「グレート魔法大作戦」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る

グレート魔法大作戦 - (2010/05/15 (土) 20:33:01) の編集履歴(バックアップ)


グレート魔法大作戦

【ぐれーとまほうだいさくせん】

ジャンル シューティング
対応機種 アーケード(CPシステムII)
発売元 カプコン
開発元 ライジング、エイティング
稼働開始日 2000年
分類 ゲームバランスがかなり不安定
ポイント 何故こうなったし

概要

地底からの攻撃を仕掛けてきた地底ゴブリン達に多額の賞金が設定され、賞金稼ぎたちが戦いを挑むという設定の縦スクロールシューティングゲーム。全6面、1周エンド。

8方向レバー+2ボタン(ショット、超魔法ボンバー)で操作。

本作はカプコンの基板CPSIIを使用した縦シューティングゲームである。魔法大作戦シリーズとしては『魔法大作戦』『疾風魔法大作戦』に続く3作目の作品。

本作の特色はショットボタン押しっぱなしによるエレメンタルチャージ(属性変化兼「おたからゲージ」上昇)、エレメンタルバースト(溜め撃ち)の存在が挙げられる。

  • 溜め撃ちで倒された敵は、その時の「おたからゲージ」によって価値の違う「おたから」(得点アイテム)を出す。同種のアイテムを全て取得すると以後、取るアイテムの得点に倍率がかかるようになる。
  • 敵によって出るアイテムの種類は異なるので、アイテムコンプリートのためにはどこの敵がどの種類のアイテムを出すか把握する必要がある。

全ての自機と一部の敵には属性が設定されている。属性と聞くと斑鳩を思い出すが、開発・稼動はこちらの方が先である。属性は赤の「クリムゾンファイア」という炎属性、青の「エメラルドアイス」の2種類。

  • 「赤属性」と「青属性」は互いに相反し、異属性同士の場合は攻撃力と入手得点が2倍、同属性同士の場合は攻撃力と入手得点が1/2となる。

ゲームの難易度は高い。2面以降、弾速や弾の量がかなり厳しくなる。

  • インストカードに「攻めたい時は異属性、守りたい時は同属性」という趣旨の事が述べられているが、本作は同属性弾に対して完全無敵な斑鳩と違って、同属性弾に当たる毎にレベルダウンする上に最低レベルまで落ちると自機の属性が無くなってしまう。また溜め撃ちやサブウェポンも撃てなくなるので、攻撃面で非常に苦しくなる。同属性のサブウェポンで相殺はできるものの、属性フィーチャーをあまりゲームに活かすことができなかった。
  • それに、 黄色く光る「無属性弾(仮)」が属性弾に混じってバンバン飛んでくる。この弾は自機の属性に関わらず当たるとミスとなる。無属性なので、炎や氷の敵弾と違いサブウェポンで相殺する事も不可能である。
    • ボスキャラともなるとこれを大量に(特に5面ボスのケルベライザーの凶悪さは凄い)撃ってくる。おまけに敵弾のほとんどは無属性である。この事が、このゲームをクリア不可能な程ではないにしろ激ムズにしてしまった感は否めない。

また、自機の性能にも一癖あるものが多い。

  • 自機はデフォルトで選択できる4機+隠しコマンド入力で選択できるようになる4機の合計8機だが、竜人「ミヤモト」はスピード型だが移動速度が速すぎて敵弾を避けづらい、全体的に中型機、ボス敵の耐久力がかなり高く、パワー型の呪術師「グリムレン」の溜め撃ち「スカルハーケン」でないととてもじゃないが倒しきれない、など。
  • 特に最初からカーソルが合っているキャラ、魔術師「カルテ」は、「FOR BEGINNER」と書かれている割に、中盤以降のボス敵は大抵倒せずに逃げられるほど攻撃力が低い。何が「FOR BEGINNER」なのか全く理解出来ない性能である。
  • また、隠し機体の「バースディ」の機体のエレメンタルチャージ「地獄の電ノコ!」の威力はやたら強い。はっきり言ってクリアを目指すならバースディ一択である。
  • 以上のように、機体のバランス面の調整に関しても大いに疑問が残る。 なお、キャラごとに演出の差異は無く、初代、疾風ではステージクリア時キャラクターの台詞が入ったり、蒼穹紅蓮隊、バトライダーではキャラごとにエンディングが違っていたが、それらは一切なくなっている。

初代「魔法大作戦」の本山淳弘が手がけたBGMは名曲揃い。セルピュータレーベルのサントラCDが出ている。

総評

本作は溜め撃ちによって敵から様々な種類の「おたから」(得点アイテム)を出して集めまくる、炎と氷の属性を切り替えて敵に効率よくダメージを与える等の新しい試みがなされた意欲作で、稼ぎと攻略を両立させたパターンの構築は熱いものがある。但し、上述の調整不足による取っつきの悪さや、色々変な方向に走りすぎて消化不良との声もあった。 本作は結果として魔法シリーズ最後の作品となってしまった。同年リリースされた1944 THE LOOP MASTERも難易度の高騰、とっつきの悪さが目立ち、本作同様初心者離れなどが原因となったSTGの衰退の流れに巻き込まれていった。

  • ライジングも2000年10月1日、株式会社エイティングに吸収合併され解散した。
  • そのエイティングも現在は業務用ゲーム部門から撤退し、現在は携帯電話用コンテンツの運営・アプリケーションの開発と家庭用ゲームの請負に場を移している。

余談

かつてアルカディア誌では好意的な意味でよくネタにされていた(「ゲーム検定」と称したクイズ集ではほぼ毎問このゲームのキャラ名等が使われていた)が、何年も前のある号「(要約)初心者を完全に排除したゲーム性の時点で商品失格だ、こんなのが受けるようではシューティングゲームに未来は無い」とにこのゲームを激しく糾弾する投稿が載って以来、もう二度と同誌に記事や投稿イラストその他が載る事は無くなってしまった。

  • もっとも、その後もこれなんかよりずっと難しい無理シューも、逆に初心者向けのシステムを搭載したものも多く出ているおかげで、未だプレイヤーと開発者のシューター魂が潰える気配は無いが。
  • 皮肉にもカプコンから販売された次回作は、本作以上に初心者排除な『マーズマトリクス』(カプコン/タクミコーポレーション)であった。