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新約聖剣伝説 - (2012/06/20 (水) 18:02:16) の編集履歴(バックアップ)
新約聖剣伝説
【しんやくせいけんでんせつ】
ジャンル
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アクションRPG
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対応機種
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ゲームボーイアドバンス
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発売元
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スクウェア・エニックス
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開発元
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ブラウニーブラウン
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発売日
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2003年8月29日
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価格
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5,800円(税別)
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分類
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劣化移植判定
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ポイント
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原作のストーリー改悪・設定矛盾
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聖剣伝説シリーズリンク
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概要
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1991年に発売された『聖剣伝説 ファイナルファンタジー外伝』のリメイク。
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タイトルから"FF外伝"を外してFF色を減らし、後期の聖剣伝説シリーズの要素を取り入れて作り直した作品。
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原作には登場しなかった、他の聖剣シリーズからのゲストも多く登場する。
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主人公としてヒロインを選択できるようになり、ヒロインの視点で描かれるストーリーが新たに追加されている。
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BGMはGB版同様、伊藤賢治氏が担当したので当作品では比較的評価されている要素。
ストーリー
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ヒーロー(以下主人公)はグランス公国大臣の一人息子だが、同国の公子でありマナの一族の殲滅を行っているシャドウナイトにより両親を殺され(マナの一族であるヒロインを庇ったという理由)、自身は捕らわれて奴隷剣士として生きながらえていたが数年後に逃げ出すことに成功、その後にヒロインとの再開を果たしマナの樹を巡る戦いに巻き込まれていく。
問題点
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原作であるGB版のシナリオ・キャラ設定は大幅に改変されている(概要のリンク先に記載しているストーリーとの比較を推奨)。かつて名シーンであったところがカットされていたりもするため、改悪とみなす人も多い。
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GB版ではウィリーという奴隷仲間の死をきっかけに国を抜け出すのだが、当作品での彼は死なないうえにヒロインと同じ村の出身(マナの一族)という設定も加わった事で、ED直前のヒロインの悲劇を回避できた可能性が出てきたため矛盾を増やす結果になった。
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レスターという青年を助けるために、主人公の元奴隷仲間でレスターの姉でもあるアマンダと一緒にメデューサの血を手に入れるため戦い、その際に噛まれて魔物化する彼女を殺すシーンが手動から半手動に。
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主人公が立ち直るきっかけとなるボガードとの口論やチョコボのサイボーグ化がイベントごと削除(最もチョコボは登場自体しなくなったのだが)。
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マミーシーカーにジャンプ機能を与えてしまったためあるシーンが成り立たなくなった。
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これについては『「改悪」という言葉すら生ぬるい。』と評する人もいる
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追加のヒロイン視点も、予め原作かヒーロー視点をやっていないと人物や状況が意味不明だったり無理のある展開も多い。
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シナリオ担当の生田美和(しょうだ みわ)氏はGB版をプレイしていない事を公言していた(しかも公式のイベントの場で)。
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これは元々「原作のイメージに捉われない」でシナリオを作るというコンセプトからだったようだが、完全新作ならともかく、ファンの多かった作品のリメイクで行われたために不評の声は多かった。
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リングコマンドの使い勝手も悪く、元のGB版のコマンドの方がマシとまで言われる。
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SFC2・3のリングコマンドでは開いた最初のページが回復などの道具で、十字ボタン上下でカテゴリ選択を行っていたが、本作では最初のページがカテゴリ選択で十字ボタン上下は使用されていない。
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そのため、回復アイテムを使うにもリングコマンドを回してカテゴリを選択しなければならず面倒。しかも動作の反応がよすぎて行きすぎてしまう場合も。
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GB版で主人公と一時的に戦ってくれたNPCの面々が、当作品では主人公と同じ操作キャラ扱い(プレイヤーが操作しないときは自動で動いて戦う)になっているのだが思考CPUが馬鹿すぎるのか、すぐに死亡する役立たず仕様にされてしまった。
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やり込み要素が増えたのだが、終盤のストーリー仕様が変わっていないため(ラストダンジョンに入ったら今までの場所に行けなくなる)収集する気が削がれる。
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GB版はいつでもセーブ出来たが、当作品ではセーブポイントでしか出来なくなり退化している。
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セーブポイントは聖剣伝説3にあやかってマナの女神像にしたのだろうが、携帯機ならばせめて中断セーブかスリープモードぐらいはつけるべきだったかもしれない。
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能力に素早さが追加され、敵の攻撃を受けても確率で回避できるようになったが、こちらも素早さを上げていないと物理攻撃が殆ど当たらなくなってしまう。
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主人公はレベルアップ時の成長パターンに気を使うことで問題は回避できるのだが、仲間はある程度のバラつきはあるものの基本は固定成長なため、後半では存在価値がなくなってしまう。
総合
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単体としては「劣化移植」の域を出ないが、上記の展開が災いして聖剣ファンに大きな不信感が出来始めてしまった。
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あまりにも別物になったため、「新約」と混同しないように明確に区別するため原作を「旧約」とする呼び方も広まった。
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今思うとこのソフトこそが、スクウェアの看板シリーズがわずか3年で地に落ちるという、聖剣転落シーズンの幕開けだったかもしれない。
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それを反省してか、その後に原作を忠実にカラーリメイクした携帯アプリ版が配信された。
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なお、本作のシナリオを手がけ顰蹙を買った生田美和氏は元スクエニ社員(本作の時点で独立している)。その後小説執筆や『FFXII』『黄金の絆』のシナリオなども手がけている。
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彼女の手がけたサガフロ1やLOMのシナリオを新約後に叩くプレイヤーもいたが、もともと評価が低いわけではなく、所謂『坊主憎けりゃ袈裟まで憎い』の類である。