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実況パワフルプロ野球12 - (2013/07/30 (火) 00:10:00) のソース

//これ以上機械的に差し戻しを行うようなら荒らしとみなします。
注意:このページでは、『実況パワフルプロ野球12』と『実況パワフルプロ野球12 決定版』を、共に「賛否両論」判定として紹介する。
#contents()
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*実況パワフルプロ野球12
【じっきょうぱわふるぷろやきゅうじゅうに】
|ジャンル|スポーツ|&image(http://ec2.images-amazon.com/images/I/51QJF1694FL.SL160.jpg)&br()&image(http://ec2.images-amazon.com/images/I/51YVN66C76L.SL160.jpg)|
|対応機種|プレイステーション2&br()ニンテンドーゲームキューブ|~|
|発売元|コナミ|~|
|開発元|コナミ(パワプロプロダクション)|~|
|発売日|2005年7月14日|~|
|価格|6,980円|~|
|分類|BGCOLOR(lightsteelblue):''賛否両論''|~|
|ポイント|CPU強すぎ&br()あまりにお粗末なマイライフモードのAI&br()監督馬鹿すぎ&br()バグ多すぎ&br()運要素が強いが一方でハマる人はハマるサクセス|~|
|>|>|CENTER:''[[実況パワフルプロ野球シリーズリンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/1461.html]]''|

**概要
人気の野球ゲーム『実況パワフルプロ野球』の12作目。~
シリーズが続くにつれ少しずつマンネリ化が進んでおり、前作『11』が高評価だったこともあり、ファンからはかなり期待されていたのだが、その実態は…。

**各モードの主な変更点
-チャンピオン大会
--『11』までの「リーグ」に相当する。従来どおりのリーグ戦の他、CPUの操るチームと優勝を競うトーナメントモードが加わっている。
--内訳は自チーム以外のプロを倒す「プロ野球カップ」、歴代のサクセスキャラと甲子園で戦う「夏の高校野球杯」、OBチームとぶつかり合う「伝説最強カップ」の三つである。
---ただし高校野球杯は『9』『10』『11』とパワポケが元ネタになっているので、N64やPS1世代のライバルは出て来ない。また伝説最強カップでOBに勝ってもアレンジモードで使用可能にはならない。

-ホームラン競争
--選手獲得にランダム性がなくなり、ホームランを○本打てばOB選手△人獲得、という仕様になった。

-ペナントモード・アレンジモード
--チーム名や球団旗等をいじった「オリジナルチーム」がペナントモードに参加可能となった。また本来はドラフト会議で指名がかぶった時に行われる「くじ引き」が、ここに来てようやくパワプロにおいても再現となった。

-パワプロ通信
--作ったオリジナルチームをオンラインで他プレイヤーのチームと戦わせたり、作った選手をオンライン配信したりすることが可能となった。現在はサービス終了している。
 
**問題点
-COMの強さがおかしい。というより無理ゲーと化している。
--あまりにも強すぎるCOMの打撃レベル「パワフル」。打たれ出したら止まらない上、ボール球は滅多に振らず、直球・変化球問わず、どこに投げてもまず打たれるため、実質三振以前にストライクを取ること自体がもはや運ゲーと化している。ある程度パワーがある打者なら変化量最大&キレ4のナックルやナックルカーブを簡単にジャストミートしてスタンドに運ばれる始末。場合によってはボール球を外野まで持っていくことまであるほど。
--その反面、守備はそこまで強くはない。というより、全体的に打撃が強化されているため、基本的に打ち合いになる。
--だがレベルを下げると極端に弱くなり、ぬるくなる。

-他、ピッチャー返しがあまりにも抜けづらかったり、ポテンヒットが多かったりと崩壊とまでは行かないものの野球の出来は良くない。

-ペナントモードにおける選手起用の不可解さ。
--ゲーム発売当時現役だった選手と、サクセス選手かゲーム途中でドラフト入団した新人かを同時に一軍に入れておくと、必ずと言っていいほど現役の方を使う。&br()これは現役選手が大ベテランを通り越してただのロートルになってようが、ポジション競争相手の新人がどれほどの超人であろうが基本的に関係ない。&br()そのため目をかけている若手とかに活躍して欲しかったら、''競争相手の現役を定期的に二軍落ちさせる''か''契約更改なりトレード要員にしてしまうなりで放出する''しかない。

-相手チームに戦力外選手を取る意思が全くない。
--通常戦力外通告を食らうような選手は年齢的に厳しかったり衰えが著しかったりすることが多いが、アレンジチームをリーグに組み込んでいる場合などは若くて能力も高いのにポジション等の関係で出された選手も混じってくる。それでも獲らない。
---また、やたらと外国人選手とベテラン選手の能力の衰えが激しい。金本や清原などは2、3年もすると目も当てられないような能力値になってしまう。
--この問題が、個人視点のマイライフではさらに深刻。監督にチームについて意見することは全く出来ず、有望株の若手がベンチや2軍で燻っているのをよそに実績だけはあるロートルを引退まで使い続けることになる。
--しかし相手チームの場合は、自チームほど極端な事態に陥ることがない。ひょっとしたら「プレイヤーがレギュラーのポジションを奪う」という目的が一応あるせいで、こんな凝り固まったオーダーになっているのかもしれないが。

-前作から変わらないあまりにお粗末なマイライフモードのAIと理不尽な仕様。 
--監督とコーチが馬鹿すぎる。以下は意味不明な采配の一部。
---サプポジションが無いのに、捕手に外野を守らせる。&br()完全試合まであと1人というところで投手を交代する。&br()負けている試合の終盤、ランナー2塁3塁で打席にはクリーンナップだというのに明らかにパワーの劣る代打を送る。&br()首位打者争いや本塁打王争いをしている打者が数試合ヒットが出なかっただけで即2軍落ち。そしてなかなか昇格させない。&br()完全なボール球にエンドランやスクイズの指示を出す。そして、サイン通りの行動ができない主人公に「サインを無視するとは罰金ものだ!」と激怒した挙句罰金を徴収。
--フロントも選手の扱いや方針も意味不明。
---トレード希望なんてしていないのに、昨年度打点王等のタイトルを獲得した主力選手や、入団2年目の若手選手をいきなりトレードに出す。特に若手については1年目から活躍して新人王を獲得したほどの超人であろうと、ろくな1軍稼働実績もなくまだ育成中だろうと容赦なく放出したりする。
---その一方でトレードで移籍した選手が、移籍先でFA宣言をした途端真っ先に獲得に名乗りを上げてきたりする。
---11月の秋季キャンプ中に移籍してきた外国人選手を、同年12月の契約更改でいきなり解雇。当然出場試合はゼロ。 
--結婚に重要な延長デートを教えてくれるチームメイトである「奧居」がチーム事情によっては全く使われないまま解雇されることが多々ある。
---自分若しくは奥居がトレードやFAなどで移籍してしまうと、延長デートを教えてもらうのは至難の業となる。また、延長デートを教えてもらわずに前述のように奥居が解雇される、もしくは自分が寮を出てしまうと、もう延長デートは教えてもらえなくなってしまう。
---野手ならまだしも、投手の奥居は1軍が絶望的な人材不足にならない限りまず1軍昇格は無い。そういう意味では投手陣の充実している中日などでは向こう数年は昇格は見込めない。
--嫁候補との結婚条件もやたら厳しい。
---今作の嫁候補は初代アナウンサー、2代目アナウンサー、フライトアテンダント、OL、看護師、女将、アイドルの7人がいるが、一部の嫁候補との結婚はとんでもなく複雑な手順が必要。特にOLはもはや攻略本無しではわからないレベルであり、手順を知らないとあれこれしているうちに他の男性との結婚((交友に入ってから一定期間が経過すると「他の男性と結婚する」と告げられ交友から外れてしまう。ただしこのイベントは一定時間経過後は完全ランダム))が決まってしまうことも珍しくない((ただし手順が複雑な分だけあって、他の嫁候補よりも彼女特有のシナリオや背後要因があるのも事実。また、結婚した時の恩恵も他の嫁候補に対し比較的良いものが得られる))。
---更にOL、看護師、女将、アイドルの4人は前述の延長デートを行わないとイベントが進まないため、自分がもう延長デートを教えてもらえない状況下にあると、どう頑張っても結婚できなくなってしまう。こうなるとこの4人との結婚を諦め他の3人を狙うか、最初からやり直すしかない。
---一方で延長デート無しで嫁に出来る残り3人のうち初代アナウンサーとフライトアテンダントは序盤から登場するため、早いうちに他の男性との結婚が決まってしまうこともあり、時として実質結婚候補に残るのは初代アナウンサー退場後に登場する2代目アナウンサーの1人だけ、という状況になることも。
---逆に最後に残るであろう2代目アナウンサーが延長デート無しで結婚出来るのは救いだが、結婚条件のプロセスの一つに「所属チームの優勝」があるため、自分が弱いチームに所属していると…。
---また、逆に最初から2代目アナウンサーを狙う場合は、延々と初代アナウンサーの結婚を運任せで待ち続けるはめになるが、運によっては10年以上が経過しても2代目アナウンサーが登場しない可能性もある。
//このような仕様から運と手順が悪いと、結婚が出来なくなり生涯独身を貫くしかなくなってしまう。
//2代目アナの「他の男性との結婚」はあったっけ?
--1軍2軍を行き来すると意味不明な移動経路が発生する。
---午前中に広島から名古屋へ移動したと思ったら、午後には名古屋から兵庫へ移動したり、午前中に埼玉から仙台へ移動した後、午後には仙台から千葉に移動したりする。何故直接向かわない?
--晩飯を奢らされたり、後輩選手のサヨナラ打を祝うチーム全員の飲み代を全額払わされたり、プレゼント用とはいえろくな説明もなく7700万円もの野球道具代を払わされたり、と周囲の人間がやたらと主人公の所持金をたかってくる。
//コーチの寄付金ポカは11以来伝統のギャグなので12の項目で書くのは不当。道具売りつけられるのは野球道具が壊れたのに気づかなかったペナルティなのでプレイヤーのせい。
---もう人を見たら泥棒と思ってもいいレベルである。かといって、寄付や飲み会などは断ると悪印象を与えてしまったりするが、逆に言えば印象を金で買わされているようなもの。特に飲み会は断っても強制連行されることが多々あり、後輩選手の''「そんなこと言わずに来てください!」''という発言に殺意を覚えた人も多いだろう。先輩選手を無理矢理飲み会に連れてきておいて代金だけは全額払わせるとは何様のつもりだ。
--これらの多くは前作の時点で存在していた問題点であり、そして今作以降にも引き継がれていく。にも関わらずスタッフは「前作以上に遊びやすくした」と主張している。確かに前作より進化した面もあるのだが…。
--本作以降のシステムとして「選手の格」が導入されるようになったが、これも賛否が分かれる変更点と言える。
---プレイヤーはゲームのプレイ内容や持っている家及び調度品により格が上下するようになり、登録選手にもマスクデータで格が存在する。
---格が上過ぎる相手とは交友関係になるのも難しい(ランダムイベントで話しかけても無視される)ため、リアルと言えばリアルだろうが、延長デートのレパートリーを増やしてくれるのはその格上の選手である((延長デート自体を教えてくれるのは奥居だが、奥居から聞いている状態で格上先輩と飲みに行くとデートスポットを教えてもらえる。))ため、結婚の難易度を無駄に上げてたり交友関係を無駄に広げづらくしたりもしている。誰の格がどの程度なのか分からないのも辛い。
---ただ仲の良いチームメイトが格上選手と交友を持っていた場合、ついでで交友に誘ってもらえる場合もあるので、決して格下過ぎて交友が増えない…ということばかりにもならない。
//格の違いのせいで12の選手起用が硬直化しているのかもしれないのですが未確認。

-球場が手抜き。
--本作におけるゲームオリジナル球場にはどれも広告看板がない。野球アカデミー所有の球場はともかく、市営球場と思われる「パワフルタウンドーム」には地元企業の広告ぐらいかかっていても不思議ではないだろうに。
--参考までにパワ10の「頑張市民球場」及び「猪狩ドーム」には架空の企業名がズラリと並んでいた。

-シリーズでもトップクラスのバグの多さ。 
--試合におけるバグ。
---ボールが壁にめり込み取れなくなる。
---エラーによる出塁の筈がヒット扱いになる。
---覚えていないはずの変化球を投げてくる。
---実況のアナウンスがおかしくなる(例として広島とロッテの試合なのに「ジャイアンツ」と叫んだり、楽天とロッテの試合なのに「ゴールデンゴールズ」と言ったりする)。
---DHが表示されず左翼手が2人表示される。
--サクセスモードにおけるバグ。
---社会人野球編で投手育成中、イベントの起こし方次第でとある味方投手の球速が120Km/hになってしまう。
---全てのフォームがそろった状態で新しいフォームを覚えるとフリーズが起きる。
---本来いるはずのチームメイトが一切試合に参加出来ない(後述)。
---本来いるはずのないキャラクターがイベント中に登場してしまったり、同一人物が同じ練習場に2人存在してしまう。
---入学したはずの継承選手が試合に出場しない。
---アカデミーの学生寮に空室が発生する。
---オリジナルストレートを取得したのに試合中に名前が反映されない。
---マネージャーの励ましによりやる気が上がったはずなのに反映されない。
---全国大会が発生せずドラフトが始まってしまう。
--マイライフモードにおけるバグ。
---記念室でスタートボタンを押すとフリーズが起きる。
---彼女とのデートの後フリーズが起きる。
---1軍復帰を伝えられたのに2軍落ちしている。
---オークションに出品されたはずのホームランボールが消滅する。
---主人公と婚約してオフに結婚式が予定された彼女から''「今度結婚することになった」と別れを告げられ交友リストから消える''。結婚の有無が年度始めに決まるためか優先順位が「ランダム結婚>プレイヤー婚約」になってしまっているらしい。
--このように列挙するとキリが無い。本当にデバッグをしたのだろうか?
--これらのバグは決定版では修正されたものの、後にユーザーからは「事実上の試作品である開幕版を有料配布してユーザーにデバッグを行わせ、後にシステムやバグを修正しようやく一人前の商品になった決定版を売った」「ユーザーは有償デバッガー」などと皮肉られた。 

-選手の能力査定も相変わらず適当。
--全体的にAクラス入りしているチームが強く、やはり読売ジャイアンツの選手の能力がやたら高い((一応ストッパー不在、投手のマイナス能力がやたら多いなど、「巨人の弱さ」は一応再現されているのだが、打撃面が強すぎて大した弱さにはなっていない))。特に打撃面が強くスタメン全員がパワー100以上で、パワーヒッターが4人もいるため、オート進行でペナントを回すと間違いなくぶっちぎりの優勝を決めてしまう((特にクリーンナップのローズ、小久保、清原、高橋由の成績が化け物じみたものになる))。妥当な点は清水の肩とキャプラーのミートくらい。
--一方で中日は「守りの野球」を掲げているのに守備Aが井端1人のみであったり、クリーンナップが揃いも揃ってチャンス2持ちであったりと割と弱い。
--前年度ホームラン28本を記録した今岡や24本の古田がパワーBなのに、前年度のホームランが23本のシーツや福留、14本の李がパワーA。しかも李はパワーヒッター持ち。どういう査定をしたのだろう。
--一方で前年度Bクラスのチーム及び新規参入の楽天は全体的に弱い。特に楽天は「パワーAランクの選手無し」「パワーヒッターを所持する選手がいない」「事実上のストッパー不在」という3重苦を背負っている。

**賛否両論点
-サクセスの運要素が強い。
--今作では3つのシナリオがあるが、どれもパワフルタウンという町が舞台となっており、定期的に建物が建設されたり潰れたりするのだが、街にある建物で発生するイベントが決まる上、建物も何が建設され、何が潰れるかは完全に運((バイトを多くした建物は潰れにくくなる傾向になるのだが、あくまで「傾向」であって、潰れるときは潰れる。また、社会人編ではバイトはできない。))。このため選手育成にかなり運要素が絡む。
--そのためまずは建物を作ることから始まるのだが、前述の通り建物の建設・消滅は完全に運。実質運任せで街が繁栄してから本格的に選手育成に励むことになる。選手ではなく街を育成するゲームとは如何なものか。 
--運だけでなく、野球の実力も重要なはずなのだが、敵チームに「パワフル」の設定になっているチームが存在しており、結局は運ゲー。しかもその敵チームは主力選手を引き抜いて強化された東日本野球アカデミー、アカデミー講師+ミゾットスポーツ職員+河川敷ミラクルズ+継承選手のパワフルタウン連合軍、そして欽ちゃん球団こと茨城ゴールデンゴールズという厄介なチームばかり。&br()しかも東日本野球アカデミーはコールド負けすると無条件でゲームオーバーになり、パワフルタウン連合軍は勝たない限り正規のエンディングを見れない。ゴールデンゴールズもキレ2若しくは対左投手2を付けられるだけの罰ゲームと化している。
---特に強制的にキャプテンにされるパワフルタウン連合軍は打ちにくい投手と、打たれ出したら止まらない打線のオンパレードになっており人によっては無理ゲーと化す。さっさと攻略したければ1回に大量失点してコールド負けしてしまうのも一つの手である。
---ゴールデンゴールズ戦はプロテスト編なら選ぶ球場を間違えなければ対戦を避けられるが、社会人野球編では必須イベントである。
--友情タッグ練習も発生させにくくなっており、アカデミー編では友情タッグが3人体制であることと、チームメイトの入学順序が完全ランダムであるため特に難しくなっている。
--これまでのサクセスに比べて新キャラが大量に出現するが、多くのキャラが無個性、能力的に役立たず、かと思えば能力の高いとあるキャラに限ってバグの影響で試合に出場しない。
---アカデミーのゴンタと佐藤、ミゾットスポーツのブロンコはバグの影響で試合に出場することは無い。
---プロテスト編のライバルである水孤光世は、初登場時主人公に一方的に喧嘩を売っただけでフェードアウトする。一応彼とは草野球大会の決勝で対峙するのだが、敵チームにいることが確認できた上で予告ホームラン・予告三振をするかしないかのカットインがあるだけで、勝っても負けても彼の絡むイベントは一切無い。
---プロテスト編に関して言えば序盤で「主人公と矢部を除くチーム全員が野球ができなくなった理由」について全く触れられていない。
--アカデミーA組・B組での試験の試験内容が運。
---チームメイト同士で勝負をしたり、担任と対決するというのならまだしも、パワーヒッターを育成しているのに「足が遅い」と指摘されたり、抑え投手を育成しているのに「スタミナが低い」と指摘されて評価を落とされることが多々ある。こうなってしまうとその月ではキャプテンになれなくなってしまう。
--アカデミーB組の渋井特別練習が完全に運。
---『9』のそよ風高校における阿畑練習のようなもので運任せなのは当たり前なのだが、阿畑練習と違い参加するまで練習の内容が分からない迷惑な仕様。当然場合によってはパワーヒッターを育成しているのに変化球練習をさせられたり、抑え投手を育てているのにスタミナを上げる練習をさせられたりする。もっとも、その日限りの練習であるのが救いではあるが。
--社会人野球編では能力が低いであろう序盤からホームランを打たないと即失敗となるオファーを取らされる可能性がある。
--彼女システムが微妙にややこしい。今までより育成の役には立たない。加えて彼女も一人を除いてイベント内容が対して変わらず、面白みがない。
---クリア後のプレゼントが完全ランダム。11では評価さえ稼げばクリスマスプレゼントやクリアボーナスに良い物が貰えた。
---テンションシステムの採用。寄ったデートスポットによって、彼女の評価とは別の「テンション」が上下しており、そのテンションが最高潮になればいいことが起こるというもの。&br()だが、実態は「テンション上げればいいことがある」というより「テンション上げないと金と時間の無駄」というような状態である。&br()有利なデートスポットを継続プレイで仕込んでおかないとダメ。ランダムでいい場所が見つかることを祈るしかない10や11と、仕込む必要がある12のどちらがいいかはなんとも言えない。&br()そのデートスポットも、出現確率が特に低い「温泉」以外は劇的な効果が期待できない。
---11、10、9では限りあるターン数を練習や遊びやデートに自由に使う、というのが主流であったため、練習時間を削る分だけ彼女プレゼントの価値がある、というような意味だったと思われるが、休みと練習が区別ついた12のシステムではデートが前作以上のリスクにはならないため、リターンも控えめか条件が厳しくなったのだろうか。

-OPムービーのクオリティがイマイチ。
--ムービーの長さは1分程度、麻田キョウヤが唄う「空色の軌跡」はサビしか流れない。OPを楽しみにしていた一部ファンからは不満が出てしまった。
--8から11までOPを担当していた「京都アニメーション」から「Production I.G」に変わり、以降OPムービーは毎回製作会社が変わるが評価はいまいちパッとしなかった。

**評価点
-応援歌が作成できるようになった。

-フォームの種類が増加。

-野球教室モードが追加された。 
--キャンプモードによる通常の練習と異なり、コーチの親切丁寧な解説・指導(と余興)を受けつつ基本操作を練習するもので、初心者対策として好評である。中には変化球の打ち方や盗塁や守備のテクニックなどのきめ細かな解説もしてくれる。

-マイライフモードの強化。
--マニュアル盗塁が可能になり盗塁王を狙いやすくなった。また最低難易度のモードではプレイヤーの任意で難易度をいじくれる(11ではいわゆるゲームランクが導入されていた)ため、手軽に遊びやすい。

-新キャラは空気気味であまり評判がよくないが、旧作のキャラの登場、扱いは評判が良い。
--特に社会人野球編ではパワフル物産の嶋田栄作や黒獅子重工の社長など懐かしいキャラが依頼主として登場し、草野球編でも「9」の脇役がチームメイトとしてまさかの再登場を果たし、同じく「9」の脇役の世知辛いその後を話してくれたりする。そしてミゾットスポーツには帝王大学及び帝王実業で多くのプレイヤーを苦しめたあの人の姿も。
--特にミゾットスポーツの経理部主任については「11」でのとあるイベントにて社会人野球での復活を示唆していたため尚更。
--劇中の台詞のみだが、ミゾットスポーツのオファー先の企業には大砲製鋼、ドリル電器、一番星自動車、どすこい酒造といったどこかで聞いたような社会人野球チームの名前も並んでいる。

**総評
以上の様な様々な要因により発売当初は完全に黒歴史扱いにされていた。だが、野球ゲームとしては決して崩壊しておらず、サクセスも人によってはかなりハマる。~
野球もCPUレベルをパワフルにしなければそれなりに楽しめる出来である。また、ヒットやホームランが打ちやすくなっているため、爽快感は抜群。~
新規層や初心者からの評判は悪くなく、シリーズファンからの評判は最悪という両極端な評価を得ている作品。~
なお、『決定版』ではバグの修正も含め大幅なテコ入れが行われた。
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*実況パワフルプロ野球12 決定版
【じっきょうぱわふるぷろやきゅうじゅうに けっていばん】
|ジャンル|スポーツ|CENTER:&amazon(B000BPL63O)|&amazon(B000BPI5C4)|
|対応機種|プレイステーション2&br()ニンテンドーゲームキューブ|~|~|
|発売元|コナミ|~|~|
|開発元|コナミ(パワプロプロダクション)|~|~|
|発売日|2005年12月15日|~|~|
|価格|6,980円|~|~|
|分類|BGCOLOR(lightsteelblue):''賛否両論''|~|~|

**概要(決定版)
前々作10、前作11の決定版は『超決定版』と銘打って発売されたが、今作からは従来どおり『決定版』に戻った。~
パワプロのナンバリング作品でPS2、GCマルチ発売された最後の作品であり((ナンバリング作品以外で最後は『実況パワフルメジャーリーグ』))、「コナミ」名義で発売された最後のパワプロでもある((13以降はコナミデジタルエンタテインメントとして発売している))。~

**決定版の変更点
-野球部分の変更
--ピッチャー返しが抜けづらい、ポテンヒットが多い等の不満要素は改善された。
--また従来作以上に打球が高くバウンドするようになり、内野安打が多少出やすくなった。
--相変わらず打高投低気味ではあるものの野球バランスは良いと評される事も多い。

-打撃難易度「パワフル」の改善
--前述の通り、開幕版の「パワフル」における打撃は異常な強さを誇っていたが今作では真っ当な強さに抑えられた。

-一部チームメイトの試合不参加やフリーズ等のバグの修正が行われた。

-サクセスモードの大幅なテコいれ。特にパワフルタウンのシステムに特に大きな変更が加えられた。
--各施設の調子が景気という形で目に見えるようになり、ある程度倒産を回避しやすくなった。
--さらに、隣接する2つないし4つの施設が合併するイベントが起きるようになった。
--ゲーム開始時に配布される「パワチケ」を消費することで、施設ごとのランダムイベントを任意で起こせるようになった。&br()このため、ダイジョーブ研究所が存在してかつ町が最大まで発展していれば、ある程度育成しておいて終盤に任意のタイミングでダイジョーブを呼び出すという驚愕の技を使うことが出来る。
--各シナリオの試合で活躍すれば町に建てる施設か施設を建てる場所をある程度任意で選択できる仕様に変更された。&br()ただしデートスポットとして有利な「温泉」、特殊能力を得るチャンスがある「遺跡」、ダイジョーブ博士が出やすくなる「研究所」は建設計画を無視して割り込んでくる。
--野球仙人関連のイベントがカットされた。
---野球仙人は開幕版ではパワフルタウンの人口が多い時にランダムで登場するが、仙人が能力を上げてくれる条件は「仙人が見ている練習を行ったときに''1.5%''」という、育成の自由度を削ぐ上に恐ろしい低確率である。しかもダイジョーブの改造手術より効果が低いうえ、仙人の滞在期間はたった数日。もっとも失敗して能力を著しく下げられるリスクは一応存在しないが(投手プレイで何も貰えなかった場合「短気」のマイナス能力は食らう)。
//そもそもダイジョーブに襲われる確率の検証をしていない。ダイジョーブと野球仙人を比較する議論は意味がない。
//ダイジョーブは野球仙人と違って時機を問わない上、放っておいても勝手に発生する地点で、イベントが起きる可能性はずっと上。
--説明不足だったシナリオも追加されたり掘り下げられた点が多数。
---特に草野球編においてはチームが崩壊した理由がようやく語られたほか、水狐との決着も一応付くようになった。


-マイライフでプレイヤー野手がFA宣言しても誰も見向きもしない原理不明の現象は修正された。

-開幕版以上に弱い楽天。
--ただでさえ弱かったにも関わらず、今作では更に弱体化。特に投手陣が壊滅状態で、ペナントやマイライフで下手を打てばエースの岩隈すらいとも簡単に炎上する。野手も殆ど人材がおらず12球団最低クラスの攻撃力。
--38勝97敗1分という近年稀に見る成績で2005年シーズンを終えたとは言え、この杓子定規っぷりではゲームが崩壊する。こういうチームにこそゲタをはかせるべきなのではあるまいか。
--25本塁打だが一応チームトップを記録した山﨑武司にパワーヒッターがついたことと、成績の割に岩隈の能力が高めなことが「ゲタ」と言えなくもないが、大したバランス調整になっていない。
---若手の多くが赤能力持ちなのも手伝って、マイライフでは実在選手がいなくなってからでないとAクラスも狙えないことも。
--ちなみに巨人も投壊著しい。もっとも巨人についてもこの頃は投手陣が半ば崩壊していたが、いずれにしてもゲームバランスとしては良くない。
-一方で2005年度の優勝チームとはいえ出鱈目に強い阪神。10超決や11開幕版の悪夢再びである。
--これらのお陰でペナントモードを回すとセリーグは基本的に阪神一人勝ち、パリーグは楽天が草刈り場になってどの道ペナントレースは崩壊する。
--また、巨人も5年程で主力選手が衰え勝率4割を切ることが多い。そうなるとますます阪神の独壇場となる。

-打者及び監督ルーチンの更なる改悪で、ますます馬鹿になった監督とコーチ。
--(ゲーム発売当時の)実績重視、能力軽視の選手起用はより極端に。ポジションのかぶった新人がレギュラーを奪取することはまず有り得ない。
--セーフティバントの企図率がやけに高く、バントが巧くも素晴らしく足が速くもないのに敢行しては自滅していく。
---当時ロッテにいた西岡剛のバント成功率を見ての改変だったようだが、無駄にアウトカウントを献上することの方が多い。そもそも全球団の野手に西岡並みのバンド技術や走力があるわけではないのだから当たり前。
--先発完投率の激減。CPU監督が不自然なまでに継投リレーをするようになり、継投記録がつきそうな状況であれば5回か6回で中継ぎを投入する。&br()そのためノーヒットか完全試合ペースでもない限り、スタミナに余裕があっても途中降板させられる可能性が非常に高い。完全試合ペースでも問答無用のことも。
---起用法が「完投」の投手は長いイニングを投げさせられるのだが、今度は大量失点を喫しても継投しないことが多い。つまり、''適度な投手起用は存在しない''。
--ペナントであればプレイヤーが監督をしていけば継投を回避できるが、個人視点のマイライフの場合は対処できない。抑えタイプ不在のチームにいればまだ完投は可能ではある。
---これも2005年シーズンは勝利の方程式JFK(阪神のリリーフ陣であるジェフ、藤川、久保田の頭文字)とかYFK(ロッテの薮田、藤田、小林雅)とかの継投リレーが流行っていたからではあるが、当然全球団に優れた中継ぎ陣がいるわけではないし、毎度毎度継投リレーをするわけでもない。
//リリーフ記録がつかない状況でも先発が替えられるかどうかは未確認でした。

-その一方、カウント1-0からウエストボール(相手打者の外側高めに大きく外し捕手を立たせるボール)を投げると「0-2」と実況されるなどの、11から残っていた実況の不具合がようやく改善された。
--他、広島市民球場(当時)の広告看板が再現される((これまでは球場の意向で無地だった))など、演出の細かい見直しがはかられている。

-以上の変更点は、野球部分とサクセスモードはプラスになったと言える。だが、当時のペナントレースの流行を安易に取り入れたルーチン改変などは完全にマイナスである。そのため、「どっちもどっち」といった感じになってしまった。

**余談 
-本作に登場する「輝星也」というキャラは「パワクロクンポケットシリーズ」で大神ホッパーズの選手として登場している。

-サクセスのエンディングテーマはBEMANIシリーズでおなじみの広野智章(劇団レコード)が作曲を行っている。

-サクセスモードはスタッフによると当初の計画では『8』のドラフ島のようなものを考えていたとのこと。
--他にも、アカデミー編の悪役が『8』の悪役の夫と息子という点でつながりがある。

-当時茨城ゴールデンゴールズの監督(現在は球団オーナー)であった萩本欽一がサクセスに登場している。出番は少ないが、たまにランダムイベントに絡んでくる。