるラスボス戦でつまずいてしまう人が多いのだと思われる。後で強化の必要性に気が付いたとしても、ラスボス手前でセーブしてしまったら2度と戻れない
  • EDで「○○年 皇帝×× △△を解決」と年表形式に表示される演出が、「好きなキャラで好きな様に歴史を作れる」という他のゲームに見られない独自の魅力だとして高く評価する声も多い。
  • また主要な宿敵である七英雄もそれぞれのキャラが立っており、単純な悪党と言うよりはこの物語の名敵役として見る動きもある。
    • 七英雄の名前の由来は山手線の駅名を逆さにして、もじったものだというのは割りと有名なネタ。
      • 元ネタとなった駅名はそれぞれ、池袋、上野、恵比寿、五反田、品川、新大久保、新宿の七駅から。
    • 物語の節々に七英雄に関するエピソードがはさまれており、それにより七英雄が七英雄となってしまった悲しい境遇が暗示されている。これを踏まえて「七英雄こそ真の主役」と解釈するファンもいたりする。
+ 七英雄一覧動画。動画内にはネタバレも有り。

  • 色々問題点を愚痴る人も中にはいるが、「シリーズ最高のデキ」「SFC最高のRPG」という人も多く、現在においてもやりこみプレイを続ける人も多い。万人向けと言い難いのは確かだが。
    • キャラや技エフェクトなどのグラフィック面や四倍画でなくなった漢字フォントなど前作より進化した部分も多々ある。
    • それ故に、名作・良作まとめにも本作の記事がある。こちらを参照
    • この手の評価を受けるゲームの共通点である「『理解できれば』面白いが、それがゲーム内だけでは理解しにくい」ということの表れとも取れる。
      • 今作の場合はマスクデータ、あるいはそれに近いほど難解なデータの多さ、体感で試そうにも雑魚戦ですら命がけのバランスで、著しく強い絡め手以外は火力重視での速攻が安定するという極論(とはいえ大体あってるが)に到達しやすい点が理解の難しさにつながっている。

余談

  • 「ファミリーコンピュータMagazine」で漫画が連載され単行本化されている。漫画そのものよりも、七英雄の過去を描いたシーンを素材にした七英雄コラで有名。
  • 魔界塔士Sa・Ga』『ロマンシング サ・ガ』に続き今作もワンダースワンカラーに移植される予定があり、ゲーム雑誌などにも情報が載っていたのだが、いつの間にか頓挫していた模様。
    • その後追加要素を加えて携帯電話のアプリとして移植。こちらは数値ミスが解消され、能力を引き継いだままニューゲームが出来る為、難易度は下がった。
  • 2012年9月からGREEにて配信されているソーシャルゲーム『エンペラーズサガ』は本作の世界観をベースとしている他、敵ドット絵などのグラフィックが流用もされている。
  • 七英雄の名はその後、「クソゲーオブザイヤー2008にノミネートされた7本のクソゲーをさす別称(蔑称)」としても使われるようになる。また、これらの作品は「2008年クソゲー七英雄」とも呼ばれている。