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スターウォーズ - (2011/05/21 (土) 12:38:04) の編集履歴(バックアップ)
スター・ウォーズ
【すたー・うぉーず】
ジャンル
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アクション
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対応機種
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ファミリーコンピュータ
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発売元
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ナムコ
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発売日
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1987年12月04日
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分類
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バカゲー バランスが不安定
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ポイント
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原作から見ればカオス 未熟すぎるルーク・難易度はジェダイマスター級 オレサマハ
サソリベイダー
ダ 鬼畜すぎるシューティングステージ
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概要
ナムコがスターウォーズの一作目「EP4(新たなる希望)」をベースに制作した、所謂キャラゲー。
プレイヤーはEP4の流れに従ってルークを操作し、横スクロールアクションのパートとコックピット視点のシューティングのようなモードを交互に繰り返しながら、デススターの破壊を目指す。
アクションパートでは、ルークはライトセイバーを振るって敵を倒し、前に進んでいく。敵を倒すことで「フォース」を取得することができ、貯めたフォースを使うことで特殊能力を発動できる。また、各地で仲間を助けると、仲間の能力に由来した特殊能力を習得できる。
コックピット視点のシューティングモードではミレニアム・ファルコン号を駆って、ブラスターキャノンで敵の戦闘機TIEファイターを撃墜しながら進む。要は「スターラスター」をミニゲーム化したものと思えばよい。
と、ここまで読む限りでは「なんだ、スターウォーズを題材にしたまともなゲームじゃないか」と思えるのだが…
キャラゲーとしての問題点(バカゲーな点)
ストーリーの改変がすさまじく、原作破壊の一言に尽きる。一見EP4を再現しているように見えるが、原作を知るファンからすれば失笑ものの出来であり、この時点でキャラゲーとして失格の烙印を押されても仕方がない。
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ストーリーダイジェスト。長いので収納。
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冒頭
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まず、レイア姫がR2-D2を通じてルークに直接救援メッセージを送ってくる。オビ=ワン宛ではなくルークにである。そして、ルークは何故か最初からライトセイバーを持っており、原住民のジャワ族に略奪されたR2-D2を単身助けに向かう。ジャワとサンド・ピープルのシーンを変にそれぞれ解釈したものと思われる。
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ちなみにこの時点でR2の相棒・C-3POは登場していない。
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この時点で多くのファンやプレイヤーは「嫌な予感がする…」と思ったことだろう。そして、この後にはその予想の斜め下を行く原作破壊の嵐が待ち受けている。
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ステージ1 砂漠の惑星「タトゥーイン」
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単身ジャワのサンドクローラーに突入し、ストームトルーパー達をけちらして進むルーク。クローラーの最奥には何故かダース・ベイダーが。そしてダース・ベイダーがルークに向かって開口一言で「オレサマハ サソリベイダー ダ」。サソリ? サソリですか? そしてサソリベイダーとのバトルに突入、ベイダーに一発でもセイバーを当てると名前の通りサソリに変身する。フォースの暗黒面ってレベルじゃねーぞ!
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サソリベイダーを撃破すると、ルークはランドスピーダーで敵を轢き殺しながら次の目的地へと向かう。そういう乗り物じゃねーからそれ!!
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オビ=ワン・ケノービの住居らしき場所に着くと、ルークはそのままミレニアム・ファルコン号に乗りタトゥイーンを発つ。この部分は矛盾の塊である。原作未見の方のために、ここで原作での流れを簡単に説明する。
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1:ルークはドロイド二体と共にオビ=ワン邸を訪れ、彼からライトセーバーを受け取る。その後ルークはレイア姫の元へ向かうオビとドロイドを、アンカーヘッドの町まで送ろうとする。
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2:一行は途中、襲撃されたジャワと遭遇し、ルークは帝国軍がドロイド二体を追っていること、また自分の保護者である伯父夫婦を殺した事を知り、オビ=ワンの元で修業を受けてジェダイの騎士となることを誓う。
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3:一行はモス・アイズリー宇宙港で密輸商人のハン・ソロとチューバッカのコンビを雇い、彼らの宇宙船ミレニアム・ファルコン号でタトゥイーンを脱出する。
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というのが原作での流れ。しかしこのゲームでは、そのプロセスを何もかもすっ飛ばしてルークとR2がファルコン号を飛ばす。ファルコン号の船長ハン・ソロと乗組員チューバッカは捕らわれの身となっており、後のステージで救出することになる。
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原作ではこの時点ではルーク、オビ=ワン、ハン・ソロ達の間で面識がない。しかしゲームではすでに面識があるかのように振舞い、ルークに救援要請を出すのである。しかもファルコン号は本来の停泊地になく、ルークはこれを無断使用している。こんな意味不明のゲームオリジナルストーリーを誰が求めているのか?
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ステージ2 山の惑星「ケッセル」
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そんなツッコミが追いつかない原作破壊の嵐を乗り越え、オビワンを追って惑星ケッセルへと辿りつくルーク。
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しかしこの惑星ケッセル、原作ではC-3POが「ケッセルの強制労働鉱山に送られたくないだろう!」と語っているだけであり、ケッセルに立ち寄る場面はない。まあ、当時はまだ裏設定が固まっておらず、ゲームのボリューム、面白さを追求した結果オリジナル展開となるのもいたしかたがないところか。
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ところが施設の最深部では再び偽ダース・ベイダーが現れ「オレサマ ハ ギャオスベイダー ダ」と名乗る。ギャオスベイダーも最初はベイダーの姿だが、一発セイバーを当てると翼竜のような姿に変身する。ギャオスってまさか…このギャオスか……?
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ギャオスベイダーを倒すと、捕縛されていたオビ=ワンが救出可能となる。しかし、ジェダイの騎士であり劇中でも相当の実力者である事が描かれたオビ=ワン・ケノービ将軍が、あっさり敵に捕らわれているとはどういう事か。
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ステージ3 水の惑星「イスカロン」
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ステージ4 「デス・スター」
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ステージ5 氷の惑星「ティナ」
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ステージ6 基地の惑星「ヤビン(ヤヴィン)」
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この後も惑星をめぐり、C3-PO、レイア、チューバッカ、ハン・ソロの順に仲間を助けだしていくのだが…
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イスカロンとティナは原作には全く登場していない。EP4では登場しないとはいえ、カラマリやホスでは駄目だったのだろうか…。
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各エリアには勿論ベイダーのパチモノが待ち構え、鮫のような姿に化身する「クラドスベイダー」、雪男に化身する「ワンパベイダー」などが現れる。…頭が痛い。
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ワンパベイダーの「ワンパ」は、実際にスター・ウォーズの世界に登場する雪男のようなクリーチャーではあるのだが(無論ベイダーの姿に変身したりはしない)、原作で登場するのは続編のEP5からである。
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レイアを助けるべく突入したデス・スターでは、本物のダース・ベイダーと対峙する。そこで彼は「今までの敵はまやかしだ」と語る。開発者はダース・ベイダーをイン『ベーダー』的な何かと考えていたのだろうか。
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ヤビンには反乱同盟軍の秘密基地が存在している。原作では帝国軍はこの星に基地があることを知らず、基地の所在を聞き出すためにレイア姫をさらった。しかしゲームではなぜか基地が帝国軍に制圧されてしまっている。
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この星の正式名称は「ヤヴィン第4衛星(通称ヤヴィン4)」である。劇中ではこの名称は出ない。
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ヤビンではチューバッカが助けてくれるのだが、その際に「オラガ トビラヲ コワシテミマスダ」としゃべる。何故に方言!?
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そして仲間を全員救出すると、X-ウィングに乗り込んで最終決戦へ。
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ステージ7 「デス・スター内部」
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最終ステージはまさかの縦スクロールシューティング。原作ラストを再現してはいるのだが、難易度が高い。
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強制スクロールかつその速度が速いうえ、時間制限つき。障害物やTIEファイターの攻撃をすり抜けながらタイムエクステンドアイテムを習得し、デス・スターの最深部に到達しなければならない。
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ゲームそのものの問題点
アクションについて
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操作性が悪い。ジャンプの制御が難しい上に足元が滑りやすい。足場の悪いステージも多いため、墜落死や敵や即死トラップとの衝突死が頻発する。
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ルークはいかなる攻撃でも一撃死するにもかかわらず、敵の層が厚すぎる。前述の通り操作性が悪いため、回避して進むのも一苦労。
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そしてルークの主兵装は原作通りライトセイバーなのだが、近寄らなければ攻撃できないルークに対し、相手は容赦なく高空から突撃したり、ブラスターライフルを連射してくる。そしてルークは原作のように華麗にブラスターをセイバーで弾き返せ…ない。確かにEP4のルークは未熟だが、そんなところを原作再現してどうする。
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道中でブラスターを拾えるのだが、これの方がライトセイバーよりよっぽど強い有様。オビワンに怒られるぞ、ルークよ。
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ただしボス戦では勝手にセイバーに持ち替えさせられるため使えない。ボス戦くらいジェダイの騎士らしく戦えって事か。
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同じ2Dアクションで剣使いといえばかのゼロが有名だが、ルークの剣技はその足元にも及ばない。しかも足元に届かないため、しゃがまないと至近距離にいる足元の敵には攻撃できない。
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フォースの扱いに疑問
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ゲームでのフォースは「敵を倒してポイントを貯め、それを消費してルークがパワーアップする」というもの。その内容はバリアを張ったり、時間を止めたり、ワープしたり、セイバーから衝撃波を飛ばしたりすることが出来る。 …ゲームなので仕方ないとはいえ、いくらなんでもそのフォースの解釈はあんまりでないか。
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空中浮遊のフォースまである。言うまでもなく、シリーズにフォースで空中浮遊するジェダイ騎士など一人たりともいない。一応作中では、フォースを使って跳躍力を高めた大ジャンプや、フォースで落下の衝撃を殺しての受け身などが行われているが、それは浮遊とは違うだろう。
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そしてコンティニューにもフォースを消費する。コンティニュー画面で上押しながらAボタン16回でコンティニューが可能なのだが、再開時にフォースを30差し引かれる。無論手持ちのフォースが29以下の場合はコンティニュー不可。
シューティングについて
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スターラスター風味の3Dシューティングなのだが、こちらも難易度が高い。
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ミレニアム・ファルコンはTIEファイターのブラスター1発で宇宙の藻屑となる。 ファルコンには強力な防御シールドが搭載されている設定であり、一応Aボタンで3回まで敵の攻撃を無効化するシールドが張れるが、1回につき効果時間は約3秒程度。いくらなんでも欠陥品すぎる。劇中ではTIE4機の猛攻に耐えきっているのに…。いくらなんでもバランス取りが極悪。
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しかも敵の出現パターンはランダムでパターン化も出来ず、かなりの反射神経を要求される。プレイヤーにフォースでも使えと?
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最終ステージのみ縦スクロールシューティングになるのだが、これがコンボイ?並の死にゲー。
評価点
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難易度は高いが、アクションゲームとしての体裁は整っており、クリアできないと言う訳ではない。悔やまれる点は難易度調整が甘かったこと。
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BGMやSE、グラフィックはなかなか頑張っている。FCとしての味がある。
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ゲームを始めると、20世紀FOXのロゴをナムコに置き換えたパクリロゴがいきなり現れる。パロディとしては面白い。今なら確実に訴えられておしまいだろうが。
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ゲームオーバー画面のBGMがダースベイダーの呼吸音。からかうダースベイダーに殺意を感じる。
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コクピット視点のシューティング面を採用するなど、意欲的な面もある。
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原作破壊の目立つ本作だが、何故か「デス・スターのゴミ捨て場に落っこちて、動く壁に潰されそうになる」というシーンは再現されている。脱出方法も映画と同じ。
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ゲームとしての完成度は高いにも関わらず、原作とのズレが激しいバカ要素が目立ちすぎた為にクソゲー扱いされることになった作品である。
総評
「ルークよ、これがSWのキャラゲーだ」「嘘だぁあああああ!!!」
ゲーム難易度的にはクリア不可能な程ではないが、原作とのズレまくりには笑うしかない。
あの名作を何故バカゲーに製作した当時のナムコは何を考えていたのだろうか、そう思わずにはいられないバカゲーである。
余談
余談だが、このソフトは『スーパーゼビウス ガンプの謎』『ドラゴンバスター』に次ぐ青メッキロム(前2つはそれぞれ銀、金)で発売された。結局、「ナムコの金ピカロムに名作無し」という評価を覆すことは出来なかったが。
参考動画