*双恋島~恋と水着のサバイバル~ 【ふたこいじま~こいとみずぎのさばいばる~】 |ジャンル|ラブコメ(アドベンチャー)|&amazon(B0009Q0DMK)| |対応機種|プレイステーション2|~| |発売元|メディアワークス|~| |開発元|アルファ・ユニット|~| |発売日|2005年8月26日|~| |定価|7,140円(税込)&br()2万本限定・フィギュア同梱|~| |分類|&bold(){クソゲー判定}|~| |ポイント|攻略本無しでは遊べない&br()攻略本があってもそれに従うだけの作業ゲー|~| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 『電撃G's magazine』で連載されていた読者参加企画『双恋』のゲーム化第二弾。~ その二ヶ月前にマーベラスインタラクティブからもアニメ『フタコイオルタナティブ』のPS2ゲームが発売されていたが、あちらはアニメからして原作『双恋』とは全くの別物。~ 原作『双恋』は白鐘姉妹以外は双子の明確な差別化が出来ていない、読み物としての質も低い、アニメがアレだったと散々な評価であったが、このゲームの前作に当たるPS2『双恋』は結構遊べる良作であった。~ そして続編の今作は、主人公と6組12人の双子が「何故か」無人島に流れ着くところから始まる。 **システム -1日の初めに一緒に行動する双子を選び、島内を歩き回ってアイテムを探索し、その見つけたアイテムをヒロインにプレゼントする。と同時に、特定条件下でイベントが発生する。 -パラメータには「ラブ度」と「ハートポイント」の二種類がある。 --ラブ度は双子単位で設定されており、前作『双恋』同様イベント内での「ツインビュー」と「バキューン」によって上昇。 --ハートポイントは個人単位で設定されており、アイテムをプレゼントすることによって増減する。 --ハートポイントは本作最大の売りである「着せ替え」に影響し、各ヒロインに本人の好みでない衣装を着せるには、ハートポイントを上げておかなければならない。 -エンディングは以下の通り。 --バッドエンド……無人島からの脱出に失敗。(というか、双子が主人公と一緒に無人島にいたい、と言う。主人公もそれに賛成し、脱出失敗。攻略本無しだと大体このバッドエンドで終わる) --ハッピーエンド……無人島から無事脱出。 --トゥルーエンド……いずれかの双子と結末を迎える。 --フェイバリットトゥルーエンド……双子のうちのどちらかと結末を迎える。 **問題点 -導入が恐ろしく長い。というかこのゲーム全体的にイベントが長い。 --既読スキップを駆使してもかなりの時間を要する。 ---というのもキャラの立ち絵が入れ替わる時も、いちいちカメラがパン(視点が移動)して別のキャラを画面に映すという手法をとっている為。これでは余計な時間を食うのも当然である。 -島内の探索であるが、イベントの発生数が少なすぎる。 --その一方で行動可能数が多過ぎるため、「移動→移動。また移動」と島内を探索する作業がダラダラと間延びして続いてしまう。 --さらに、何時・何処に・誰と行けばイベントが発生するのかは''全くのノーヒント''。総当たり推奨で全てのイベントを見るのは相当な強運が味方しないと無理である。 -その割にはツインビュー・バキューンが発生するイベントは各双子につき3回ずつしかないが、その3回全てを発生させないとトゥルーエンドはおろか、ハッピーエンドすら到達は難しい。 --全イベントを発生させた上でラブ度の満点は110点であり、トゥルーエンドの条件は100点以上と事実上殆どノーミスが要求される。 --特に配点15点の五択バキューンは''一回でも外すとバッドエンド直結である''。 --トゥルーエンドの条件を満たせば、フェイバリットトゥルーエンドへの到達はさほど難しくはない。但し、たいそうな名前がついている割には双子の片割れとの最終イベントはCGすらないオマケ程度でしかないが。 -着せ替えシステムだが、探し出すことが難しいレア衣装も存在し、衣装をコンプリートすること自体が非常にやっかいである。 --特定の双子と一緒でなければ見つけ出せない衣装もあり、1周しただけではコンプリートは不可能。一応、2周目以降はクリア時に持っているアイテムを引き継げるようになっているが。 --さらに衣装を着せるのにも各々の双子に難易度があり、嫌がる服を着せるにはかなりハートポイントを上げなければならない。 ---かつ嫌がる衣装をプレゼントしたらハートポイントは激減するので、''その服を着せるためだけと割り切って1周をこなさなければならない''。 --しかも肝心の衣装も種類が少ない。さらにほとんど水着じゃないという(もっともこの作業ゲーでバリエーション増やされても苦痛なだけだが)。 ---''肝心のサブタイトルの「恋と水着のサバイバル」はどうした'' --衣装も起床時のお披露目イベントでしか着ない為、着せ替えの存在意義がかなり怪しい。 ---トドメとばかりに着せ替え後の立ち絵は固定。キャラは不動、手抜きにも程がある。 ---グラフィックも全般的に色気に欠ける。水着題材を活かせてない(そもそも水着ほとんどないけど)。 -つまり、CGコンプリートを目指すには相当な時間と労力が必要となる。しかも単純作業を。 --セーブ・ロードを上手く使えば作業量は軽減されるだろうが、それでも面倒くさいことには変わりはない。 --途中で島での移動先を失敗した場合、もう1回セーブしたとこからやり直ししなければいけない。 なので、''毎回の夜(プレゼント渡す前)と、バキューンタイムや選択肢がある時にセーブをしなければいけない''。 ---お披露目ポイントがある場合毎回出てくるが、''それをスキップすることが出来ない''(会話のスキップをすることは可)。 -また、最難関衣装である「美少女戦士」を全員に着せると隠しシナリオが出現するのだが、''こんな面倒くさい作業ゲーでそこまでやったプレイヤーは何人いたのだろうか?''とも思える。 --ちなみに、衣装を渡していくだけじゃただのバッドエンドにたどりつくだけである。……一応途中で、美少女戦士を渡して喜んで披露する双子もいるのだが、隠しシナリオの条件は、''美少女戦士を全員に着せてなおかつ、1回でもエンディングを見る(どの双子でもいいので、バッドエンド以外のエンディング)''というのが条件である。 -やっと、全員の美少女戦士を見れて隠しシナリオを見れたかと思うと、それはただの''芸人のコント''か''子供向けのヒーロー系の何かのアニメ''にすぎない(筆者談)。 --ちなみに終わった後次回予告をしているのだが、また隠しシナリオをやるとまた同じのが出てくるだけ。 次回もなにもない。 ---「苦労してやっと見れたのにこれだけ?」って感じである。 -攻略本には、''ハッピーエンドでの攻略法が無い''。ハッピーエンドにも1枚CGがあるっていうのに…… --まぁ、攻略本を見れば全てのCG(衣装はなし、イベントのCGだけ)が見れるのだが。それでも、そのハッピーエンドでの会話は当然見られないため、ちょっと複雑に思う。 -パッケ絵やディスク表面等のイラストで着ている水着は一切登場しない。 -OPが前作と一緒。CGを今作のCGに変えて、双子全員を水着姿に変えただけ。手抜きにもほどがある --だが、OPに出てくる海や生き物(イルカ等)は何故か''実写''である。 **総評 攻略本無しではまず遊べない。かといって攻略本があれば、それに従って黙々と操作するだけの作業ゲーである。 -『G's』のインタビューによると、スタッフは「やり込める作品を作りたかった」とのことである。しかしやりこんで楽しめる作品でなかったという意味では、本作は間違いなくクソゲーであった。 -皮肉にも前作『双恋』の出来が良かっただけに、一層クソゲー度が際立って見えてしまう。むしろ前作が健闘したのに続く本作がこの有様では、前作の健闘を台無しにしてしまった。 //-この後は続編、「フタコイ オルタナティブ 恋と少女とマシンガン」を発売し、双恋は連載終了となった。 //--内容は「双恋」と世界観(?)が違って、全く違ったストーリーである。(双恋が終わった後に、「フタコイ オルタナティブ」というアニメもやっていた) //「フタコイオルタナティブ」については冒頭で説明しています。また本作や原作双恋とは全くの別物なので割愛させて頂きます。あとPS2フタコイオルタナティブの発売も本作より前ですので。 ちなみに本作発売から4日後に発売された『電撃G's magazine』で、原作『双恋』も連載終了となった。 その後の『[[ストロベリーパニック!]]』の迷走を皮切りに、メディアミックスになる事もなく忘れ去られていく読者参加企画が濫発され、電撃G'sマガジンは最早萌えの発信源から遠ざかり今に至る。 ----