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バウンサー - (2010/12/31 (金) 10:43:14) のソース

*バウンサー
【ばうんさー】
|ジャンル|3D格闘ゲーム|&amazon(B00005OVV5)|
|対応機種|プレイステーション2|~|
|発売元|スクウェア|~|
|開発元|ドリームファクトリー|~|
|発売日|2000年12月23日|~|
|価格|6,800円|~|
|分類|''クソゲー判定''|~|
|ポイント|''ほとんどムービー''&br()ボリュームが薄すぎる&br()ドリームファクトリー凋落の始まり|~|

**概要
PS2が発売した2000年の年末に発売された、スクウェア発の3D格闘ゲーム。なお、スクウェア初のPS2ゲームでもある。&br()発売当初はその美麗なグラフィックやストーリーなどで、ユーザーの興味や期待を寄せていたが…。&br()&br()開発は現在ではクソゲーを排出しまくるドリームファクトリー。&br()テレビCMでは''「DVDでゲームを」''という点が強調されていた。
**問題点
-総プレイ時間約2時間、内8割はムービーとボリュームが薄い。
--今で言う''ムービーゲー''である。''ムービーの合間にゲームができる''と言ってもいいくらい、操作可能なパートは短い。
-発売前からゲーム誌などでは、このゲームの売りとしてACS(アクティブ・キャラクタ・システム)や、PEC(ポイント・エクスチェンジ・システム)、トリニティラッシュなどの多くの要素を宣伝していたが、これらの要素もゲームの魅力を形成できておらず、完成度はイマイチ。
--''Active Character System''
---要はマルチシナリオで、プレイヤーの操作キャラクターが使用可能キャラの三人のうち誰であるかでストーリーが分岐する、という触れ込みであったが…実際のところは''ストーリー中で見られるムービーが多少変化するだけで、シナリオの本筋は誰を選ぼうと何をしようと変わらない。''詐欺である。
--''Point Exchange System''
---RPGのように敵を倒すことで経験値を溜め、キャラクターを強化できるシステム。これにより、エクストラスキルという、所謂必殺技などを修得することが出来るのだが…。
---強化できるのはその戦闘で使用したキャラクターのみで、まんべんなく経験値を全員に配分するということは出来ない。これだけならまだしも、敵は操作キャラクターのうち、最も強い一名を基準に強化されるため、''何も考えずによく使うキャラだけを強化すると、敵が強化されすぎて後で取り返しのつかないことになる。''
---その上、敵の強化される幅が大きいので、''キャラを強化しても、どうにも強くなった感じがしない。''
-そして、3Dアクション系クソゲーのお約束として、''カメラワークが悪い。''
--ロードもなかなかに長く、ゲームのテンポを阻害してしまっている。アクションゲームであることが、余計にテンポの悪さを引き立たせてしまっている。
-同じ野村哲也キャラデザということもあってか、ストーリーやゲーム全体のデザインが近年のFF、特に『VII』に似てしまっている、という指摘も多い。
--本作の『悪の組織』にあたる超巨大企業「ミカド」はもろにVIIの「神羅カンパニー」に似ている等、どうにもFFを意識せずにはいられない。
---ストーリーそのものもどうにも陳腐で、ぶっちぎりで悪いわけではないのだが、月並み。
---また、時折ロード中にキャラクターの会話文章が表示され、それが物語の伏線になっていることがある。''それは本編でやるべきことだろう。''

**評価点
-アクションゲーム部分は比較的しっかりしているため、おまけの対戦モードはなかなか遊べる出来。
--自分の手で育てたキャラを持ち寄って対戦させることも出来る。
-グラフィックは兎にも角にも美麗。PS2登場初期のゲームでありながらPS2中~後期レベルのムービーグラフィックを実現している。
--また、アクションパートも『PSのムービーを動かしているようだ』と賞賛された。
-一応、周回による隠し要素などがあり、やりこみを前提とした作りになっている。
--他にもパンク調のBGMや英語音声と日本語音声が切り替えられる点は一応評価したい。

**総評
致命的なボリュームの薄さに気を取られがちだが、それ以外の点でも地味にツボを抑えている典型的なスカスカのクソゲー。&br()当時は「映画感覚のゲーム」などと宣伝されたが、その宣伝に見合った内容とは言いがたい。

**余談
-大量出荷による激値崩れでアンサガが現れるまでPS2ワゴンコーナーの主であった。
--開発ドリームファクトリーではあるが、このころはドリフもまだ有能なスタッフを多数擁していた時期で、俗に言う「ナイトメアファクトリー」に堕ちる前である。時期的にはあの『エアガイツ』の二年後であり、映画版FFの大赤字はまだ起こっていないため、恐らくは有能なスタッフがまだ多数いたはずである。
--このゲームがクソゲーに堕した要因として、今作には開発にスクウェアの時田貴司氏や野村哲也氏も深く関与しており、それがドリームファクトリーとうまくかみ合わなかったものと思われる。
---これ以降スタッフが離れ、ドリームファクトリーは没落していくこととなる…。