「武田信玄 (ジャレコ)」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る

武田信玄 (ジャレコ) - (2012/12/19 (水) 22:43:25) の編集履歴(バックアップ)


武田信玄

【たけだしんげん】

ジャンル ベルトスクロールアクション
対応機種 アーケード、PCエンジン
販売元【AC】 ジャレコ
発売元【PCE】 エイコム
稼働開始日【AC】 1988年
分類 便乗クソゲー

概要

当時NHKでは大河ドラマ「武田信玄」が放映されており、それに便乗して開発されたと思われる。
この時期、ホットビィもファミコンで同名の戦略シミュレーションゲームを出しておりお察しな出来であったが、こちらはアーケードで出された上におなじみの鎧兜に身を包んだ信玄がたった一人で戦うアクションゲームとなっている。

操作系統は8方向レバーで奥行きのある画面を移動し、ボタンは左攻撃右攻撃、ジャンプという操作感覚。ダブルドラゴン型…というよりは、フィールドがあまり広くなく、敵を全滅させると自動で次のシーンに移行する形式で、『熱血硬派くにおくん』に近い形になっている。2人まで同時プレイ可能。

中型ザコを倒すと出る風林火山の文字を集めるとパワーアップできる。「風」で移動速度上昇、「林」で軍配を構え正面の防御力上昇、「火」で攻撃力上昇、「山」で体力の最大値が上昇する(それぞれ一度だけ)。
フルパワーになると自キャラの攻撃に短刀投げが追加されリーチが強化されるのだが、その状態で場面移動するとすっぴんに戻される謎仕様。
他には得点が増える甲州金(らしきもの)、体力が少し回復する青い武田四ツ菱、ザコを一撃で倒せるようになる赤い四ツ菱がある。

難点

結論から言うと、この手のゲームに半ば不可欠な爽快感もケレン味も足りず、難易度だけが高い。
難易度以外にもボス出現のデモはそれなりに書き込まれているが、アクションシーンのグラフィックも、円熟に達していた1988年当時のグラフィックとはかけ離れた貧相な物になっている。

演出

ボス出現のデモで妙な味のある敵将の顔グラがアニメーションするが、ほかに特記事項がない。
敵もこちらも死ぬとゆっくりと崩れ落ちるのだが、そのせいでもったり感が助長されている。

ゲーム構成

全4面で、前衛その1→ボーナスステージ→前衛その2→ボスと一騎打ち、という流れ。
ザコキャラはまず一撃で倒せるのだが中型キャラはガードが堅く、カウンターで攻撃を当てないと真っ当にダメージが通らない。しかもそういうキャラは鎖鎌や大太刀で武装しているためリーチ差があり過ぎ、そのくせ掴みや避け等の行動パターンが非常に豊富なテクノスジャパンの作品とは違って、大体斬りや防御程度の単純な物ばかりで緊張感にも今ひとつ欠ける。
一応史実を再現しているみたいだが、軍配を盾にして攻撃を防御し敵本陣へ一人で挑みに行っている信玄や、人間サイズの信玄に対して上杉謙信をはじめとする敵将がロボットみたいなゴツくデカい体型だったり、大将が史実ではまず使っていない武器を使っている等とツッコミ所が多く、歴史に忠実なのかと言うべき有様。
そんな敵と戦う信玄はリーチが短く、敵から攻撃されると後の『キャディラックス』や『パワードギア』並みに大ダメージをもらってしまう。またパワギと違って根性補正で防御力が上がることもないため、中型敵に攻撃されると体力が4割残ってても一発でお陀仏に。
せっかく回復アイテムや、最大値上昇アイテムがあるのに焼け石に水である。
そのくせ、『ダブルドラゴン』の肘打ち並みに後ろ突き(向いている方向と逆の攻撃ボタンで出す)が強力で、背を向けて近づいてきた敵にカウンターで後ろ突きを当てるという侍らしからぬ戦い方をしないとクリアするのが辛い。
しかもパンチや膝掴みなどの豊富なアクションを持っていてプレイヤーが高性能な『ダブルドラゴン』とは異なり、こちらでの後ろ突き以外のアクションと言えば斬りや構え、ジャンプ程度でバリエーションに乏しい。まるで普通のアクションゲームである。
ボーナスステージは流鏑馬で的や伏兵を倒していく物だが、連射速度が遅い割に的の感覚が短い。しかも通常ステージ同様に無敵時間が存在せず、鳥や伏兵にボコられて大抵のボーナスステージはあっという間に終わってしまう。何の為のボーナスステージなのか分からない。

見栄えが悪く、ゲームとしては底が浅いのを、自キャラを一部除いてヘッポコにすることでゴマカしている感すらある。

その後

誰得なことにPCエンジンにアレンジ移植されている。買い物や必殺技などのフィーチャーを取り入れ、それなりに遊べるようになっている。
出来が悪いのもアレだが知名度が非常に低い。PCエンジン版をアーケードのアレンジと知らずに紹介するサイトもいくつか存在するほどである。実機を触った経験のある方はご連絡下さい。