*ファイナルファンタジーVIII 【ふぁいなるふぁんたじーえいと】 |ジャンル|RPG|&amazon(B00005OVXG)| |対応機種|プレイステーション&br()Windows 95/98|~| |メディア|CD-ROM(【PS】4枚組、【Win】5枚組)|~| |発売・開発元|【PS】スクウェア&br()【Win】エレクトロニック・アーツ・スクウェア|~| |発売日|【PS】1999年2月11日&br()【Win】1999年10月3日|~| |定価|【PS】8,190円&br()【Win】6,800円|~| |プレイ人数|1人|~| |セーブデータ|1ブロック使用(最大15ファイル保存可)|~| |周辺機器|ポケットステーション対応|~| |レーティング|CERO:B(12歳以上対象)&br()※アルティメットヒッツ版で付与されたレーティングを記載|~| |分類|''賛否両論ゲー''|~| |ポイント|レベル上げると逆に苦戦する&br()新システムがいずれも難解・面倒&br()演出過剰でテンポの悪い展開&br()激ムズ/激ヌルの両極端になりやすい戦闘バランス&br()DISC4は自由度激減&br()ポケステがロット番号至上主義&br()賛否分かれるシナリオ・世界観&br()|~| |廉価版・配信|アルティメットヒッツ:2006年7月20日/2,625円&br()ゲームアーカイブス:2009年9月24日/1,500円&br()※表示定価は全て税込|~| |>|>|CENTER:''[[ファイナルファンタジーシリーズ関連作品リンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/267.html]]''| |>|>|CENTER:&color(purple){ゲーマガ特集/期待外れだったゲームベスト10}&br()[[サンダーフォースVI]]/''&color(black){ファイナルファンタジーVIII}''/[[聖剣伝説4]]/[[逆転裁判4]]/[[ローグギャラクシー]]/[[スーパーマリオサンシャイン>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/952.html]]/&br()[[アンリミテッド:サガ]]/[[デビルメイクライ2]]/[[ファイナルファンタジーXII レヴァナント・ウイング>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/519.html]]/ブラッド オブ バハムート| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 今や知らない人を探すのが難しいほどの超有名RPGシリーズ『ファイナルファンタジー』の第8作目。プラットフォームをPSに移し、CG・3Dポリゴン化してからの2作目にあたる。~ 今作は販売本数もこれまでのシリーズ史上最大を記録し、特定条件下でゲームの進行が不能になる不具合((実際は再現性の高くないもので、殊更に強調しなければならないほどのバグではなかった。))の存在がTVニュース等で報道されるほどの凄まじい知名度であった。 しかしながらこのゲームが(人によってその意味の程度に違いがあるものの)「クソゲー」呼ばわりされる所以はその些細なバグではなく、「当初は話題にしづらかった、そのゲーム要素」にこそある。つまり、シナリオ及びシステム、戦闘その他の攻略法が主な批判点となっている。 有名タイトルであることと、''プレイヤーの立ち入った努力が必要なゲーム''であるため、Web上でも様々なサイトで考察がなされており、相応の検索ワードで探してみると擁護、批判共にかなりの数を見ることができるだろう。 **賛否両論な点 ***レベルに応じて強化される敵 ''レベルが上がると相対的に雑魚敵のレベルも上昇''するシステムの為、漫然と遊んでいるだけではレベルアップを実感出来ない戦闘バランスになっている。 -(否定意見)キャラのレベルを上げても(強くしても)敵まで強くなるのでは意味が無い。レベルアップが初心者救済になっていない。 --また、こちらのキャラの強化もほとんどレベルに依存していない為、精製などで魔法を作成、ジャンクションすることで容易にバランスが崩壊する。 --敵のレベルアップによってドロップや魔法が良質の物になったりはする物の、それを活かせる様なプレイヤーなら、活かすまでもなく既にヌルゲー化しており自己満足でしかない。 -(肯定意見)殆どのボスは100より下のレベルで上限が設定されている((ストーリー上必ず倒さなければならないボスは全員上限が設定されている。))ため、漠然とレベルを上げただけの初心者でもストーリーで詰まるという事はまず無い。 --また、レベルが上がった雑魚からはより強力な魔法がドロー可能になり、より多く・よりレアなアイテムを落とすようにもなる。なので、レベルを上げることが必ずしもデメリットになっているわけではない。 --加えて「レベルを上げれば勝てる」という単純な力押しが不可能になっているため、より一層プレイヤーの創意工夫が求められるようになり戦闘の奥行きが増したという意見も。 --逆に言えばレベルを上げなければ敵は強化されないため、低レベルクリア・初期レベルクリアといったやり込みプレイなども可能。 ***ジャンクションシステム 本作の目玉なのだが、これがやや複雑。簡単に説明すると、''装備品の代わりに召喚獣や魔法を装備・強化してステータスアップすること''である。というか''今作は「魔法=装備品」''と思って頂くと分かりやすい。~ G.F.(ガーディアン・フォース、いわゆる召喚獣)を各キャラが装備(ジャンクション)し、その上でHPや力などのステータスに魔法を装備してステータスを向上させる二重構造になっている。~ なお、ステータスは装備した魔法の種類や個数によって効果量が変わる。例えば、HPは黒魔法のファイガより回復魔法ケアルガを装備した方が上昇する。~ このシステムそのものは実験的且つ奥の深いものなのだが… -装備した魔法によってステータスが決まる仕様について --(批判意見)このシステムのせいで致命的なまでに魔法が使いづらくなってしまっている(装備している魔法を使うとステータスが下がる為)。1~2回の使用ならまだしも、ダブル・トリプルといった連続魔の連発は自らの弱体化を招く結果に。 ---デフォルトでの魔法の威力は異常なまでに低く、その威力を強化するのもやはり『魔力パラメータに魔法を装備する』という方法。このゲームの経験者で魔法が主力だったものは少ないのでは? --(肯定意見)ステータス低下を避けたいのなら、装備していない魔法を使えばいい。装備した魔法を使うにしてもステータス低下のデメリットを見越した計画的な運用をすればいいだけの話。 ---デフォルトでの威力の低さは、「魔法そのものが」ストーリーに大きく関わってくる設定の上での「仕様」である。 -ジャンクションをすることで始めて各種アビリティを使用できるようになる仕様(G.F.を何もジャンクションをしていない場合、デフォルトの『たたかう』アビリティしか選べない)仕様について。 --(否定意見)ジャンクションシステムは『HP+80%』『力ボーナス』『エンカウントなし』等の有益なステータス系アビリティの取得にも関わってくるため、このシステムを理解できない(使いこなせない)プレイヤーからすれば高難易度のゲームになってしまった。 --更に、上記のようにアビリティの中には非常に強力な物が混ざっており、ゲームバランスは良いとは言いがたい。 --(肯定意見)過去作と比べてもやや複雑なのは事実だし、国民的RPGとしてシステムは万人が理解できるようなものであるべきだとは思うが、小学生低学年等ならともかく、一般的なプレイヤーなら「理解できない」ことはない。 ---高難易度の指摘についても、取得できる有益なアビリティの関係上、使いこなせるプレイヤーからすれば本作はヌルゲーでしかない。 ***ドロー 魔法入手に関係するシステム。全ての敵からは最大4種の魔法をドロー(盗む)ことができるのだが…。 -(批判意見)極めて作業的。しかも、前述のジャンクションシステムの関係上、魔法の種類・個数はステータスに直結する為、嫌でもこれをせざるを得ない。 --結果、何十ターンもかけて雑魚敵に殴られながらドローのみを繰り返すはめに。発売から10年以上が経った現在でも、「あのドローさえ無ければ…!」と嘆くプレイヤーは多い。 --精製などを使えばドローは必要ではないのだが、当時の紹介記事などでは大々的にドローが紹介されていた事もあり、また精製は数あるアビリティ中の目立たない1つでしかなく、選択肢としてはアピールが弱かった。 --逆に、下記の精製などを活用すれば、バランス崩壊のヌルゲーと化す極端すぎるバランスであり、ゲームとして難易度を楽しむには適度に自制する必要がある。 -ドローに関しては魔法よりむしろG.F.の方が問題かもしれない。一部のG.F.はボスからのドローで手に入るのだが、それが本当にノーヒントで、とりあえずボスにはドローをしないとG.F.が揃わない。 -(肯定意見)ドローは必ずしも必要ではない。G.F.がレベルアップすることによって得られる豊富な魔法精製アビリティを使えば、アイテムから魔法を複数個精製することが出来るため。(例えば序盤からほとんどの店で購入できる「テント」を精製すれば、一つにつきケアルガ十個を入手できる(ケアルラより先にケアルガを手に入れることも可能)。更に言えばドローした魔法はその場で「はなつ」(使用する)ことが可能なため、前述の魔法が使いづらい状況を救済しているのではないかという考察も可能。 --また、批判意見の中には「ドローは戦闘中にしかできない」と取れるようなものが存在するが、実際は''街中やフィールドマップにもドローポイントはいっぱいあり''、それらの魔法をちょいちょい拾っていけばそうそう困ることにはならない。例えるなら、宝箱から装備が出るのと大して変わらない。ちなみにエスタ(ガルバディア)エリアの「天国(地獄)に一番近い島」ではポイントこそ見えないものの、希少な魔法を大量にドローできる。 いずれにしても「集める」ことが主眼にあるため、各プレイヤーの好みが分かれるのは仕方がないと言える。 ***カードゲーム 上記魔法精製にもミニゲームとして関わっている。キャラクターに□ボタンで話しかけるとカード対戦ができ、しかも''ほぼすべてのキャラクター(町民Aなどのモブキャラも含む)とカードゲームが出来る''のだが…。 -(批判意見)どう考えてもシナリオ的に遊んでいるような状況じゃないのにカードゲームで遊べるというのは、後述する「給料システム」と並んでシナリオ面の演出をブチ壊しにしている。 -(肯定意見)シナリオ進行上の問題は確かに手抜きと言わざるを得ない(そもそも□ボタンで話しかけなければよいだけの話)。しかし、世界に1枚しか存在しない強力なレアカードの存在、弱小カードでもゲームルールを活かせば勝てる楽しさ等、ゲームとしての出来は良いものである。 --更にカードで遊ぶことはキャラクター強化にも繋げられるため、実際の作業感はそれほどない。また、レアカードとそれを所持する人物の関係からストーリーの考察ができる点も。 --そもそも遊んでいる場合ではないという突っ込みは何も今作に限った話ではない。過去のシリーズにしたって、これ以降のシリーズにしたって、果ては同社の別のRPGや他社のRPG作品にしてもそんな場合ではないのにミニゲームに興じたりできるので、今更突っ込むべき点ではないという指摘もある。 ***金銭の入手 敵を倒してもギル(お金)が入らず、''一定歩数で「給料」が振り込まれる''という和製RPGらしからぬシステムについて(さらに付け加えると、給料を上げるためには戦闘をかなり多めにこなすか、「筆記試験」と称したFF8の世界観やシステムに関する○×クイズを数多く答えなければならない) -(否定意見)前述の敵のレベルアップ問題もあり、戦闘のメリットがアイテム収集以外になくなった。しかも、ある程度雑魚戦をこなさないと給料が下がるため、嫌でも戦闘をせざるを得ないシステムになっている。 --また、従来の作品と比べるとLVが非常に上がりやすくなっており、LVが上がると敵のLVも上がるという仕様もあり、雑魚戦でLVが上がると素直に喜べない状態になっている。 ---LVアップに関してはカード変化等で素材とし、さらに経験値を得ないという方法もあるが、それを行おうとすると更に雑魚戦が単調に長びき余計にストレスが溜まる事になるという負のスパイラルが待っている。 -(肯定意見)本作では、精製目的を別にすれば店で買い物をする必要性が薄いため、実際はそれほど資金繰りに奔走することはない。 --またある程度進めれば「店売りアイテムを『精製』して別のアイテムにしてから売却する」という資金の無限稼ぎができてしまうため、資金自体は問題にならない(それはそれで問題ありだが)。 ***シナリオ面でのご都合主義的な展開 -(批判意見)普通にゲームを進めながらでは示されない設定があるなど「説明不足」な面が目立つ。また「ご都合主義」「唐突な展開が多い」という批判も多い。 --プレイする上で重要な世界観の設定等はチュートリアルに全て記載されているのだが、悪く言えば''辞典のような作りのチュートリアル''をいちいち見る人はそういなかった。チュートリアル内でしか事前に情報が示されないイベントに関しては、「唐突な展開」に感じてしまう。 --ストーリー上とても重要な伏線でさえ、ゲーム中では明かされずにチュートリアルに記載されているだけということも。(ご都合主義と批判されている点に関しては、この影響が強い)。すなわち、チュートリアルの内容をストーリーに組み込まず、その把握をプレイヤーの任意に任せたために生じた問題である。 --設定が膨大になりストーリーに絡めて説明できない事を、壮大で緻密な裏設定と取るか、それを表現しきれない作り手側の力不足感と取るかで評価は真逆の物になる。 --また、数々の迷言と世間知らずの考え方から「勘違い女」と評されるヒロイン・リノアは、本作をチープな恋愛ドラマに堕とした元凶とされる。むしろ思い詰めて勝手な行動を起こし、事態を悪化させたり足を引っ張ったりを天然でしているあたりに起因している印象も強い。 -(肯定意見)魔女とガーデンの設立経緯や対立構造、主人公達の生い立ちやG.F.の副作用等、シナリオ等の設定は非常に良く練りこまれており、安易に「クソ」と断じられるほど低品質なものではない。綿密な伏線・緻密な設定(裏設定ではない)はシリーズ1、2のレベルで練られており、説明不足に関しても実際は投げっぱなしになっている伏線もない。 --また「ご都合主義」は本作だけの問題ではない(『IV』の仲間復活など)。 --リノアに関しては、ひとによっては奇矯な人物ととる可能性もあるが、決して「悪女」ではない。また少なくとも序盤に世間知らずであることはシナリオ上意図的に設定されており、それはFF8のパーティメンバーがそれぞれ抱えている「若さゆえの弱さ」でもある。事実、彼女も物語後半で成長のきざしが見える。 --全てが全てとはいわないが、「説明不足」は裏を返せば「さりげない場面に伏線が張ってある」となる。例えば作中でとある人物の剣の構え方が、また別の人物が主演する映画における剣の構え方と一致しており、とある人物の夢見がちなキャラクタを補強する――など(これは作中で直接的に説明されない)。発売から数年以上経っても、深読みのしすぎを含め「あそこの場面のあの行動にはああいう意味があったのか」と驚く声がwebで見られるほどである。 **批判点 ***ディスク4(ラストダンジョンとエンディングのみ)に関する問題 -エンディングムービーに容量を使い過ぎたためか、ディスク4になると全ての街に入れなくなる。やり込みのためにはシナリオを進めてはいけないという有様。 --ただし、ディスク4は世界が特殊な状態となっているため、普通に街に入れるほうが不自然ではないかとの意見もある。ショップに関しては救済処置がある。 --前作のFFVIIは最終ディスクである3枚目に入っても全ての街に入れるし、残ったイベントをこなしたりやり残したミニゲームを遊んだりすることも出来た。 --これの反省か否か、次作IXでは同じく世界が危機に陥るDisc4では一部だけ入れなくなるものの、普通に多くの町に出入りできるようになっている。 -ラストダンジョンでは通常攻撃以外のさまざまな行動(ダンジョン内でのセーブや戦闘不能の復活すら項目に入る)が封印され、ダンジョン内のあちこちに潜むボスを倒して少しずつ解放していかなければならないため厄介。しかもそのボスに会うためにはそれぞれ城にある仕掛けの謎を解かなければならない。仕掛けを見落としたり、解けずに放置して進んだ場合はコマンドが封印されたままラストバトルに突入することになる。仕掛けの難度が高めでヒント(仕掛けの存在を示唆するものも含む)も少なかったため、多くのプレイヤーが制限された状態で戦いを挑んで返り討ちに遭い、クリアを諦める要因となった。 --ジャンクション含めいくつかのアビリティは封印されないため「エンカウントなし」を装備していけばじっくり謎を解くことができる。またダンジョンを出ればその間封印は解除される。 --このほかに敵のレベル変動が完全ランダムになっているのも特徴で、ノーヒントで挑んだ熱心なシリーズファンの間ではシリーズ最難関ダンジョンとして語り継がれている。 --召喚魔法であるG.F.がラスボス戦で突然使えなくなる。このために混乱したユーザーが多い。 --シリーズお馴染みの移動手段である飛空艇は、ディスク4のスタート地点であるラストダンジョン入口からかなり遠い場所に飛ばされており、再び利用する手順が非常にわかりにくい。二度と使えないように思ったプレイヤーも少なくない。 ***劣悪な仕様のポケットステーションのミニゲーム -ポケステの''ロット番号''に応じてレア度がいくつかあるのだが、一番低いレア度のものはゴミアイテムしか貰えず、一番高いレア度のものはいいアイテムがジャンジャン手に入る。しかし、今度はその番号のポケステを探すのに一苦労。 --ちなみに、ロット番号の下3ケタで判定を行っている。一番いい組み合わせは1つしかなく、実に''1/1000''という確率である。 --他の人と対戦を行う事が可能で、上手くいけばよいロット番号のデータを貰う事が可能。だが、元々がかなり低い確率なので、救済処置としてはあまり意味がない。 --誤解されやすいが、一番高いレア度ではないと獲得できないアイテムは設定されていないので、一番低いレア度であってもミニゲームで手に入るすべてのアイテムの獲得できるチャンスはある。 -ただしミニゲームの内容そのものはポケステとしてはそれなりに暇が潰せる上、やらないとゲームが格段に難しくなるという代物でもない(本ミニゲームをやらなくても十分に裏ボスまで倒せる)。 -ポケットステーションでチョコボを育成でき、そのチョコボがG.F.になる。…のはいいのだが、チョコボのみがラストバトルで何度でも召喚可能で、最終段階まで育成したチョコボを呼び続けるだけで簡単にクリア可能という、救いようのないゲームバランス調整ミスがある。 -Windows版ではデスクトップアプリケーションとして登場。PS版と同じようにアイテムが手に入る。 ***演出過剰なG.F.召喚 -VIIほどではないものの、召喚ムービーが長く、戦闘のテンポが悪くなっている。威力自体は高いが、このために気軽に使う気はなかなか起きない。ちなみに約30秒~1分。「エデン」は2分強。 --VIIほどではないというが、実際には隠し召喚に近いナイツ・オブ・ラウンドが極端に長いだけで、VIIの召喚自体は長時間の物は少なくかなりスッキリしている。 --高いと言っても単発技なので、ある程度鍛えると利用価値はなくなってくる。…が、これもプレイスタイルによるようだ。 ---序盤からテント精製でケアルガ×100をHPにジャンクションしよう物なら、それ以前のHPを保つだけで常に黄色表示のオーラ状態となり、GFの出番は完全に無くなるw -今作では待ち時間の緩和として、ムービー中に□ボタンを連打して威力を上げるアビリティ「おうえん」を覚えることもできる。ただ、この「おうえん」も初見ではわかりづらい使い方になっている。 --製作者がインタビューで「前作の時にユーザーからはムービーのスキップ機能を搭載してほしかったという感想が寄せられていたんです。たしかにスキップ機能を持たせることもできるんですが、やっぱりせっかく作ったムービーはしっかり毎回見てほしかったので今回も搭載しませんでした」「今回は"おうえん"があるので退屈はしないでしょう」と堂々と答えるふざけっぷり。 --むしろ「おうえん」の仕様のせいで、ムービーを見る暇もなく連打することになるため、退屈を通り越して苦痛と言ってもいいほどである。 ---単純に□ボタンを連打するだけではなく''連打してはいけない時間帯があり''、その時に□ボタンを押してしまうと''ペナルティとして威力が大幅に下がってしまう''(残り時間があれば、再び連打して威力を上げ直すことは可能)。一応×マークで表示はされているが、当然初見ではそんなものに気付くはずもなく、慣れてもいつ禁止になるか把握するのも難しい。 ---では「おうえん」を使わず、連打しなければいいのかというと、それはそれで前述どおり長いムービーを見るだけになり非常に退屈になるため、本来の「ムービーの待ち時間を解消」という目的は果たせていない。結局のところ、とりあえずコントローラーを触らせていればいい、という開発の認識が甘すぎた結果と言える。この点も次作IXではある程度解消されることになった。 -本作では通常攻撃と魔法の威力が低いため、G.F.を中心に使っているユーザーも多かったが、実際は各キャラ固有の「特殊技」を使ったほうが効率的で威力が高い。だが「特殊技」はピンチのときにしか使えない一発逆転の技という説明をされており、しかも初期状態では威力がそれほど高くないので有用性に気づくのは難しかった。 --この点について補足すると一部キャラの特殊技が桁外れに強力すぎ、完全にマスターするとそれだけでゲームが終わってしまうほどの威力を見せる。どちらに転んでもバランスが取れているとは言いがたい。 -「精製」で強力な魔法を手に入れて「力J」すれば通常攻撃が桁外れに強くなるため、待ち時間があり失敗の可能性もある召喚より通常攻撃の方が効率がよくなるし(これらに加えてムービーを削れるため体感的にはさらに大きいものがある)、敵を弱い攻撃でちまちま削って「カード変化」という戦い方も精製やレベル調整を考えれば重要ではあるため、召喚を使用しない戦い方も必要になってくるわけだが…。 --ただし、この件についてマニュアルや劇中で説明がほとんどないので非常にわかりにくい。 -G.F.は強力だが、連発していると前述の給料システムに悪影響を与え、収入が減少していくようになっている。もっとも収入に関しては精製を利用したギルの無限増殖という救済措置があるためそれほど致命的ではない。 -上述の「精製」や「特殊技」の有用性については劇中でほとんど説明がない。チュートリアルまかせな世界観の説明も含め、''ユーザーに対する不親切さ''が批判の原因になっている。 **Windows版での変更点 -各キャラのジャンクションをそっくりそのまま入れ替える「ジャンクションいれかえシステム」の実装。 -一部の道具、禁断薬精製の材料が変更。 -おでかけチョコボRPGがポケステ不要で遊べる。また、IDもやり直しでいくらでも変更できるため難易度が緩和された。 -ひとつの魔法を何ヵ所にもジャンクションできる「マルチジャンクション」が廃止。というかこれはバグのようなもの(しかしなぜか公式攻略本には載っている)だったのでバグ修正とも取れる。 -カードゲームプレイ中、プレイ時間が通常の3倍の速さで経過される。 -バラムガーデンの学生食堂にあるグラビデのドローポイントが、ゲーム開始直後からドロー可。 -音楽がmidi音源になってしまっているので、PS版経験者は要注意 -その他細かい修正点は[[こちら>http://www.geocities.jp/mannennnetarou/ff8-windows.html]]を参考されたし。 **総評 グラフィックはより美麗になり、(仕様外の)バグも少なく、映像と演出は当時の最高水準に仕上がっているなど「クソゲー」とは程遠い存在である。むしろシナリオやシステムを理解した上で高くも低くも評価するユーザーがおり、単純に出来の悪いようなゲームとは言えない。~ とはいえ、改善すべき点も多く見られる作品であったこと、ムービーだらけのゲームの風潮に批判が出はじめていた時代でもあったこと、(過去のシリーズから見て)色々な意味でこれまでのFFから離れ過ぎた作風であった事などが起因し、''ゲーマガ特集・期待外れだったゲームベスト10''にノミネートされてしまった事実からも極端に分かれた評価の様相を窺い知ることができる。~ 結果として、''昔のようなゲームらしいゲームであってほしいゲーマーからはクソゲー扱い''に、''システムや演出等を重視するゲーマーからは名作扱い''される、賛否両論なゲームだと言えるだろう。 また、上記の様な否定意見で隠れがちだがイベントの条件次第ではゲーム進行が不可能になると言う致命的なバグも存在していた。もっともこちらはかなり限定された条件であるため、非難の的になることは少ない。このバグはアルティマニア内で警告されている他、後々のアルティメットヒッツ版などでは警告文が挟まれている。 **参考ページ -[[今だからこそFF8>http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Sunnyvale/6160/ff8/]] --詳細な文章で本作を肯定的に見るサイト。 ----