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レニーブラスター - (2013/06/14 (金) 23:36:34) のソース

*レニーブラスター
【れにーぶらすたー】
|ジャンル|横スクロールアクション|~|
|対応機種|PCエンジン スーパーCD-ROM2|~|
|発売元|NECアベニュー|~|
|開発元|エーワンアド&br()アーケイディア&br()Jフォース|~|
|発売日|1995年6月23日|~|
|定価|7,800円|~|
|分類|BGCOLOR(lightsalmon):''クソゲー''|~|
|ポイント|末弥純の絵と豪華な声優…&bold(){だけ}|~|

**概要
既にプレイステーションやセガサターンも発売されている1995年に発売。PCエンジンソフトの中でもだいぶ後期の作品((PCエンジンソフト最後の一本は1999年に出た『デッド・オブ・ザ・ブレイン 1&2』だが、これは丸1年以上発売が途切れた後の発売で、恒常的に発売があった期間は1989年から1997年まで。))。

ストーリーは「サマエルの心臓」という特別な宝石を巡り二人の男、ブラックロッジハンター((作中の説明では「魔術結社潰し屋」の意味。オカルト用語で黒魔術結社の事をブラックロッジと呼ぶ。))矢来藤朗(やらい ふじろう)と魔術師の篠懸誓史朗(すずかけ せいしろう)がそれぞれの目的のもとハルバーシュテット男爵率いるニーベルンゲン騎士団と戦うというもの。夢枕獏や菊池秀行の伝奇小説などに近い雰囲気がある。~

内容は縦の移動もある横スクロールアクション。
-操作系
--方向キー左右で歩き、同じ方向の二度押しでダッシュ。歩きは一瞬の入力でも必ず一歩分は歩いてしまうようで、位置の細かな調整はしづらい。
--方向キー下の入力でしゃがむ。立った状態でキーでの背後方向の入力は振り向きだが、しゃがんだ状態では防御体勢をとれる。ただ、このためしゃがみ状態から後ろの敵を攻撃するには一旦下を離して立つ必要がある。
--階段がある場所では方向キー上下がその上り下りに変わる。
ステージ内に配置されたアイテムには体力回復用の食料、それと「技パネル」というものがあり、このパネルを拾ってステージをクリアすると次ステージから選択可能な技が増える。

**問題点
異様なほどに静かで、そして地味。本編を始めるとたいていの人はすぐにそんな印象を持つだろう。

このゲーム、効果音というものがほとんど無い。文字にし辛いが、攻撃が当たった時に&italic(){"べぃッ"}というような感じの余り心地良くない音が鳴るくらいで、あとはもうダッシュ、ジャンプ、着地、さらにゲージを溜めての特殊攻撃、そのいずれもが全くの無音である。そしてどんな大技だろうと当たった時の音は&italic(){"べぃッ"}。渋い雰囲気のオープニングに似合わない安っぽいBGMとこの&italic(){"べぃッ"}を延々聞く事になる。

視覚的にも派手さ、華麗さは全く無い。~
プレイヤーキャラ二人の技はともかくとして、ステージボスであるニーベルンゲン騎士団幹部の面々の攻撃までもがとてつもなく地味なのはいかがなものなのか。~
本人らの台詞では自分の力に相当な自信があるようなのだが、実際する事と言ったらちょっと飛び上がったり小さな弾を発射してきたりする程度で、効果音が無い事とあいまっておよそ凄みというものが無い。まあ、この世界の魔術結社とはそういうものなのかも知れないが……ともあれ彼らがそんな調子なおかげで、そんな連中相手に大真面目な主人公らも今一つ強さが良く分からない。

また再び音声に関する事になるが、わざわざ有名声優を起用した会話シーンなのに、その仕様が大変よろしくない。~
一つには、文字表示と音声が食い違っている事である。敵ボスとの戦闘の前には毎回会話が挿入され、敵はその中で必ず名乗りをあげる。ところがその時、音声は「この基盤、イエソドのフェンダースが…」で、文字は「この基盤のフェンダースが…」となっている。~
まあ幸い違いは幾つかの単語の有無程度で話の文脈に関わるほどの事はないのだが、それでも褒められた事ではない。~
もう一つは『音声のスキップ』が出来ないという事。会話シーンのスキップが出来ないという事では流石にない。文字表示の方しかスキップ出来ないのである。~
たとえば貴方が長いやりとりの最後の決め台詞部分の音声を聞きたいと思ったとする。その場合、たとえ聞きたいのが最後の部分だけだろうと会話シーン全体を聞かされるはめになるのだ。~

**評価点
オープングデモ、ステージ間、エンディングで多数使用される全画面での一枚絵は末弥純の原画をそれなりに再現していて、PCエンジンの画面としては美しい部類で雰囲気がある。~
また藤朗に田中秀幸、誓史朗に塩沢兼人、その他の登場人物にも冬馬由美、堀秀行、屋良有作など、名の知られた声優を起用している。

**総評
とにかく魅力が欠落している。~
特に頭を使う要素も無くただ道なりに進み、妙に動かし辛いキャラで相手が雑魚でもボスでも堅実に地味に戦う。それしかやる事が無い。~
直接テレビに繋がずビデオデッキを経由させ、ビジュアルシーンを一通り録画でもしたらもう二度とプレイしなくても済む。そんなしょーもない作品である。

ちなみに2012年4月現在、amazonなどで20,000円以上という高値で扱われているが、数の少なさからだけのコレクター向けの価格設定である。内容の良さからの価格ではないのでくれぐれも誤解しないように。