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ガンバード2 - (2012/08/26 (日) 08:50:22) の編集履歴(バックアップ)
GUNBIRD2
【がんばーど つー】
ジャンル
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縦スクロールシューティング
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対応機種
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アーケード
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販売・開発元
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彩京
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稼働開始日
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1998年12月
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分類
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ゲームバランスが不安定
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ポイント
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キャラゲーの皮をかぶったガチガチのパターンゲー 彩京弾と弾幕系:混ぜるな危険 スコア稼ぎは熱いが… 製薬業界を敵に回しかねないラスボス
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彩京STGリンク
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概要
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19世紀のファンタジー世界を舞台とする魔法とスチームパンクの縦シューティング『ガンバード』の4年後の物語。
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魅力的なキャラと世界観、いい感じのヌルさで幅広い層のプレイヤーにヒットした前作から4年ぶりの続編ということで、かなりの期待が寄せられたタイトルだったが…。
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とにかく強烈に難しい。
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システムと操作の複雑化もさることながら、弾速に定評がある「彩京弾」が当時流行り始めていた「弾幕系」の影響をモロに受けた結果、1周目から飛ばしまくりの激ムズゲームが完成。
スコアシステムの進化が上級者層にウケた一方で、前作でせっかく掴んだライトユーザー層をそのままそっくり手放すことになってしまった。
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本作を境に、彩京は『ストライカーズ1999』『ドラゴンブレイズ』と何かに憑かれたかのように極端な難度のシューティングを連発するようになる。
このため、彩京がおかしくなるきっかけを作ったゲームと言われてしまうことも多い。
ストーリー
世界各国を舞台に、悩みを持つ5人のキャラクター達が
太古の時代より語り継がれている万能薬を手に入れるために冒険に出ます。
しかし、万能薬を手に入れるためには "太陽のかけら" "星のささやき" "月のしずく"とよばれる3つの秘薬を集め、
幻の地下神殿に住む神様のところへ行かなければなりません。
途中、秘薬を横取りしようとする女海賊(空賊)を頭にした3悪トリオがあの手この手でキャラクター達の行く手を阻みます。
3悪トリオより先に3つの秘薬を集め、無事万能薬を手に入れることが出来るでしょうか!
特徴
前作では溜め撃ちが使い放題だったが、本作では『ストライカーズ1945II』と同様のゲージ・レベル制が採用された。
また、新要素としてCボタンによる接近攻撃とチェインボーナス、ボーナスキャリーが追加された。
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操作系統は1レバー+3ボタン(ショット・ボム・接近攻撃)。
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ショット(Aボタン)
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セミオート(1回押すと数発が自動で発射される)だが、設置店舗によってはフルオート連射ボタンを追加している場合も多い。
パワーアップアイテムを取得することで3段階にレベルアップが可能で、ショットが強化されるとともにサブショットが強化される。
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前作で採用されていた、パワーレベルMAX時に一定量のショットを撃つと自動的に1段階レベルダウンする仕様は廃止。
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スーパーショット(Aボタンを押し続けて離す)
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いわゆる溜め撃ち。画面下に表示されているパワーゲージを消費して発動する(ゲージは敵に撃ち込むことで増える)。
溜まっているゲージの量に応じてLv1~Lv3の三段階に変化。前作と違って溜めが完了するまでの時間は全キャラ共通(0.5秒)。
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ボム(Bボタン)
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接近攻撃(Cボタン)
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レベル1分のパワーゲージを消費して発動。射程が短い代わりに抜群に威力が高い特殊攻撃。
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空中の敵に接触してもミスにはならず、ショットレベルが1段階下がる仕様。
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スコアシステム
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コイン
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特定の敵を破壊すると出る得点アイテム。
『ストライカーズ1945』シリーズの金塊と同様の仕様が導入され、取った瞬間のコインの光り具合によって得点が変動する。
全体が白く光った瞬間(正面を向いた瞬間)に取ると2000点、以下1000点、500点、最低で200点。
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チェインボーナス
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コインを2000点で連続で取ると、1つにつき200点ずつボーナス得点が追加されていく。チェイン継続中は画面上にコンボ数が表示。
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ボーナスキャリー
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特定の雑魚敵を破壊すると出現する隠しキャラ。ショットを撃ち込むと多数の得点アイテム(宝石)をばら撒く。
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ショットレベルMAX時にパワーアップアイテムを取ると4000点、ボム最大所持時にボムアイテムを取ると10000点のボーナス。
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7ステージ×2周の全14ステージ構成。2P協力プレイ可能。
前半の3面は4つのステージからランダムに選択され、徐々に難易度が上昇。後半の4面は固定となっている。
プレイヤーキャラクター
前作からそのまま続投しているキャラは主人公のマリオンのみ。
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"小さな大魔法使い" マリオン
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甘美なひととき!スウィートカーニバル!!
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魔鏡(というより某ロリコン科学者の願い)によって、1年に一歳若返る体にされてしまった性悪魔法少女。 しかたなく小学校に通っているが、お供の魔法ウサギ "ポムポム" と共に魔鏡の効果を解くべく奔走する。 イギリス出身、9歳(精神年齢17歳) 飛行方法:ホウキに跨り魔法で飛行 CV:田中千晴(AC)/ 大谷育江(DC・PS2)
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メインショット:ワイド
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サブショット:シューティングスター……敵を自動捕捉・自動追尾する中威力の星型魔法弾。
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スーパーショット:ネオファイヤーラビット……ポムポムをぶん投げる波動砲。「いってこーい!」
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ボム:スウィートカーニバル……全画面の敵弾をキャンディーの得点アイテムに変える大魔法。「スウィートカーニバル!」
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接近攻撃:ラビットヨーヨー……ポムポムをビターンと叩き付ける。「いっけぇー!」
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前作のエンディングでロリ体質になってしまった、"大魔法使いマーリンの末裔" を自称する爆発元気娘。
主人公らしくバランスに優れ扱いやすいが、飛び抜けて強力な武器も持たない中庸な性能。 前作にも増してお供のポムポム(CV:津久井教生)の扱いが荒い。
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"軍用ロボット" バルピロ
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一撃必殺!バルピロパンチ!!
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自律思考型飛行兵機「バルナス」の設計図を基に作られた、プロダクションモデル。バルナスにはなかった歩行脚を有している。 現在、軍の次期主力兵器としての実験段階で、最終試験をかねて実戦投入されることとなる。 ロシア出身、?歳 飛行方法:本体よりロケット推進 CV:たてかべ和也
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メインショット:ストレート
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サブショット:バルピロカッター……一直線に飛び、着弾すると敵に食い込んでダメージを与える回転刃。
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スーパーショット:アトミックパンチ……扇状の広範囲にショットを連射するアームを設置する。「アトミックパーンチ!」
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ボム:パワーレーザー……左右から飛んでくる肩パーツを装備し、前方に収束するレーザーを放つ。「パワーレーザー!」
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接近攻撃:バルピロパンチ……アームを伸ばして強力なロケットパンチを放つ。「バルピロパーンチ!」
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前作のバルナスの後継機となる重火力ロボ。
非常に威力が高い接近攻撃と、溜め撃ちの攻撃範囲の広さが武器。 足が遅く当たり判定が大きいという欠点はあるが、使いこなせれば強い上級者向けキャラ。
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"空飛ぶ優等生" タビア
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男ならこれを選べ!!
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叔父の天才科学者(アッシュ)と共にイギリスに移住してきた少女。優等生タイプで性格は地味。しかも五分と立っていられない程の虚弱体質。 クラスメイトの悪童マリオンを更正させようと努力するが、いつも騙されて返り討ちにあってばかりいる。 ドイツ出身、9歳 飛行方法:ランドセル型ロケットパック CV:皆口裕子
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メインショット:ストレート
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サブショット:リップルレーザー……前方直線状に飛ぶ輪っか型の非貫通レーザー。
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スーパーショット:ランドセルミサイル……前方に蛇行しながら飛んでいくミサイルを放つ。「叔父様、お願い!」
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ボム:メカアッシュボンバー……画面下から5体の巨大ロボが飛来し、全画面を爆撃する。「叔父様、ありがとう」
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接近攻撃:ビームサーベル……背中からビームサーベルを取り出して振り下ろす。弾消し能力あり。「やあっ!」
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前作のアッシュ(叔父)に似た性能を持つ短パンメガネっ娘。
接近攻撃をはじめ全体的に非力だが、溜め撃ちの性能が良く、機動力と当たり判定の小ささが優秀。 無理に敵に接近しなくても戦いやすい初心者向けキャラ。ボムの発動が遅い点にはご注意。
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"褐色の肥満体" ヘイコブ
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脅威の火力!デブグレネード!!
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褐色の肌も眩しいアラブの豪商の若旦那。不自由のない生活の中で、欲しい物は必ず手に入れるのが生き甲斐。 肥えた鑑定眼とマニアックなコレクションが自慢。今回究極の宝を求め、家宝の一つ「空飛ぶ絨毯」に乗って冒険の旅に出る。 アラビア出身、18歳 飛行方法:魔法の絨毯に乗る CV:三ツ矢雄二
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メインショット:ワイド
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サブショット:アラビアンソード……両斜め前方に貫通性のある魔法の刀を飛ばす。
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スーパーショット:アラビアンマジック……前方直線状に集中攻撃するランプの精を設置。「アラビアンマジック!」
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ボム:ダンシングジニー……ランプの精を呼び出し、踊りで全画面に攻撃。「アラビアンマジック!」
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接近攻撃:デブグレネード……着弾と同時に炸裂する丸い爆弾を投げつける。「よいしょ」
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語尾に「デブ」と付ける無理矢理な口調のデブ。
移動速度が最も遅い一方、設置型の溜め撃ちと隙の少ない接近攻撃を持つテクニカルキャラ。 …のはずだが、見た目ほどの火力がないせいで最弱キャラとの呼び声も高い。ついでにキャラ人気も無い
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"孤高の吸血鬼" アルカード
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超乱射!バットミサイル!!
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長年による修行(?)により、吸血鬼としての数々の弱点を克服し日中に行動するなど、かなり人間的な(超)能力を身に付けた。 最後の弱点を克服するために究極の宝を探す旅に出る。おとこまえ。 ルーマニア出身、300歳 飛行方法:マントを広げて飛行形態に CV:子安武人
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メインショット:ワイド
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サブショット:バットブリット……前方直線状に飛ぶ低威力のコウモリ型魔法弾。
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スーパーショット:バットミサイル……敵を自動捕捉・自動追尾するコウモリレーザー。「バットウェイブ!」
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ボム:ブラッディークロス……全画面の敵弾を消去し、自機を中心に十字状にダメージを与える。「ブラッディークロス!」
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接近攻撃:バットドリル……ドリル状に尖らせたマントで突きを放つ。「やあっ!」
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白髪の美形吸血鬼。全体的にエンディングが酷い。
接近攻撃、溜め撃ちともに性能が良く、ショットの火力の低さに目を瞑れば穴がなく使いやすい。 とりあえずクリアを目指したい人には最もおすすめできるキャラ。
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"風雲はだか侍" アイン
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(隠しキャラ)
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いつのものように妹・アスカを助けるため、時空を超えて参戦。 キャラ選択画面で「?」にカーソルを合わせ、レバーを下に入れると出現。 飛行方法:家の土蔵で見つけた「空飛ぶ畳」に乗る CV:若本規夫
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メインショット:ストレート
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サブショット:フレイムアロー……前方一直線に飛んだ後、徐々に減速する炎の矢。
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スーパーショット:サムライソード……縦一直線にしばらく持続する剣閃を放つ。「サムライッ ソォード!」
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ボム:薔薇の舞……全画面に(精神的)ダメージを与え、敵弾を薔薇の得点アイテムに変える。「薔薇の舞!」
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接近攻撃:サムライフラッシュ……袈裟懸けに斬り下ろし、返す刀で斬り上げる二段攻撃。「どりゃっ!どりゃあ!」
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『戦国ブレード』からゲスト出演の彩京名物、金髪碧眼・ガチムチ・ガチホモ侍という実に暑苦しい漢。
移動速度と攻撃力が高く、当たり判定も小さいが、代わりに攻撃範囲が極端に狭い。 クセが強いため扱いは難しいが、使いこなせれば実はかなり強いキャラ。
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"夜の女王" モリガン
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(DC版追加キャラ)
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CAPCOMとのパートナーシッププロジェクト第一弾としてゲスト出演。 退屈しのぎに参戦したという麗しきサキュバス。 CV:佐久間レイ
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メインショット:ストレート
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サブショット:(名称不明)……敵を自動捕捉・自動狙撃する小威力の連射弾。
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スーパーショット:ソウルフィスト……着弾すると停滞しながら持続ダメージを与える光弾を前方に放つ。「ソウルフィスト!」
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ボム:ヴァルキリーイリュージョン……多数の分身を飛ばし、画面の下から上までを一掃する。「ヴァルキリーイリュージョン!」
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接近攻撃:(名称不明)……羽を変化させ、扇状の広範囲に突きを繰り出す。「いやっ!」
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『ヴァンパイア』シリーズを代表する人気キャラ。
最強クラスの接近攻撃とスピード、便利なサブショットを持つ一方、ショットの火力が低くゲージ効率が悪い。 機動力を生かしたヒット&アウェイが求められる上級者向けのテクニカルタイプ。
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評価点
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大幅にパワーアップした稼ぎ要素
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クリアラーにとってはあまり重要ではない要素だが、派手さもあってスコアラーには好評を得た点である。
前作での主なスコア稼ぎ要素は得点固定のコインと敵の破壊点、あとはショットを調整して最大パワーレベルを維持しながらアイテムの重ね取りで稼ぐテクニックがある程度だったが、本作では一気に様々な要素が追加された。
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コインは『ストライカーズ1945』で好評だった「ピカッと光って2000点」の得点変動システムを採用。
さらに、連続で2000点取得を成功させることで得点がアップしていくコンボシステム「チェインボーナス」が取り入れられた(これに伴い、2000点の取得タイミングも若干甘めに調整されている)。
チェインを繋げば繋ぐほど天井知らずに得点がアップしていくため、ハマると非常に中毒性が強い。
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特定の敵を倒すことで出現する隠しキャラ「アイテムキャリー」の登場。
攻撃を当てるとカラフルな宝石を大判振る舞いで放出してくれるため、スコアがガンガン上がると同時に見た目にも楽しい。回収に熱中しすぎてうっかり被弾するのはよくあることである。
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これらの追加要素がスコアに占める割合が大きすぎるといった声も出たが、初のフィーチャーとしては上々の評判だったと言える。
チェインボーナスに関しては『ストライカーズ1999』で、アイテムキャリーに関しては『ドラゴンブレイズ』で再登場した際にそれぞれ改善された。
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キャラクター性と演出の強化
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キャラクターの魅力に惹かれた前作のファンの期待通り、前作で好評を博したキャラクターのセリフ演出や、2人同時プレイ時のコミカルな(そして無駄に濃い)やり取りは本作でも健在。
中村博文氏から夏元雅人氏へとバトンタッチしたキャラクターデザインも概ね好評であった。
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特に2人プレイ時の掛け合い・エンディングは全組み合わせで異なるものが用意されている(DC版追加キャラのモリガンを含む)ため、全て見たいがために無理矢理1人で2Pも操作しようとする者も当時は珍しくなかったものである(と言っても普通はたまにボムを撃つ程度しか無理だが)。
この思いが彩京に通じたのか、DC版では「ミスするたびにキャラが交代する」という形で擬似2人プレイができる機能が追加された。
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『タイムボカン』シリーズのドロンボー一味のパロディであるライバル3人組「クイーンパイレーツ」(女首領・シャーク、メカニック担当・ギミック、力仕事担当・ブレード)も相変わらず良い感じのバカっぷり。
今回は声優までまんま元ネタと同じ(小原乃梨子、八奈見乗児、たてかべ和也)という気合の入り具合である。
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サウンドとグラフィックも概ねファンの期待通りに強化。
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BGMは前作のリミックスが主体となっており、ポップな雰囲気を損なうことなくテンポと音質が向上。プレイを盛り上げてくれる。
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グラフィックは劇的と言っても良いほどの進化を見せ、前作から4年の間に開発されてきた様々な彩京シューティングのノウハウがしっかりと生かされている。
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バランスの取れたキャラ性能
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どのキャラを使っても一長一短あり、明らかに飛び抜けた最強キャラはいない。
アインやDC版で追加されたモリガンについても、隠しキャラ・ゲストキャラだからといって安易な強キャラにはなっておらず、それぞれきっちりバランスを考えたクセの強い性能、テクニカルな性能に仕上がっている。
2、3キャラしかいないシューティングでも自機バランスが崩壊していることは珍しくないので、このあたりの調整の上手さは流石である。
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アルカードは全体的な性能がやや高めと感じるが、他のキャラでも使い手の腕次第で十分に張り合えるバランス(ちなみに2012年8月現在での最高スコア記録キャラはアイン)。
ヘイコブだけはちょっとあれな性能だが…まあ、あんまり誰も困ってないみたいだし…。
問題点
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理不尽なまでに極端な難度
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上記の評価点を全て吹き飛ばしてしまうほどの大問題点がコレ。
キャラの魅力と適度な難度の低さでウケたゲームなのに、何を思ったか1周目から全力でプレイヤーを殺しにかかっているとしか思えない難度で、キャラに付いていたライトなファンを片っ端から駆逐してしまった。
安全地帯盛り沢山、場所さえ分かれば重なり撃ちで簡単にボス瞬殺可能、序盤は敵がほとんど攻撃すらしてこないというほどヌルかった前作とは違う……のはまあ仕方ないとしても、その難度の上がり方はとても理に適っているとは言えないものである。
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まず道中の難度が高い。中型敵の耐久力が高く攻撃も激しいため、手間取っているとあっという間に他の雑魚敵が湧いてきて追い詰められてしまう。
前半のランダム面ですら、あらかじめ中型敵の出現位置を覚えて出現した瞬間に接近攻撃で瞬殺する、というパターン化作業が必須と言えるほど厳しい配置になってしまっている。
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2面以降急速に凶悪化する弾幕。1面こそ適当にやっていてもクリアできる程度の導入になっているが、難度の上がり方が極端と言わざるを得ない。
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システムの複雑化。ショットとボムの2ボタン+使い放題の溜め撃ちがあるだけのシンプルさだった前作に比べて、いっぺんにいろいろ詰め込みすぎな感が否めない。
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接近攻撃と溜め撃ちがゲージを共有しているというのも問題あり。
次々に押し寄せてくる敵を処理するには接近攻撃を頻繁に使わざるを得なくなるため、はっきり言ってゲージが足りなさすぎであり、レベル2以上の溜め撃ちの存在が空気になっている。レベル3はもはや完全なロマン技。
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弾幕系と彩京弾の危険な融合。
もともと彩京のシューティングは「彩京弾」と呼ばれる特有の高速弾を最大の特徴としていたが、本作の前年に稼動し、シューティング界に大きなインパクトを与えていた弾幕系シューティングの祖『怒首領蜂』の影響と思われる部分が多々見られる。
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弾幕系が弾幕系たる所以である「幾何学模様的な派手な弾幕」が随所に盛り込まれていることに加え、発射された直後に弾速が落ち、画面に長く留まる「減速弾」なども導入。
これだけならば良かったのだが、問題はそれらがそのままのノリで持ち込まれたこと。つまり、低速高密度の弾幕+高速低密度の彩京弾という悪夢のコンビネーション攻撃が誕生してしまったのである。
中盤以降のボスは『バトルガレッガ』の5面ボス「ブラックハート」ばりのワインダー攻撃を仕掛けてくるものもおり、見ただけで初心者の戦意を喪失させるには十分なシロモノであった。
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避け方を徹底的に覚えてしまえば見た目ほど回避は難しくないのだが、前作の低難度から一気にガチガチのパターンゲーになってしまったギャップは相当なものである。
細かい避けがやりやすいようにスピードを調整できる機能もなく、自機の当たり判定も典型的な弾幕系ほど小さくはないので、アドリブ避けに大きなプレッシャーがかかるのも難度の高騰に拍車をかけている。
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こうした難関を乗り越え、相当なやり込みにより1周目をクリアすると、待っているのは撃ち返し弾が解禁される、2周目という名の本当の地獄である。
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もっとも、1周クリアの段階でエンディングが流れるので、2周目は超上級者向けのオマケのようなもの。彩京の2周目が鬼畜なのはいつものことである(初代『ガンバード』の2周目も本作と同じぐらい鬼畜)。
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著作権ギリギリ、というかアウトなラスボス
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ラスボスである「薬の神」が、薬局やドラッグストアに置かれているサ○ちゃんほぼそのまんま。
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さらにラッパからレーザーを射出してきたり、ケ○ちゃんそっくりのカエルを召喚するフリーダムぶり。
設定上は「薬の神」として扱われているサ○ちゃんの方はまだしも(十分アウトだが)、復活砲台扱いでスコアラーに何度も破壊され続けるケ○ちゃんの方は扱い的にもかなりヤバい。
無論、この作品は佐○製薬や興○株式会社とのタイアップは結んでいない。
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スタッフもさすがに悪ノリが過ぎた自覚があったらしく、移植版では『対戦ホットギミック』シリーズの雀犬そっくりのキャラに差し替えられている。
その他
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移植版でマリオン役の声優さんが変更されているのは、本来は同じ人に続投してもらう予定だったのだが、所属していた劇団を辞めて連絡が取れない状態になってしまったため、仕方なく代役を立てたかららしい。
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アーケード版でも声の印象が前作と少し違っているように聞こえたり、クレジットの漢字表記が微妙に違う(田中千春→田中千晴)ため、この時点で別人だったのではないかとの説も囁かれた。
真相は不明。
総評
稼ぎや演出の大幅な強化で一部のプレイヤーに好評を得た一方、彩京シューティング特有の難しさをそのままに弾幕系の要素を取り入れた本作は、整合性が取れているとは言い難い極端なゲームになってしまった。
なまじ前作が誰でもクリアを目指せる低難度とキャラの魅力で人気を得た、いわゆる「キャラゲー」であっただけに、この作品で彩京シューティングから離れてしまったプレイヤーも少なくない。
それだけ悪い意味でのインパクトを残してしまった作品と言わざるを得ず、本作を境に彩京が狂い始めた、という意見が現在でもよく見られる。
一応、この失敗は以降の作品に活かされており、『ストライカーズ1945PLUS?』は(意図的なものかどうかは微妙だが)彩京弾と弾幕系の良いところが上手く融合された良作となった。
同じく弾幕系の影響が顕著な『ストライカーズ1999』でも(本作に比べれば)かなりマイルドに調理されており、決定的な問題点となっている訳ではない…のだが、高難度化の流れは止まらず、2000年には『ドラゴンブレイズ』という最凶の彩京シューティングが生み出されるに至る。
移植・続編など
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ドリームキャスト版(2000年3月9日、販売:カプコン)
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ほぼ完璧と言って良い移植度に加え、ライバルキャラを含む全キャラのセリフがフルボイスで収録。
隠しキャラのアインが最初から使用可能、ギャラリーモードや擬似2人プレイモードの追加、ダウンロードコンテンツの配信(現在は終了)など、非常に充実した内容となっている。
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さらに既述の通り、最大の目玉としてCAPCOM・彩京パートナーシッププロジェクトにより『ヴァンパイア』シリーズのモリガンが自機として追加。
余談だが、後に『タツノコ VS. CAPCOM』にてモリガンと空賊団「クイーンパイレーツ」の中の人が再共演している(と言っても奴らの元ネタだが…)。
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プレイステーション2版(2004年2月19日、販売:アトラス)
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『ガンバード 1&2』として前作とカップリング移植。他の彩京シューティングのPS2版は『彩京シューティングコレクション』としてTAITOから発売されたが、なぜかこれだけアトラスである。
こちらも移植度はほぼ完璧だがアーケード版のベタ移植で、ドリームキャスト版の特典や前作のセガサターン版の特典は一切収録されていない。
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プレイステーションポータブル版(発売中止?、発売:PM Studios)