「不思議のダンジョン 風来のシレンDS」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る

不思議のダンジョン 風来のシレンDS - (2012/11/08 (木) 12:24:16) の編集履歴(バックアップ)


不思議のダンジョン 風来のシレンDS

【ふしぎのだんじょん ふうらいのしれん でぃーえす】

ジャンル ローグライクRPG
対応機種 ニンテンドーDS
発売元 セガ
開発元 チュンソフト
発売日 2006年12月14日
価格 5,040円(税込)
分類 劣化リメイク判定
風来のシレンシリーズ関連作品リンク

概要

SFCで発売された『不思議のダンジョン2 風来のシレン』をDSにリメイクしたもの。
リメイクに際し、大幅に改定・追加が行われている。

変更点・追加要素

詳細はこちらなどのデータを参照のこと。
中でもゲームバランスは大幅な調整を受け、総じてSFC版に比べ難易度が上昇する作りとなっている。

アイテム関係

  • 全てのアイテムが呪われる仕様に変更された(呪われたアイテムは使用不可、装備品は着脱不能)。本作では解呪アイテム「おはらいの巻物」は単体解呪しか出来ない。このことから、呪いに対するリスクがSFC版よりも高まった。
    • 一方で、同じく全てのアイテムが呪われる『GB2』より実装していた「祝福」状態は受け継がれていない。
  • あらゆる特殊能力と魔法を完全反射する「山彦の盾」の消滅。代わりに効果対象が細分化された「ゲイズの盾」「プリズムの盾」が追加された。
    • 最難関ダンジョンである「フェイの最終問題」では、この代用アイテム2種は出てこない。SFCでは、上位互換たる存在である山彦の盾が出たのだが。
  • 大半の武器・盾に強化限界が付いた。
  • 肉を食べて特殊攻撃を持つモンスターに変身した場合に制限ターンが付き、このターン数が経過すると自動で解除されるようになった。

モンスター関係

  • 殆どのモンスターにレベル4が追加された(従来は上限レベルが3だった)。
    • SFC版ではレベル1しか存在しなかった、カラクロイド系・エーテルデビル系にもレベル2~4が追加されている。
    • レベル3の能力はSFC版より低く、概ねレベル4になってSFC版のレベル3相当である。
  • 「ずっと俺のターン!」と揶揄されるぐらいに、ゲイズ系*1の特殊能力使用率が上昇している。*2
    • しかも、「ゲイズの特殊能力により壺にアイテムを入れるとフリーズ」というバグが発生する可能性がある。
  • 他シリーズから4種、完全新規3種のモンスターが追加された。
    • 中でも「ヒーポフ」系の敵はかわいい見た目と特技を失敗する愛らしさから、『3』~『5』に続けて登場、今や常連になっている。

そのほかのシステムも大幅に変更されている。

  • 鬼岩谷以前であれば前のフロアに戻れるようになったり、新規ダンジョン(魔蝕虫の道・死者の谷底・儀式の洞窟)が追加された。
  • 「掛軸裏の洞窟」はオリジナル版からシステムが大幅に変更され、「ワナ師の腕輪」装備時には罠に掛けた上で敵を倒さないと、どんな敵を倒しても経験値が1しか手に入らなくなった。その一方で複数の罠を連続して踏ませる(罠を連鎖させる)と、連鎖数に応じた倍率の経験値を得られるようになった。
  • 『GB2』で好評を得た救助システムの搭載。Wi-Fi通信でパスワードを使わずに他のプレイヤーからの救援を呼べる。
    • 泥棒中で倒れた時以外はどのダンジョンでも利用でき、初心者救済システムとして機能している。

問題点

  • SFC版と比べて、プレイヤー側が一方的に不利になる調整が多い。
    • 軽度な例は、呪い関連の「より厄介になる仕様に強化+祝福不採用」。祝福は、『GB2の』攻略本で「強化した呪いに対してのバランスを取るため(意訳)*3」と表現されており、実際バランスが取れていた要素だったため、これには不満の声が見られる。
      • おはらいの巻物もGB2では「手持ちのアイテム全解除(例によって壺の中身は除く)」だったのに、今回は前述したとおり単体解除。なぜ中途半端に要素を追加するのか。
    • 目立つ例は、新規モンスターの「カラカラペンペン」系。こいつは手持ちのアイテムを帯電させて使用不能にしてくるのだが、それを防ぐ手段がない
      • 同じく手持ちのアイテムを強制的に雑草に変え、かつ防ぐ手段の存在しない「物荒らし」というモンスターもSFC版から存在していたが、こちらは体力がかなり低く、遠距離からの矢1本で簡単に倒せる。
        しかしカラカラペンペン系は普通の敵並みの体力があり、1撃で倒せないことしばしば。
      • 帯電化したアイテムは、使うことも捨てることも出来ない上に、次のフロアに入ると強制消滅する。実質、「アイテムロスト+枠1つ圧迫」という二重に凶悪なデメリット効果である。
        雑草には一応「食べて満腹度を5%回復させる」という最低限の使い道があるのに比べ、帯電したアイテムにはメリットへ転化できる要素が一切無い。
      • 下位レベルならアイテムを壺に入れれば回避出来るのでまだいいが、上位レベルはむしろ壺を狙って帯電させてくる。通路で遭遇したら悪夢の一言。
  • 装備品の強化限界の設定バランスがいびつ。
    • 「元の攻撃(防御)力が高い装備ほど限界値も高い。ただし特殊な能力を持つ装備の限界値は一律で+8」という、元々強い装備ほど天井も高いという格差助長仕様で、+99まで鍛えられるのは最強クラスのレア装備(火迅風魔刀・秘剣カブラステギ・ラセン風魔の3つ)のみ。
    • 同じく強化限界が存在する『GB2』では、様々な装備の組み合わせにより特殊な効果が発生する「共鳴システム」や、「強化限界が高い武器は合成できる能力の数が少ない(またはその逆)」という仕様があったために下位の装備でも使い道はあったが、今作ではそのどちらもない。上位の武器を手に入れたら、下位の武器は強化値を合成するくらいしか使い道がなくなってしまう。
  • 新規ダンジョンは全て持込可能、レベル継続のダンジョンのみで、『アスカ見参』で言う「裏白蛇」のような持ち込みなしダンジョンの追加を期待していたユーザからは不満の声が出た。
    • 追加ダンジョン自体に問題があるわけではない。元々本作は「一本の大きな持込可能ダンジョンの道中に別ダンジョンへの入口があり、そこから分岐する」という仕様であるため、上述のような制限の多い追加ダンジョンは用意しにくかったのだろう。
    • あくまで初代のリメイクである本作は「持ち帰りの巻物」にあたるアイテムが存在せず、追加ダンジョンで手に入れたアイテムはクリアするか倉庫の壷を使わない限り持ち帰れない。そのハードルの高さは、エンディングクリア程度の腕前の持ち主ではまだまだ厳しい。
  • LV4の新規モンスターのネーミングが、単純で手抜きな印象を受ける。
    • 例えば「シューベル」というベルを持った音楽家のようなモンスターは、「シューベル」「メンベルス」「ベルトーベン」と、「音楽家の名前に『ベル』という文字を組み込む」という法則があったのだが、新しく加わったレベル4は「ショーパン」。一応「ベル→鐘→(音読み)ショー」という連想ではあるのだが、「ヘンベル」「ドベルザーク」など、いくらでもあっただろうに。
  • フェイの最終問題クリアで「ボーグマムル」というキャラが旅仲間になるが、アイテムを与えないとレベルアップできないくせに特技は何もない。
    • また、最大まで育てても特にこれといった要素が出るわけでもないため、オマケ要素にしてはやや物足りない。

バグ

  • 妙にいろんなバグがある。下記は一例。
    • 長時間中断なしでプレイし続けるとフリーズする可能性が高まる。「ゲームは1日1時間」ではないが、2時間ほど連続プレイしたら中断セーブすることが攻略Wikiなどでは推奨されている。
    • すでに記したが、ゲイズに操られて未識別の壺にアイテムを入れるとフリーズする。
    • 必須のオブジェクトが用意されておらず、詰むことがある*4

Wi-Fi関連

  • 公式HP上でスコアアタック(早解き・どれだけ敵を数多く倒したのかなど)を実施していたが、発売直後にチートを用いたありえないスコアを出されたデータが大量に出てきて全く機能しなくなってしまった。
    • どれだけありえないかというと、通常では作ることすらもできない理論上最強装備でスコアがカウンターストップするほど。無論盛り上がることもなく、荒らし行為は結局修正もされなかった。
    • 一応チートプレイヤーのランキングが削除されることもあったが頻度が少なく、実質ないのと同じようなものであった。
      • Wi-Fiなどの通信サービスの利用におけるユーザーモラルの問題の一端が浮き彫りになった例と言えよう。
  • 引き続き好評の救助システムも、助けられっぱなしでお礼をしない、報酬にレアアイテムを催促するなど、モラルの欠けるユーザーが少なくなかった。

総評

追加要素やバランス調整、フリーズの存在と、リメイクにあたって(良くも悪くも)変更点が多く賛否が分かれている。
難易度の上昇自体はバランス調整におけるひとつの方向性ではあるものの、プレイヤー有利に導けるような工夫の余地の無い一部調整は、その遊びの幅の狭さが問題視されている。
ただし、「DS版の評判が芳しくないのはSFC体験者が身につけた知識、経験がほぼ通用しないからであり、初めてシレンシリーズに手を出すならDS版も悪くない」という意見もある。