「シミュレーションRPGツクール」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る
シミュレーションRPGツクール - (2013/01/08 (火) 00:31:53) の編集履歴(バックアップ)
シミュレーションRPGツクール
【しみゅれーしょんあーるぴーじーつくーる】
ジャンル
|
ツクールシリーズ (SRPG製作ソフト)
|
|
|
対応機種
|
プレイステーション、セガサターン
|
発売元
|
アスキー
|
開発元
|
ペガサスジャパン
|
発売日
|
1998年9月17日
|
定価
|
5800円
|
分類
|
クソゲー判定
|
ポイント
|
容量SFC並み イベント作りづらい ゴミAI サンプルクソゲー
|
ツクールシリーズリンク
|
概要
『RPGツクール』に代表される、手軽なゲーム作成ツール『ツクールシリーズ』の1作。
PS版とSS版が同時に発売された。
問題点
エディット面
-
セーブデータの容量は大きいくせに、作成できるイベント容量はSFCソフトの『RPGツクール1』並み。
-
キャラ、マップ、アイテムなどのシステムデータ関連は、作れる枠が多めに用意されているのだが、イベント容量がこれではゲーム中に出し切る事もできまい。
-
どうした事か、エディットモードにコピー・ペースト機能が存在しない。ツクールシリーズではSFC時代から毎回あるというのに。
-
HPが0になったキャラは死亡し、復活はできない。そしてこの設定は変更できない。おかげで会話シーンを設定する時いちいち気を使わなければならない。
-
面ごとに「特定のキャラが死んだらゲームオーバー」という設定にはできる。
-
敵キャラを説得などで仲間にするイベントは作れる…のだが、仲間にしたキャラはその面では使用できない。
-
マップ製作に関しては、明らかにマップチップのパターンが足りていない。
-
チップ1つの大きさは『RPGツクール1』同様で、大きな単位でしか配置できない。パターンが足りてない割に同じチップで埋めるなどの水増しも行っている。
-
城や洞窟などのマップチップには内部の分しかないため、屋内と屋外を合わせたマップは製作できない。洞窟はまだ何とかなるが、城は無理。
戦闘面
-
敵・味方とも、面の途中で増援を出す事はできない。特定の仲間を強制出撃させる事も、退場させる事もできない。
-
戦闘システムは『ファイアーエムブレム』タイプではなく、1~4人で1ユニットを形成するというもので、ユニットのリーダーを倒せばそのユニット自体を全滅させられる…のだが、戦闘はオートで行われる為にユニット内の誰を攻撃するかは指定できない。
-
故に経験値目当てにユニット内の雑魚から潰すか、ユニットを減らす為にボスだけ狙うかといった作戦は立てようがない。
-
敵のマップ上での思考ルーチンもどうしようもなくクソで、手近な敵をただ攻撃するだけ。
-
回復魔法は同じユニット内のキャラにしか使用できない。このため1キャラ1ユニットにして役割分担させることもできない。
-
「運の良さ」のパラメータは、戦闘にはまったく影響せず、イベント発生条件にしか利用できない…のだが、実は「技」のパラメータも同じである。なぜそんなパラメータを2種類も用意するのか。
-
しかも、説明書には運の方しかそう説明されていない。
-
各キャラには「サイズ」の概念があり、攻略本には「サイズ補正」なる設定が載っているが、実際は働いていない。
-
その為「サイズの大きいキャラほどユニット編成が制限される」という程度の効果しか無い。「大きいほど損」というだけ。
-
地形効果パーセンテージも何を意味しているのか不明である。
サンプルゲーム
『ミンスター』というサンプルゲームが収録されているが、これもクソゲー。
-
人間と魔族の関係など、非常に詳細な設定が冒頭で語られる。更に前半は長い会話が多く様々な情報が提示され、壮大な物語を予感させるがそれで容量を使い果たしたらしく最後は露骨に尻すぼみに。
-
9面しかないのに、7・8面はイベント一切無しの、只の通過面。
-
ラスボスを倒した途端、会話も何も無く突然スタッフロールが始まる。
-
ゲームバランスも悪い。
-
マップはだだっ広いのに、殆どのキャラの移動力は2か3。
-
ザコ敵は最初から強く、店は4面にならないと出てこない。
-
3面クリア後に仲間が増えるまでは、魔法使いの女1人ぐらいしか戦力になるキャラがいない。「なんでそんなに剣の腕が立つんだ?」と言われる仲間キャラもいるが、他のメンツと大差ない。
-
最初の2面は、敵を倒さず逃げてもクリアできるのだが、3面は敵を全滅させなければならない。しかも余計な事に仲間6人のうち死んだ途端ゲームオーバーになるキャラが3人もいる。
-
更に後に仲間になる主要キャラ2人も死亡=ゲームオーバー仕様。
-
そのくせラスボスが凄まじく弱い。しかも最終面が始まった途端目の前にいるもんだから1ターンで殺せる。ネタか?
-
ザコキャラは、ボスの後ろの方に控えている為、むしろそいつらと戦う方が難しい。
-
一応補足しておくと、ラスボスは悪政を敷く宰相であり、自身に戦闘力が無くても不思議ではない。シチュエーションとしては「強い護衛やモンスターを退け、悪の元凶を討ち取って戦いを終わらせろ」と言うものだが、だったら護衛やザコを前面に押し出してそっちをラスボス扱いすれば良かったのではないか。
-
冒頭で長々と喋っていた3人の仲間はその後は一切イベントに登場しない。
-
主人公格3人は死亡したらゲームオーバーなのに対し、この3人は死亡してもペナルティ無しである為である。つまり結局は前述のようにツクール自体の仕様の問題である。
-
「親父さん」と呼ばれている味方キャラの戦闘時のグラフィックが、なぜか「お祈りしている女」。
-
因みにこいつは回復魔法を使えるのだが、入手できるのは4面であり、それまではほぼ戦力外…どころかいるだけキャラ。
-
しかもその4面では仲間も増えており、回復魔法なんてなくてもどうにかなるようになっている。
-
本作の仕様と容量から、この様にしか作りようがなかった…とも思えるが、移動力の足りなさと「親父さん」の役立たずぶりはフォローのしようがない。
-
なお味方ユニットの中で1番強いのは、個人名の無い「魔族の兵士3人」である。
その他
-
音楽、グラフィック、エフェクト素材のクオリティは高い。顔グラフィックは自作することも可能。
-
しかし各キャラの戦闘時のアクションは1つずつしか用意されていない為、「装備した武器によってグラフィックが変わる」という演出はできない。
-
クラスチェンジに関しては様々なパターンを製作できる。途中で分岐したり、特定のアイテムを使わないとなれない職業も設定可能。
-
説明書には「1度設定したイベントは修正できない」という記述があるが、実際はできる。なぜこんな表記をしたのか?
-
出来が酷かったからなのか、もしくは『ティアリングサーガ ユトナ英雄戦記』の裁判のためか改訂版が次々とリリースされることはなかった。
-
『シミュレーションRPGツクール』という名義のソフトは、これに若干先んじて発売されたPC版もあるが、そちらは本作のような問題点はまったくない。
-
本作のサンプルゲームに登場する回復魔法は「キュアライト」という名前だが、これは『RPGツクール1』のサンプルゲーム『フェイト』に登場する回復魔法と同名である。
-
本作は96年から開発されていたが、度重なる発売延期により、本家である『RPGツクール3』の発売から1年弱経過してからの発売となった。それだけに発売を待ちわびていたツクールファンからの期待度は高かったが、「発売されない方がよかった」と言わざるを得ない出来にガッカリする結果となってしまった。