「スーパーヒーロー作戦」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る
スーパーヒーロー作戦 - (2011/11/16 (水) 20:15:50) の編集履歴(バックアップ)
スーパーヒーロー作戦
【すーぱーひーろーさくせん】
ジャンル
|
RPG
|
|
対応機種
|
プレイステーション
|
発売元
|
バンプレスト
|
開発元
|
日本メディアプログラミング(JAMP)
|
発売日
|
1999年1月14日
|
定価
|
6800円
|
分類
|
クソゲー判定
|
ポイント
|
オリキャラ宣伝するだけ 宇宙刑事原作レイプ ウルトラかませ犬
|
スーパーロボット大戦シリーズリンク
|
概要
ウルトラ兄弟(初代マンからレオまで)、宇宙刑事3人、怪傑ズバット、キカイダー&01、メタルダー、ガンダムW、Gガンダムが共演するRPG。
しかしその実態は、バンプレストオリジナルキャラの「超機大戦SRX」をひたすら宣伝するためのゲーム。
問題点
-
主人公の名前はプレイヤーが自由に変えることが出来る。
が、デフォルト名である「イングラム(ヴィレッタ)=プリスケン」と同じく5文字ずつの名前をつけないと、余った部分が空欄として表示される。
-
例えば、「アムロ=レイ」という名前を付けた場合、「私はアムロ =レイ 。」と表示されてしまう。ファミコン以下である。
-
マップが通路や部屋といったパーツ単位で構成された画面切り替え式だが、地形パーツのバリエーションが少ないため迷いやすい(特にダンジョンや砂漠は全く同じ構造の場所ばっか)。
-
敵の基地などのダンジョンは、無人かつアイテムも置かれていないような無駄な部屋も多い。
『ガイアセイバー』や『ヒーロー戦記』でも同じ欠点を抱えていた。
-
そのことについて、ゲーム内の登場人物も「いつも同じようなところに基地を作る」などとツッコミを入れるシーンがある。
自虐ジョークのつもりだろうか。
-
画面切り替え時に度々フリーズする。発売は予定日から延期されたというのに。
-
スペースコロニーから他のコロニーに移動する際、なぜか移動先選択リストに現在地の名前も載っている。
それを選ぶと、主人公の乗ったロボはいま現在いるはずのコロニーに向かって宇宙を飛んでいく。
-
ゲームバランスが滅茶苦茶。
-
ザコ戦はガンダム系のバルカンを撃ちまくっていれば楽勝。
-
ボスも「最強技を連発するだけで回復せずに倒せる奴」か「イベントで数ターン経つと戦闘が終わる奴」のどちらかばかり。
-
回復アイテムが必要になるバトルは、ラスボスを除けばせいぜいメタルダーの初戦とタロウVSメフィラス星人の一騎打ち程度。
ところがこの2戦は極端に難易度が高い。特にメタルダーの相手は只の戦闘員4人だというのに、どういうわけか異常に強く設定されており、最強技を2発浴びせても倒せない。
しかも両バトルともそのキャラ1人での初戦なので、アイテムを装備する事もできずに戦わされる。
最悪の場合は詰みに陥ってしまう危険性がある。
-
特定のキャラを組み合わせると「合体攻撃」を繰り出すことができるが、バラでそれぞれの最強必殺技を繰り出した方がダメージの合計値が高いため実用性は皆無。
-
原作のテレビ番組から引用したデモムービーやBGMがウリのはずなのに、サウンドテストやデモ鑑賞といった機能が一切無い。
-
戦闘でヒーローが必殺級の大技を使うと派手なムービーが流れる。
一部のヒーローは必殺技を使うときに専用BGMまで付くが、戦闘中のBGMと2曲重なってしまうこととなり煩わしい。
また、これらのムービーはスキップできないのも難点である。
-
アイテムを売る時は、その店で売られているアイテムと同じ物しか売却できない。
また、同じキャラが装備できる同性能の武器が、違う値段で売られていたりする。
-
戦闘に入る度に、妙に長い演出(スキップ不可)が入る。
-
戦闘時、敵キャラの名前は表示されない。ラスボスは変身後の名前を名乗らない為、攻略本を見ないとラスボスの名前もわからない。
-
煩わしいだけのコレクション要素。
-
アイテムの中にはトレーディングカードというものがあり、これを集めて「Mrカーダー」というキャラに見せるとオリジナルCGを鑑賞することができるのだが、
CGを見るための条件が非常に分かりにくく、しかもカードが段々集まってきたラストに行くにしたがってカーダーに会う機会も減ってしまう(ラストダンジョンに至っては、いったん入るともう今までの場所に行くことは出来なくなる)ため、殆ど無用の長物である。
-
しかもカードは分かりづらい所に隠されているものが多い上に、取り逃すと2度と入手できない物もザラなものだから、
全種揃わずに何の使い道も無くなってしまう事も大いに有りうる。
-
トレーディングカードはこのゲームで一番最初の宝箱の中にも入っている。
いきなり「ガンダムヘビーアームズを手に入れた」などと表示されるため、仰天したプレイヤーも多かったことだろう。
正確に言うと、ガンダムヘビーアームズが描かれたカードが手に入った、という意味なのである。
-
ちなみに説明書には、これらカードに関することは一切書かれていない。
-
渡辺宙明が作曲、水木一郎と堀江美都子の唄うイメージソングが2曲も製作され、シングルCDまで発売されたが、このゲームの中ではわずかにしか流れない。
ならば何故作った。
-
BGMも微妙。悪くはないが良くもない。版権BGMの再現率は均一6割程度、といったところ。
シナリオ面での持ち上げっぷりとは裏腹にSRX勢のBGMすらも例外ではない。自社の作品なのに…。
-
ウルトラ兄弟の扱いが全体的に悪い。
-
戦闘ではまず最初に戦闘機の姿で現れ、「変身」のコマンドを選択することによってウルトラマンの姿に変わるという特徴を持っているが、これが原因で活躍させづらい。
また、他のヒーロー達に比べて強力な装備品が手に入りづらく、全体攻撃技を持っている者が殆どいないなど、戦闘要員としての強さにも難がある。
-
このゲームのラスボスはウルトラ兄弟に固執しており、「ウルトラマンは素晴らしい。私もあのような力を手に入れたい(意訳)」と幾度となく口にするのだが、
このゲームでの彼等の不甲斐なさを見ていると、正直過大評価ではないか?とさえ思えてくるほどである。
-
主役級の扱いを受けているのは初代マンとセブンだけ。が、それでもオリジナルキャラに美味しいところを持っていかれたりする(詳しくは後述)。
帰ってきたウルトラマン・エース・レオの原作再現は申し訳程度。タロウに至っては原作再現ゼロであり、下手をするとパーティーに加えることなく終わってしまうほど。
-
『ウルトラマンA』の原作再現イベントは、エースキラー編。
しかし、本ソフトでは初代マン・セブン・新マン・レオが人質に取られるというのに、なぜか戦闘シーンの背景ではレオではなく原作通りゾフィーが捕まっている。
-
更にエースの技・スペースQはこのイベント内でしか使われないのだが、技のグラフィックがメタリウム光線と同じ。
-
ゾフィーはイベント戦闘で1回だけ姿を見せてくれるが、グラフィックは新マンの使いまわしである。
-
ラスボスとの最終決戦に際し、「お前達は他の星に自分達の正義を押し付けているだけだ」などと罵られたウルトラマン達は意を決し、自分たちの力の全てを振り絞ってラスボスを食い止める。
このような展開もあって、ウルトラ兄弟はラスボス戦に参加することは出来ない。
-
が、このゲームをプレイしていて、「自分たちの正義を押し付けているだけ」と言いたくなるのはウルトラマンよりもむしろ宇宙刑事である。詳しくは後述する。
-
設定上は、「ウルトラ族は銀河連邦人よりも格上の生命体で、銀河連邦側は、ウルトラ族が宇宙警備隊という組織を形成していることも把握できていない」とまるで「神話の神々」みたいに扱われていたが、
前述のゲーム中における扱いを見ると、ハッキリ言って設定負けしている。
-
原作ファンが納得できないようなシナリオ展開がある。
-
宇宙刑事の所属する銀河連邦警察が、地球へ難癖つけて宇宙犯罪者の牢獄にし、他の星もスペースカノンで脅し自分たちの正義を押し付けようとする極悪組織という設定になっており、元宇宙刑事のハンターキラーはそれが原因で裏切った事にされている。
06年度KOTYの次点に選ばれた『宇宙刑事魂』と並ぶ、ハンターキラー持ち上げゲー。
-
実は、このゲームで極悪組織扱いされているのは銀河連邦警察だけではなく、ウルトラ警備隊を包括している組織・TDFもまた然りである。
このゲームは、「スペースノイドを弾圧するようになったTDFに反発を覚えたピースクラフトが、アルティメットガンダム(デビルガンダム)やオペレーション・メテオで逆襲を画策する」といったプロローグから話が始まるのである。
-
「本来なら正義のために作られたはずの組織でも、一歩間違えば腐敗・堕落してしまう」ということを物語のテーマにしたかったのだろうが、版権作品をダシに使ったのはマズかったようだ。
-
しかも調べてみると、このネタですらラスボス(バンプレストオリジナル)の行動の一部を正当化するような目的があって捻じ曲げられた可能性もある。
-
宇宙刑事は、主人公たちの性格の設定もどこかおかしい。
本作の一条寺烈(ギャバン)は陽気な性格で場を盛り上げる三枚目風のキャラクターとして描かれており、不謹慎なセリフを言ってカトルに怒られたりもする。原作では決してそんなキャラクターではない。
当時のスーパーロボット大戦シリーズにおける、兜甲児に通ずるものがある。
しかし皮肉にも、そのおかげで版権キャラの中では一番キャラが立っていたりする。
-
オリキャラたちがとにかくでしゃばりまくり。
ウルトラマンを倒した怪獣として有名なゼットンを一撃で倒したり、本来セブンに倒される怪獣であるパンドン(改造前)を合体技で殺したり、バルスキー(メタルダーの敵幹部)を芝居であしらった挙句罵倒したりする。
-
ただしゼットンは原作でも科学特捜隊の新兵器・無重力弾であっけなく一撃粉砕されているので、科学特捜隊がオリキャラに変わっただけ、とも言える。
といってもこれには後付けながらちゃんとした理由があり、ウルトラマン以外のキャラの想定外の一撃でゼットンが倒されるのはしょうがないとしても、明らかにでしゃばって科学特捜隊の見せ場を奪っただけ。
-
パンドンは疲労困憊で光線すら撃てない状態のセブンに負けた怪獣であるため、ウルトラシリーズのラスボスでも弱いほう、という見解がファンの間では一般的になっている。
もっとも先のゼットン同様、でしゃばりの負の面は否定できない。
-
ゲーム中盤以降に登場するデータセーブ係のキャラクターが、いつの間にか主人公に好意を寄せている。
個人的な心理描写を見せるような場面は無いので、唐突な感じは否めない。
-
そのデータセーブ係こそが、後の『スーパーロボット大戦α』シリーズで主役に抜擢されることになる、クスハ、レオナ、リョウト、ブリットである。
-
4人の内、主人公とは異性で、多く会話したキャラとくっつく事になるのだが、
特に思い入れも無い人は単純に一番話しやすい位置にいるレオナ相手にセーブして、くっつく事になるだろう。
-
本作主人公のイングラムとヴィレッタ、そして敵キャラのユーゼス、SRXチームもαシリーズに出演することとなった。
そんなこともあって、本作はαシリーズと繋がった世界観を持っているらしいが、果たしてそれで良かったのだろうか…。
-
ストーリーは、何かにつけて元凶をデビルガンダムに押し付けている感が否めない。
-
そしてエンディングのラストには、SRXが登場するスーパーロボット大戦の新作を作っているというメッセージが…結局最後まで宣伝。
-
ちなみに、本ゲームのCMや広告でのコピーは「日本一のスーパーヒーローゲーム」(ズバット談)。
果たして、本当にそうだったのだろうか…。
評価点
と、このように、問題点といえる要素が非常に多いものの、原作の名場面をデフォルメ化したうえで忠実に再現したCGムービーなどはやはり見ごたえがある。
-
ウルトラシリーズに登場した各種基地などは、小道具・大道具に至るまで徹底的に再現され作りこまれており、スタッフのこだわりを感じさせる。
ワンダバシーンのCGは必見で、わざわざ吊り線まで再現しているほど。
不遇な点も多いウルトラマンだが、こういった点では優遇されている。
-
ちなみに、ウルトラマンはオリキャラさえ絡んでこなければシナリオの原作再現度はかなり高い。
-
人造人間キカイダーは、原作の再現、ゲーム中での立ち位置、戦闘時の強さ、どれをとっても明らかに優遇されている。
スタッフの寺田貴信氏がキカイダーのファンであったことも一因?
-
知る人ぞ知る伝説の個性派ヒーロー、「怪傑ズバット」が鳴り物入りで参戦。
「お前さん、日本じゃあ2番目だ」「ズバッと参上、ズバッと解決!」など強烈すぎる台詞回しで抜群の存在感をアピールし、多くのプレイヤーの腹筋を崩壊させた。
ちなみに、ズバットも寺田氏が気に入っているヒーローである。
-
シナリオにしても、先述されたように原作ファンの反感を買うようなものだったとはいえ、けっしてデタラメで稚拙なものだったというわけではなく、
さまざまなヒーローを同じ舞台に共演させたうえで、自分たちのやりたいことをやり尽くしたという工夫と努力を垣間見ることが出来る。
ただ、ファンの望む方向性とは決定的に異なっていただけだったのだ。
-
どことないネガティブ性悪説の漂う雰囲気よりも、普通にヒーロー達が団結・友情・共闘を見せるような作品を期待していた人間にはキツいものがありすぎたのである。
-
渡辺宙明作曲で、水木一郎・堀江美都子の黄金タッグの主題歌は燃えるとしか言いようがない。
現在では、各種通信カラオケでも配信されている。
総評
所謂原作レイプレベルのゲームだが、文字通り「原作殺害」をやらかした『ガイアセイバー ヒーロー最大の作戦』よりはマシだろう。
-
とはいえ、ウルトラファン、宇宙刑事ファンにとってはこちらの方が言うまでもなく最悪であろう。
-
シリーズ第2作『スーパーヒーロー作戦 ダイダルの野望』では、説明書に「誰もが納得できるシナリオ」とわざわざ表記されていたので、
本作のシナリオへの批判は開発元には相当堪えたものと推察される。
その他
-
本ソフトの発売前に配布されたチラシには、「経験値によるレベルアップのほか、ウルトラホークなどのメカは、スパロボ同様改造でパワーアップできる」と記述されていたが、
実際は味方全てが経験値によるレベルアップ式で、改造という要素は一切出てこなかった。
この「メカは改造で強化、その他は経験値制」という要素は、2年後の『スーパー特撮大戦2001』において実現するのだが、本作の没要素を意識したのかどうかは不明である。