「時と永遠~トキトワ~」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る

時と永遠~トキトワ~ - (2013/03/09 (土) 15:32:53) のソース

*時と永遠~トキトワ~
【ときとわ】
|ジャンル|アニメーションRPG|&amazon(B008N8TPK2)|&amazon(B008N8TA5W)|
|対応機種|プレイステーション3|~|~|
|発売元|バンダイナムコゲームス|~|~|
|開発元|イメージエポック&br()パオン|~|~|
|発売日|2012年10月11日|~|~|
|定価|通常版:7,980円&br()限定版:9,980円|~|~|
|レーティング|CERO:C(15才以上対象)|~|~|
|分類|''クソゲー判定''|~|~|
|ポイント|世界初のHDアニメーションRPG&br()が、動きは''某GUN道並''と揶揄される程の出来&br()全体的に陳腐なストーリー&br()世界観にそぐわないギャグ要素&br()FC時代さながらの無茶苦茶な戦闘バランス&br()例によってぼったくりDLC&br()''「装備を変えて魔法で殴ればいい!」&br()「ひ、ひどすぎるよー!」''|~|~|
----
#contents(fromhere)
----
**概要
「''世界初のHDアニメーションRPG''」と銘打たれたRPG。~
その宣伝のとおり、キャラクターモーションはCGレンダリングではなくアニメーションとなっており、移動や戦闘などをアニメのキャラを動かしてプレイするというものになっている。~
キャラデザは『<物語>シリーズ』のイラスト担当で有名な「VOFAN」氏が担当。声優陣も花澤香菜氏や喜多村英梨氏と人気声優を揃えている。~
主人公はオープニングで結婚式の最中に襲われてしまう運命にあり、実質的な主人公は二重人格のヒロイン「トキ」と「トワ」で操作するキャラも彼女たちとなる。~
発売前には隔月刊雑誌『ジャンプSQ.19』にて漫画版が短期連載された。

…しかし、YouTubeにて配信されたPVを見て「誇大宣伝」「また地雷か」と多くのユーザーが感づき、そのあまりの酷さに2chの本スレは大いに荒れ、次スレを立てただけでその人物を社員の工作扱いするほどの荒れっぷりを見せた。~
そして発売してみれば予想通り地雷…どころかそれ以上の何かであった。その出来には公式サイトのミニゲームでのセリフ''「ひ、ひどすぎるよー!」''という一文がまさに当てはまるのであった。

**問題点
***アニメーション
-アニメを売りにしているのに、''肝心のアニメの作画枚数が少なく、動きがカクついている''。
--その動きの悪さはPVの時点で露呈しているほどで、史上稀に見る粗悪クオリティで伝説となったアニメ『MUSASHI-GUN道-』の再来だと例える人まで出た。
--また移動・戦闘では、線の少なめなアニメキャラを3Dマップにブチ込んでいる為''キャラが妙に浮いている''。そういえばPS時代にそんなゲームがチラホラあったような…。
---ちなみにCMでは「''世界の全てがアニメで描かれる''」と大嘘をついている。
--挙句、イベントシーンでは音声と口パクが合っていない事も多い。ひどい時には''口パクすらせずに喋る事も''。まるでかの有名な『チャージマン研!((『MUSASHI-GUN道-』と同じく、凄まじいクオリティの悪さで有名になったアニメ。))』のようだ…。
--サブシナリオでは逆に音声が全く出ず口パクだけでイベントが進行する。

***ストーリー
-オープニングでは主人公とヒロインの結婚式が行われるが何者かにより襲撃されてしまい、主人公は死亡してしまう。~
これを食い止めるため、時間をループして原因を突き止めていき、最終的にトキかトワどちらかを花嫁に選ぶ…というもの。
--ちなみに主人公の魂はヒロインがタイムスリップする際に巻き込まれ、小さなドラゴンの姿に変わっている。
-一見シリアスな王道路線に見えるが、実際に展開されるのは終始''おちゃらけたノリ''で展開される陳腐なストーリーでロマンティック・コメディとしても失敗している。
--強そうなドラゴンに契約を迫られ、''「消費者センターに訴えますよ!」''と反論。~
ドラゴンは''「消費者センターは…まずい」''とうろたえるなど、世界観を無視し緊迫しているような場面でも茶化すという空気の読めていないコメディシーンが多数挿入されることが多い。早い話が''スベっている''。
--肝心の主人公も性格がスケベ心丸出しで気持ち悪いと評判。繰り返すが''セクハラ行為を繰り出す小さなドラゴンが主人公''である。
--これらを受け入れられるかそうでないかでストーリーの印象がガラリと変わる。恐らく多数のプレイヤーが後者であろう…。
-ちなみに結婚式シーンは約5回同じものが使い回される。
***戦闘システム
-戦闘システムが、この時代にまさかの''『ドラクエ1』のような1対1方式''。~
複数敵が現れた場合は、敵を1体倒すたびに次の敵が現れそれを1対1で倒すという連戦方式。~
これのせいで序盤はまだしも、ゲームが進むにつれてテンポがどんどん悪くなっていく。
--敵が1体ずつしか出てこないことについて製作者のインタビュー((http://www.gamer.ne.jp/news/201211070002/を参照。))では、「アニメーションをそのまま描画する都合上大量にメモリを消費するため、キャラクターを画面中に大量に出すことは不可能だった」と語られている。
-また、得られる経験値やゴールドなどの報酬が異様に低く、''序盤と終盤とで得られる経験値が同じ''という有様。
--ただ''装備品の補正が異様に高い''為強い装備を付ければレベルが上がって無くとも十分やっていける。~
''これを救済策と呼んでいいのかは分からないが…''。
-敵キャラクターも色変えが多く、パラメータが同じという敵までいる。
-武器は銃と剣の2種。アクション要素があり、遠距離では銃での狙撃、近距離では敵の攻撃をかわしつつ剣で一撃を与える。~
そうやってSPゲージを溜め、隙を見て魔法&体術による一撃を与える…等''一見''バリエーション豊か。~
これをアニメーションで行えるのが本作の大きな売りの一つであるわけだが…。
--''それしかできない''。トキとトワで戦法が大きく違うという事もない。
--通常攻撃が雀の涙程度の威力しかなく、威力の高い魔法を使う為にSPゲージを溜める為の手段でしかない。
--そのくせ魔法の攻撃力が異常に強く、中盤からでは魔法の組み合わせで状態異常まで与えられる。~
最初の攻撃魔法だけでも''4000ものダメージを与えられる''。ちなみに通常攻撃は70程度。物理攻撃涙目。~
冗談抜きで「''装備を変えて魔法で殴ればいい''」というシステムである。''最後まで''。
---装備と魔法は役立たず、[[「''レベルを上げて物理で殴ればいい''」>http://www23.atwiki.jp/ksgmatome/pages/798.html]]とは見事に真逆なことをやっている。[[似たようなものが>http://www23.atwiki.jp/ksgmatome/pages/607.html]]過去にも。いずれも''クソゲー''だが。
---流石に終盤になると魔法を当てる隙が少なくなり、いかにして隙を作るかという戦略を楽しめなくもない。やってる事は全く同じだが。
--魔法ほど強くないが体術もまた有効なダメージソースとなる。逆に言うと''SP攻撃しかダメージソースにならない''。
--ちなみに回復魔法よりも回復アイテムの方が効果が強く、回復アイテムを使いながら魔法でガンガン押していけばクリアできていた…という事も。
-ドラゴンと化した主人公も戦闘に参加するが強制AI。マニュアル操作など当然無い。

-デュアルソウルシステム
--レベルが上がるたびに人格がトキからトワ、トワからトキへと交互に入れ替わる。
--しかし、これが見事に形骸化しており、トキが新しいスキルを覚えた瞬間にトワへと入れ替わるので、せっかく覚えたスキルを使えないこともざら。~
さらにパラメータとスキルはトワとトキ別扱いのため、スキルが使えないためにレベルアップしたのに弱くなってしまう事も。~
挙句、スキルとパラメータはほとんどがコンパチ仕様。
--''つまり、レベルが上がるたびに別のキャラに強制的に変わるという仕様である。''~
しかも勝利ポーズなど各モーションもトキとトワとで全く同じ。その癖2人の性格は真逆なので((素直で元気な「トキ」・クールでツンデレな「トワ」。))、~
スレたクールな台詞を呟きながら''ウィンク&ピース''するトワなど台詞とモーションが全くそぐわない場面が頻発する。
---銃を連発する時のトキの台詞「''止まら止まら止まらないわよ!''」等シュールな場面も((一発ごとに「止まらないわよ!」という為台詞が重なり、前述の様に聞こえる。))。どこのダイアキュートですか?((誤解が無いよう書いておくが、『魔導物語シリーズ』のダイアキュートは最初から意図した演出である。))

***その他システム面
-マップ上での移動はFPSやTPSと同じラジコン方式。~
つまり方向キー左右でカメラ操作し、上下で移動するというもの。マップがあるとはいえ方角を把握しづらく、~
プレイヤー的には''常にトキ&トワの尻と絶対領域を拝める''位しか利点が無い。~
アニメ制作は時間と費用がかかるとはいうものの、横向きのアニメを作る暇は無かったのだろうか?
-サブクエストは116種もあるのに例によって全部お使い。しかも報酬よりも店で買える品物の方が強いこともしばしば。
-キャラクターのモーションや声のバリエーションも少なく、同じ声ばかり聞くことも少なくない。
-イベントCGがわずか11枚だけしかない。
-バンナムお得意のぼったくりDLC。
--10分程度のシナリオとCG1枚で''500円''という値段である。シナリオだけでも全部買うと2,500円。
-よくある事ではあるが、VOFAN氏とアニメとでキャラデザのギャップが大きい。

**評価点
-動きはともかく、キャラがCGではなくアニメで動かせる点は高評価。
--また、作画自体も乱れはほとんどない。前述の通り、枚数が少なく動きがカクカクなのはどうしようもないが。
-バグは少なく、BGM・UI・キャラクターデザインは好評。
-マップは宝箱やイベント発生地点なども表示される。作業感が強い、という意見もあるが。
-CERO:C判定にもかかわらず''戦闘中によくパンチラする''など、エロ要素も大好評。~
公式サイトのミニゲームやDLCもエロ全開を売りにしている。

**総評
アニメでキャラクターを表現する、というアイデア自体は良かったのだが、~
完全に力を入れるところを間違えているとしか言い様がない出来になってしまった。~
かわいいキャラクターの萌えエロ要素で全てを許容できない限り手は出さない方が良い''「消費者センターに訴えますよ!」''なゲーム。~

**余談
ちなみにかのファミ通クロスレビューでは9・8・8・7で計32点のゴールド殿堂。''またやってくれたなファミ通''。~
ただしレビュー文をよく見てみると本作の悪所を端的に述べていたりもする。~
静止画だけ見ると面白そうなゲームに見える為か、紙媒体でしか情報が伝えられないファミ通では「期待の新作」最高第6位まで上り詰めた。