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北斗の拳5 天魔流星伝 哀★絶章 - (2013/01/24 (木) 20:55:33) の編集履歴(バックアップ)
*北斗の拳5 天魔流星伝 哀★絶章
【ほくとのけんふぁいぶ てんまりゅうせいでん あいぜっしょう】
ジャンル
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ロールプレイング
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対応機種
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スーパーファミコン
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発売元
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東映動画
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開発元
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ショウエイシステム
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発売日
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1992年7月10日
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分類
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クソゲー判定 バカゲーという声も一部にあり 一覧は前者に指定
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ポイント
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いきなりケンシロウ死亡 原作レイプ上等のシナリオ展開 時系列完全無視の主人公交代劇
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北斗の拳シリーズリンク
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※タイトルの『★』は小さいフォント。
概要
東映(&ショウエイシステム)の『北斗の拳』シリーズ第5弾にして、北斗の拳RPG第3弾。
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この後格闘ゲームの『6』と『7』が存在する。RPGとしては『5』が最終作品。
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脚本は前作に引き続き戸田博史氏。アニメ版『北斗の拳』及び『北斗の拳2』合わせて全152話中97話の脚本を書いたメインライターであり、『北斗』という作品のことを知り尽くした人物……のはずなのだが……。
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余談だが、同氏が脚本を書いたバンプレスト版『北斗』では、原作終了後のストーリーにもかかわらずトキやリュウケンや黒夜叉が生きていたりする。また、黒夜叉は同じく原作終了後のストーリーである『4』でも生きていた。そして今作『5』でも、当然のように仲間キャラの一員として登場している。黒夜叉が死ぬ回の脚本を書けなかったのがそんなに心残りだったのだろうか。
ちなみにRPGではないが『6』の使用キャラにもなぜか黒夜叉がいるため、戸田氏というより東映上層部の趣味なのかもしれない。
問題点
ストーリーは原作設定を元にした完全パラレルだが、前2作を越えるひどい展開。原作の世界観ぶち壊しである。
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敵はオリジナルの『魔皇帝』。大音量のボイス付きで笑う。ちなみにこの魔皇帝は魔族である。
当然ながら原作には魔族の「ま」の字も出てこない。東映動画は何の作品を題材にしたと思ってるんだ。
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いきなり冒頭でケンシロウが岩に潰されて簡単に死ぬ。
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実際は死んでおらず、物語中盤で復活するのだが…ただ魔皇帝によって封印されたりしていたため、実際に死んではいないにしろ危うく死にかけたのはガチなようだ。
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「ゲーム主人公を目立たせる為に原作主人公を途中まで出さない」というのは常套手段だが…
原作で岩壁や石柱を拳でたやすく叩き壊すキャラを岩で押しつぶすとか無いだろう。もうちょっと何とかならなかったのだろうか?
ちなみに前作でケンシロウが終盤まで登場しない理由は今作と違いありえないとは言い切れない展開となっていた。
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原作の主要キャラが情けない展開で犬死にする。
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序盤で登場するアインは道を阻む岩を破壊してくれるのだが、なんと飛んできた岩の破片に潰されて死ぬ。スタッフにとってアインはただ岩を砕くだけの便利屋程度にしか思われていないようだ。戸田氏としてはアインが死ぬ回の脚本を書けなかったのは別に心残りではなかったのだろう。
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また、原作の強敵でもある人気キャラ・サウザーはケンシロウ復活への際にエネルギーを使い果たして一人だけ死ぬ(一応、トキやカイオウも後々に死んでしまうのだが、彼らはプレイヤーキャラとして使用可能。だがサウザーは使うこともできない)。同じ敵キャラでもシンやユダ、ラオウなどの宿敵達が生存し最後までともに戦ってくれる中でこの扱いの差は…。
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余談だが、サウザーは新劇場版では純粋な悪人にされたり、『北斗無双』でも「声が合わない」と賛否両論だったり扱いが悪い。どうしてサウザーばかり…。
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原作では生存したはずのバットも登場したと思ったら障害に特攻して死んでしまう。ちなみに、バットはリンに想いを寄せているらしいが、肝心のリンの口からはバットの「バ」の字も出ない。
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原作最後のエピソードをケンと成長したバットの友情が締めたのを考えると、いくらパラレルとはいえあんまりである。
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キャラクターの性格も原作と違う。
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レイは序盤で「赤いイナズマ」というレジスタンス部隊のリーダー・イナズマとして登場するのだが、仮面舞踏会のようなささやかな仮面を着けているだけで、変装と言うのもおこがましいような有様。なお、何が「赤い」なのかは不明。レイ自身はむしろ青い。
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ちなみに初登場時の台詞は「私は赤いイナズマ、わけあって名は名乗れぬ(要約)」……思いっきり名乗ってるじゃないか、…まぁかろうじて「わけあって(本名は)名乗れぬ」と擁護できないこともない…かもしれない。
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シンにいたってはユリアが死んだショックで酒に溺れ、サザンクロスをハート様にのっとられるなどと原作の面影はない。
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ネタ的な意味では、ハート様が「ひでぶっ!!」と爆死してくれない点も減点対象のひとつになってしまっている。
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しかも「ひでぶ」が使われるのは「おれのなまえは、ひでぶ」と、一般の村人の名前となっている。似たようなネタは『3』と『4』にもあったため、定番ネタのつもりなのかもしれないが、そんな謎の小ネタより先にやるべきことがあるだろうに。なお本名ではなく「敵の妖術で言動がおかしくなってしまった」という一応の理由付けはある。
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RPG的イベントも何か変。
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主人公パーティのキャラは打撃武器などを買えばそれを装備し、攻撃力を上げることが出来る。しかし、戦闘時には武器を持たず、相手を蹴り殺す。
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一部操作キャラの服の色が、移動画面と戦闘画面で異なる。着替えてんのか?
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「西の橋を渡った先で待ってる」と情報を渡されたのに、橋があるのは東。
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イベントで橋を渡ろうとするが、破壊されていたり、橋がない状況のときはなんと人間が橋になって主人公一行はそれに乗って渡るという爆笑モノの状況が起こる。それはどちらかと言うと『魁! 男塾』のノリではないだろうか。因みに戸田氏はアニメ版『魁! 男塾』の脚本も担当していた。
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挙句の果てに「橋を爆破したのはお前だな! お前が橋になっていろ!」という台詞もある。
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主人公一行が人間を踏み潰して渡るさまはシュールの一言。
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ガルダックという塔の扉を開ける呪文が「ペペロペロ」。本作でも突っ込みどころとして名高い。
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おそらくこれは、東映動画のシンボルキャラである長靴ネコ「ペロ」の事を指していると思われる。その証拠に塔の前に意味も無くネコがウロウロしている。そんな小ネタより先に(ry 。
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主人公はオリジナルキャラなのだが、なんと物語の中盤で戦死し、主人公の息子が新主人公となるという『ファイアーエムブレム 聖戦の系譜』のようなシナリオ展開を見せる。
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が、その主人公周りの時系列が明らかにおかしい。物語開始時、主人公の息子はまだ生まれてすらいない胎児なのだが、次に会ったときには十分会話ができるレベルにまで成長しており、さらに主人公の死後に新主人公として戦いの場に立った際のグラフィックは、どう見ても成人である。
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この矛盾を解決する場合、少なくとも作中で最低でも十数年の歳月がかかっているという説明がなされないといけないのだが、そんな説明はない。ちなみにアインの娘のアスカは幼女のまま。息子(+同じ収容所にいた全員)が短命の呪いを食らったとでも解釈しないと辻褄の合わせようがない。
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矛盾なのか意図的なのかは不明だが、息子が上記の「十分会話ができるレベル」の時期に「母(主人公の恋人)は十数年前に生まれた魔皇帝の娘」という事実が明らかになる。逆算すると産んだのは高く見積もっても十代前半、下手をすると…………いくら世紀末(新世紀?)だからってそれは駄目だろう。
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また、それだけの歳の子どもがいるということは、魔皇帝は少なくとも10数年以上前には封印を解かれていたことになる。何故それまで何もせずにいたのか、説明は一切なし。まぁ東映動画にその辺の説明を求めるだけ無駄なのだが。きっと何も考えてなかったのだろう。
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ゲームを始める際に主人公とヒロイン(恋人)に名前を入力するというのは『バハムートラグーン』や『聖剣伝説』にもあるが、それが2人とも途中で死亡するというのはなかなかショッキングである(新主人公に名前をつけられるようになるのは途中から)。
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この手法は『ドラゴンクエストV 天空の花嫁』にも似ているが、そちらはあくまでも主人公が最初から最後までプレイヤーの分身であり、最終的にはちゃんと報われるためこのようなことは起こらなかった。
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しかも、エンディングは見方によっては新主人公も死亡したという形にも受け取れるため、ますます報われない。ついさっき「お前がいる限りこの世界は大丈夫だ!」だの「ピンチのときはいつでも駆けつけるぜ!」などと言われたばかりなのに……
評価点・その他
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しかし原作と全く別物だからこそ、ラオウやカイオウ、ユダなど、あり得ないキャラクターが仲間になるという評価点もある。
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ラストではパーティを自由に組み替えることができる(正確には奥義で仲間の闘気を引き連れている模様)。
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RPGとしての出来はやや単調ではあるが、それほどひどいゲームではない。技などは無駄に豊富。
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戦闘シーン、キャラクターの立ちポーズや動きが『摩訶摩訶』にそっくり。同じショウエイシステムが関わっているためと思われる。
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バグが多いわけではないので、その点は安心していい。
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ちなみにシナリオ担当者も同じ。
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また『北斗』シリーズの例に漏れず、音楽もなかなかの名曲ぞろい。作曲担当者は一連の北斗シリーズと同じくJAYWALKの知久光康氏。ちなみに『摩訶摩訶』のBGMも同氏によるもの。
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落下音のSEが非常に間抜け。「ピュ~」というドラクエなどでもお馴染みの音ではあるが、ユリアが投身自殺する時にも鳴られて色々と台無し。下の動画参照。
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また、ドアを開けるSEは「ドガァ!!」と殴ってぶち破ったのかと思うほど低く重い。
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マップ上の移動では、主人公一行は一列に並んで歩くのではなく、四方に分かれて歩く。何かと珍しいものだと思われる。
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ゲーム中断時のメッセージが「ごくろうさまでした」と、プレイヤーを目下扱い。
総評
ここまで読めば分かると思うが、『CITY ADVENTURE タッチ MYSTERY OF TRIANGLE』と同じく『北斗の拳』を題材にする必要がない。
物語は漫画の本筋とは関係ないパラレルなオリジナル話で、かの有名な「ケンシロウはしんだ」から始まるツッコミどころ満載なストーリーはいろんな意味で笑いが止まらないのだが、原作ファンにとっては原作レイプもいいところ。二次創作の類ならまだしも原作ありきのキャラゲーでこんなことをやるな。
前2作のRPGも決してほめられた出来ではなかったが、これは輪をかけて酷いという評価が多い。
『3』は一番原作に忠実であるという点は評価されるし(あくまでも「東映動画が作ったゲームとしては」だが)、『4』はなんだかんだいっても原作のイメージを極端にぶち壊すような要素はなかったという評価点がある。
ゲーム部分自体はそこそこ遊べるため、原作ブチ壊しなストーリーさえ許容できればむしろバカゲーとして楽しめるかもしれない。
プレイ動画(part1のみ)