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ルーンファクトリー2 - (2013/06/19 (水) 21:54:28) のソース

*ルーンファクトリー2
【るーんふぁくとりーつー】
|ジャンル|シミュレーション|&amazon(B00104RZGW)|
|対応機種|ニンテンドーDS|~|
|発売元|マーベラスエンターテイメント|~|
|開発元|ネバーランドカンパニー|~|
|発売日|2008年1月3日|~|
|定価|5,040円|~|
|分類|BGCOLOR(khaki):''黒歴史''|~|
//前作並み~以上のバグや批判の多い仕様が多いため、黒歴史とさせていただきます。
|ポイント|夥しいバグ&br()苦行の第1部&br()相変わらずキャラクターデザインは秀逸|~|
|>|>|CENTER:&color(black)''[[ルーンファクトリーシリーズリンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/1611.html]]''|
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**概要
牧場を経営しつつダンジョンを探索するという風変わりな『牧場物語』シリーズの外伝『ルーンファクトリー-新牧場物語-』の続編。~
前作がバグまみれ&荒削りな難易度だったものの、キャラクターや世界観、ゲームのコンセプトは受け入れられていたため、本作で問題点の修正、評価点の強化がなされると期待されていた。~
今作では2部構成となっている。大まかに説明すると、1部では記憶喪失の主人公が港町アルヴァーナの牧場へたどり着き牧場経営を始め、牧場生活の中で恋愛をして結婚し、生まれてくる子供たちのために学校を建設する。2部では1部の主人公が記憶と自分の使命を思い出して失踪、彼の子供が主人公となり、親の手がかりを探すという内容である。2部では学校が始まっており、同年代の子供たちといっしょに学校へ通いながらダンジョンを探索することとなる。もちろん牧場も健在で、季節にそった野菜や果物を育てて生計を立てる必要がある。~
1部と2部でできること、目標ががらりと変わるというのは面白い試みだった。''…面白いのは試みだけだった''。

**新システム「学校」
-今回は装備品や料理のレシピは「授業」として学ぶ必要がある。先生の言う通りにノートにメモ(正しい素材にチェックをつける)するというもの。
-午前と午後で先生と授業が変わる。午前は料理、午後は鍛冶。
-『牧場物語』シリーズや前作とは違い、自宅ではなく学校で料理や鍛冶を行う。
-同学年の子供たちとの学校生活が楽しめる。日によって来る子供が違い((教室はひとつ、先生が2人しかいないためクラス分けをして労力を分担しているのかもしれない。…ゲーム的には、毎日会う面子が同じだと飽きるからという理由からと思われる。))、雑談を楽しめる。

**評価点
-今作もヒロインキャラクターが魅力的。後の作品ほどではないが個性がはっきりしており、過剰な属性の押し売りにもなっていない。声優も豪華。
-恋愛イベントの数が増え、「掲示板で依頼を受ける」という体裁であるためこちらから能動的にイベントを起こすことができる。
-登場キャラの誕生日用プレゼントを専門に売る店ができた。多くは食べ物であるため、緊急時の回復アイテムにもできる。
-ダンジョンが減ったが、ひとつひとつのボリュームが増している。ダンジョンボスは入り口からそう遠くない範囲に生息しており、素材集めが煩わしくない。
-相変わらずOPがフルアニメーション。楽曲、ムービー共にクオリティが高く、第一部では剣と魔法の世界らしいファンタジックさと記憶喪失の主人公らしい少し寂しくも優しい内容になっている。そして第2部では、打って変わって学園を主とした希望にあふれた日々を想像させる内容になっている。楽曲もそれぞれ違うものが用意されている。

**問題点
主な問題点は、相変わらずの調整&デバッグ不足である。その他にも作り込みが明らかに不足している点が多い。

**バグについて
前作に引き続き、軽いものからフリーズするもの、ひどいものになると&bold(){物語の進行が不可能となる}になるものまで。

''進行不可能バグ''
-第2部では春夏秋冬の4つのダンジョンに一匹ずつボスがいて、倒すと父親の手がかりである石板のかけらが見つかる。他にも同じダンジョンで仕掛けを解いていくと残りのかけらが手に入り、すべて集めた後で学校の鍛冶の教師のひとり「バレット」に渡して解析してもらうのだが、''「春、夏、秋、冬の順番で完成した石板を渡さないと先に進まなくなる」''というバグがある。ひとつ集め終わったらすぐにバレットに見せなければならない。''もしも春、夏とクリアしていった後に冬の石盤をコンプリートしてしまうともうそこからストーリーは進まなくなってしまう。''
-元々は「ひとつのダンジョンをクリアしなければ次のダンジョンに進めない」という予定だったと思われる演出が見受けられる。
--新しいダンジョンに行く度に「ついにここまで来たか」「がんばれ」などという声援を仲間たちから貰う。それぞれのダンジョンの入り口に入っただけであっても。というかまだ会ったことの無いキャラも応援にくる。そのため2部に入った直後に1部で作った畑の手入れをしにダンジョン巡りをしていると、「誰だお前ら」と言いたくなるシーンを連続で見ることになる。

復帰できる(リセット必須なものも含む)、無視できるバグ
-''急に主人公や町の人が透明人間になるバグ''
--雨、花吹雪などで処理が重くなるとキャッシュデータを初期化できないため起きるらしい。エスケープという帰還用魔法で解決する場合もある。持っていないならリセット。まれに元に戻る場合もある。
-''主人公が移動不可能な場所に飛ぶバグ''
--エスケープで脱出可能。持っていないならリセットか、わざと自滅して病院へ行くしかない(ダンジョン内ではゲームオーバーになるため不可能)。
-モンスターを小屋から逃がした後、光となって完全に消滅する前に小屋から出ると、逃がしたはずのモンスターが残っているが餌の消費量が1匹分減っているバグ。餌の節約として有用か…?
-移動中のキャラに話しかけたり、プレゼントしたりすると別のキャラに対して行動したことにされるバグ。((AにプレゼントしたはずなのにBが返事をする。仲良し度やラブ度もBのものが変化する。))
-ロザリンドというキャラのみ、会話テーブルにバグがあり、本人の仲良し度もラブ度も関係なく「直前に会話した相手」の仲良し度とラブ度が影響する。
-ジュリアというヒロインは街の行事の最中に話しかける「度に」仲良し度、ラブ度が大きく上がる。他のキャラクターは一回だけなのでミスだと思われる。
-このゲームは現実の1秒につき1分時が進むのだが、完全に1秒経過する前にメニュー(アイテム持ち替えの簡易メニューでもいい)を開くとカウントがリセットされる。これにより時間を一分も進めず遊ぶことが可能である。
-教師のマナの授業中、急に口調がバレットのものに変わることがある。これが元となり、ファンからヤンデレ扱いされるようになった。
-他にも様々なバグが確認されている。

**ゲームバランスについて
-牧場物語では、「野菜を育てて出荷、そのお金で農具や小屋を強化し、また野菜を植えて…」と繰り返すのが基本であり、のんびり牧場生活を楽しむという一番の醍醐味でもあるのだが…。

-''最強の収穫物「イチゴ」''
--春はイチゴを栽培、収穫することができる。これは連作できる作物で、一度実を収穫しても季節が変わらなければ何度でも実がなるのが特徴。
--''イチゴを育ててできた実をタネメーカーに入れるとイチゴの種ができる。その種がなんと実の十数倍の値段で売れる。''実の所、イチゴ以外作る必要がないレベル。
--春のダンジョンに先ほどのイチゴを植えれば、枯れることなく収穫し続けることが可能。
--収穫するためには水やりをしなければならないが、2部ではじょうろを鍛えて広範囲に水を撒けるようにできるため一瞬で終わる。一度収穫した後に再び収穫できるようになるまでの時間も短いため、よほど金を使わなければ種二つ分(3×6マス分)あれば十分である。
-本来は、連作可能な作物の種の単価を上げることで実を売ったときの利益を減らすのが目的だったと思われる。

**2部構成の仕様
1部は単に行動に大幅な制限が設けられているだけで、''実質2部の下位互換版といってもいい程度の内容。''

-1部では料理、鍛冶、調合ができない。そのため装備品(農具含む)はイベントで貰うものか鍛冶屋で買う物以外は装備できない。

-農具がボロの状態から進まず、畑仕事がおっくうになる。前述のイチゴの種戦法も通用しない。

-モンスターも弱く、ボスは存在しない。''そもそもダンジョンは封鎖されていて、入口周辺しかまわれない''。
--現れる敵も数種類で2部に比べて全体的にステータスも低い。仲間にしたモンスターも弱いままであり、2部に入ってから1部で猛威を振るった「オークバイキング」を連れて行くと、さっきまで一撃で倒していた相手に瞬殺されることとなる。収穫物も無いのでモンスター小屋に入れておいても意味が無い。そのパワーのインフレぶりはドラゴンボールのようである。

-そのくせ恋愛要素は1部の方が力が入っている。((2部では2つしか恋愛イベントのないキャラも存在する。))遊ぶ要素が少ないのに、イベントを堪能するためには我慢しなければならない。
--初プレイならば2部まで行くのに十時間以上はかかる。その後無事に2部にいけたとしても恐怖の進行不可能バグが牙をむく。

-''結婚生活は最短で30日ほど。夫婦の会話はほとんどが独り言のようなものであり、結婚してから16日くらいの間に妊娠、出産を済ます。''あとは学校を作るしかできることはない。

**その他の問題点
-''料理や鍛冶、薬の調合が学校でしかできない。''
--一日が始まるのは自宅の2階。そこから一階、家の外(牧場)、街の外へと続く道を横切ってようやく学校へ辿り着く。中に入った後に右の部屋に行くと実習室があり、そこで行える。他の作品では自宅の中でできるため、煩わしく感じられる。

-イベントが前作に比べて大幅に増えたのはいいものの、多くが「あれ取ってきて」というおつかいイベント。

-街の行事も豊富なのだが、''ただボタンを連打するだけの早食い大会''(なんと料理を食べるグラフィックも何もなし。ただ棒立ちしている人物を眺めながらAボタンを押すだけの手抜き)、''前日に「水着を用意した」と話すヒロインがいるのに立ち絵が通常通りの海開き''(というか街に砂浜がない。ダンジョンは危険だし、どこで泳ぎを楽しむのだろうか…)((「フロンティア」以降には水着の立ち絵が存在する。))、''牧場経営のゲームなのに特殊なイベント無しの収穫祭''など酷いものばかり。

-テキストがとても少ない。仲良くなるには毎日話しかけることが大切だが、毎日同じようなことを言う。また、''2部主人公が自分の子供であるときでも他人のときと同じ会話である。''…と思いきや、「マックス」という結婚相手候補の兄のみ差分がある。
//らしい、筆者は未確認。祭りで優勝すると「さすがはぼくの甥っ子(姪っ子)だ」と言うらしい。

-会話の誤字脱字が多い。文の意味がまるで正反対になるものもあるため、イベントで選択肢を間違えて怒られることもある。

-誕生日には専用のアイテムをプレゼントしなければ誕生日プレゼントと認識されない。なぜ普通の好物ではいけないのだろうか?店で売っているものの中からどれを買って送ればいいかのヒントもないうえ、値段も高いものばかり。本作よりはるか昔の牧場シリーズでも、ふつうの好物でも誕生日プレゼントとして扱われていたのだが…。

//''一部のキャラの性格、行動が不快''
//--エルフという種族と人間のハーフ「ジェイク」は他人にほとんど心を開かず、主人公に対しては敵意をむき出しにしてくる。その上祭りなどの行事でも「俺が優勝するにきまってる」と豪語しておきながら2位に、逆上しているところを3位のキャラにたしなめられるなど、子供のような行動をする。ヒロイン「セシリア」に対しては、自分と同じハーフエルフだからか心を開いている…というか依存している。主人公とその息子に対しては「人間」「人間のこども」と名前も呼ばない。''母親が人間であったのにも関わらず人間を敵視しているが、職場は人間の女性が営む鍛冶屋。セシリアが主人公と結婚した場合は行商人の「ユエ」(人間)と結婚する。''((男性キャラは2部で子供ができるため、結婚していないとキャラが出せなくなってしまう。それを回避するため、主人公に結婚相手をとられてしまったときはユエと結婚する。彼女はいわゆる当て馬にされてしまったのである。))そのため、セシリアもユエもあの男に渡さない、といったことはできない。どちらかは必ずジェイクのものとなる。
//--セシリアは前作からのゲストキャラなのだが、無垢でかわいい子供だったのが今作ではどこか腹の黒さを感じる打算的な大人の女性になってしまっている。((イベントで主人公に「ジェイクに結婚を迫られて困っている。どう対応すればいいか」と聞いてくる。断るように言うと主人公との仲が進展し、結婚すればいいと答えると怒られてしまう。ジェイクをダシにして主人公を自分に振り向かせようとしてるとしか思えない。))この性格の変化は前作ファンから嘆かれることとなった。
//--彼女は前作主人公に恋心を抱いており、携帯電話の外伝では成長した後で主人公と結婚するというストーリーもあったため、今作で強制的に結婚することを嫌がる人々もいた。
//これはさすがに私怨が入ってるとしか思えないな。

-''謎システム「略奪婚」''
--ラブ度が最高レベルのキャラがライバルと結婚してしまいそうなとき、''結婚式に乗り込んで花嫁を奪い取ることができる。''花婿との仲は最低レベルにまで逆戻りするが、どうせひと月ほどで2部に移行するので問題ない。花嫁は''「あなたがそう言ってくれるのを待ってました」''などと発言する。 ''じゃあどうして結婚式を挙げた?''目の前で花嫁を奪われた花婿の立場がない。このシステムは雑誌で公開されるほど自信のあるものだったようだが、前述のように殺伐とした嫌な空気を作り出す上に、結婚相手がライバルと式を挙げるまでのんびりと1部を遊ぶ人は少なかった((ライバルは早いキャラでも2年目にならないと結婚しない。遅いと4年目までかかる。それまで死ぬほど退屈な1部を遊び続ける人がいるだろうか。))ため無駄なもの、無い方がましなものとなってしまった。

-細かい問題点
--メインヒロインであるマナが空気のようである。その割にOPムービーにはやたらと出てくる。発売前は妹キャラとして発表されていたが、ゲーム中ではそのような描写は全くない。
--1部で愛する妻だったキャラが2部では主人公の母親となることに戸惑ったプレイヤーが多い。
--1部で選ばなかったヒロインが他の男と結婚して子供を作る。その一方で結婚できずに余っているヒロインも存在する。
--1部と2部の間では7年間も時間が経過しているが、キャラクターの外見は全く変わらない。特に1部で子供だったキャラクターが全く成長せずに2部主人公らと一緒に学校に通うのには、違和感を覚えずにはいられない。
--2部主人公は子供である。しかしあっという間に父親よりも強くなり、ダンジョンへ行きモンスターやボスをなぎ倒していく。お前はどこの戦闘民族だ。
--クリア後に父親が家へ帰ってくるが、特に何をすることもなくブラブラしている。
--お祭りなどで人が集まると画面が非常に重くなる。

**総評
-ボリュームを増やそうと2部構成にしたことで、冗長な展開になった上に細かいところまで気が回らなくなり、前作よりも質の低い作品となってしまった。ファンからはOPを複数作って入れる余裕があるならテキストとデバッグに力を入れろといわれる始末。
-この時のマーベラスは手抜き、バグゲーばかりだと酷評されていた。その原因の一つともいえる作品がこれである。((どちらかというと同時期に出た某Portableの影響の方が大きいが…。))
-前作がバグで低い評価をされたのにも関わらず、今作でも同じことを繰り返しているため「二度あることは三度ある」という事態を恐れられたからか、良作『[[3>http://www23.atwiki.jp/ggmatome/pages/552.html]]』の売り上げも伸び悩むようになってしまった。これ以降はしっかりと作り込むようになっており、ファンからの信頼はほぼ完全に取り戻した。

**余談
-海外では一部バグが修正された状態で発売されたため、評判はそこそこ。
--日本語版もバグ一部修正済ロムは存在するのだが、後期出荷分の一部にとどまるためこれを入手するのは困難である。
-某黒本ほどではないが、ファミ通の攻略本の間違いが多い。攻略本として一番重要なデータベースで「ページごと」誤植しているのだ。((詳しく言うと、物のアイコン、名前、効果…と表になって並んでいるのだが、名前とアイコン以外が別のページのものと入れ替わっている。))そのせいで安価な生産物が高級品のように語られている。
--他にも''「1部では学校建設の費用が貯まりにくい。なのでタネメーカーにイチゴを入れて種にし、それを売ろう!」''と前述の裏技が書かれている。
--しかしそのすぐ後に''「タネメーカーが使えるのは2部からである。」''と書かれている。これはひどい。