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電脳戦機バーチャロン マーズ - (2013/07/11 (木) 20:50:22) の編集履歴(バックアップ)
電脳戦機バーチャロン マーズ
【でんのうせんきばーちゃろん まーず】
ジャンル
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3Dロボットアクション
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対応機種
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プレイステーション2
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発売元
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セガ
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開発元
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ヒットメーカー
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発売日
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2003年5月29日
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定価
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¥6800(税込)
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分類
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黒歴史
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ポイント
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テムジン無双テムジンゲー 半分以上の機体が前触れ無く削除・景清どこ行った ガタガタのストーリー ロード地獄 フォースの代替品には程遠い
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配信
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PS2アーカイブス:2013年3月21日/800円
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電脳戦機バーチャロンシリーズリンク
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概要
電脳戦機バーチャロン フォース。
バーチャロンシリーズの3作目としてアーケードで稼働したこのゲームはファン間での好みの分かれこそあったものの、大きな人気を博した。
そして、家庭用移植を望む声も高かった。
しかし、移植への壁は高かった。
このゲームは非常に機体が多く、容量的な問題は無視できない。さらにネット対戦環境があまり整っていなかった当時の環境では、満足な対戦環境は整えられない。これは対戦を主な楽しみとするフォースにとっては致命的である。
そして何らかの「一人プレイでも楽しめるようなアレンジ」を施さなければ、家庭用は難しい… 当時のファンもその結論にすぐに行き当たり、家庭用は半ば諦められていた。
しかしフォース稼働から2年後…フォースのシステムを元にしたバーチャロンの新作が発表される。
「シリーズ初の家庭用完全新作」というキャッチコピーに沸き立つファン。
しかしそこに待っていたのは、ファンの期待に沿うような新作などではなかった…。
特徴
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ゲームの狙っていた購入層は『バーチャロン』を知って間もない人や、設置数の少なかった『フォース』を満足にプレイしていない旧来のファンなどとのこと。
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ゲームはマーズ独自のストーリーに沿ってゲームを進める「ドラマチックモード」、そしてアーケードのように敵を倒して勝ち進む「チャレンジモード」、対戦用の「バーサスモード」の三つのモードを遊ぶことが出来る。
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ドラマチックモードはこのゲームのキモで、主人公は戦争の秩序を守る特殊部隊『MARZ』に属し、与えられるミッションをクリアしていく。ゲームを進めるにつれ、これまで設定資料や小説、ドラマCDなどで語られていた設定を発展させ、バーチャロン世界の根幹にも関わる大きな戦いに発展して行く。
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バーチャロンの世界では、現代における競馬や競艇などと同じ感覚で『限定戦争』という名の娯楽の戦争が日常的に行われている(という設定)。この限定戦争のルールに違反した者を取り締まるのがMARZ。
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ミッションは戦いばかりではなく「護衛」や「探索」などというものもあり、従来のバーチャロンでは見られない多種多様な戦いが楽しめる。
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敵VRを撃破すると一時的に能力が上がるアイテムや回復アイテム、設定資料アイテムが入手できることがある。
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条件を満たすと機体の支給があるが・・・(問題点は後述)
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チャレンジモードは「フォース」のルールを適用したアーケードモードのようなもので、自機と僚機を選んで現れる敵を倒してクリアを目指す。
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バーサスモードは文字通り、対戦用のモード。2人で対戦の場合は縦分割・横分割のみ(SS版OMG同様)で、DC版オラタン等にあった「本体・画面・ソフト2つずつ用意してのシステムリンク」は存在しない。
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アクション面のシステムに関しては『フォース』と変わりないため、そちらの記事を参照してほしい。
問題点
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頻発するローディング
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機体選択画面で機体のCGを読み込む度にローディング、タイトル画面でモードを選べばローディング、ミッション開始でローディング、ドラマチックのメニューで項目を選ぶたびにローディング、その他…『メダロットR』かよ!
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とにかく頻繁に発生する。ゲームの進行を阻害する大きな原因で、ストレスになるレベルである。特に機体選択の時に顕著。
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機体の収録数
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ファンを激怒させた一番の問題点。フォースから機体のバリエーションはほとんど削られており、残っているのは色や一部パーツを変えただけのマイナーチェンジ機種。悪あがきのような水増しをあからさまに計っている。
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マイザー、スペシネフ、バルシリーズ、フェイ=イェン系列は各系列一機種のみ。フォースで初登場した“景清”は系列ごと抹消されている。
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一方でテムジン、VOXはかなりの数が参戦しているなど、系列ごとの偏りが酷い。恐らく、削られた機種はビジュアル面での変化に乏しいため、同系列でも外見の変化が大きいこの二つの機種を優先したのだろう。
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エンジェラン系列は本作オリジナルのバリエーション一体のみとなった。もっともエンジェランは元の機体が2on2を意識した武装ばかりだったため、一人用のバランス調整としてはやむを得ない変更点であろう。
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フォースの記事を参照してもらえれば分かるが、フォースは多彩な機体が注目を浴びた一方、システムの仕様によって軽々と機体を乗り換えることが出来ず、すぐには自分の願った機体を使えないという問題点を抱えていた。ゆえに本作では自宅で様々なレア機体を試せると期待されていたのだが、裏切られたファンの怒りは相当なものとなった。
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なお、各機にはバリエーションと別にカラーリングバリエーションがあるのだが、それを出すのが非常に面倒。ドラマチックの周回がカラーリング出現条件という信じられない機体も。
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テムジン系列のあからさまな優遇
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テムジンはバーチャロンの「顔」と言ってもいい人気機種なのだが、それにしても先述の「数」に加え、「質」の面でも優遇されすぎている。
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まずは、数の面を挙げる。プレイヤーが使用出来るテムジン系機体は10機。
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テムジン系詳細
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テムジン707系列
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MZV-707S テムジン707S
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MZV-707S/V テムジン707S/V
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MBV-707J テムジン707J
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MBV-707J(SF) テムジン707J スペシャルフォース
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MBV-04-10/80adv テン/エイティ アドヴァンス
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テムジン747系列
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MZV-747J テムジン747J
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MZV-747J/V テムジン747J/V
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MZV-747HII テムジン747HII
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MZV-747HIIA テムジン747HIIA
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VR-747 Type-a8 テムジン"護焔艦隊筆頭機" ホワイトナイト
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MBV-747AII テムジン747AII(チャレンジモードのCPU専用)
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ちなみにそのほとんどが、外見的にはカラーバリエーション+指揮官用の頭飾りが装備された程度の差異しかない。
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707系の機体はテンエイティ以外はほぼすべてがコンパチレベルの違いしか無く、747系は747J、747H、ホワイトナイト、747AIIと一応差別化はされている。
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ちなみに、フォースの基幹機体だった747Aは実はいない。
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これ以外の機体だと、多いところでは先述のVOX系列が9機(ただし、そのうち2機はエネミー用のザコ機体)、アファームド系列の機体がJタイプ・Tタイプ合わせて7機。このように、数の面では他系列にも多いものはある。
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続いて「質」の問題だが、この点がとりわけ批判されることが多い。最初から搭乗できるテムジン707Sの高性能さもさることながら、拍車をかけるようにドラマチックモードの中盤で必ず支給される後継機種テムジン747J系が多くの機体の上位互換状態と化しているため。
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機動性・攻撃力共に他機を突き放してしまっている。なにせ軽量機の派手なショットはもちろん、重量機のハイリスクハイリターンな攻撃でさえ747J/Vの当てやすい主力攻撃よりダメージが低いのだから……。獲得条件が厳しいくせに弱い他の機体が涙目である。
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一応「採算度外視の贅沢なチューニングが施されている(MARZの機体には必勝が求められるため)」という公式設定はある。しかし、それならば「ドラマチック限定の強力機体にする」「支給される他機種にも同様に強力な改修を施してプレイヤーに配備する」など方法はいくらでもあった筈だが、そういう気遣いは無い。
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当然ながら対戦バランスは崩壊し、このテムジン無双とでも言うべき優遇の嵐にファンがMARZに付けたあだ名がテムジンゲー。
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シナリオの不備・説明不足
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大前提の時点でプレイヤーに具体的な説明がない。まず「敵」が誰でどの陣営なのか、具体的にどんな悪さをしたからプレイヤーが取り締まるのか、「正常な」限定戦争とは一体何なのか、戦争中における犯罪とは前線真っ只中に存在しているものなのか、そうした所を明確に示さないまま物語が進行する。おかげで常に話題に取り残されている感がある。
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一応、MARZの設立目的は隠れ蓑に過ぎず、真の目的と黒幕が存在することは物語終盤で明かされるのだが…。
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主人公の身に起きた様々な不可解な仕打ち(後に黒幕の仕業という事が発覚)は一体何だったのか、中盤まで答える者は誰もおらず、上司もかたくなにそれを秘匿する。「情報漏洩を恐れたのでは」という考え方もできるが、刺客が送られてくる時点で黒幕にMARZの動向は探知されているわけで、情報漏洩への対応としては遅すぎる。その癖主人公に対してはロクな支援を行わないのはいかがなものか。
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突如アクシデントによって転送された危険地帯から離脱を図る最中に、上層部はこちらの危機的状況を知りながら「(重要な意味を持つ)クリスタルを回収せよ」と言いだす。そんな余裕はない。というか管轄外区域だから早々に離脱するわけで、クリスタル回収って何ですか。勝手に荒らし回っていいんでしょうか。
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中盤、主人公がある理由で戦争が禁止された封鎖区域に入ってしまうのだが、その中で下されるミッションは友軍の基地や仲間の護衛。敵も普通に狙ってくる。あまつさえ僚機がついている事まである。封鎖区域…?
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ミッションは特定のステージで発生するが、その内容はランダムで決まるために「立入禁止区域から脱出せよ。ミッションは味方輸送機の護衛」などという訳のわからないことに…。
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無駄に熱い男ハッター軍曹。
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前半で勝手に人を「心の友よ!」と言っておきながら、上層部にブチ切れて脱走し、戦場をかき回すだけのバーサーカーと化してプレイヤーから所持品を強奪しに来たり、状況に関係なく唐突に助太刀に来たり、プレイヤーを勝手にライバル認定する。ネタとしてはとても面白いのだが、ストーリーを考えると、筋の通った理由が何一つ存在しない… というか何がしたかったのかさっぱり分からない。
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主人公が前述の「黒幕からの妨害」で月に転送され、敵に襲われているところに別の組織「白虹騎士団」のメンバーが助太刀してくれるが、なんと彼は「直感」で主人公を巡るトラブル解決に乗り出す事に。組織人・軍人としてそれはどうなのか。
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一応『主人公の月への転移と共に月面で活動するシャドウが活性化したため、主人公に原因があるのかもしれない』という曖昧な理由はあるが…。
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今作の黒幕についても説明不足な点が多く、その目的も判然としない。そのためEDが非常に分かりづらいものになっており、プレイヤーの活躍で何が起こり、何が解決したのかあやふやでわからない。
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黒幕と終盤の物語について(ネタバレ注意)
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今作の黒幕として扱われる、本作オリジナルの敵キャラにして謎の知性体『ダイモン』は「かつて月面で発見された遺跡『ムーンゲート』の主であり、人類よりも昔、地球圏を支配していた種族の残留思念」という非常にややこしい存在。
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『ムーンゲート』とはバーチャロンの設定の根幹に関わる重要な遺跡。バーチャロイドに関連するオーバーテクノロジーの殆どは、このムーンゲートを解析することでもたらされた。
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ネットワークを掌握して水面下で人類を操っていたことが明らかにされるのだが、「なぜ人類を操って限定戦争を仕組ませたのか」「なぜ人類の滅亡を企むのか」という最重要設定は最後まで明らかにはされず、ダイモン自身もラスボスとしての直接対決をしないまま降板してあやふやなまま物語は終了する。そのためEDが非常に分かりづらい。
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最終戦でタングラム(後述)を乗っ取りラスボス化…したのかもしれないが、その辺りの描写も乏しく実際のところは不明。
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最後はタングラムの謎の語りかけで物語は幕を閉じてしまう。いきなり「Somthing wonderful」とか言われてもプレイヤーには何が何だかさっぱりわからない。
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ちなみに姿はただの「文様の描かれた丸い球」としか描写されない。雑魚タイプの他にボスとしても2タイプあるが、そちらも大きさの異なる球体が繋がっているだけ。初代バーチャロンの根幹にも関わる設定を持っているとは思えないほど地味で小物臭い。
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チャロナーからはその形状から某アダルトグッズに見立てられ、その名前で呼ばれてしまっている。
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他にもいろいろと突っ込みどころが。もちろん、「あえて無視すべき、楽しい突っ込みどころ」もあるにはあるのだが…。
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単調かつ面倒なミッション
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目新しいシチュエーションが増えているが、基本的には任務に関わらず敵を淡々と順次撃破していくだけのものが大半なため、要所で挟まれるイベント戦やボス戦までは作業的になりがち。
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特にCOMの思考ルーチンが非常に粗末な作りで、こちらの攻撃に対して超反応ジャンプによる回避ばかり行う上、もともと攻撃の当たりにくい仕様もあって通常戦闘のテンポが非常に悪いものになっている。
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たまに僚機がつくミッションもあるが、機体を選べない上、闇雲に暴れまわるだけの一辺倒な戦法しか取らないためコンビネーションも難しい。
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一ミッションで出現する敵数も多く、長時間の戦闘を強いられるのも難点。
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イベント戦であっても、VR同士の戦闘の場合は敵の回避レベルと耐久力が殊更に引き上げられる為、さらに無駄な時間ばかりかかる。
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ミッションの難易度自体は基本的に易しいのだが、それは先述の標準機であるテムジン707→747系を使用している場合に限る。テムジンゲーと揶揄される原因である『テムジン以外の機体の極端な攻撃力低下調整』の結果、そもそも他機体を使用する事自体が単調な戦闘を伸ばしてしまい、さらにテンポを悪化させるため、機体支給や試乗の意味は消滅していると言っていい。
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操作システム上から見てどう考えても向かないような三次元的なアクションステージがある。
賛否両論点
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操作性
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残念なことに、これまでの家庭版でお馴染みだったツインスティック(専用コントローラー)が発売されなかった。元々操作が独特なゲームではあるので初体験者や初心者、アーケードに慣れているシリーズファンは苦労するかもしれない。
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ただし、PSコントローラのボタン・スティックの多さと、各ボタン機能の割り当てが自由に変更可能であるEDITのおかげで、セガサターンやドリームキャストのコントローラーよりは操作しやすい(ツインスティックを疑似的に表現できるため)。とはいえ標準で用意されている操作タイプはかなり使いづらいため、必然的に自分でカスタマイズする必要がある。
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なかにはSS版等のツインスティックをPS2用に改造して対応させてしまったユーザーがいる。
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演出
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各ミッション毎にテロップ演出とボイスが入るのだが、ミッション内容と関係のない物が多過ぎる。さらに「あれ、同じテロップ前にもなかったか?」と感じられるほどバリエーションに乏しい。
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パイロットの乗っている筈の機体ですら「機体の頭部」が顔グラとして表示されて通信を行うため、喋っているのがパイロットか機体か分からなくなってくる。設定上(ある特別機を除いて)機体そのものが喋るはずは無いのだが、パイロットの乗っている機体ですらやたらと人間らしい細かい仕草をしながら会話をするので、これまた違和感が凄い。リアル系でもスーパー系でもない別の新ジャンル「バーチャロン」が完成している。
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これを「臭い」「滑ってる」と取るか、素直に「面白い」ととるかはプレイヤー次第。やや過剰気味なおかげで「面白いけど滑っている」状態となっている感がある。
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ちなみにデザイン担当のカトキハジメ氏は「私は全然(違和感は)感じないですね。最初からキャラのつもりでいたので」と語っている。
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ハッター軍曹に至ってはバーチャロイドごと磔にされたまま大型レーザーで撃たれて(機体が)悶絶しまくる。当然だがハッター軍曹は単なるパイロットなので、あたかも悶絶しているかのように機体を操作する必要性は一切ない。最早擬人化の域だ。ぞっ!
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因みにこのステージで敵を倒すと軍曹は自ら拘束を解く。じ、自分で外せるのかそれ!?助けに来なくて良かったのでは‥?
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黒幕に『囚われている』という設定で、いきなり始まるタングラムの独白には唖然としたプレイヤーも多い。見ての通り目玉である。これが喘ぎ声を上げたりする様はなんとも…。しかもタングラムの声を担当したのはよりにもよって井上喜久子だったりする。
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なお、DC版「オラタン」の隠しムービーにおいてもタングラムの独白があり、その時点でタングラムの声優が井上喜久子だったことは付け加えておく。
評価点
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ドラマチックモードのキャラが濃く、見ていて飽きない。
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過度に熱血な先輩キャラクターに、ゆかな声が可愛い謎の女性オペレーター、さらに若本演じるラスボス。豪華すぎる。
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豪華声優陣。
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ゆかな、折笠愛、若本規夫、辻谷耕史、他にも有名声優の数々が名を連ねる。「日本一歌のうまいサラリーマン」こと、セガ社員・光吉猛修の姿も。
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バーチャロンの世界に浸る事ができる。
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よく分からないシナリオも、設定集などである程度世界観を知っていればどうにかついていくことができる。またデータベースという用語集があり、独特の世界観や前作までのストーリーも知ることができる。今までの作品ではストーリーや背景は語られることがなかったため、世界観を楽しめる一方で予備知識のないプレイヤーにはほとんど意味不明であった。
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もっとも、例え予備知識があってもシナリオには理解できない部分は多く、複雑な世界観や登場人物の立ち入った説明はない。要するに説明不足なのである。
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一応、単なる戦闘以外のミッションをバーチャロンでやろうとした事は評価すべき…なのかもしれない。
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テムジン無双。
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強力なテムジンで相手をバッタバッタとなぎ倒す「俺tueeeeeee」に楽しみが見出せるならば。
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難易度アルティメットをクリアした際の最後の解禁機体ホワイトナイトは、設定面でも「もともと強力なマーズ仕様のテムジンの16倍の出力を誇り、最大出力時は約256倍もの出力差となる」というハチャメチャな設定で、それに違わぬ強さを持っている。やりこんだプレイヤーには「ひとりだけ前作のゲームスピードで動いている」と揶揄されるほど。
総評
ゲームとして破綻している面は無くクソゲーと言うほどではないが、当時「フォースの移植」を期待していたファンが落胆したことは言うまでもない。多く出回りすぎた事もあり、瞬く間にワゴンの主となった。
そして約9年の時を経て、フォースがXbox360に移植され家庭で限定戦争に参入できるようになった今、多くのチャロナーにとってのMARZの存在意義はほぼ完全に消滅している状況である。
余談
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2009年に行われたバーチャロンの作品人気アンケートでは、ブッチ切りの最下位を記録した。
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だが驚くべき事にバーチャロンの人気投票の際「MARZがいちばん面白かった」と投票したものが少数ながらいたという。彼らはファンからは劇中の台詞をもじり「MARZの犬」などと呼ばれ、賞賛や驚きの目で見られた。
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かの北斗にも固定ファンが付き愛されたのと同じように、『MARZ節』に魅せられたファンも希少ながら存在したようだ。
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バーチャロンでは唯一キャラクターが存在する為『スーパーロボット大戦』シリーズにも参戦した。
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2011年のコミックマーケット81にて発行された設定資料本「ハッター軍曹のメモリアルアルバム」にて、「オラタン」以降グラフィック・スタッフとして関わった森康浩氏は賛否両論点にて記した「バーチャロイドの人間らしい仕草」についてこう記している。
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抜粋。やや長いので格納
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(前略) 一人でイベントシーンの制作を担当していた私は、正直どのようなモーション(演技)を付けたものか途方に暮れていました。理屈で考えれば、喋っているのはパイロットなのですから、その間バーチャロイドは微動だにせず突っ立っていても理にはかなっています。しかし、いくらなんでもそれはエンターテイメントとして成立しません。シナリオのテキストを前に悩む日々が続きました。 そんなある日、最初の台詞の録音データがやって来ました。エピソード冒頭、磔から脱出したハッター軍曹のあのセリフ
「サーンキューーー!ベリマッチ…!!」 聞いた瞬間に衝撃が走りました。まさに後頭部にキック・ザ・ドラマチックを喰らったようです。あんなハイテンションのセリフに、普通に磔からモソモソから脱出する演技など付けられる訳がありません。 …仮面劇でいいじゃないか!モーションでキャラクター性を表現すべきなんだ! (中略) 変なテンションになりつつも、そこからは私の心のおもむくままに、三姉妹マイザーにモデル歩きをさせたり、白騎士を颯爽と登場させたり、とにかくイベントシーンのバーチャロイドのあんな動きやこんな動きは全部私の責任です。 (後略)
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これを見るかぎり、彼が自認する通り劇中での登場人物のオーバーなアクションは彼の仕業のようだ。誰か意見しなかったのだろうか。
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シリーズのプログラムを担当してきた石畑義文氏は同メモリアルアルバムにて「MARZに関しては、とにかく開発が大変だったので反省点が多い代わりに思い入れも大きいゲームです」と語っており、少なくともSEGA側にとって「MARZ」が黒歴史ではないことが伺える。
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彼はその後「学ぶことが本当に数多くありました」とも語っている。
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2013年3月21日、PS2アーカイブスとして配信開始。
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ローディングに煩わされることがなくなった。PS3用ツインスティックも発売され(期間限定受注生産かつ¥30,000とハードルは高いが)、ゲーム外部分の不満はある程度解消されている。
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ベタ移植なので、ゲームとして(あるいはバーチャロンシリーズとして)の不満点が改善されているわけではない。またPS3でPS2のエミュレートを行っている都合からか、オリジナルに比べ処理落ちの目立つ箇所が見受けられる。