【ずんずんきょうのやぼう】
ジャンル | シューティング |
対応機種 | アーケード |
販売元 | セガ・エンタープライゼス |
開発元 | 港技研 |
稼働開始日 | 1994年 |
分類 | バカゲー判定 |
ポイント |
シャレにならない 怪ゲー |
踊りによって世界征服を企む宗教結社「ずんずん教」の野望を、プレイヤーである地蔵が阻止するために立ち向かうという設定の半固定画面シューティング。4エリア×4支部+3エリアの全19エリア。2周エンド。
8方向レバー+2ボタン(ショット、御心ボンバー)で操作。
プレイヤーはステージのフィールド内を8方向に自由に移動できる。ショットは画面から見て上方向にのみ発射される。敵を倒すと時折アイテムを落とし、ボーナス得点(名称が「お布施」w)、移動速度アップ(ダウンもある)、弾速アップ、自機のパワーアップ、当たり判定縮小、画面上の敵停止、一定時間無敵、ボム数1個増加といった効果が得られる。次々と出現する敵を全滅させるとクリア。
ゲームの難易度は非常に高い。弾速が初めから速く、自機の当たり判定も大きい。また自機は前方にしかショットを撃てないのに、敵は左右や、やや斜め後ろからもワラワラと出現する。自機の弾は2連射しか出来ないのに、ザコ敵の耐久力は一律2なので、かなり敵がカタく感じられる。
が、その難易度以上に印象に残るのが、ゲーム全体から発せられる凄まじい電波ぶりである。ありとあらゆる電波をぶち込んだらこうなった、と思わせてくれるほどである。
OPデモは「ずん、ずん、ずん」というボイスと共に、真っ赤な炎で彩られたタイトルロゴが画面右から左へと流れた後、これまた炎を背景に、画面下で黒いシルエットが不気味な笑みを浮かべながら奇妙な踊りをしているというもの。また、プレイデモに入る前に、「このゲームはいかなる宗教とも関係ありません」と表示される。ゲームをプレイする前からこの調子である。
ゲームはプレイヤーが各支部の会場に殴り込みに行く形で開始される。その時、「ずんずん教だ!」というフキダシがボイスと共に4回出る。
プレイヤーは日本支部、亜細亜支部、欧州支部、米国支部のどれかを任意の順番で選んで攻略していく。全てクリアすると本部である「秘密支部」をプレイできる。が、その支部の内容や敵キャラがクレイジーなものばかりで、まともな敵はほとんどいないと言っても過言ではない。以下に一例を挙げる。
ステージ内容は上記そのままである。つまり、日本支部其ノ二では、ホテルの宴会場でゲタを投げてくる演歌歌手相手に戦い、日本支部其ノ三では、上野駅東北線乗り場のプラットフォームで、寿司の折り詰めを投げてくる酔っぱらいを相手に戦う事になる。
各支部の4エリア目ではボス(支部長)との対戦になる。そのボスも変な奴ばかりである。
ステージをクリアすると、画面中央に「~派壊滅」「~支部壊滅」と表示され、プレイヤーが正面を向き直って「ハハハハハッ」という高笑いのボイスが流れる。
最終面の「秘密支部」では、「ガイアの間」にて、「教祖アースノイド」と対決する。キャラ紹介のアップ画面ではアニメ『絶対無敵ライジンオー』に登場する「アークダーマ」に似ているが、いざ出現すると、手と目と脚がついた地球が手足をバタバタさせながら自分の分身か部下と思われる、妙に目が可愛いミニ地球を放出するというもの。その見た目通り、正体は地球の無意識である。
上述の通り、本ゲームは2周エンドである。アースノイドを倒しても、「二週目は地獄の一丁目」と表示され、難易度の上がった2周目が始まる。ちなみにエンディングはちゃんとあるがスタッフクレジットはない。そのエンディングも、「地球の無意識を倒した」ことに疑問を投げかけるナレーションもどこ吹く風な地蔵たちの一言で締めくくられる。
以上のような奇怪極まるゲームにどれほどの需要があったのかは不明だが、セガエイジスから携帯電話アプリゲームにも移植されている。業務用はリリースされた日時がオウム真理教がかのテロ事件を起こした時期と近い。狙って出したのでは?という疑惑が耐えない問題作という意見もある(というか、時期が近くなくても問題作ではあるが)。