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大刀
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「大刀」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る
大刀
- (2009/12/10 (木) 22:47:49) の編集履歴(バックアップ)
大刀 -DAIKATANA-
【だいかたな】
ジャンル
FPS
対応機種
Windows98/2000/Me
ニンテンドウ64
ゲームボーイカラー(専用)
開発元(Win)
Ion Storm
発売元(Win)
アイドス・インタラクティブ
発売・開発元(N64・GBC)
ケムコ(コトブキシステム)
発売日
2000年5月23日
概要
DOOM、Quakeという傑作でFPSの基礎を築いたジョン・ロメロが指揮を取った大作FPS。
ロメロがDOOMのid Softwareを離れてION Stormとして独立した後初めて企画したソフトの一つ。だがこうなるとは誰が予想したやら。
日本人の主人公ヒロ・ミヤモトは時を超える能力を持つ魔剣・大刀(ダイカタナ)によって時空を旅し、過去や未来で同じ大刀による時空改編と世界支配を狙うミシマ一族と戦う。
ちなみにヒロ・ミヤモトのモデルは
任天堂の宮本茂
。尊敬しているかららしい。ゲームデザインでも影響を受けたという。
クロノ・トリガーやFF7といったJRPGの影響も受けたという。
そのせいかものすごく怪しい日本語看板があちこちにある。
「格安チケッケ」
「サイーコ」etc
FPSにRPG的要素を取り入れ、主人公や武器・大刀は戦闘により経験値を習得し能力が増える。
ただし大刀を使うと経験値はカタナに入って主人公には入らない。
問題点
海外では
E.T. The Extra-Terrestrial
、アタリショックなどと並んでゲームマーケティングの大失敗例の一つとして記憶されている。
発売前の問題点
そもそもスタッフはそれまでRTS(リアルタイムストラテジ 要はシミュレーション)ばっかり作ってる人間ばかりで3Dエンジンに慣れてなかった。
それを把握せずに期間
(当初の予定はわずか7か月)
まで含めた大計画をぶち上げてしまったため開発が難航した。
DOOM・Quakeのあのロメロの新作ということで初期から大々的に宣伝された。
ただしあまりにも売り文句が下品で顰蹙を買った。(例:「ジョン・ロメロは君を彼のBitchにする!」etc)
最初はQuake1ベースだったが途中でQuake2エンジンが発表される。そのままでは古臭くなると考えて開発環境を変更したためさらに開発が長引いた。
ちなみにそのQuake2を作ったのはロメロ独立で袂を別ったid softwareのジョン・カーマック。
本来なら97年のマーケットは「Daikatana VS Quake2」となるはずだったのだが…
延期ばっかしていたくせにロメロは高層ビルの上のオフィスで豪遊生活をしていた。
ついには内部告発の怪文章が出回ったり女性の出入りがスッパ抜かれたり。もうグダグダ。
あまりに延期が多いのでこのままベーパーウェア(お蔵入り)になるかもとまで言われた。
結局発売できたのは
開発発表から3年後の2000年。
7か月でできる、なんて話はどこへやら。
それなのにレベルの修正が完全に終わっていない段階での見切り発車。流石に我慢できなくなったか。
発売後の問題点
かれこれ3年もたっている間に時代は「Half-Life」などの賢いAI・美しいグラフィック(当時基準)などで売るFPSが主流となっていた。
Quakeシリーズに至っては「Quake3 Arena」が出ていた頃である。「Unreal Tournament」等の対戦もヒートアップしていた。
そんな中で旧来と変わりないチャチなAIと古いグラフィックの大刀の評判はすこぶる悪かった。
仲間はすぐ引っかかって動けなくなる。
斜面などで頻発する。
それなのにパズルを解いたり先に進むために仲間は必須。マップのゴール地点に全員移動させないと先に進めない。
仲間は接近戦を好んで敵にガンガン近づいていく。よってこちらの攻撃の邪魔になるだけでなくそれでダメージも食らう。そのためすぐ死ぬ。
しかも
仲間が死ぬとゲームオーバー。
はっきり言ってお荷物以外の何物でもない。
一番最初のマップ、「京都」(近未来)が異様に難しい。
混沌とした未来の雰囲気を表現するグラフィックが汚い。敵が見えにくい
ロボット昆虫やロボカエルといった小さくて動きが素早い敵が多い。なのに初期装備は拳ひとつ。手に入る銃の弾も少ない。
他のマップは美しく、難易度も低いのだが、最初の面が不評なため大きく評価を下げた。
セーブにはセーブジェムという消費性アイテムが必要(「バイオハザード」のインクリボンに相当)。
しかもわざわざ見つかりにくい場所に置いてあった。
ただでさえストレスがたまるゲームなのにセーブすら自由にできない ということで不満は最高潮に。
お約束のフリーズ、強制終了といったバグも多発した。
一度入れば抜け出せない(普通ならそういう場所はマリオの穴のように即死にする)という3Dゲームとしては致命的なハマりすらある。
のちに仲間キャラの強化やセーブジェム廃止の修正パッチが配布されたが、言語によっては当てることができない。
その後
結局
長い間待たされた挙句に出来は良くない
ということで評価は散々なものになった。
埋め合わせのために大量出荷されてとりあえず開発費分ぐらいの収益は出せたが、
EidosとIon Stormの評判はガタ落ちとなった。
ロメロも追放され、もう表には出てこないだろうと言われた。今では小さな会社でMMOや携帯機用のゲームを作っているらしい。
色々な意味で飯野賢治に似ている気がする。
NINTENDO 64とGBCでも発売されている。
N64版はPC版での不評部分の削除を行っているが全体的に荒削り。ポリゴンも拡張パックなしでは非常に荒い。
GBC版は完全な2D-RPG。
もしや最初からそうしておけばよかったんじゃ…?
日本ではPC版とN64版が発売されている。まぁ制作ロメロ+日本人が主人公、ということで無視は出来ないか。
日本版は大幅にテコ入れされた1.1がベースなので不評部分の多くが緩和されている。
ただしバージョンが特殊なので1.2パッチは当てられず他言語版との対戦も不可。
元がQuakeなためか対戦は最近になって評価され、現在マルチプレイ部分だけが無料化されている。
追記
日本でも公式発売されているが、前述の通り日本語版ではその多くが修正されている。
バグと問題だらけのバージョン1が大量に出回った海外における評価が非常に低く、今でも歴代クソゲーランキングに食い込む代表作、ということで「海外ゲーム」に分類。
関連リンク
wikipedia
には詳しい開発と失敗の経緯が乗っている。
【4Gamer.net】奥谷海人のAccess Accepted 「あの時”嵐の渦中”で起こっていたこと」
ロメロがIon Stormとして独立してからDaikatanaが世に出るまでの顛末。
その1
&
その2