*すごろクエスト ダイスの戦士たち 【すごろくえすと だいすのせんしたち】 |ジャンル|RPG|&amazon(B000068HKE)| |対応機種|ファミリーコンピュータ|~| |発売元|テクノスジャパン|~| //|開発元||~| |発売日|1991年6月28日|~| //|定価||~| |分類|''賛否両論ゲー''|~| |ポイント|運が大きく絡むゲームシステム|~| **概要 すごろくの要素を取り入れたRPG。性能の違う4人のキャラクターの中から一人を選んで冒険に出発、クリアする事で新たな冒険に進む事ができる。 以下は主人公となる4人のキャラクター。 -ファイター。攻撃も魔法もバランス良くまとまったタイプ。 -ドワーフ。HPと攻撃力が高く肉弾戦向き。ただし魔法は後半になるまで使えない。 -エルフ。あらゆる攻撃魔法を使いこなす。一方で力は弱く肉弾戦には不向き。 -ハーフエルフ。補助魔法を多く覚える。成長すれば肉弾戦もそこそここなせる。 **基本システム -出発地点は冒険者たちの国「サイランドおうこく」。ここから魔物に襲われて助けを求めている各地方へ旅立つことになる。 -王国には冒険者ギルドがおかれており、様々なアイテムが販売されている。店の種類は日用雑貨の店「キートス」、戦道具の店「ランタナ」、セーブを行う冒険の記録所「エスカルゴ」の3種類。なおゲーム中で買い物が出来るのはサイランドだけ。 -キートスには購買可能な全アイテムが、ランタナには4人のキャラクターの最弱から最強までの全装備が揃っている。ただし強い装備ほど高額なので、最初から最強装備という上手い話はなく、財布と相談しながら装備を決めることになる。 ***ステージ -最初はステージ1しか行くことが出来ない。ステージをクリアすると再びサイランドに帰還し、次のステージが解放される。 -ステージは何度でも挑戦できる。そのため気の済むまでキャラを鍛えてから次のステージへ進むことが出来る。 -マップはすごろくのようにマスで区切られており、「いどうのダイス」を振って出た目の数だけ進む事ができる。止まったマスによって敵が出たり回復できたりアイテムが入手できたりなど、さまざまなイベントが起こる。 --都合の良いマスに止まれるかどうかはサイコロの運次第、というわけである。 -自キャラのHP/MPの上限は最初から999となっている。ステータスにおけるHP/MPの値はあくまでステージ開始時点でのもの。ここから戦闘やイベントで上下するようになっている。このため回復魔法は「回復」というより「HP増強」といった方が適切である。 ***マスの種類 -無印:敵が出現する。 -矢印:効果は無印と同じ。ただし逃げるコマンドでもこのマスより前へは戻れない。つまり一方通行。 -泉:HPとMPが回復する。 -剣、鎧、盾:それぞれバルキリー、アーミング、スキュトムの3人の女神が現れ、身に付けている武装をそれぞれちょっとだけ強化してくれる。強化された装備には+の表示がつく。 -骸骨:呪いを与えHPを減少させる。 -人:そのステージの攻略に関する噂話が聞ける。 -村:重要な情報が聞ける。そのステージのシナリオを構成するマス。そのため多くの村は進行上必ず通るようになっている。 -城:王に謁見し重要な情報を得ることが出来る。村と同じくシナリオを構成するマス。 -ワープ:同ステージ上のどこかのワープマスへジャンプする。 -洞窟:同ステージ上のどこかの洞窟と繋がっている。ワープと違い、何らかのアイテムが隠されている場合もある。 -山、砦:ステージのボスが潜む。 -FINISH!:いわゆる「あがり」。たどり着けばステージクリア。 **戦闘 -敵との戦闘にもサイコロを使う。敵と自分がサイコロを投げあい、大きい目を出した方が攻撃できる。サイコロは通常攻撃を行う「ちからのダイス」と魔法攻撃を行う「まほうのダイス」の2種類。 --つまり敵より大きい目を出せないと一方的に攻撃される事になる。 --ダメージは出目の差分に比例する。例えばこちらの目が4、敵が2であれば相手に2回ヒットの攻撃を与えられる。ヒット数が多いほどダメージが増大する。 -魔法を使う際にもサイコロを投げあい、敵の出目を下回った場合は魔法は失敗、ダメージを受ける上に消費したMPは戻ってこない。 -サイコロを振った後、敵が地面をゆらしてサイコロの出目を変えてしまう事がある。これでせっかく出目が勝ってたのに逆転されてしまうこともある。 --ただし、''その逆もある''。自らピンチを招来するその行為は中々にシュール。 -時折敵が使ってくる「クリティカルヒット」も厄介。 --敵が主人公に直接サイコロをぶつけて気絶させる、というもの。気絶している間は一方的に攻撃される。いつ気絶から回復できるかは運次第((サイコロをぶつけられても気絶しない事もある。これも運次第。))。 -こちらと敵の出目が同じ場合、もう1回ダイスを投げて優劣を決する。この場合勝ったほうが連続攻撃可能となる。その上相手側のダイスは崩壊して無防備状態となるため、一方的に大ダメージを決めることが出来る。 ***ダイスマン -このゲームの敵はすべてが「ダイスマン」と呼ばれるサイコロ投げ専用の生物(?)を連れている。 -自分もダイスマンを呼ぶことが可能。この判定もやはりサイコロで行われる。自キャラのダイスマンは1号から6号まで存在しており、出目が大きいほど強力なダイスマンを呼べるが、逆に出目が小さいと弱いダイスマンが出てしまい完全に足手まとい。強いダイスマンが呼べるかどうかは…やはり運次第。 --ダイスマンはいつでも「かえす」で引っ込めることが出来る。 **問題点 -上記のように、とにかくサイコロの出目が非常に重要で運が大きく絡んでくるゲームシステムとなっている。 -魔法の一つ「ダイスコール」がゲームを根本から崩壊させてしまう。 --その効果は''移動の際、1から6の目うち好きな目を任意で選べる''というもの。出目を選べるサイコロゲームがどれほどやりたい放題になるかは言うまでもないだろう。 --ダイスコールの消費MPはたったの14。マスの配置にもよるが、泉に止まる→HPとMP回復→ダイスコールを使う→また泉に止まる…で攻略の難易度が激減する。 --この魔法を使えるのはエルフとハーフエルフ。いちおう同じ効果を持つ「アミュレット1」~「アミュレット6」というアイテムも存在するが、消費アイテムのため乱用できない。そのため半永久的にダイスコールを使用できるこの2者がきわめて有利。 -攻撃魔法がいまいち強くない。そのため攻撃魔法をメインに扱うキャラ「エルフ」は使いどころがほとんどない。 -弱いダイスマンが出た場合「かえす」コマンドで戻せるが、行動に1ターン消費する。むろん敵は攻撃してくる。そのためダイスマンを呼んでの戦闘はかなりランダム性が強い。通常戦闘で呼ぶことはまずないだろう。よりシビアなボス戦ともなるともう… -ラスボスに最初に挑んだキャラはイベントで捕まり''以後一切使用できなくなる''。そもそも4人しかキャラがいないのにそのうち1人が永久ロストというのは鬼仕様。お気に入りのキャラが捕まるとかなりきつい。 -ラスボスとは二回目からちゃんと戦える。ただし恐ろしく強くまともに戦ったらよほど運が良くないと勝てない。 **評価点 -運要素が強いゲームではあるが、マップの特性やアイテムの効果を理解し、きちんと戦略を練ればちゃんとクリアできるようになっている。 -全体的にコミカルな外見のキャラが多く、とっつきやすい。 -グラフィックは中々に凝っている。ダイスの投擲や自キャラの被ダメージ時にはちゃんと専用モーションがある。また、ダイスマンを連れている場合、ダメージ時は主人の方を見上げる。ちょっと可愛い…かもしれない。 ***BGM -BGMは中野テルヲが担当。全体的に曲のレベルが高く、耳に馴染みやすい。 -ラスボス戦のBGMがかっこいい。 **総評 運要素の強いゲームシステムは人によって好き嫌いが大きく分かれる。&br() しかし評価点にも書いてある様に、ちゃんとクリアは可能なゲーム。決して理不尽な運ゲーではない。&br() もしプレイする機会があるなら、諦めずに色々試してクリアを目指して欲しい。&br()