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ジョジョの奇妙な冒険 - (2013/05/19 (日) 07:40:06) の編集履歴(バックアップ)
ジョジョの奇妙な冒険
【じょじょのきみょうなぼうけん】
ジャンル
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RPG
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対応機種
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スーパーファミコン
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発売元
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コブラチーム
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開発元
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ウィンキーソフト
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発売日
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1993年3月5日
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定価
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9,500円(税別)
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分類
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クソゲー
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バカゲー
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ポイント
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橋本名人が指揮しておきながら原作無視の超展開 運任せの戦闘システム ウワウワウワ ウダウダウダ BGMは良い 黒歴史を通り越して伝説化
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ジョジョの奇妙な冒険関連リンク
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概要
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独特の台詞回しや奇抜な絵柄、練りこまれたバトルシーンと今もなお根強い人気を誇る漫画『ジョジョの奇妙な冒険』。今作は『ジョジョ』の中でも特に人気の高い第三部を題材にしたRPGである。
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第一部のボスであり、物語の元凶でもある吸血鬼・DIOが新たなる力である「スタンド」を手に入れ蘇った。しかしその復活はDIOの宿敵であるジョースター一族にも影響を与えていた。同じくスタンドが発現した主人公・承太郎は、DIOの影響により倒れた母・ホリイを救い出すため、祖父・ジョセフとその仲間達と共に打倒DIOの旅に出る。
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『ジョジョ』初のゲーム化という事で、ファンの期待も大きかったものと思われるが……
やっぱりィ!クソゲーじゃあねーかアーッ!!
特徴&問題点
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「原作をなぞっていながら、その過程が全く違う」。何を言ってるかわからねーと思うが…。
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原作と違う主な所一覧
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流通貨幣がどこの国でもドル。
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一般人にもスタンドで攻撃。しかも金をぶんどっている。
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グレーフライのおっさんが学校の用務員。
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弾丸より早い動き、僅かに映ったハエをスケッチできる正確さを併せ持つスタープラチナが…不良生徒ごときに先制攻撃されたり女医に簡単に攻撃を回避され、映ったハエを見抜けずスケッチもしない。クソゲー竜王戦の第4代王者はジョセフの見せ場をカットされたと言っていたが念写自体は行っており、見せ場をカットされたのは主人公の承太郎である。
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ジョセフが本屋へ行き店員に「スタンド使いに関する文献を探しているのだが」と尋ねる。第四部のジョセフかオメーはよォーッ!!。
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詳しく言うとスタンドは当時の世界観で発見されたての超能力のようなものであり、まして一般に知られていない為その辺の本屋に文献なんぞあろう筈が無い。
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そもそもその能力に「幽波紋(スタンド)」と名付けたのは他でもないジョセフ本人である。
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さらにはDIOに関する文献まで街中の図書館で探そうとする場面まである。
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しかもその本屋の店員がポルナレフ。確かに原作で漫画家になりたいって言ったけどよーっ
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ストレングスが船ではなく館を操っている(ケニーGのティナーサックスの立場は?)。更に倒しても館が変化する描写が無い。
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インド行きの飛行機の中でデス13(なぜか乗客の子)とハイプリエステス(なぜかCA)に遭遇する。あれっ、グレーフライは?
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エンプレスはホテルに潜んでいるが、一度も会わずにスルーしてもクリア可能。
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ラバーソールが呪いのデーボやホテルの従業員に化けている。しかもすぐに正体を自分からバラすため変身の意味がほとんど無い。
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スティーリー・ダンは登場しない(説明書には掲載されている)。ラバーズは「種」として登場し、エンヤ婆が使用してくる。
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イギーは砂漠のピラミッドのボス。いくらアヴドゥルが離脱しないからといって…。
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戦闘は全部全員一組で行う。原作のようにキャラが離脱したり分離したり死ぬことはない。
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ラストバトルでも全員が帰還。ついでに市街地戦も無し。
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DIOは今までの敵と同じく原作のセリフを喋って戦意を喪失させてくる「血を吸って殺すと予告しよう」→「承太郎は戦意を喪失した」…。
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その他…Wikipediaの記事を参照。
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原作と合っている所一覧
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目的がDIOを倒してホリイを救うことと残された日数が50日である事。
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OPの冒頭シーン。ここだけはまともに再現されている。
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空条家の掛け軸に書かれている文字が「御無体」(本当に原作どおり。こんな所を忠実にしなくても…)。
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せめて『北斗の拳5 天魔流星伝 哀★絶章』のように完全パラレルワールドの方がまだよかったのかもしれない。
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でもポルナレフの肉の芽を抜いた後のジョセフの台詞「これで肉の芽がなくなってにくめないヤツになったわけじゃな。ジャンジャン!」は何故か忠実に再現されている。それ以外に再現すべきことは今まで食ったパンの枚数ほどあるが。
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無理やりRPGにしたかのようなシステム。
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原作をなぞっている(つもりの)ためか、敵は決まった場所で、決まった回数しか出てこない。これにより、レベル上げが一切不可能になっている。
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一応、終盤になるとレベル上げはできるのだが、その方法がバーでお金を払って酒を飲み、それによって現れた敵(の幻覚)を倒すといったもの。色々と危ない。なお、経験値だけでなく資金稼ぎにも使える。
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これに関連して、レベルを上げても「強くなった」という感覚が無い。
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上記の手段でレベル上げしても段階的に敵も強くなっているため焼け石に水。特にホルス神(ペット・ショップ)辺りで敵の強さの上昇が顕著になる。
このゲームでもやはり鳥が強いのか
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またストレスの概念があり、これが高まっていると強力な攻撃が出難くなる。ストレスは戦闘を行うごとで溜まっていくので厄介。
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回復は「タバコ」や「少年ジャンプ」などのアイテムで可能。またトイレで用を足すことでも回復ができる。
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敵スタンドの謎を暴く「ひらめく」というコマンドが存在し、特定のキャラ(ここは原作通り)がひらめかないと相手に大したダメージを与えられない戦闘が多い。トリッキーなスタンドバトルを再現したつもりなのだろうが、「ひらめく」のに数ターン要することもあり、戦闘のテンポが非常に悪い。もたもたしているうちに再起不能(リタイア)に追い込まれる可能性大。
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なおこのひらめきも、原作を読んでいないプレイヤーにはヒントは一切ないため、原作を読んでいれば上記の矛盾に耐え切れなくなり、読んでいなければひらめきがわからずボスを倒せないという、悪循環に陥ってしまっている。…まあキャラゲーを原作未読の人が買うというのはそんなに多くないが。
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「MP」という数値があるが、単なる「精神力」である。この数値が0になると「戦意を喪失」という形で再起不能(リタイア)になる。MPは敵の精神攻撃で減少し、味方の励ましや自己暗示(味方や自分に「話す」コマンド)で回復する。
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こちらも敵に「話す」コマンドを使うことで相手のMPにダメージを与えることができる。敵に向かって一斉に「話す」を行うとまるで悪口大会。一応これでラスボス・DIOも倒せないこともないが、ほとんどの場合において殴った方が早い。
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なぜか、装備品で能力が上昇する。承太郎なら「チェーン」「学帽」、ポルナレフなら「ピアス」といった具合である。精神を具現化したものであるスタンドが装備品で能力が上昇するのはおかしいが、おそらく「新しい装備でテンションUP→精神力UP→パワーアップ」の流れなのだろう。
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しかし、承太郎が最初に手にするのはなぜか「アルミの学帽」。革でいいだろそこは。
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ちなみに、武器屋の親父が「ははあ、あんたたちスタンド使いだね」と言ってくる。「テメーは支倉未起隆かァ―――ッ!!?」
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さらに、その装備システムのおかしさの極め付けが承太郎の装備品である「時の学帽」にある。「DIOの館の宝箱からこれを手に入れ、承太郎が装備することでスタープラチナが時を止める能力を発現できるようになる」という爆笑設定。
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余談であるが、この「時の学帽」は同人フリーゲーム『ディアボロの大冒険』(現在は配布終了)の承太郎ドロップアイテムとなっている。
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どうでもいいことだが、部屋から外に出る時に十字キーの下をタイミング良く押すとこちらを向いて、後ろ歩きで出て行くというシュールな光景が見れる。チープ・トリックが取り憑いているのかよォ
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主人公・空条承太郎とラスボス・DIOのラッシュ時の台詞がボイス入り。
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…なのだが、この当時なのでボイスといってもたかが知れており、まんま音声読み上げソフトのようなものである。
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原作では「オラオラオラオラオラオラァ!!」「無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァ!!」だが、今作では「ウワ ウワ ウワ ウワ ウワ」「ウダ ウダ ウダ ウダ ウダ」である。まるで迫力が無い。
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テレビCMではDIOの声(およびナレーション)を塩沢兼人(故人)が演じているが、ゲーム中ではその音声が一切使われていない。声優の無駄遣いに加えてCM詐欺に等しい。
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セリフの表記で「○○だぞ」とすべき所が、なぜか「○○だゾ」となっている。クレヨンしんちゃんじゃねェんだよォ―――ッ!! このゲームはァ―――ッ!!
評価点
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ステータスはキャラクターの性格をよく反映している。攻撃力は高いが防御が低いポルナレフや、精神攻撃が強いジョセフ、協調性に長ける花京院など。
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画面下にあるメンバーの顔グラフィックのドット絵は素晴らしいの一言。
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クソゲーの例に漏れず、BGMの評価は高い。『ジョジョ』のミステリアスな雰囲気に絶妙にマッチしており、「音楽だけならジョジョゲー一の出来」と評されることも。
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そんなだからか、こんなゲームにもかかわらずアレンジ版サントラCDまで出ている。そしてやはり評判は良い。
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メンバーの放尿音を聞くことができる。
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一部メンバーが死亡してしまう原作と異なり、エンディングでは全員が生還できる。原作無視ではあるが、ここまで原作のストーリーと違うなら些細なことである。
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もっとも、エンディングは開放されたホリイさんを前に全員が微笑み続けるだけなのだが。
総評
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熱烈なファンが多い『ジョジョ』初の単独ゲーム化という事で期待して蓋を開けてみれば、散見する原作無視・微妙以下のゲームシステムという「キャラゲーはクソゲー」のお手本の様なゲームになってしまった。
しかしその「あまりにも原作とかけ離れた」展開ゆえ、ファンにとっては爆笑・失笑モノの逸品であるとも言える。実際『ジョジョ』ファンの間では、このゲーム及びコブラチームは未だに語り継がれる伝説となっている。
良くも悪くも、突き抜けた出来だと違った意味で伝説化されるという『たけしの挑戦状』や『デスクリムゾン』と肩を並べる作品であろう(ファンに限るが)。
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クソゲー竜王戦の第4代王者が本作をプレイし、「プッチより先に天国を垣間見た気がした」「二度とゲームを作れないように叩き壊してやるよ! …貴様らの顔面の方をな!」「おいフーゴ、コブラチームのとこ行ってパープルヘイズばらまいてこい」と、コブラチームに対して怒りをあらわにしていた。
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松山洋は『ファミ通』の「未来に伝えたいゲーム」で本作を取り上げ、「髪の毛が白くなるかと思いましたよ(笑)。 『ジョジョ』ファンとして、そんな思いをしたユーザーがいることを忘れないでほしい。 なかったことにしてはダメです!」と述べている。
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意訳すると「キャラゲーの反面教師として本作を未来に伝えよ」ということだろう。
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という訳で本作はとんだ「未来への(負の)遺産」となってしまいましたとさ。「チャンチャン♪」