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海腹川背Portable - (2013/05/29 (水) 00:37:17) のソース

*海腹川背Portable
【うみはらかわせぽーたぶる】
|ジャンル|ラバーリングアクション|&amazon(B0012AZ6OM)|
|対応機種|プレイステーション・ポータブル|~|
|発売元|マーベラスエンターテイメント|~|
|開発元|ロケットスタジオ|~|
|発売日|2008年3月27日|~|
|定価|5,040円|~|
|分類|BGCOLOR(lightsalmon):''クソゲー''|~|
|~|BGCOLOR(khaki):''劣化移植''|~|
|ポイント|&color(blue){''2008年クソゲーオブザイヤー携帯機部門次点''}&br()''全て「本体の仕様です」''&br()フリーズ・進行不可能他多数のバグ&br()初見には当初評価されていたが…&br()黒歴史化&br()擁護不可能&br()原作を侮辱していると言われても仕方ない出来&br()[[通称>用語集/全般2#id_e9abba09]]:''なんとかPortable(笑)''|~|
|>|>|CENTER:''[[クソゲーオブザイヤー関連作品一覧>KOTYゲーム一覧]]''|
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#contents(fromhere)
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**概要
アクションゲームの名作『海腹川背・旬』の完全移植作。~
…のはずだったのだが、低い移植度と商品失格レベルのバグの山で、ファンからは''「全く違う何か」''とされてしまった作品。『海腹川背』は決してメジャーなタイトルではないが、知る人ぞ知る名作シリーズとして扱われており、SFC版・PS版の中古価格はかなり高い。それだけに今作にかかる期待は大きかったのだが、結果としてそれに応えることは出来なかった。
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**特徴(問題点)
***バグ
開発元が''「バグゲーマイスター」''の異名を持つクソゲー界の雄、''「世界屈指の開発力(笑)」''と揶揄されるロケットスタジオ((以前に開発を担当した『カルドセプトサーガ』(Xbox360で発売された『カルドセプト』の新作)においてあり得ない程の低レベルな開発力を見せつけたうえにバグがてんこ盛りだったことからこのように呼ばれる。詳しくは当該記事を参照。))、発売元が開発元に対する過剰保護で有名な''マーベラスエンターテイメント''(以下マーベラスと記載)という地獄タッグ。そして案の定の''バグの山''。
-まず、「海腹川背」の要である''ルアーやゴムひもの挙動がバグだらけ''。説明するだけでも大変なので、具体的には「[[海腹川背Portable要望まとめwiki 問題点>http://www32.atwiki.jp/kawasepsp/pages/12.html]]」を参照していただきたい。
-フリーズ・進行不可能バグも存在する。
-リプレイが正しく再生されず、セーブしたものと異なる動作をする。
-''プラクティスでタイムが更新されない(タイムアタックができない)''。
-後に、ラバーリングアクションのプログラミングとゲームデザインを行った産みの親・''酒井潔氏が開発に全く関わっていない''ことが判明。ファンを絶望させる。

***対応
上記のバグは体験版の時点で既に判明していたのだが、発売元のマーベラスは改善の要望に対して''「これらのバグは全て仕様である」と返答した''(もっとも、マーベラスには[[前科>THE KING OF FIGHTERS EX NEO BLOOD]]があるのでまともな対応を期待していなかった者も多かった)。
-返答のメールの中には「敵キャラクターである魚が歩いていたりするように ゲームの世界観の中での事なので弊社では不具合と認識しておりません」と、ゲームの世界観に責任転嫁した(言うまでもなく過去シリーズにこのような不具合はない)ものもあったという((ただし、このメールは実物が確認されておらず、前述のまとめWikiにも「真偽を調査中」と書かれていることは留意しておきたい。))。
-挙句の果てには''「PSP本体の仕様によるものである」''と、あくまで悪いのは本体だと言う対応に出る。
後にこれらの発言は訂正されるものの、バグは「仕様」であるとの姿勢は崩さず、回収などの対応も一切行われなかった。~
このような責任逃れ甚だしいお粗末な対応はもちろんファンの怒りを買い、不買運動や修正を求める署名運動まで発生したが、結局そのままの仕様で本作は発売されてしまった。

***その他
-評価の高かったBGMがアレンジされているのだが、旧作ファンからは''「劣化アレンジ」「改悪」''と受け止められている。

-SFC版・PS版の題字は近藤敏信氏が製作したものだが、本作の題字は明らかに別のフォントを用いている((フリー素材の「YAKITORIフォント」というフォントではないかといわれている。 このフォントはフリーウェアだが無許可で商用利用をすることはできない。万が一無許可で用いていた場合は問題になる可能性がある。))。

//-エンディングムービーが『海腹川背・旬』の使い回し。
//↑「移植」だとしたらそのまま使うのは問題ないのでは?
-『海腹川背・旬』ではほとんど見ることが出来なかったエンディングムービー((川背さんの見ている小さなTV画面という設定だったため、斜めから覗き込むような形で表示されるうえに画面も小さかった。))が、本作では正面からきちんと見ることが出来る。このムービーはかつて「条件を満たせば正面から見れるはず!」と信じていたファンもいる曰くつきのものなので、本作の''本当に数少ないメリットの1つ''である。

-そして、新規で追加された''全く関係ない何かのムービー''。これに関しては[[近藤氏がブログで回答しているが(現在も閲覧可能)>http://meiyoutei.blog70.fc2.com/blog-entry-42.html]]、その説明は納得いくものとは言い難い。

-公式サイトで「海''原''川背」と表記したり、''デスクトップ''を''デクストップ''と表記したりと誤字が多かった(現在は訂正されている)。

-地味なことだが、''フィールド上にすずめが飛んでいない''。
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**本作に対する世間の評価
1.ゲーム内容とメーカー対応の双方においてフォロー出来ないほどの酷さを発揮し、多くのユーザーから怒りを買った。
-旧作ファンの間で付いた俗称が''『なんとかPortable(笑)』''。『海腹川背』の名を使うことなどおこがましいということである。
//--現在、検索エンジンで「なんとかPortable(笑)」で検索するとトップにこの作品の公式サイトがヒットする。
//--↑出てこなくなったので、一応CO
-ネット上での悪評もあり、ソフトも早い時期からかなりの安値で叩き売りされた。

2.PS3の『まいにちいっしょ』のコンテンツ「トロ・ステーション」で、同じラバーリングアクションである『バイオニックコマンドー』がリメイクされるのと比較され、本作は''「愛の無いリメイク」''と批判された。
//動画が消えたので、CO
-一応補足しておくと、『まいにちいっしょ』の開発会社はSCEJのセカンドパーティ。トロステのはっちゃけぶりが人気であることを差し引いても、セカンドパーティにここまで言われることは相当なものだと思われる。
-持ち上げられた『バイオニックコマンドー』の方も内容・セールスともに残念な結果となってしまったが、少なくとも「なんとか」よりはマシである。

3.開発・発売元が信用を落としただけならまだしも、''「海腹川背」のブランドイメージを大きく傷つけた''。
-ロケットスタジオは本作の前にも名作誉れ高い『カルドセプト』の新作をバグまみれで発売するという前科をやらかしているが、''その際にブランド名誉の回復に追われたのは企画元の大宮ソフトであった''。本作も同じように''元の開発者が名誉回復に奔走した''ことを忘れてはならない。
-バグを「仕様」として頑なに認めようとしなかったマーベラスも同様に信用を落とし、本作発売以降二期連続の赤字となった。~
さらに2年後、マーベラスは[[PS3と360でまた原作レイプ移植をやらかし>ノーモア★ヒーローズ 英雄たちの楽園]]、新たな悲劇を生み出した。この時の発言からして全く反省していない、と思われたが…(内容はともあれ)修正パッチを配信するなどの対応を行っており、少しは反省しているようだ。~

4.旧作ファンと新規ファンで評価が大きく分かれる。
-旧作からシリーズをやりこんでいる人が絶望したのは言うまでもないが、問題個所の多くが旧作との比較から生じたものであったためか、旧作を知らないユーザーからはそれほど悪い印象は持たれていない(これは、本作に限らず「移植もの」では往々にして起こりうる事ではある)。
-2008年の携帯機版KOTYにノミネートされたものの、この年は「シンプルシリーズであることを差し引いても[[手抜き過ぎるゾンビゲー>SIMPLE DSシリーズ Vol.32 THE ゾンビクライシス]]」や「クソゲーが無かったはずのジャンルからまさかの[[地雷・未完成囲碁>梅沢由香里のやさしい囲碁]]」など全体的にカオスな作品が多かったうえに、移植作品としても「[[クソゲーを忠実移植した野球ゲーム>高校野球育成アクションゲーム めざせ!甲子園]]」(2008年大賞)が存在したため、インパクトは弱かった。

5.プレミアソフトの代替品として需要があった。
-『海腹川背』のシリーズ作品はいずれもプレミア化しており、発売当時はPS版の代替品として人気があったようだ。しかし、''2009年に[[DS版>http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B001OI24Z6/]]が発売、2012年にPSP/PSVita/PS3のゲームアーカイブスに配信されたため、現在は代替品としての需要も無くなってしまった''。
-DS版は開発者がソースを提供した文字通りの「完全」移植版で、「ゲームセンターCX」などで紹介され再び注目を集めた初代『海腹川背』も収録されている。中古価格も安いので、新しく手に取るならこちら。こちらも開発元に関してひと悶着あったのだが、ゲームの質・事情ともに問題なく安心して購入できる。
-[[DS版の公式サイト>http://www.genterprise.jp/umihara/]]では本作について一切触れられていない(ちなみに、開発元のロケットスタジオでもなかったことにされている)。
//-なお、DS版は発売が延期されて開発元が交代する騒動となり、2009年3月に版権側と旧開発元で裁判沙汰となった。
//--この裁判以前にネット上には開発状況を訴えた「文書」が出回っていた為、海腹川背ファンには周知の問題となっており、いくつかのサイトでも扱われていた。
//--この裁判の内容はかなり複雑な為ここでは説明できないが、「文書」を作成して一部ユーザーに流したのは旧開発元の藤井伸宏氏であること、「文書」に書かれていた開発元が交代する理由が事実と食い違うこと(公開された裁判用資料より判明)、「文書」を基に書かれた2009年3月以前のネット上の情報には(「[[まとめwiki>http://www32.atwiki.jp/kawasepsp/]]」も含め)間違いが多いこと、酒井潔氏ら新開発元が一から作り販売された。
//↑裁判どうこうは各々調べるor知らなくてもいいこと(ゲームの出来はいいのだから)だと思う。なのでCOしました
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**総評
移植作品であるため、旧作ファンかそうでないかで受け取り方に差はあるだろうが、''バグだらけの内容と常識を疑いたくなるメーカー対応((流石にゲームの世界観やハードへの責任転嫁はあり得ない…というよりも、そんなハードなら出てすぐに駆逐されているだろう。))、そして発売前に改善の余地があるにも関わらず発売されてしまった本作は、「クソゲー」の誹りを免れないと言える''。