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星のカービィ 参上! ドロッチェ団 - (2013/05/30 (木) 21:12:50) の編集履歴(バックアップ)


星のカービィ 参上!ドロッチェ団

【ほしのかーびぃ さんじょう!どろっちぇだん】

ジャンル アクション
対応機種 ニンテンドーDS
発売元 任天堂
開発元 ハル研究所、フラグシップ
発売日 2006年11月2日
定価 4,800円
分類 ゲームバランスが不安定
ポイント 異様にヌルくバランスの悪い難易度
操作性の悪さ
低ボリューム
一部過去キャラの扱いなどで黒歴史とするファンも
ミリオン達成がまさかの裏目に
フラグシップの遺作
星のカービィシリーズリンク

概要

当時続報が出ず膠着していた『カービィWii(仮)』を差し置いて、2006年初期頃に突如発表されたタイトル。7年ぶりに実売100万本を突破*1
ちなみに、ドロッチェ団の名称は開発当初は「ドロチュー団」であったが、あまりにも子供っぽいということで修正された。
通称「参ドロ」「泥」。

批判点

ストーリー

  • 「カービィがケーキを食べようとしたら何者かに盗まれた→デデデに盗まれたと勘違いしデデデを倒す→勘違いに気づいた直後ドロッチェ団が登場、彼らを追うことに」…これはひどい。いくらカービィが食いしん坊とは言えたかがケーキ1個のために戦うとは…

システム関連

  • 『鏡の大迷宮』と同じく宝箱の回収が目的になっているが…。
    • 宝箱の数は約120個と大幅に増えたがどうでもいいアイテムも多く実質ただの水増しである。
      • 例:ただの一枚絵(複数あり)を分割したパズルピース(を宝箱に一個ずつ)。
  • 最終面に進むために必要な5つのアイテムがあるのだが、別に取りにくい所に置いてあるわけでもなく、その上ご丁寧に目印まで付いているため、簡単に集まってしまう。これも本作をヌルゲーにした原因の1つ。
  • 新システムの「コピーパレット」を活かしきれていない。
    • 「ストックされているものを2つ合成して、新たな能力・アイテムが出来る」と言う触れ込みだが、その中身はボムやソードに、炎や氷など属性能力をつける程度の事しかできない。適当にコピー能力を混ぜると、既存のコピー能力のいずれかにランダムで変化するだけ。回復アイテムについても「同レベルの回復アイテムを合成すると、一段階上の回復アイテムになる。同レベルのものでないと合成自体受け付けない」という非常に面白みのないもの。
    • 収納できるアイテムの種類に宝箱も含まれているせいで、シャボンアイテムばかり集めると宝箱が取れないor宝箱入手を優先すると欲しいシャボンアイテムが取れない、といった事態が頻繁に起こりやすくなった。
    • このシステムを何とか活かそうとしたアイテムとして「3つ合成すると1UPするアイテム」があるが、上記の事により、ストックの優先順位は最低。ほとんど利用価値がない。
      • しかも大砲やワープスターでの強制移動中に勝手に入手してしまうため、かなり邪魔。
    • ランダムでコピーやアイテムに変化する?印のシャボンは、変化中にダメージを受けたり、コピー能力を吸い込みで得たりすると変化が停止してしまうため、ステージセレクト画面ではないととても使えない。
    • そもそも、無限大の胃袋を持つカービィが5個までしかアイテムストックできないことに対する違和感も一部のファンから出た。
  • 今回は「属性」という概念が今まで以上に強調されているのだが、試験的に導入したとしか思えないほど属性の利用機会が少ない。
    • 前述の「ソード」や後述のまきもの技の「トルネイド」などで得られる属性は炎・氷・雷の三つの属性であるが、鉄、雲、氷を溶かし着火能力という有用性を持つ炎属性に比べ、水やマグマの凍結と消火しか出来ない氷属性や通電・放電と言う特定のマップでしか使用できない雷属性はかなり微妙な性能である。
    • 例えば水の上でニンジャ能力の技「爆炎の術」を使うと、水地形の影響で「爆水の術」に変化する。が、この特性を活かしたステージはどこにも存在しない。アイス能力も同じ事で、水を凍らせることができてもそれを活かせる場面が無い。合成により属性をつけたコピー能力(ファイアソード、アイスボムなど)も、元の能力に属性のエフェクト・特殊効果が追加される程度で、前述のようなそれらを生かしたステージも、追加技もない。
    • また、前作『鏡の大迷宮』や『(ウルトラ)スーパーデラックス』などでは「炎属性のコピー能力(例:ファイア)で氷属性の敵(例:Mr.フロスティ)を攻撃すると通常より多くのダメージを与える」「氷属性のコピー能力で氷属性の敵を攻撃すると与えるダメージが減少する」などの要素が存在したが、今作にはそのようなダメージ増減要素も存在しない。

コピー能力

  • 性能、エフェクト共に、過去作品に比べて大幅劣化。特にファイター、ソードなどの近接系能力において劣化が顕著である。
  • ファイター能力の大幅劣化。『鏡の大迷宮』のものを土台に、若干アレンジの掛かった仕様になったが…。
    • 『鏡の~』では前進しながら放つ技(バルカンジャブからのコンボ、ライジンブレイク等)を使用する際接触ダメージを防ぐため自動で間合いをとるようになっていたが、今回はそれが無いため完全な自滅技と化した
    • だが、『鏡の大迷宮』の頃と比べて波動弾が大幅に強化された。具体的には弾のスピードが速くなる、弾が途中で消えなくなるなど。
    • 一部の技は、何故かニンジャの流用である。後述するが、本作でのニンジャの性能はあまり良いとは言えないため、殆どファイターが上回っていると言っていい。
  • ほぼ全ての作品に登場していたストーンが消滅し、「メタル」が代わりに登場した。
    • だが、「無敵・変身解除不能・動性大幅ダウン」と、お世辞にも使い勝手がよいとは言えない能力。メタルは64ストーンのように歩けるだけでなくホバリングなどもできるのが長所ではあるが代わりに変身を解除する事ができない、勿論鉄の固まりなため普段のカービィとは段違いに機動力が無い、またストーンのように普段は無敵ではあるものの中ボス以上には無敵も効果なしと長所を生かす事が出来ない。
  • 新能力「ゴースト」は雑魚敵に乗り移って攻撃できる能力。新鮮味はあるが要するにそれだけなので、使える能力かと言えば間違いなくNO。
    • U.F.O.と同じく、ダッシュ・口の中に物がある時の行動・床降りが不可に加え、移動速度はメタルよりマシ程度、単体での攻撃は不可、まきもの技が存在しないとお遊びにしても悲惨な性能である。特に床降り不可と梯子が上れないのは深刻な問題で、コピーを解かない限りどうやっても進めないステージがいくつか存在する。
    • また、乗り移った敵を除去するボタンはXであるが、能力説明には乗り移り攻撃以外には「乗り移ったらいろいろためそう」と書いてあるだけなので、どうにも分り難い。
  • シリーズ定番の対ラスボス能力、トリプルスターが過去シリーズの対ラスボス能力の劣化版。
    • 射程距離に制限あり、攻撃ボタン押し続けで弾操作可だが距離制限あり、守りが申し訳程度の回転星オプションと、全体的に微妙な性能。
  • 宝箱の中には「まきもの」という取得した時点で特定のコピーを強化するアイテムが存在するが、それによる強化の差が激しい。
    • 強いものでは「カッター」。貫通力と判定が大幅に強化される。
    • 一方でどこが強化されたのかすらよくわからないものがある。アイス能力に至っては息の方向が調節できるだけ。ファイア+バーニングのようにフリーズ能力と統合するという選択は無かったのか(しかし巻物技はアイスと同じだが)。
    • 「マジック」は前作と違って複数の攻撃を使い分ける汎用コピーだったのが、強化するとコマンドにより前作と同様の使いきりコピー(ルーレット)に変化する。そのコマンドが「攻撃ボタン長押し」なので、普通のマジックの能力として使いたいのにルーレットが発動、能力消失してしまう…といったミスをしてしまうことがある。
    • 属性を付与する「ビーム」「ホイール」や、溜め技追加の「ハンマー」「レーザー」など、弱いわけではないが、手抜き感のあるまきものも多い。
  • 反面、ほとんど見られなかった「ハイジャンプ」「ニンジャ」といった能力が復活した。
    • 今作は空中浮遊するボスが多く、まきもの技で自滅率が低くなるため、「ハイジャンプ」は有用性の高い能力となっている。
    • 「ニンジャ」に至っては『スーパーデラックス』以来の登場である。
      • だが、高い攻撃性能を持つ「はたきぎり~かえし4れん」や連射性能を持つ「くないしゅりけん」が消滅し、ただのはたきぎりのみとなったり、連射性能が弱体化したただの「しゅりけん」となってしまっており、「いづなおとし」は何故かもっさりとしたスピードで行うため、『スーパーデラックス』よりかなり劣化してしまっているのだが……

ステージ

  • ステージによっては全長が異常に短く、一部屋で終わる場合がある。結果的に大量の宝の収集する楽しみが活かせてない。
    • 「ホイールでの競争」や「タルの中から宝を探す」と言う適当な作りのステージが主な例である。
    • 「二つのドアや大砲のどちらかにしか宝を入手できない」「適当にドアや大砲を進んでいくと宝箱を見ることないままクリア」と言った運任せのステージも存在している。

サウンド関連

  • 『タッチ!カービィ』の流れを継いでいるためか、BGMの新曲が少ない。しかもあちらと違い、ほとんど過去作BGMの音程を改編した程度のお茶濁しアレンジである。
    • しかし、肝心の音源がDSなのにGBAかと思わされるほどかなりしょぼいため、「伝説のエアライドマシン」などといった原曲が豪華な音源を使用している曲ほど、どうしても貧相なアレンジに聞こえてしまう。
    • サウンドテストが全曲を網羅できておらず、3-5等のステージ曲やボス前部屋の曲、ダークゼロ関係の効果音が収録されていない。何をもったいぶる必要があったのだろうか。
    • 効果音は爆発音一つをとっても使いまわし多数。そうでなくてもスカスカっぷりが否めない。
    • 『タッチ!カービィ』がサウンドにも力を入れていた分余計に際立つことになってしまった。
  • 効果音がしょぼい
    • 例:ソードの効果音がおかしい。ミジンソード、ファイナルソードのフィニッシュ時に何故かレジスターのような「チーン♪」という脱力物の音が鳴る。

大味なバランス

  • カービィシリーズは誰でも手軽に遊べるように低難度に設定してある作品も多いが、今作はそれにしたってあんまりなヌルゲーっぷりを発揮。後述の作りこみの甘さも含めて、シリーズファンの評判はよろしくない。

道中

  • 配置された雑魚キャラの密度が薄い。既存新規問わず多くの雑魚キャラが弱化調整されている。「邪魔者」というより「歩くサンドバッグ」と揶揄する者も居る。
    • しかも敵がほぼ出ないステージまである。前述の一部屋ステージなど。
    • 中ボスもかなり弱くなっており、後述のドロッチェ団や多くの中ボスが攻撃力、スピードなどがかなりしょぼい。素早いバウファイターや空中浮遊+雑魚で防御のテッドホーン以外の性能はあんまりである。
  • ステージそのものの難易度も低い。高度な激しいアクションを強いられる場面が殆ど無いので尚更。
  • 目玉であるはずの「ドロッチェ団とのお宝争奪戦」もヌルい。
    • スピン、ストロン、ドクに共通する点として、攻撃を当てると簡単にひるみ、一定ダメージを与えると気絶。さらに気絶中攻撃を加えると、ボロボロと回復アイテムを落とす。また、すっぴん時の救済のためか吸い込みで宝箱を強奪出来る。他、かなり限定された状況ではあるが、岩のトラップにハメられたり、穴に落ちて即死することもある。
    • また、ドクとスピンはコピー能力の付いた武器を落とすため、すっぴんでも倒すのは容易。耐久が高くコピー能力を出さないストロンが少し面倒な程度。
    • アジトでの戦いは気絶すると発狂状態になり、機動力が上昇し一切ひるまなくなるが、そのころにはもう瀕死なので大したことは無い。
    • 個体差はあるものの、いずれもお邪魔キャラとしての体をまるで成していない。同時に現れる手下の雑魚キャラであるチューリンの方が厄介という有様なのである。
    • あまりに弱すぎるためか、終盤は相手が最初から宝箱を持っている事が多くなる。特に「宝箱の落下率が高い場所で最初からスピンが宝箱を持っている」「こちらがブロックに囲まれているのに、ストロンは最初から宝箱を持っている。しかもアジトは目前」「雑魚敵がガンガンぶつかって、攻撃どころではないドクとのバトル。例によって最初から宝箱を持っている」と言う慣れていても運が悪ければ負ける争奪戦がステージ終盤で行われるため、かなり面倒。

全体的にムラのあるボス戦

  • 調整不足、細かいところでプログラムの粗が散見される等、こちらも作り込みの浅さが否めない。体力減少でパターンが変わったりはせず、それどころかボスによっては攻撃パターンが減る。同じ行動を2回どころか3回以上も繰り返すため、それが星の出ない攻撃だと能力無しのプレイヤーにとってイライラが募るばかり。
  • 今回のキーパーソン?ドロッチェ(ダークドロッチェ)の浮いた凶悪さ
    • 恐らく通常ボスでは屈指の凶悪さを誇る。ラスボスを差し置いて瞬間移動を使うのも一因だが…(というか全体的にラスボスを差し置いた要素ばかりだが)。
    • ドロッチェ、ダークドロッチェ共に攻撃が多彩で、特にその強さを引き立てているのが、後にカービィの強力な武器となる「トリプルスター」を用いた攻撃技の存在。3方向に発射される星が壁や床で反射し(更に反射角が毎回ランダムでパターン化不可)、なおかつそれが高速で飛びまわる。今までのヌルさ加減に油断していた多くのプレイヤー達を、この脅威の乱反射シュートで恐怖のどん底に陥れてきたのである。
    • 更に後者との戦いでは、投げてくる爆弾が時間差で爆発&火柱を噴き上げるように強化。がんばり吸い込み、スロウの吸い込み以外では処理できないささやかな罠も相まって、火柱で動きを制限されたところにトリプルスターの星が飛来…といったコンボによって益々窮地に追い込まれやすくなっている。
  • 問題のラスボス、ダークゼロ
    • 暗黒の支配者」という、取ってつけたような肩書きに加えて見事に肩透かしさせる脆弱ぶりはあまりに有名。
    • 名前も「ダーク(ダークマター、ダークマインド)」「ゼロ(ゼロ、ゼロツー)」と、既出の名前を組み合わせただけの手抜きっぷり。挙句の果てに星型・中心に一つ目の姿から「ヒトデマン」「スタフィー」などと度々ネタにされる有様で、カリスマもクソも無い。
      • 弱い理由として戦う前に回復アイテムで全回復され、更に回復アイテムのストックが入手できると言った点もある。
      • それが無くても動きがとろかったり、エフェクトが派手な割に避けやすい攻撃など、本人の戦闘力があまりに低すぎる。しかも、本体がここまで弱いのに第2形態すらない。シリーズで最も弱いラスボスは間違いなく彼であろう。*2
    • 前座扱いであるはずのダークドロッチェと比べてもその差は歴然で、「真のラスボスはダークドロッチェ」「ダークゼロはイベント戦」などと散々な言われようである。
    • 前述の通り、攻撃がかなりしょぼい。
      • 色が三種類に変化し、赤は火の玉を地面に向かって飛ばし、地面に当たった途端に巨大な火柱に変わる大技を持っている…が、その火の玉は空気弾を当てるだけで壊せる。黄緑は斜め四方向に電撃を放ち、画面枠が電撃で覆われると言う技だが、これも一度見れば避けるのは容易。青に至っては、画面端にいるだけで避けられる。メインの攻撃として扱う星型弾も動きが遅く、『鏡の大迷宮』のダークマインドと違って飲み込んでも何も得られないと言う妙な所で嫌がらせをしてくる。
    • なお、64のミラクルマターとは違い、色に合わせた攻撃をする必要はない。
    • 万が一負けたとしても、マキシムトマトのシャボンとトリプルスターが存在する部屋から再開すると言う行き過ぎの親切設計。
    • そもそも登場シーンからして「メタナイトから奪った宝箱を開けたら出てきた」とかなり雑。
    • 余談だが、漫画版『星のカービィ』(さくま良子・著)のおまけ漫画にて本シリーズのラスボスが集合するシーンがあるのだが、他作品からは例外無くラスボスが出演しているにも関わらず、本作についてはダークゼロではなくドロッチェが出演している。目立たないと判断されたのかラスボス扱いされていないのか…。
  • 今作にもクリア後にボス連戦のモードが遊べるのだが、こちらもヌルい。
    • 過去作品ではボス連戦で一度でもやられたら即ゲームオーバーで、復活は出来ず1戦目からやり直しだったが、今作ではある方法を使うと1UPが出来てしまい、死んでも復活する事が出来てしまう。
    • また、開始時にマキシムトマトのシャボンが置かれており、一度だけなら戦闘中でもHPが全回復できてしまう。
      • 今までのボス連戦モードが高難度だった反動もあるのかもしれないが。
  • 今までは一度大まかに進んで表ラスボスを倒してから、前のステージに戻って完全クリアを目座すというスタイルも多く見受けられたが、今作は前述の通り難易度がとても低いので一度ステージを進むだけで完全クリアが可能になった。結果、ゲーム自体あんまりボリュームが無いためすぐ終わってしまう。
  • また、本編カービィシリーズでお約束と化していたシューティングステージが皆無だった事も話題に挙げられる。
  • 無敵状態になれる、無敵キャンディまでコピーパレットにストックできる。中ボスはもちろん、ステージボスにも接触ダメージが効いてしまうため、無敵キャンディがあれば簡単にボスに勝ててしまう。

賛否両論点

過去キャラについて

デデデ大王

  • 初代のラスボス、それ以降もラスボス級の扱いで登場するデデデ大王が、まさかのレベル1ボス。もちろんそれ相応の弱化調整。物語本編にもほとんど絡まない。
    • 今作の戦う理由はそれらの作品と違い、単にケーキを盗んだ犯人だとカービィに勘違いされたから。確かに今までのシリーズを振り返ってみると結構な前科持ちだが、それでもこの仕打ちはあんまりと一部のデデデファンに批判される。

メタナイト

  • それまで影も形も無かったのに終盤伏線も何もなく「唐突に出てきて、カービィの目的の宝箱を奪っていく」という文字通りの超展開を見せる。イベントは基本的に紙芝居形式で進むのだが『やった!ついに宝箱を手に入れたぞ!→なんとメタナイトに奪われてしまった!?』唐突なんてレベルじゃない。
    • 同キャラに対する露骨なテコ入れが窺える。
  • また、何故か戦闘曲がデデデのテーマ。プレイしていれば「無所属=通常ボス曲」「ドロッチェ団員=ドロッチェ団戦(ドロッチェ団のテーマのアレンジ曲)」「古参=デデデのテーマ」という法則性を自ずと見出せるのだが、それにしても…*3
  • 他にもシリーズおなじみの中ボスの不在・不遇な扱いが散見される。
    • もちろん、本作初登場、サブタイトルにもなっている「ドロッチェ団」一味を優先的に中ボスに据えた故だろうが、過去キャラに思い入れのあるプレイヤーにとっては不満の残る扱いであった。
    • ちなみに多くのカービィで1面ボスを担当していたウィスピーウッズはメニュー画面・ファイル選択画面の背景*4
    • 過去作の中ボスも登場するのだが、とあるコピー能力を解禁すると中ボスが入れ替わってしまう*5。そのため、そのコピー能力を解禁すると、そのデータでは二度と戦えなくなる。

その他

  • 一部デザインがアニメ版準拠に。
    • 特にデデデ大王のイラストはほぼアニメ版のそれそのもの。デデデ城もアニメ版のデザインとなっており、アニメ版で重要な装置だったデリバリーシステムらしき機械も配置されている。流石にアニメオリジナルキャラは登場しないが。
      • デデデに関しては説明書のイラストだけでゲームのグラフィックは過去作の使いまわしである。逆に言えば何らかの理由で新規でグラフィックを起こせなかった可能性に繋がるわけだが…。
    • シリーズ全体で見てもアニメ版から逆輸入された要素は幾つかあるのだが、ここまで露骨な変更は初めてである。
    • 気にならない人は気にならないだろうが、ネット上ではカービィシリーズ作品間の異なるファン層による不毛な論争が続いており、ゲーム版ファンとアニメ版ファンの論争が盛んだった時期もある。従って、熱心なファンとなるとこう言った混同に拒否反応が出る人も当然居る。
    • 特にアニメ版のデデデ大王の悪人的な性格を快く思わないゲーム版ファンも少なくなかった為、そう言った人々の批判を特に受ける事となった。
    • 後に発売された『あつめて!カービィ』では本編から外れたミニゲームにおいてアニメ版他、多くのネタを盛り込んだ。こちらはネタの濃さやファンサービスの良質さから好評であった。

評価点

  • GBA作品の曲のアレンジは割りと良い。『夢の泉デラックス』同様、良くも悪くも音源の出来に左右されてしまっている。
    • また、数少ない新曲の評判はどれも非常に良い。ラスボス曲やドロッチェ団のテーマなどは取り分けて人気がある。
  • いくつかの能力に専用の待機モーションが用意されている。
    • 例えばアニマルは放って置くと毛づくろいをしたり、ニンジャは警戒しているようなポーズを取る。
  • 背景には相変わらず定評がある。ちなみに一部『鏡の大迷宮』から2枚ほど使いまわされているステージも。
  • 基本的にはカービィなので遊べない程ではない。
    • テンポ自体は悪くなく、手軽に遊べる作品ではある。

結論

当時、古き良き初代の横スクロールアクションに回帰した『Newスーパーマリオブラザーズ』の大ヒットにより、ゲーム業界ではDS版FFIIITOT等、人気シリーズの原点への立ち返りが一定のブームとなっていた。
本作もそれに追随した形に見えるのだが、偉大な先輩方に対しこちらは全体的に簡単すぎる難易度を誇っており、同じフラグシップの手がけた『鏡の大迷宮』がシリーズファンでも楽しめる歯応えだったのとは対象的である。
一部のファンからは「Wiiカービィまでの繋ぎのためだけに出した」「新人に丸投げで作らせたんじゃないのか?」等という言いがかりに近い批判も行われている。

内容もコピー能力・タイムアタックと一通り前作から調整したが、どれも他のシステムと噛み合っておらず、「とりあえず入れておけばいいや」という投げやりな印象は拭えない。
それでも世がマリオを発端とした原点回帰ブームだったので、便乗と言う形で大量に売れはしたがシリーズファンから評価は芳しくない。
とは言え手軽な難易度や新キャラのドロッチェ団等で新規層からの評価はそれほど悪いわけでもない。
よく言えばテンポが良い、手軽。悪く言えばやりがいが無い。間口の広さが特徴のカービィシリーズであるが、やりごたえを求めるユーザーも多く、後者の感想を持つ人が少なくなかった。
ミリオン達成という記録は、むしろ辛い評価をより際立たせるという結果を招き、完全に裏目に出てしまった。
この作品最大の功績は、いくらカービィだからといって手抜きや子供騙しは許されないことを身を挺して証明してくれた事であろう。

その後の展開

  • 前作の『鏡の大迷宮』と当作品のメイン(で一部手抜きな)開発を担当し、古参のカービィファンだけでなく『ゼルダの伝説 ふしぎのぼうし』等の他作品がきっかけでカービィ以外のシリーズファンからも忌み嫌われていたカプコンの子会社フラグシップは、この作品を最後にカプコンへ吸収され元の鞘に戻る事になった。
    • 一応、後者は賞を授与された程の評価を得てはいるが。
  • 後にSFCで発売されていた『スーパーデラックス』のリメイク作品『ウルトラスーパーデラックス(以下USDX)』がハル研メイン開発で発売、当作品よりもはるかに高い満足度と評価を得ている。
    • 尚、USDXには本作のアイテムやキャラがゲストとして出演している。
    • またフラグシップ作品で扱いの悪かったデデデもUSDXでは新モードで救済されている。
    • USDXの売り上げは本作を越え、さらにSDXもWiiでVC配信された。
    • ドロッチェはこれっきり音沙汰が無かったが、『あつめて!カービィ』でヒント役として出演した。
      • ちなみにスタッフによると、ドロッチェ団を主役に据えたスピンオフを出すつもりだったらしいが実現できず(本作の評価を見れば「そりゃそうだ」としか言えないが)、結局こういう形に落ち着いたのだろう。
    • なおこの処置についてはキャラの深い掘り下げに繋がり、より彼らを知ることができるということで評判が良い。