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がんばれゴエモン ~来るなら恋!綾繁一家の黒い影~ - (2013/05/08 (水) 00:12:35) の編集履歴(バックアップ)


がんばれゴエモン ~来るなら恋!綾繁一家の黒い影~

【がんばれごえもん くるならこい!あやしげいっかのくろいかげ】

ジャンル アクション
対応機種 プレイステーション
発売元 コナミ
開発元 コナミコンピュータエンタテイメント名古屋
発売日 1998年12月23日
価格 5,800円(税抜)
分類 クソゲー
ポイント 何度も同じ道を往復させられる
一度行った場所にワープで戻れないなど搭載して当たり前な機能未搭載
クソ雑なグラフィック
曲が雰囲気に合っていない
声優の無駄遣い
後年のシリーズ破綻の元凶
がんばれゴエモンシリーズ・関連作品リンク


概要

がんばれゴエモン』シリーズのひとつで、PSでの作品は『がんばれゴエモン ~宇宙海賊アコギング~』に続き2作目。
横スクロールアクションではなく、俯瞰視点の3Dアクションとなっている。
前作に当たる、64で発売された『がんばれゴエモン ~ネオ桃山幕府のおどり~』が良作だったため、本作も期待されていたが、中身はとんでもない地雷であった。

あらすじ

ある日、自分を呼ぶ声で目覚めたゴエモンはあまりに煩かったため起きると同時に怒鳴りつけてしまう。
起こしに来たのはおみっちゃんだった。怒らせてしまったおみっちゃんの機嫌を取るため、エビス丸と共に山へドングリを拾いに行くことに。
ところが、山でキノコを拾い食いしたエビス丸が倒れてしまう。そこにヤブと名乗る医者が現れ、エビス丸を治してくれた。
ヤブにドングリをもらい、礼を言いながら町にもどると、おみっちゃんは謎のあやしげなヤツらに連れ去られていたのだった。

問題点

  • シナリオが短い。
    • プレイ時間の大半は飛び散ったゴエモンインパクトの部品集めに費やされ、それが終わればあっという間に最終決戦となる。
      要約すれば『ネオ桃山幕府のおどり』の半分にも満たない。
    • 話が全体的に唐突で、ストーリーは強制的でほとんど戦うだけ。
    • ギャグも寒くてすべっている感がある。
  • 音楽が従来のゴエモンシリーズのイメージとあまりにも一致しない。
    • 単体で聞くといい曲も多いがゴエモンの音楽ではないとファンから指摘されている。
  • 行ったり来たりが多すぎる。
    • ゴエモンインパクトの部品取りで露骨に何度も同じ場所を探索させられる。
      • 各ステージのボス戦終了後も徒歩で帰らねばならず、途中で死ねばやり直しである。
    • 「一度行った場所ならワープで戻れる」といった移動手段が無いので作業モノとしては最悪の部類だろう。
    • 正直、行き来が面倒臭いとしか言いようがない。
    • シナリオの短さも影響しているのかステージの数も少なく、同じところの往復をより強く感じてしまう。
  • イベントアイテムを入手できる枠が4つしかない。
    • そのうち、ゲーム序盤で入手するドングリのせいで1枠埋まっているので実質3枠。
    • このせいで上記のインパクトの部品集めのために何度も行き来せねばならない。一度に三つまでしか持って帰れないのに部品は十二個もある。
  • インパクト戦がショボ過ぎる。
    • 動けるのはいいが、小判の連射ができないわ、パンチは弱すぎるわ*1、エフェクトはショボイわと散々な有様。
    • 一方、時間経過でチャージされる必殺技を的確に当てていくだけで勝てる大味なバランス。
  • 全体的に敵が固く、倒すのにやたら時間が掛かる。そのくせ落とす小判は1枚だけ。
    • 今作では弱攻撃と強攻撃、それらを駆使したコンボや必殺技があるのだが、弱攻撃はまだしも強攻撃でも一匹倒すのに数回コンボを叩き込まねばならない。
      • いわゆる3Dのコンボゲー(DMCなど)ならまだしもゴエモンはそんなゲームではない。
    • そのため今作では基本敵は無視が推奨される。ぶっちゃけ倒す必要もないため。
  • モーション・SEの問題点
    • モーションは基本もっさりしておりコンボによる爽快感はあまりない。
    • SEもおかしく、例えば刀が武器のヤエちゃんやクナイが武器のサスケで敵に攻撃を加えたときに「ドガッ!」「バシッ!」という音が鳴る。鈍器かなにかですか?
    • なぜかどのキャラも共通して蹴りが出せる。そこまでして攻撃方法を増やす必要性も感じられない上、ヤエちゃん辺りはともかくエビス丸やサスケの体型では違和感の方が大きい。
    • お馴染みの小判や手裏剣といった遠距離攻撃は無くなった。一応、道端に落ちているかんしゃく玉を投げることが出来るが、設置場所が少なすぎるのであってないような物。
  • テクスチャ違うだけでステージのギミックが同じ。*2
    • そのくせラストダンジョンだけやたら力が入った迷路になっている。敵の追尾も嫌らしい。
  • 最悪のカメラワーク。
    • まずステージに入ると、なぜか前方を映してからプレイヤーの方に移動する。この間も動けるので邪魔なだけ。
    • 敵が近づくと、その敵を追尾するようになる。このせいで距離感が掴みづらくなってしまい、無視して先へ進もうとして落下する。
  • ラスボス前のボスがおにぎり所有前提(していても辛すぎる)の難しさ。
    • 相手は高い攻撃力と長いリーチを誇り、さらには時間制限まであるという始末。しかも攻撃を食らうとこちらが行動不能になることがあるためハメられやすい。
    • なお、コンティニュー前におにぎり・団子・お守りを使用していた場合、コンティニュー後ではこれらのアイテムがない状態で始まるので面倒なことになる。
  • プレイヤーキャラ4人とも性能はほぼ一緒。違うといえば一部の必殺技の性能と物知りじいさんの会話が変化するぐらい。
    • ゴエモンシリーズでは各キャラの個性的な能力・操作性が特徴で場面に応じて使い分けるのがウリなのだが、これではシリーズの特色を完全に殺している。
    • そもそもゴエモンシリーズに限らずプレイヤーキャラが選べるゲームでキャラに個性がないのは問題である。
  • アイテムの招き猫を取得すると体力の最大値が上がる(銀は4個で金は1個)お馴染みのシステムだが、3段階ほど上がるとそれ以上増えなくなる*3
    デバッグすらまともにやっていない有様。
  • グラフィックが雑。キャラの表情も変わらず口パクすらしない。地形のポリゴンも角の切れ目が丸出しなど滅茶苦茶。
    • 地面や足場の無い背景部分には一切何も描画されておらず、足場を飛び移るアクションを多用させられるせいもあって異次元空間に浮かんでいるようにしか見えない
    • キャラ方面では古参女性キャラであるヤエちゃんの作画崩壊が酷く、他のプレイヤーキャラ3人(ゴエモン、エビス丸、サスケ)と比べても極端な差で、ヤエちゃんに見えないとすら言われるレベル。
      • 他のキャラはデフォルメが利いている為にボロが出にくいが、いわゆる真っ当な美少女キャラであるヤエちゃんではその辺りの誤魔化しが出来なかったのだろう。
  • 専用インパクトの出来もひどい。後述の評価点のところにも書いてあるように個別のインパクトというアイデアそのものは評価されているが……。
    • ヤエインパクトは化け物じみた凄まじい風貌。目や口などのパーツ一つ一つはそれほど変でもないが、それを本作の稚拙なポリゴンで表現した結果ほとんどホラーのような有様となってしまった。造った物知りじいさん曰く「華麗なプロポーションが魅力」とのことだが、この顔でプロポーションがどうの言われても困る。
      • マーメイドというデザインそのものは悪くないといわれている。
    • サスケインパクトも同様に顔が怖い。一応、凶暴なノーズアートを特徴としているとのことだが勿論サスケはこんなイメージのキャラではない。
    • エビス丸インパクトも微妙な出来ではあるが、他の二体に比べるとまだマシである。
  • 当然いずれも後のシリーズに登場することなく黒歴史化。
    • 物知り爺さん曰くヤエインパクトは喜んで、サスケインパクトはしかたなく、エビス丸インパクトはいやいやなのだがこれでは逆である。

評価点

  • OPムービーだけは綺麗でかっこよく仕上がっている。まさにOP詐欺。
  • サスケがちゃんとジャンプの際に一回転している。
  • 前述のように4人それぞれの専用インパクトの登場と、最終決戦で全インパクトが合体する、ありそうでなかった展開。
    • もっとも、肝心の合体シーンは非常にショボイのだが…

総評

とにかく酷い。何から何まで酷いゲーム。本家の開発チームにもシリーズファンにも失礼極まりないゴエモンシリーズ最大の汚点作。そのゲーム内容のあまりの酷さからユーザー離れが発生、7年後の東海道中まで不信が及び、その結果がんばれゴエモンがシリーズ破綻となってしまった。
まさにKCE名古屋の悪意の象徴。
ちなみに、本作のみならず『黒船党の謎』でもヤエちゃんの扱いが非常に悪いため、「KCE名古屋はヤエちゃんが嫌い」と言われることも。

余談

  • 同じ日に発売された『でろでろ道中』の開発者が名古屋を訪れた際に本作に登場する新型インパクトのイメージイラスト(公式サイトより)を見て、それに対抗すべく、おみっちゃんをモデルとしたミスインパクトを登場させたらしい。
    声優は本作でおみっちゃんの声を担当した丹下桜。
    • ちなみにゲーム中に登場する各インパクトは、このイラストとは似ても似つかないデザインになっている。
  • 当時ゴエモンシリーズとタイアップしていた講談社の児童誌「コミックボンボン」にコミカライズが連載されたが、作者はこれまで担当していた「帯ひろ志」ではなく、同誌初登場となる作家であり、しかも短期で打ち切られている。
    各所でその漫画の感想が語られていないので、出来も大体想像が付くであろう。
    • 当時はいわゆる「98年の誌面刷新」による、同誌の迷走が始まっていた時期でもある。
  • ゴエモンシリーズの生みの親にして、シリーズ優良作を開発してきたKCE大阪に対して、こちらは、いろいろやらかしてしまったKCE名古屋の開発である。
    • なお、本家ゴエモンチームは、FC→SFC→64→DSと一貫して任天堂ハードでリリースを続けており、そういった意味でも本作は異端。
    • DS版(製作したのはネオ桃山やでろでろ道中を作ったゴエモン製作委員会=KCE大阪)では、このPSシリーズのゴエモンが「偽ゴエモン」として出演しており、本物のゴエモン達に対して土下座して謝罪するギャグシーンまで存在する。更に条件を満たすとこの偽ゴエモンの姿でゲームを遊ぶことも可能。
      • これまで培ってきたシリーズのブランドを台無しにしたKCE名古屋に対して、本家の開発チームの怒りがうかがえるネタでもある。
  • 時期が時期だけにクリスマスプレゼントの被害にあった人も多い模様。またこんな内容にも関わらずベスト版が発売されていたりする。