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STAR OCEAN Till the End of Time - (2012/06/19 (火) 16:52:12) のソース

*STAR OCEAN Till the End of Time
【すたーおーしゃん てぃるじえんどおぶたいむ】
|ジャンル|ロールプレイングゲーム|&amazon(B00006D2DI)※重大なバグあり&br() 購入時要注意! |
|対応機種|プレイステーション2|~|
|メディア|DVD-ROM 1枚|~|
|発売元|エニックス|~|
|開発元|トライエース|~|
|発売日|2003年2月27日|~|
|定価|8,190円|~|
|プレイ人数|1人|~|
|分類|&bold(){賛否両論判定}|~|
|ポイント|聖剣2並みなバグの総合商社&br()(ストーリー面において)クソゲーというシリーズファンもいる&br戦闘・BGMは高評価&br荒削りなゲームバランスとシステムと仕様が目立つ|~|
|>|>|CENTER:''[[スターオーシャンシリーズリンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/1137.html]]''|

#contents
**概要
ゲーム開発会社・トライエースの看板タイトルである『スターオーシャン』シリーズの本編タイトル3作目。~
略称は『SO3』が最も浸透しているが、上記の通りタイトルに『3』は付かないので注意。

**戦闘システム
-戦闘は3Dのフィールドで行われ、左スティックで自由に移動することが出来る。&brまた十字キーをキャラに対して横側または背中側の方向に押すことで、「バトルステップ」と呼ばれる定距離移動ができる。
-戦闘に参加できるのは3人まで。HPだけでなく、MPも0になると戦闘不能になる。L1・R1ボタンで操作キャラを瞬時に切り替えられる。
-敵味方ともに最大100%の「Guts」を行動ごとに決まった量を消費し、0になると攻撃や呪文などが一切行えなくなる。Gutsは一定時間行動しないでいると最大まで回復する。
-○ボタンで出が早いが威力の低い小攻撃、×ボタンで出が遅いが威力の高い大攻撃が出せる。それぞれ遠距離・近距離でモーション・性能が異なる。&brまた、Gutsが最大値だと「プロテクト」が発生しカウンターオーラが発動、敵の小攻撃を防御・反撃する。このプロテクトは大攻撃で破ることが可能。
--小攻撃は大攻撃に強く、大攻撃はプロテクトに強く、プロテクトは小攻撃に強い、という三竦みになっている。
-戦闘勝利時には従来のシリーズ同様、HPとMPが回復する。最大でどれほど回復するかは決まっていて、それ以上は回復できない。
-画面右には「ヒートアップゲージ」というゲージが表示され、敵に攻撃を当てると溜まっていく。味方に対して敵が強いほど速く溜まり、敵が弱すぎると一切溜まらなくなる。100%まで溜まると、戦闘勝利時に「経験値の入手量が3倍になる」「アイテム入手率アップ」などのボーナスが得られる。以後の戦闘でも継続して効果を受けられるが、操作キャラがクリティカル攻撃を受けるか死亡する、戦闘から逃走する、セーブデータをロードすると0%に戻ってしまう。
-技の途中で別の技を発動させる(キャンセルチェインと呼ぶ)ことができる。通常小攻撃→小BS→大BS→小BS…とキャンセルできる。 
-各キャラには従来のシリーズでいう必殺技に相当する「バトルスキル」をセットでき、攻撃ボタン長押しで発動する。&br遠距離・近距離の小攻撃・大攻撃にそれぞれセット可能だが、キャパシティポイントの分までしかセットできない。&br上限は全キャラ共通で15で、基本的に強力な技ほど消費するキャパシティポイントが多い。&brバトルスキルを発動する際にはHPまたはMPを消費し、大攻撃で発動させたほうが威力・消費量が大きい(プロテクトも破れる)。&brこの大攻撃での消費量は無印版では固定値、DC版ではHPまたはMPの最大値に比例した値になっている。&br各スキルには熟練度が設定されており、使用回数が一定に達するごとに効果が上昇する。
-従来作の戦闘スキルに相当する補助スキルを2つまでセットすることが可能。これをセットするためのキャパシティポイントもバトルスキルと共通。

**評価点
-完成度の高い戦闘システム
--前作では縦方向には攻撃できなかったが、近作では方向を問わず攻撃できるようになった。
--シリーズで初めてあらゆる呪文にカットイン演出が発生しなくなり、呪文が発動してもバトルテンポが損なわれなくなった。処理落ちもしにくい。
--キャラの使う技はいずれも派手。エフェクト・効果音といった演出面でも優れており、爽快感が非常に高い。
--前述の三竦みも戦略性の増加に一役買っている。特にカウンターオーラは重要で、敵によってはディフェンス中心に立ち回るほうが有利に進められる。
--また、今作では敵味方問わずMPを0にすることでも戦闘不能にできる。~
HPが高い敵でもMPは低いということは意外と多い。無論、これは味方にも言える。
-前作までと異なりサブキャラクターにも見せ場が多く与えられており、ミラージュ・クレアなどの準主要キャラクターの他に個性的なクリエイターの面々も人気がある。
--キャラグラフィックも好評。3Dポリゴンだが適度にアニメ調にデフォルメされている。
-アイテムクリエーションに「合成」が追加。武器に様々な特性を付加することで、自分好みにカスタマイズすることができる。
--攻撃力に特化するも良し、攻防のバランスをとるも良しと自由度は高い。その気になれば前衛よりタフで攻撃力の高い後衛を作ることも可能。
--ただし、合成には莫大な費用がかかり、多くの特殊効果は消去できないので熟考が必要。クリア後を含めて後半までなら合成がなくとも十分ゲームを進行できる。
-ストーリーは批判されることが多いが、中盤あたりまでの評価は悪いものではない。特に、街などの拠点が果たす役割が小さく単なる通過点に近いものになりがちだった前作までと比べ、しっかり地域と地域の戦争という対立構造が描かれている長所もある。
-クリア後のおまけダンジョンも充実。本編はおまけ、こちらが本番というプレイヤーも多い。もちろんお約束のはっちゃけ具合も健在。むしろパワーアップしている。
-全てではないが、イベントをスキップできるようになった。
-今回も全曲桜庭統氏による作曲・生演奏であり、戦闘曲をはじめとして評価は非常に高い。特に一部のボス戦で流れる「The Divine Spirit of Language」は高い人気がある。
--その一方で「Bitter Dance」という特定のボス戦のラップ曲は、前後の展開や世界観から著しくズレていて賛否両論である。
-登場人物や作中の用語を解説する「辞書」というシステムがあり、世界観をより深く堪能できる。
-ザコ、ボス問わずボイス付きの敵が大幅に増えた。自分は何もせずに仲間に命令だけし、終いには命乞いをする貴族メンという雑魚はプレイヤーに強烈なインパクトを与える。また、本作のラスボスは声優・藤原啓治氏の怪演と数々の迷ゼリフによりネタ的意味で人気がある。
-ギャグイベントやパロディ、ユーモラスなテキストが散りばめられていて、思わずクスリと笑えて楽しめる。

**主な問題点
***多くのバグ
-AAAというメーカーを知っているプレーヤーならば、当時「AAA作品=バグ完備」なのは最早当たり前の事実であった(無論例外もある)が、本作もその例に漏れず、バグの量と質はSO2にも匹敵する。以下はその中でも悪質&有名なものを挙げている。
--PS2本体の型番によっては、ゲーム序盤のイベント戦でほぼ100%フリーズしてプレイ不能になる(ボスの取り巻きのチンピラとの戦いで起きることから「チンピラバグ」などと呼ばれる)。主に初期型(SCPH-10000)で起こる現象だが、薄型PS2でも発生するとの声もある。これが本作のバグで最も有名かつ凶悪なものであろう。
---ただし、このバグのそもそもの原因はSCEが提供した開発用ライブラリにあったことを特記しておく(故に、不具合対応はトライエースやエニックスではなくSCEが行っている)。またこれに限らず、薄型PS2には動作不良を起こすPS・PS2ソフトが幾つも存在することを付け加えておく。
---とはいえ、序盤で起きる進行不能が絡むバグということもあり、対応策が発表されるまで購入そのものを見合わせる人もいた為に、結果として売上本数を落とす原因の1つになってしまった。
--このゲームのやりこみ要素として「バトルコレクション」というものがある。&brこれは戦闘中にある特定の条件を満たすことで得られるものなのだが、ある一定の条件を満たしてしまうと全て白紙に戻ってしまい、更に新たなバトルコレクションを得ることも不可能になる。
--戦闘中に一定確率で壊れる一部の強力なアクセサリを武器に合成すると、破壊確率が無視される(アクセサリ自体の効果は全て引き継がれる)。&br中でも有名なものは、「物理(or術)ダメージを1/10に軽減」という効果であろう(ちなみに、この効果を持つアクセサリの本来の破壊確率は15%)。低~中難易度の本編で使えば確実にバランスブレイカーだが、シリーズ恒例であるクリア後ダンジョンや隠し難易度の敵はいずれも凄まじい火力を誇る(特に後者はこれを使ってなお瞬殺される)ため、止むを得ず妥協・容認されることもある。
-これだけでもかなりのインパクトだが、これらのバグも氷山の一角に過ぎない。プレイを阻害するものから、楽に進めるためのもの、単なるネタレベルのものまで多種多様に備えられており、正にバグの見本市と化している。
--あまりに数が多く書ききれないため、詳しく知りたい人はゲーム攻略ページや動画投稿サイトなどを閲覧してみるのをオススメ。
--なお、本作にはAAA独自のコピーガードが施されており、これが原因で起こっているバグも多数存在する。尤もこれは発売後すぐに破られてしまい、結局バグ増加の原因にしかならなかったわけだが…。
-よく訓練された一部の古参AAAユーザーにとってバグは想定の範囲内だったので、「AAAだからしょうがない」と発売前から半ば諦めていた者も少なくなかった。しかし…。

***ストーリー展開
-前半と後半のストーリー展開の落差は衝撃的の一言。しかも過去作品の世界観をも巻き込んでいるので、古参のAAAユーザーの衝撃は計り知れないものとなった。
--前半のストーリーはシリーズ恒例の、ファンタジー+SFの世界観で問題無く進んでいくのだが…。

#region(ネタバレ)

-後半では、''「主人公たちの世界は、実は他の世界で作られたオンラインゲームの中の世界である」''というまさかの''超展開。''&br過去作品は全て本作と同一の世界設定で展開されていたので、自動的に過去作品の出来事もオンラインゲームの中でのイベントということになる。
-実際に2の十賢者の騒動に関して、その世界では「イベント」などとはっきりと言われてしまっている。
-そしてラスボスはそのオンラインゲームの製作会社社長にしてメインプログラマ。つまり正真正銘の一般人(ただし半仮想空間での戦いになるので、ボスらしく超人化・超強化されてはいる)。一応、「ラスボスが創造主」というだけの作品なら他にも数多くあるのだが…。
-補足しておくと、正確には「精神投影式の極めて高度なワールドシミュレーター」。ゲーム内部の要素がさまざまな要因で進化・発展し続け、人(というよりプログラム生命体)の思考が現実の人間と変わらないほどにまでなり、結果、ゲーム製作者からすらも「独自の世界を築いているので干渉するのは失礼」と言われるほどの世界となった(「ゲームか現実か存在している空間が違うだけの、一種のパラレルワールド」というほどにまでなっている)。
-余談だが、本作のラスボスは、冷静に考えれば自社ゲームのバランス調整をしていただけであり、何も悪い事はしていない。にも関わらずいきなり現実世界に飛び出てきたゲームのキャラクターに殺害された上に、実の妹がその手引きをしていたため、不幸なラスボスとしてよく名前が挙がる『ライブ・ア・ライブ」の魔王オディオ、『ブレスオブファイアIV』のフォウルを凌ぐ不幸ラスボスだという声も多い。&brしかし、ストーリーそのものが超展開すぎたため、不幸だという声はよく聞いても、それを同情する声はあまり聞かない。

#endregion

--このストーリー展開は製作当時から問題視されていたようであり、某攻略本に掲載された開発者インタビューでも言及されている。
-SFというジャンルでは割とあるパターン。しかしながら本作については、メタフィクション的演出・脚本としても「作られた存在(主人公)VS創造主(ラスボス)」という構造の類似作品と比較しても、あまりに露骨。オチも類似作品によくある「考えオチ(のようなもの)」とはお世辞にも言えず、ただの丸投げと言ったほうが的確。
--ファンの反応は賛否両論。旧作プレイヤーの中でも「シリーズの汚点」と考える猛烈な批判から「割と許せる」というものまで意見は分かれたし、新規プレイヤーからは普通の評価ではあった。『1』の場合、作りかけとおぼしき不自然な部分が散見されるので「あれがゲームであったならむしろ納得できる」という見方も。一方、前作『2』は不動の名作かつ非常に高い人気を持っていた作品だった為、特に『2』のファンからの不満は根強いものとなった。
---続編『[[SO4>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/396.html]]』の評判の悪さもこの件が少なからず影響しているとの声も大きい。『4』は時系列で一番最初の時代の話であるためどうしてもこの超設定が絡むのである。

**その他の問題点
-敵の強弱や味方の強さのインフレが激しく、中盤から一気に敵が強くなり、入手EXPや金と実際の強さが不釣り合いな敵が多く、ゲームバランスが悪い。
--この点はAAA作品全般に見られる傾向であり今作に限った話ではないが、本作のセールスポイントは戦闘であるため、バランスの悪さはかなりイタイ。
-中盤以降、小、大、プロテクトの三竦みの意味が薄くなる。敵を攻撃して怯むかはランダムで、怯み難い敵が多い中盤からは大に小を合わせるのは危険。大を避けてから小という手はあるが、大の隙や範囲が高性能で通用しない場合もある。また、大の攻撃前後の隙が大きいため回避や反撃されたり、プロテクトを破っても怯ませられずに反撃されることが多い。さらに、プロテクトするとガッツが減少するため短い間隔ではプロテクトできず、連続で攻撃判定が発生する小攻撃に対しても有効とは断言できない。
--結局、プロテクトされる心配がない大バトルスキルを連発するだけで良い大味な展開になる。
-AIの頭が悪く、無謀な行動を取る。自信がないプレイヤー以外は、AIが何も操作しなくなる「何もするな」に設定したほうが楽に進められる。
-なにかと不親切で不便なシステムと仕様が多く、粗がかなり目立つ。小さな点しかないのならまだしも、強制されたり大きな点が多くあることが非常に厳しい。
-クリア後に挑戦できる隠しダンジョンの1つに、「ビルの101階から211階を徒歩で登る」というものがあるのだが、これらの階のマップは全8種類から選択された使い回しである。一応進行度によって出現モンスターなどは変わり、途中には約10体ほどのボスもいるのだが、それでも単に長いだけで単調で退屈な道中の構成には批判がある。
-バトルコレクションの中には「戦闘回数が50000回になる」「敵を50000体倒す」「戦闘時にボタン入力した回数が1000000回になる」という、連射機使用でも達成困難なものがある。~
コレクションのコンプリート率特典は95%達成(全300個のうち285個)で打ち止めになるため、上記のような極端なものは無視出来るが、~
他のBCも基本的に「上手ければ自然に達成できる」という物は少なく、時間のかかる面倒な物が多い。~
高難易度を解禁するには達成率を上げなくてはならず、その場合作業的なプレイを強いられる。
-馬券のように、4匹の「バーニィ」が行うレースの勝者を予想するミニゲーム「バーニィレース」が酷評されている。
--予想を当てる度に貯まる累計ポイントが一定に達する度に景品が貰える(ポイントは消費しない)のだが、一試合に約2分もかかる上に、単勝方式(確率1/4)で最大3ポイント、連勝複式(確率1/6)でも最大9ポイントしか貯まらないのに対して、最後の景品の獲得には1000ポイントも必要と尋常ではない。
--連射機を使って何十時間もかけてポイントを溜めるのが常套手段だが、最後の景品を貰うときに「連射機じゃなかったらスゴイね」と言われる。
---プレイしなくてもゲーム進行に影響はなく、景品も特別に欲しくなるようなものは殆どないのが救い。~
とは言え、100ポイントの賞品にアイテムクリエイションに必要なキャラの解禁条件になっているアイテムがあるので、影響は皆無ではない。
-エンディング内においてキャラクターの「その後」を描く「カップルエンディング」のうち、前作『2』にあった仲間同士のカップルエンディングが消滅しており、主人公と仲間キャラいずれか1人のタイプしかなくなった(単独エンディング除く)。
--グラフィックの3D化に伴う作業量増大の弊害だろうが、前作で評価された部分が大きく規模縮小したという点では純粋に劣化している。EDのこの部分はボイスもない。

**総評
本作のプレイヤーは、まず数々のバグによる強烈な洗礼をあびせられ、それを乗り越えた前作ファンもストーリーによって止めをさされることになった。~
そのため、発売当初は関連スレやファンサイトは大いに荒れ、特に前作の熱心ファンからはシリーズ最駄作の烙印を押された。~
その反面、爽快感の高い戦闘システムという評価すべき点もあり、今作から入った新規プレイヤーからの評価は比較的高い。~
また、上記の点を評価する古参のプレイヤーも少なくなく、シリーズファンの間でも評価がかなり分かれている。~
ただ、肯定派もバグだけは擁護できず、これさえなければ…と言う声も多かった。~
もっとも、現在ではDC版の存在もあり、そういった声はほぼ聞かれない。その代わり、DCファンから酷評されることになってしまったのだが…。

**余談
-漫画家・柴田亜美がファミ通で連載していた漫画『ドキばぐ』で発売前のトライエースへ取材に行く回があった。当初は4ページ目で「どうせ延期するんだろう」的なオチだったが、''本当に延期してしまった。''あまりにも洒落にならなかったので急遽4ページ目が描き変えられた逸話がある。通常は全ページカラーだが、よほど急なのか、そのページだけ白黒である。

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*STAR OCEAN Till the End of Time ディレクターズカット
【すたーおーしゃん てぃるじえんどおぶたいむ でぃれくたーずかっと】
|ジャンル|ロールプレイングゲーム|&amazon(B000FO2ABS)|
|対応機種|プレイステーション2|~|
|メディア|DVD-ROM 2枚組|~|
|発売元|スクウェア・エニックス|~|
|開発元|トライエース|~|
|発売日|2004年1月22日|~|
|定価|7,140円|~|
|プレイ人数|1~2人|~|
|ポイント|さらに評価を高めた戦闘&brバグの大幅な改善&br様々な追加要素&brゲームバランス、システム、仕様には粗が残る&br''ストーリーの変更はない''|~|
|廉価版|アルティメットヒッツ:2006年7月20日/2,800円|~|

**主な変更点
-殆どのバグの修正。
--ディスクが2枚組になったことにより、容量面での問題がなくなったことが大きいだろう。後述の追加要素もこれによる。
-キャンセルボーナスの追加。キャンセルする毎に175%→200%→250%→300%と上昇する。プロテクトしてもガッツが減少しない。戦闘が高評価になった要素。
--また、キャラクターの技性能も調整された。強化されたキャラがいる反面、主力技の使い勝手が悪化したネルや、技の弱体化だけでなくキャンセルボーナスの恩恵が薄くて火力が低下したアルベルのように、弱体化を受けたキャラもいる。とは言え、総合的なバランスは無印より良くなっているという見方が一般的である。
--AIもだいぶ改善されており、賢いとは言いがたいものの無印ほどプレイヤーを苛立たせる事態は多くなくなった。
-武器に付加されるファクターの修正やアクセサリーの効果修正、隠しボスの行動修正など、多くの細かなバランス調整が行われている。他にも多くの追加要素がある。
--プレイヤーキャラ2人の追加。特に、無印版からサブキャラクターとして登場していたミラージュのPC昇格は歓迎された。
--新たな隠しダンジョンが二か所追加。
--戦闘中のコスチュームチェンジ要素の追加。各キャラクターにデフォルトのものを含め4種類のコスチュームが用意されており、新衣装のデザインも好評。
--プレイヤーキャラ同士の対戦モードの追加。あくまでおまけ程度のものだが、対CPU戦、対人戦ともに遊ぶことができる。
--一部イベントにボイスが付いた。特に、カップルエンディングにボイスが付いたことは大きい。

**問題点
-新たなバグの存在。
--内部時計を動かした場合やHDDやネットワークアダプタを接続した場合に、バトルコレクションの取得に不具合が生じることがある。もっとも状況は限られており、ゲームの進行に支障が出るレベルのものもないため無印と比べれば遥かにマシではある。
-新仲間キャラ2人はストーリー上強制加入するにも関わらず、シナリオ変更がない為かイベントでの出番は少なくほとんど空気である。それなら選択制で良いはずだが…。
--とくに新仲間キャラのアドレーは様々な理由で、プレイヤーから悲しくなるほど批判されている。
-調整されたとはいえ、バランス面にはまだ粗も見受けられる。
-荒削りだったシステム・仕様面の改良がほとんどされていないことが非常に痛い。
-ゲームの問題点とは言えないが、本作は何故か取扱説明書のサイズがパッケージに収まらないほど大きく、扱いに困る。本作の購入時は、おそらく何かしらの袋にパッケージと説明書が一緒に入れられた状態で受け取ることになる。

**総評
更に完成度を高めた戦闘システムやバグの修正もあり、プレイヤーからの評価は概ね好評、無印の汚名を返上できたと言える。~
戦闘システムの評価は今もって高く、PS2のRPGでもトップクラスの人気がある。~
そのためか、現在はSO2に次ぐほどの高い人気を得るまでになった。~
反面、今作のシナリオが切っ掛けで企業と一部ユーザーとの信頼関係にヒビが入ったこと、それにより後のシリーズ展開に暗い影が差した事も、また否定出来ない事実である。

**余談
-無印のバグ騒動は流石にトライエースも懲りたのか、これ以降同社のゲームでバグが話題になることはほとんどなくなる。

-登場人物の声優・名前・境遇・設定・DCで追加されたコスチューム、物語の展開と真相、本作通常版の発売とテレビ放送時期が一致あるいは酷似していることから、アニメ『機動戦士ガンダムSEED』及びベストセラー小説『ソフィーの世界』をモチーフにしたストーリーではないかという噂が一部でされているが真相は不明である。

-後に小説版が発売、多少の矛盾はあるものの、ゲーム内で投げっぱなしだった伏線や裏設定などもちゃんと明かされた。

#region(ネタバレ)
-その中で最も大きかったものは、&bold{主人公たちの世界は実はゲームではない、ゲームと同名の実在する世界}であるというもの。ゲーム中ではラスボスが苦し紛れにゲームを消去したはずなのに、主人公たちが無事だった理由がまったく明かされなかった。
--正確に言うと全く明かされなかったわけではないが、その説明が簡潔に言うと「我思う故に我あり」「私たちは意志を持っているから自立したのだ」というものだったため、プレイヤーには全く理解できなかったのであった。
---このような理由により「ストーリーはこちらで見た方がよい」とも言われる。
#endregion

-神田晶氏によるコミカライズが月刊少年ガンガンにて連載されていた。全6巻。&brキャラクターの設定を活かした描写やオリジナルキャラクターの登場など、ゲームとはまた違った印象で読むことが出来る。
--だが中盤~終盤は打ち切りなのか掲載話数が決められていたのか、かなりのハイペースで話が進んでいき、

#region(ネタバレ)
-主人公が破壊の能力を制御できるようになり、その力で強敵に勝つ。
-ゲーム本編では敵を追い払ってからやるイベントを、敵がいるその場でやる。
-スフレがムーンベースで急にひょっこり出てくるが、なぜそこにいたのかが明かされない(ゲーム本編のような避難施設の描写は無い)。
-FD世界が実質、最終話のみ。ボスである幹部たちは「ここは任せて先に行け」でスルー、社長室にいる(FD世界にも関わらず羽を生やした)生身のルシファーを直接撃破。
-余談だが、主人公たちはFD人のバイオ技術で生み出された的な設定になっている。
-といった感じになっている。
#endregion

**関連項目
-[[ラジアータストーリーズ>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/537.html]]
--本作の2年後に発売された、AAA開発のPS2用完全オリジナルRPG。オリジナル作品ではあるが、本作の戦闘システムを参考にされている。しかし……。
-[[スターオーシャン4 -THE LAST HOPE->http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/396.html]]
--続編。アクション性が向上し、戦闘システムなどは格段に進化したが…。