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RPGツクール4 - (2012/11/04 (日) 21:34:17) の編集履歴(バックアップ)


RPGツクール4

【あーるぴーじーつくーるふぉー】

ジャンル RPG制作ソフト
※)ぼったくり業者に注意!
対応機種 プレイステーション
発売元 エンターブレイン
開発元 アジェンダ
発売日 2000年12月7日
定価 6800円
分類 クソゲー判定
ポイント 燃費最悪
バグだらけ
新システムは好評
ツクールシリーズリンク


概要

コンシューマー向けRPGツクールシリーズの4作目。キャラクターを自分で作成できる画像エディタ『キャラクターツクール』との2枚組。戦闘方式が従来のDQ視点から、FFに近いサイドビューのアクティブタイムバトル方式になった。
また、エンターブレイン刊の月刊誌『ファミ通ブロス』で連載されていた『ジバクくん』(柴田亜美)のキャラクターであるジバクくんが召喚獣として出演している。

問題点

  • 容量の燃費が非常に悪く、すぐにメモリーカードを1枚使い切ってしまう。
    • 初期値はシステム12万ほど、イベント6万ほどあるが、これで1ブロック分ではなく、数ブロック分。なぜ1ブロック分じゃないんだ.....
    • 特にオリジナルマップは異様に容量を食ってしまうため、あらかじめ用意されたサンプルマップを使わざるを得ない。
      • ダンジョンでもこれなので、フィールドマップなんて作れたものではない。
    • 反面サンプルマップの容量は非常に軽く、サンプルマップしか使わないのであれば圧迫することはない。ただし、フィールドマップにはサンプルが用意されていない上に、ダンジョンマップ以上に燃費が悪く、あまり凝った配置をするのは難しい。
    • その上フィールドマップは非常に狭く、他所のRPGで隣町に行く位の距離で大陸の端から端に行けてしまう。
  • システムデータはまだ工夫次第でどうにでもなるが、シナリオデータはそれに輪をかけて燃費が悪く、1つの街に一通りに店や町人などのNPCを置くだけで1割、凝ったサブイベントを置こうものならそれだけで全体の2割を消費する。
    • そのため、後述のサンプルゲームのように短く単純なゲームを作らざるを得ない。
    • 前作『3』同様にシナリオデータの引き継ぎはできるので、これを駆使すれば一応長編も作れないこともないのだが…。
  • サンプルRPGが今までに比べると短く、1時間くらいで終わってしまう。ダンジョンも街と森があるだけで、フィールドマップもない。
    • 始まりの城下町にて、「姫が病気にかかってしまったのでそれを直す薬草を森から取ってきて欲しい。取って来た者を姫の婚約者とする」…ということで主人公たちが森に向かい、薬草を守るボスを倒して薬草を手に入れてめでたしめでたし…でおしまい。
      サンプルゲームとはいえ、あまりに短い。
      • 前作のサンプルゲームの半分か、それより早い時間で終わってしまう。
      • サンプルゲームの製作者は『コープスパーティー』などで有名なチームグリグリのkedwin氏。
      • アビリティの名前が滅茶苦茶で、正式な名称とズレて設定されている。
      • エディット内容がかなり容量を浪費するものである。前述の通り、本作は容量の節約が求められるのだが、このサンプルゲームは容量を気にしなくて良いPC版ツクールのつもりで作ったような手法が多く、本作の機能を活かしきれていない。
      • ラスボスがかなり弱い。威力の高い攻撃が無い為回復はそれほどしなくても簡単にやっつけられる。またラスボスを倒しても経験値や金が入手できる。何の意味もない。
      • キャラの能力設定や武器の攻撃力・魔法威力なども投げ槍、あるボス以外はレベル上げて物理で十分…ほんとにkedwin氏が作ったの?
  • システム面にかなりの難がある。
    • 消費アイテムには「壊れる確率」を必ず設定しなくてはならず、壊れると「○○は壊れてしまった!」の表記が強制的に出る。
      • 確率を100%にしても出てしまうため、アイテムによっては不自然な表記になってしまう。「薬草は壊れてしまった!」は、あまりにも有名。
    • 盾を装備して防御すると、ダメージ9999の魔法でもダメージが1になる超チート仕様。ちなみにサンプルには盾は出ていない。
      • なので盾を装備できるキャラは絶対に状態異常にかかるとかしないと、それだけでゲームバランスが一気に崩壊することに。
    • FFでいうアビリティがあるが、キャラに1つしかつけられず、ゲーム中付け替えさせることもできない。
    • システムデータにパスワードを設定し、初めからプレイすると、何故かパスワードを要求される。
      • つまり、他人にプレイしてもらうには、大事なパスワードを教える必要がある。データを覗かれない為のパスワード設定のはずなのにこれでは意味がない。
    • キャラクターツクールで作ったグラフィックを使う場合、ゲーム中に表示する度にいちいち数秒かけてロードする。これが非常に鬱陶しく、オリジナルグラフィックなど使えたものではない。
  • バグが多く、中には致命的なものまである。
    • 壁に入れたり、音楽が途切れたり、グラフィックが崩れたり、文字化けしたり、挙句の果てにはテストプレイでフリーズする。
    • テストプレイ時のクイックセーブは、Lv、アイテム、パーティーメンバーなどが記録されず、再開すると全て初期設定の数値、状態に戻ってしまう。メーカー曰く、「通常のセーブを使ってください。」とのこと。一体何のためのクイックセーブなんだ。(出荷分によっては修正されている。)
    • 死亡キャラを、戦闘後HP1で復活させるかどうかの設定を「復活する」にすると、全滅してもゲームオーバーにならず、全員HP1でその場で再開してしまう。
      • 逆に「復活しない」にすると、イベント戦闘で敗北時の分岐を設定してた場合、その処理が行われず問答無用でゲームオーバーになってしまう。
  • ちなみに、これらをメーカーに問い合わせると、全て「仕様です。」と返答される。
  • 文章表示が前作の3行枠から、4行枠に変更された。
    • この為、テロップ風にウィンドウ中央へ一行だけ表示するなどの手法が取れなくなっている。
  • まともなBGM・SEが少ない。
    • コミカルなBGMばかりが充実し、中にはウエスタン全開なBGMなど、まともなファンタジーには適さないBGMが大半を占める。
    • 中でも戦闘BGMはSFC作品を彷彿させるような軽い音の音源が使用されており、他のBGMとまた別の意味で浮いている。
      • これは前作、RPGツクール3のBGM評価が非常に高かった点もあり、4購入後にBGMで失望したユーザーも少なくない。
    • 効果音は過去作の使い回しがほとんど
      • マイナーな「3Dシューティングツクール」からの流用も
    • BGM、SE共にサンプリング周波数は前作の半分。聞き比べるとチープな感じになっているのが判る。
    • 新規の効果音は鳴っているのかどうかわからないレベルであったり、使い所が非常に難しいものばかり。
    • メッセージウインドウが開くたびに鳴る効果音が鬱陶しい(設定不可)

評価点

  • 新たに「変数」スイッチが導入された。
    • 分かりやすく言えば、今までのスイッチが「フラグの単純なON/OFF」だとすれば、変数スイッチは「ある数値が一定の値になるとフラグが立つ」というのが変数スイッチ。これにより、より手の込んだイベントを作れるようになった。
      • スイッチの代用としても使える。しかも何故かスイッチよりも容量が軽いというサービス付き。
  • 敵のHPの上限が6桁になり、1魔法ごとに%単位で有効無効を設定することが出来る。
    • 「この敵にはこの魔法の威力が20%増す、もしくは20%減る」といった具合に、非常に詳細な弱点設定が出来る。
  • 戦闘がターン制からATB制になり、上記の点も相まってキャラクターor敵の戦闘における個性が付けやすくなった。
    • ATB制のFFではおなじみのヘイスト・スロウなどの再現も可能。行動が遅い代わりに非常に強力なキャラクターや、逆に行動が早い代わりに能力の低い手数型のキャラなど、個性豊かな設定をすることも出来る。
      • ただし、ウェイトモードにすることができない。
      • ATBバーのたまりやすさは「気力」というパラメータに依存しており、上限が99と低く調整が難しいのが難点。
  • 上記の問題点はあるものの、BGM自体は悪くない。種類豊富な音楽は素材としてだけでなく、作業用にしてもなかなか聴きごたえのあるものが多い。
  • マップやキャラクター素材の種類はかなり豊富。中世ファンタジー風以外にも、現代、和風、西部劇、SFなどといったものも用意されている。
  • 魔法(本作は「技」も設定可能)演出は前作よりも細かなアニメーションが作れるようになった。また、ムービー付き召喚獣も設定可能であり、演出の幅は大きく広がっている。
  • その他、装備設定など様々な点で前作を上回る部分を持ってはいるのだが…。

総評

  • 上記のバグの多さに加え、何より容量の少なさ(燃費の悪さ)が致命的。システムデータは非常に凝った作りが可能なだけに、惜しい作品とも言える。
  • 発売当時PS2の普及時期だったこともあり、8Mメモリーカードが使えるPS2で発売・移植されていればまた違った評価をされていたかもしれない。