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遊☆戯☆王デュエルモンスターズ4 最強決闘者戦記 遊戯デッキ/城之内デッキ/海馬デッキ - (2012/10/19 (金) 09:12:54) の編集履歴(バックアップ)


遊☆戯☆王デュエルモンスターズ4 最強決闘者戦記 遊戯デッキ/城之内デッキ/海馬デッキ

【ゆうぎおうでゅえるもんすたーずふぉー ばとるおぶぐれいとでゅえりすと ゆうぎでっき じょうのうちでっき かいばでっき】

ジャンル カードバトル


対応機種 ゲームボーイカラー(専用)
発売元 コナミ
開発元 KCEジャパン、ITL
発売日 2000年12月7日
定価 4,800円(税別)
分類 クソゲー判定
ポイント 強引に分けられた3バージョン
それに伴うソフト間のバランス崩壊
酷過ぎる同梱カード商法
遊☆戯☆王 関連作品リンク

概要

遊戯王デュエルモンスターズシリーズ第4作目。初の3バージョン同時発売のゲームで、遊戯デッキ・城之内デッキ・海馬デッキが発売された。それぞれのキャラが原作で使用しているカードをメインに使えるようになっている。

問題点

酷過ぎる3バージョン商法・同梱カード商法

  • 本作は他のポケモン商法のソフトによくあるような、基本が同じで細かいところが違うというような内容ではなく、使えるカードが各バージョンごとに大幅に制約がかかっているというもので、強引に3つに分けた形になっている。ちなみに前作以前のゲームはすべてのカードが使用できた。
    • 当然のことながら全部のカードが使えるバージョンはなく、それを良い事にすべてのバージョンで使うことができないCPU専用カードもかなりの枚数ある。
    • 使えるカード・使えないカードはカード一覧の色で見分けられるのだが、使えるカードのみを表示するようなことができず、デッキの構築が行いにくい。
    • 本作のウリである神のカードは、自分のバージョンでは手に入れることができず、他のバージョンと交換しなければ手に入らない。
  • BGM、グラフィックが本作の約5ヶ月前に発売された前作の流用であり、メモリまで流用されているという話もある。
    • ただし前作の完全な流用というわけではなく、新規に書き下ろされたグラフィックやBGMも収録されている。
  • 本作は3バージョンに分けられているが、まず当然のように3バージョンに付いてくるカードが違う。
    • 各バージョンにまず神のカードが1枚ずつ付いてくる*1。ちなみにこの神のカードは公式デュエルで使用できるバージョンのカードが全て出た現在でも非常に高額である
      • テレビCMやポスターでは「予約限定」と宣伝していたが、実際は同梱カードと一緒に入っており、予約しなくても手に入れることができたため、予約限定の意味がない。この商法は5を除く7まで続いていた。
    • そして神のカードに加え、各バージョンに設定された5枚ずつのカードの中から3枚が付いてくる。それぞれのバージョンを1本ずつ買ってもすべて揃わないため、すべてのカードを揃えるには各バージョンを最低2本ずつ、計6本買わなければ揃えることができない。しかもその中には当時のデッキでは3枚入って当たり前だった「ブラッド・ヴォルス」が入っていた。また、通常版では一部カードはパラレルレア仕様も含まれている。これらをすべて3枚ずつ揃えようとすれば…。
      • ゲームを買うだけ買わせたあと、DM4収録カードのほとんどはたった半年で構築済みデッキ(¥1,200)に再録されてしまった。しかし、例外として「魔封じの芳香」は遅咲きのカードではあったものの再録までに9年も要している。これはこれで酷い。

対戦バランスが非常に悪い

  • 前作は遊戯王OCGを再現したものだが、当時のOCGの悪い所であった「下級に負ける上級(笑)」も再現してしまっていた。本作はそれを無くす方向でルール改変をしているが、その方法が「ステータスの高い方でレベルを定める」と言うかなり大雑把な変更となっている。通常召喚できるモンスターは攻撃力・守備力の数値がともに1350以下のもののみとなっており、どちらかのステータスがそれを超えると1体、2000を超えると2体、2800を超えるモンスターを出す場合はなんとモンスターを3体も生贄に捧げないと召喚できない。
    • DM4で追加された魔法・罠カードのコストがおかしい。DM2から存在した罠「万能地雷グレイモヤ」は「攻撃してきた相手モンスター1体を破壊する」効果でコスト200だが、DM4で追加された「相手が攻撃してきたとき相手モンスターを全て破壊」の「激流葬」はコスト60、「相手の最強モンスターを1体破壊」の魔法「闇への手招き」はコスト15。よりによってどちらも城之内デッキで使用可能。
    • 「相手の墓地のモンスターを蘇生」の「死者蘇生」がコスト60、「場のモンスター・罠をすべて破壊」の「大嵐」もコスト25と大概な安さだが、後述の理由によりこちらは遊戯デッキへの救済処置に近い。「死者蘇生」が遊戯デッキ専用(それも無制限)になった分、DM4追加組の面では海馬デッキが1番割を食っている*2
    • 攻撃力1350のモンスターは5体存在するが、原作に登場したのは1枚のみ。そのため下級最高ステータスとなったのは奇しくも「下級に負ける上級(笑)」の代名詞的存在であった「レオ・ウィザード」である。守備力1350の下級はOCGには存在しないため、完全オリジナルカードに頼る羽目に。
      • その5体中4体はすべてのデッキで使用可能なため、ソフトによるモンスターの格差はほとんどない。そのため、魔法・罠が強いデッキはとことん有利、弱いデッキは悲惨なほど弱い扱いとなってしまっている。
    • 一応デッキキャパシティと呼ばれるコスト管理の数値を上げればいいのだが、上げ方はひたすら戦う以外にない。
      • デッキキャパシティは勝っても負けても5上がるため、普通にプレイしていれば意外とサクサク上げる事ができる。デッキキャパシティを上げやすい故の投入コストの高さと考えれば、その上がりやすさを外してしまえば……
    • そのため初期レベル、デッキキャパシティが高く設定されている。これはおそらく各主人公がデュエル経験者という設定も兼ねていると思われる。
  • 前作同様原作モンスターは相変わらずほとんどが弱いため、「キャラクターになりきる」事ができない。
    • 生け贄召喚ルールによって、海馬の代名詞にも関わらず「実戦で使えない観賞用カード」と酷評される事となる「青眼の白龍」。前作でも弱かったが、今作でも相変わらず弱い。と言うか3体生け贄な上に、3体生け贄モンスターの中では最低クラスの攻撃力で完全に戦力外。そもそも黒魔族に突かれて即死するのに、OCG通りの生贄2体でも使えたかどうか・・・。
    • そもそも、海馬の使用したカードの中で生け贄なしで召喚できるのが数種類*3しかなく、バランスも原作再現度も厳しい。
    • 敵キャラもほとんどが原作で使っていない下級モンスターばかりを使用。上級には割り当てられているが、生け贄確保手段を取る敵は非常に少ないためまともに見る機会はほとんどない。
    • 前作では上級にもかかわらず下級の「地雷蜘蛛」に瞬殺されていた「ブラック・マジシャン・ガール」や「漆黒の豹戦士パンサーウォリアー」が、「地雷蜘蛛」の最上級化によって上級のエースとして使用可能になった所は評価できる。
  • 強引に3つに分けたため、その制約がかなり偏っており、デッキのパワーバランスにソフト間で明らかな差が出る。海馬デッキは中間の強さを持つが、壊れ性能の罠カードがほぼすべて使用可能で魔法・神のカードも強力効果を持ち3バージョンで最多の使用可能カード数を誇る城之内デッキ、逆に効果付きモンスターが多いもののほぼ全ての罠カードが使用できず神のカードも脳筋仕様で使えるカードも最も少ない遊戯デッキの差はあり得ないほど酷い。
    • 効果モンスターが多いと言っても、戦術として組み込める効果モンスターは非常に少ない・もしくは他のソフトでも替えが効いてしまう。「トラップ・マスター」や「トードマスター」は海馬でも使用可能で、「死者の腕」は城之内の「闇への手招き」で代用可能。「命の砂時計」や「ドローン」も全員が使え、「きまぐれの女神」は海馬の「スケルエンジェル」・城之内の「強欲な壺」の下位効果。「カース・オブ・ドラゴン」や「海竜神」のフィールド変化も、元からフィールド魔法を使える2人に及ぶ訳では無い。効果モンスター再利用の「闇の訪れ」まで城之内で使用可能となると、遊戯デッキの利点は冗談抜きで光の護封剣・大嵐・死者蘇生くらいである。*4
    • そのバランスを簡単に表わすと、城之内>(越えられない壁)>海馬>遊戯、となる。…遊戯王は、遊戯が主人公なのに。
    • ちなみに漫画・アニメでの3人の強さは、遊戯>>海馬>(越えられない壁)>城之内 と、順番が全く逆である
    • そのまま移植したのでは、城之内だけが余りそうなので該当な納得できる部分もあるがやりすぎである。
      • この有様を見る限り、原作の実力に準拠したほうがまだ被害者は少なかったと言えるだろう。
    • もっとも原作の時点でデュエルの腕の未熟さを補う強力なカード「例:ロケット戦士」を持っていたので勘のいい人は城之内を買ったようだが。
  • 儀式召喚は相変わらず弱い。普通に通常召喚できてしまうために全く価値が無くなっている前作よりマシではあるが……
    • 前作では神魔族モンスターは儀式魔法なしでも通常・生け贄召喚することもできたが、その結果すべての2体生け贄は「青眼の究極竜」によって紙同然であり、3積みされた「サウザンド・アイズ・サクリファイス」や「サクリファイス」が普通に飛び交うただの強奪ゲーと化していた。
    • 今作ではプレイヤーは儀式召喚を行わなければ使用できないが、CPUは普通に召喚してくる言わば「敵専用カード」となっている。CPUが召喚してくる神魔族モンスターは大抵切り札として使用してくるキャラが多いが、マリクだけは主力として召喚してくる。
    • ステータスが低すぎる上効果を持たない「ヤマドラン」、たった300しか攻撃力が上がらない「マジシャン・オブ・ブラックカオス」等酷い性能の儀式も多いが、それは前作からの問題である。

その他細かい点

  • 前作も同じだが、ボスを倒さなくともパスワードをやればエンディングが出る…ゲームとしてそれでいいのか?
    • しかもエンディングの最後が手抜きで、『1』『2』と同じ「おわり」と書かれているだけである。ちなみに前作では神のカードの石版の1枚絵が表示されていた。
  • これは、前々作までラスボスを倒すと強制的にスタッフロールが流れてテンポが阻害されるという点を考慮した上の判断だと思われる。
    • その事で、こんな動画がニコニコ動画に作られた。ちなみに、動画は前作である。
  • 各バージョンで戦えないキャラがいる。闇遊戯と戦えない遊戯、マリクと戦えない城之内はまだいいとしても、海馬が、闇獏良と戦えないのはどうなのだろうか?
    • 後にアニメで理由がわかったのだが…。
  • 隠しデュエリスト達と戦うには各キャラごとのパスワードが必要になる。ヒントは何もなし(一応、攻略本には全パスワードが記載されている)。

長所

  • 本作の融合システムは独特で、融合素材の指定が緩やかである。(例:女性型モンスター+岩石)さらに「融合」も必要ないため、初期デッキでもプレイングの差がそこそこ表れる。
    • 慣れれば本作のラスボスのペガサス程度であれば、初期デッキでも数回に1回は勝つことが出来る。
  • 前作や前々作よりも、キャラ数が激減している。ただ、当時のジャンプの紙面で登場していた「ごんぶとり遊戯」と「カイザー海馬」と闘えるのはDMシリーズでは本作だけである。
  • 前作でもっさりしていたデュエルのテンポが大幅に改善している。
  • 前作までにおいて、罠カードは仕掛けた次の自分のターンに廻ると消滅してしまったが、今作からは発動条件を満たすまで場に残り続けるようになった。しかしこれが罠に長けた城之内デッキの強さを助長する事に。
  • 各バージョンのプレイヤーキャラが設定されているため、データの初期化等により始めからスタートする際のネーム入れが不要になっている。
  • 隠しを含めた20人以上のキャラ1人1人に固有の戦闘BGMが設定されている。
    • ファンの間では「BGMはいい」と言われており、クソゲーらしい評価点はある。

まとめ

本作独自に設定されたルールがいい加減だったために、キャラゲーとしての原作再現度とカードゲームとしてのゲームバランスを両立できず、双方の評価を落としてしまった。前作の欠点を改善できた部分もあるが、同時に新たな欠点を多数生みだしている。OCG準拠にこだわらないという出発点の是非はさておき、結果的なゲームの出来には大いに疑問あり。
しかもそれを3バージョンに分けて発売したためにソフト毎に使用カードが制限され、対戦バランスやゲームバランスの悪化を助長している。
本作における3バージョン分割は、結局「それぞれに強力なカードを付けて売る」という同梱カード商法以上の意味を持たない。もはや本作はフォローが不可能なほど、カードのおまけとしか言いようがないゲームである。

  • 本作はなんと250万本の売り上げを記録し、同時期に発売された『ポケットモンスター クリスタル』やゲームボーイカラー版『ドラゴンクエストIII』といった怪物級のソフトすらも圧倒し、2000年の年末商戦で圧勝した。同時に遊戯王カードビジネスの酷さのピークでもあった。
    • 原作付きゲームの最高の売上を誇る。次点が『遊戯王1』(161万本)、その次がファミコンの『忍者ハットリくん』(150万本)ということを考えると、この記録を打ち破るキャラゲーは、これ以後も現れないだろうと思われる。近年、最も売れた原作付きゲームである『ワンピース海賊無双』でも、売上は約80万本なのだから。
    • あまりにも売り方が酷すぎてユーザーが怒ったのか、以降の特典カードに魅力がなくなったのか、続編以降の売上は猛烈な右肩下がりが続いた。
      • 続編以降の売上(5:約40万本、6:約26万本、7:約24万本、8:約12万本~TF3約12万本)
  • なお、遊戯王のゲームはこれ以降も何十本と発売されているが、バージョンが分かれているソフトは今のところこれだけである。