「Sorcerous Stabber ORPHEN 魔術士オーフェン」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る
【まじゅつしおーふぇん】
ジャンル | 3DアクションRPG | |
対応機種 | プレイステーション2 | |
発売元 |
角川書店 エンターテインメント・ソフトウェア・パブリッシング(ESP) |
|
開発元 | シェード | |
発売日 | 2000年8月3日 | |
分類 | クソゲー判定 | |
ポイント |
システムがおかしい ゲームバランスがおかしい 原作レイプ 声優だけ豪華 |
・PS2初期に発売。ライトノベル業界において、『スレイヤーズ』に続いて大ヒットした『魔術士オーフェン』シリーズを3DアクションRPGで完全再現することを謳い文句に製作された。
・プレイヤーはモグリの魔術士・オーフェンとなり、2人の同行者(マジクorクリーオウ+3人のゲストキャラの誰か)と共にカオス島の謎に挑んでいく。
・3人それぞれの物語が存在し、それらを全て達成することで最後の謎に挑むことが可能となる。
・罠を解きながらフィールドを移動し、一定のポイントまで進むとイベント戦闘が起きる。その繰り返しでゲームは進行して行く。
・戦闘では○△×ボタンに3種類の魔術を装備し、ボタンを押すことで魔術が発動し敵を倒すというシステム。同行者は援護してくれるが指示はできない。ステージによっては同行者を直接操作して進むこともある。戦闘では足場が固定され、ボタンを押すことで各種アクションを取る。
・魔術は連射の効く「弾系」、広範囲且つ溜めると精霊が召喚できる「直撃系」、一定の属性攻撃を反射できる「防御系」、接近して連続ヒットの狙える「降魔の剣」を組み合わせて戦うことになる。
・キャラクターの成長システムは存在しない。また、HPは数値ではなく青い宝石の削れ具合で表現される。
このゲームにはイベント戦闘“しか”存在しない。そのため、新たな魔術を手に入れてもすぐに使用することが出来ない。
そもそも原作は巧みな戦闘描写が魅力であり、殺し屋や人間をはるかに上回る存在を相手に数々の魔術もただの一手として肉体も道具も駆使してぎりぎりで切り抜ける様が迫力をもたらしていたのだが、このゲームはそんなものとは程遠い
操作性はもっさりとしており、フィールドにおける爽快感は皆無に等しい。
途中でパートナー交代のイベントがあるにも拘らず、交代すると先に進めないフィールドが存在するため、実質無意味なイベントである。
謎ときも殆ど存在せず、長々移動してスイッチを入れるばかりである。
魔術をボタンによって装備するシステムを取っているため、一つの戦闘で駆使できる魔術は3種類である。戦闘中、装備魔術の交代はできるものの、実行すると戦闘そのものがリセットとなる。
ヒットポイントが宝石の数と削れ具合であるため、確認がし辛い。尚、宝石は原作に於いて何ら重要な役割を持っていないし登場すらしない。
足場が固定しているために、様々な戦法を取って攻略するといった遊び方が出来ず、単調な作業になりやすい。また、当たり前といえば当たり前だが、オーフェンの代名詞“コカして踏みつける”(アザリー曰く、びっくりアタック)が使えない。
ラスボス戦で一気に難易度が跳ね上がる。有効な魔術が限られているが、ほとんど防御される。二つある防御腕を破壊してから、頭部を破壊するという順序以外で倒すことが出来ず、3体のボスを相手にしている形になる。
一方で敵は防御壁突き破ってくる攻撃連発し、小さなUFOを無数に生みだしてくるため、オーフェンは敵の集中砲火を浴び続けることとなる。尚、ボス戦だけ仲間からの援護はない。更に、負けるとそれまで戦ったボスとの連続戦闘からやりなおし。勝つには殆ど運頼りである。
回復アイテムが戦闘中に使えない。これがラスボス戦が運ゲーと化す要因の一つである。そのくせ、移動中は自動回復があり、何よりアイテムだと仕様にタイムラグがあるため存在の意味がない。
○原作設定の無視
・魔術~
主人公が使う魔術は「音声魔術」という代物である。効果範囲は声が届くまでであり、物理的な破壊力は、人間相手には十分とはいえ、それ程高くはない。
→オープニングで遙か彼方の山まで吹っ飛ばしている。
原作に、魔術の属性などと言った要素は存在しない。もっとも、原作における魔術の設定は文章以外での表現は難しく(構成の概念等)、またゲーム的な面白さのための改変なのも理解できる。
しかし、その当て嵌め方がおかしい。
・世界観
原作は中世ファンタジー的な要素が一部引き継がれてはいるものの、小型化された銃火器や発電機の存在、都市に上下水道が完備され、人々はGパンやらスーツを着用しているなど近現代的な世界観となっている。
しかし、ゲストキャラである、セフィ(DQ的な踊り子の衣装)、ゼイアス(DQ的な騎士の衣装)、マー(DQ的な楽士の衣装)は中世ファンタジーを意識したものであり、非常に“オーフェンたち”が浮いている。
また、天人たちが作り出したものを除き(カミスンダ劇場のコウモリ犬、レジボーン温泉郷の猿など)、クリーチャーらしきものは存在しない。
にも関わらず、リザードマンやらワイバーンやらリヴァイアサンやらが大量に登場する。
・キャラクター
マジクがいいとこのぼっちゃん風の衣装で、半ズボンで生足披露。
原作では黒を基調とした簡素な服装(シャツの上に黒マント羽織ったり等)、アニメでは庶民っぽいパーカー姿。原作ファンはマジクにショタっぽさなど求めていない。
クリーオウに懐いているディープドラゴンが暗黒魔術で援護してくれず、タックルしかしない。
こんなのなら、あの犬コロとは逸れて、エンディングで再会とかでいいじゃない。
まったく関係のないゲームにオーフェン、マジク、クリーオウ、地人兄弟を入れ込んだような仕様。そのため、原作の世界観や設定とは全くの別物となっている。
実際、没になったゲームのシステムに急遽オーフェンらを加えて売り出したという噂すらある。
結果、2chの原作者スレッドにおいて、アニメ・漫画と共に黒歴史扱いされることとなった。かつて存在したESPのホームページにも載っていなかったので、会社的にも黒歴史のようだ。
これにて、魔術士オーフェンシリーズは原作小説が累計発行部数1000万部を超える大ヒットとなったのにも関わらず、アニメ・漫画・ゲームと、全てのメディアミックスに失敗したことになる(アニメにおいては、そちらはそちらでファンがいることは確かだが)。揃いも揃って原作を少しでも表現しようとする前にオリジナルに走るんだから仕方ない。これだけ失敗して、原作がしっかり売れているんだから凄いといえば凄い。
せめて原作(もしくはアニメ)の人気キャラクターを多数投入するなどすればキャラゲーとしての体裁も整っただろうに。
冒頭、オーフェン一行はアーバンラマに居て東部編チックだが、ロッテーシャやウィノナもおらず、完全にパラレルワールド。それならレティシャ出すとかアザリー出すとか、アニメ未登場だが人気の高いサルアやフォルテ、コミクロンとか、色々あっただろうに。
原作ファンにすら向けられていないキャラゲーなど、フリスビー以外に価値などない。