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BIOHAZARD GAIDEN - (2013/06/09 (日) 20:27:30) の編集履歴(バックアップ)


BIOHAZARD GAIDEN

【ばいおはざーど がいでん】

ジャンル サバイバルホラー

対応機種 ゲームボーイカラー(専用)
発売元 カプコン
開発元 M4 Ltd.(英国)
発売日 2002年3月29日
定価 4,410円
分類 クソゲー
ポイント 知らないor黒歴史の二択
色々と残念な内容
キャラ・前作設定崩壊
バイオハザードシリーズリンク


概要

人気サバイバルホラー・バイオハザードシリーズの黒歴史。海外のメーカーが開発したものをローカライズした逆輸入ゲー。
そのためか全ての要素が本家シリーズとは一線を画する異質なものとなっている。まさに「外伝」にあらず「GAIDEN」。

主人公はシリーズ1作目に登場したバリー・バートン。
新型のB.O.W(生物兵器)を追って豪華客船スターライト号に潜入したレオン・S・ケネディ(『2』の主人公)を救出すべく出動する。

システム・ゲーム性の問題点

  • 文章は漢字を使えない部分がカタカナに置き換わっており読みにくい。ひらがなにすればいいのに。
  • バトルシステムは特殊で、本家シリーズとは違いRPGのように移動シーンと戦闘シーンが分かれる。
    • 移動シーン中に武器を構えて敵を狙うと先制攻撃ができる。
    • 敵に捕まってしまうと振りほどいたあと戦闘突入となる。このとき付近に別の敵がいると、その敵も戦闘画面に入ってしまう。
    • 攻撃方法は左右に動くスライダーを敵のいるエリアに合わせてボタンを押すというもの。中心で止めると大きなダメージを与えられる。
    • 強力な武器ほどスライダーの移動速度が速く、貴重な弾を無駄にしやすい。当然弾切れになると強敵との戦闘で詰むのだが、弾を浪費する理由の大半が「無駄撃ち」では納得がいかない。
    • 弾数無制限のナイフは敵が目の前に近づいてくるまで攻撃できない。近づいてきた瞬間に攻撃を食らう場合もあり、ダメージを受けやすい。
    • 逃げることもできるが、スライダーを中央で止める必要があるうえ、止めてもある程度経たないと逃げられない。
      • 逃走モードに入った瞬間敵の攻撃が激化するため、ノーダメージで逃げるのはまず無理。しかも一旦逃走モードに入ると攻撃モードに戻ることはできない。
    • パーティは最大3人だが、アクティブになっているキャラクター以外はダメージを受けないし攻撃もできない。パーティ組む意味が無い。
  • 敵ザコはすべてゾンビで、ボスは3形態あるもののデザインはほとんど変わらない。
  • 武器を持ったゾンビが登場する。本家の設定では、ゾンビは知能が退行しており武器を持てないはずだが…。武器ゾンビはナイフの届かない距離から攻撃してくるため鬱陶しい。
  • 女ゾンビは毒を持っている種がいるが見分けはつかない。
  • ハーブもイエローハーブ(余談だが後に4にも登場する)やパープルハーブが存在し、レッドハーブが単体で使えるなどシリーズと効果が異なる。しかもはじめから粉になっており、調合システムは削除されている。
  • 敵の中にはアイテムを持ったゾンビがおり、近づくと知らせてくれるが…
    • キーアイテムを持ったゾンビと消費アイテムを持ったゾンビの見分けがつかない為、アイコンのつくゾンビを片っ端から倒さなくてはならない。
    • サーチ範囲もアバウトで、狙ったゾンビと違うゾンビがアイテムを持っていた、なんてことも。
  • ステージのところどころに穴が開いている。そこら中に穴の開いている船なんてかなり危ないのではないだろうか。
    • まぁ、このゲームに登場する船もそこら中に穴が空いてるのだが…。
    • 一応ストーリー中で船内が爆破されたりするが、大半の穴はその前から開いている。
  • ゾンビのつかみ範囲は結構広く、前述の穴が移動範囲を狭めているせいもあって回避は難しい。いったん捕まったら前述の戦闘システムのせいで逃げるにしろ戦うにしろダメージを負う。
  • アイテムはマップに表示されず、近づいてアイコンが反応したときにAボタンを押すと拾うことができる。
  • ロックされた扉もあるが、解錠のヒントはほとんどない。手に入れたアイテムを総当りで使うしかない。
    • 爆弾やブロートーチで解除する扉も普通の扉と同じように扱われる。
    • 極めつけは冷凍室の扉を開ける「冷却装置のヒューズ」である。それって扉の前で使うものではないのでは?
  • セーブは任意にできず、特定のタイミングのみ可能。
  • セレクトがステータス画面、スタートがマップ画面。シリーズの慣例に従うと逆なので混乱しやすい。
  • ゾンビを倒してもはいずりゾンビになって残るときがあり、捕まると再び戦うことになる。先制攻撃は不可能。鬱陶しい。さらにアイテムを持っているゾンビが這いずり化しても見た目でわからなかったり、倒した這いずりゾンビがまた這いずり状態になったりする。

グラフィック・BGMの問題点

  • アメコミティストにアレンジされ、元キャラの面影があまり無い登場人物たち。
    • ヒゲもじゃ親父を通り越して猿人顔のバリー。目が点になったようなレオン。某政治家に似た顔の陰影のどぎつい司令官*1。脱力系ギャグマンガのような表情のオリジナルキャラ・ルシア。
  • 画面の色使いは暗く、影までついているので非常に見難い。敵やアイテムを見落とすことも多い。
  • BGMは暗くて単調な上、不協和音が多用されていて、聞くに堪えない。また、ゾンビのうめき声が入るとBGMが消える。

シナリオの問題点

  • すべての登場人物の言動に何かしらおかしな点がある。とくにレオンのキャラ崩壊が目立つ。
    • ある事に関して疑うバリーに大事なことを後から言う。先に言ってあげようよ。アンブレラの潜水艦に近づこうとして兵士に銃を向けられた時に「俺を撃つつもりか?」と言い出し、当然のごとく発砲されると「あいつら本当に撃ってきやがった!」と言う。そりゃ撃たれるよ。更に船が沈没しそうになったとき「俺、泳げないんだよな!」と冗談を飛ばす。バリーに向かって「あの世で会ったらブッ飛ばしてやる」「よくも俺をコケにしてくれたな」などと悪態をつく。とても『2』のレオンと同一人物に見えない。
      • 本当に別人なのかも知れないが。詳細は後述。
  • 警備室の扉を調べていないのに「警備室には鍵がかかっている」などと言い出すバリー。いきなりルシアをB.O.Wと疑いだしたり、突然単独行動を取ったりする。一時レオンが主人公のように感じる始末。
  • 後半の登場人物とのやりとりがあり得ないほど超展開。わざとかと思うほど大事なことを口にしてくれる。しかも都合よく存在する大事な施設でとあることをおこなうようあっさり指示を出す。実は逆の立場にいる人なんじゃないかと疑える位である。
  • 最初に新型B.O.Wを倒したとき、敵は溶けてしまうが、その後のセリフは逃げられたということになってしまう。また以降バリーはこのB.O.Wのことを「アメーバ」と言うようになるが、敵として出てくるときは人型なのでわかりにくい。
  • 新型B.O.Wは血が緑色という設定だが、戦闘中は赤い。ヒット時のエフェクトをゾンビのものと使い分けていない。

エンディングに関する謎

+ ネタバレ注意

任務完了を報告するレオンの首から緑色の血が…という衝撃のエンディング。しかし、この設定が活かされたシリーズ作品は現在ひとつも存在していない。
そもそも、公式設定ではレオンはラクーン脱出後合衆国政府に保護されており、反アンブレラ組織に所属していたことはない。
つまり、本物のレオンははじめからスターライト号事件には関与しておらず、新型B.O.W.がレオンに化けていたということになるが、そうだとした場合、なぜ産みの親であるアンブレラに敵対するような行動を取るのかという疑問は残る。
また、バリーたちが倒したはずの新型B.O.W.に生き残りがいて、途中で本物のレオンとすり替わっていた……という後味の悪い解釈も存在する。
いずれの場合でも、明確な証拠はないためどうとでも取れる。
欧米のホラー映画やサスペンス映画では、ハッピーエンドに見せかけて一抹の不穏な気配を残して終了し、後味の悪さを余韻にして終わらせるといったお約束的な演出がよく用いられるため、本作もその類の演出であると考えるのが妥当だろう。あくまで本作は「GAIDEN」だし……ね。

本作の位置付け

上記のような内容と知名度の低さから、ファンは存在を知らないか、知っていても黒歴史扱いしている。
その後のシリーズ内で本作の事件(スターライト号事件)に関して言及されたことはないし、バリーも登場していない。レオンは登場したものの、やはりスターライト号事件に関連する記述は絶無なうえ、『ダークサイドクロニクルズ』では、反アンブレラ組織にいた経歴自体がなかった事にされている(設定そのものは『コードベロニカ』の攻略本スタッフインタビューに記述がある)。
バイオシリーズ産みの親、三上真司氏はアドバイザーとしてスタッフに名を連ねている。