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ドラゴンクエストVII エデンの戦士たち - (2013/03/08 (金) 20:57:01) のソース

CENTER:''このwikiは速報性を伴うwikiではありません。''~
CENTER:''3ヶ月ルールが適応されているからといってここに3DS関連を記述するのは控えてください。''~
CENTER:''記述を差し戻す方は規制依頼を検討いたします。''~
*ドラゴンクエストVII エデンの戦士たち
【どらごんくえすとせぶん えでんのせんしたち】
|ジャンル|RPG|&amazon(B00005OVXK)|
|対応機種|プレイステーション|~|
|メディア|CD-ROM 2枚組|~|
|発売元|エニックス|~|
|開発元|ハートビート&br()アルテピアッツァ|~|
|発売日|2000年8月26日 |~|
|定価|8,190円(税込)|~|
|プレイ人数|1人|~|
|セーブデータ|1ブロック使用(最大15ファイル保存可)|~|
|レーティング|CERO:全年齢対象&br;※PS one Books版で付与されたレーティングを記載|~|
|廉価版|PS one Books:2005年2月3日/3,675円&br;アルティメットヒッツ:2006年7月20日/2,625円|~|
|備考|フリーズ頻発の恐れあり、購入時要注意!&br()購入する場合は''バグが少ない廉価版''をオススメします|~|
|分類|''賛否両論''|~|
|ポイント|メインシナリオがすさまじく長い&br()面倒な石版集め&br()相変わらず職業のバランスが取れていない&br()話が重く、トラウマ級の鬱イベントも(魅力でもあるが)&br()酷すぎて怖いムービー&br()フリーズに怯えながらのプレイ(→後期出荷版ならほぼ問題なし)&br()ロード時間の短さ・個々のストーリーなど光る部分はあり|~|
|>|>|CENTER:''[[ドラゴンクエストシリーズリンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/269.html]]''|
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#contents(fromhere)

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**概要
国民的RPG・ドラゴンクエストシリーズの第7作。5年ぶりの新作((当初はニンテンドウ64で出る予定だったが『FFVII』の成功などで一気にメジャーハードに躍り出たPSに変更されるといった事情もあって延期に延期を重ねた。))であったためにファンの期待は大きく、''プレイステーションソフトの国内売り上げ第1位を記録''。シリーズの売上記録も『III』以来12年ぶりに塗り替えた。
-発売日に買えなかった高校生が同級生を脅してゲームを奪おうとする事件まで起きてしまったほどで、良くも悪くも『III』以来の大事であった。

開発はハートビート(後に『[[ポケモンコロシアム>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/596.html]]』を作ったジニアス・ソノリティと社長が同じ)と、アルテピアッツァ([[PS2版『V』>http://www23.atwiki.jp/ggmatome/pages/441.html]]や[[オプーナさん>オプーナ]]を作る)。

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**特徴
''「世界を広げていく」シナリオ''
-開始時点では世界には主人公の住む島1つしか存在しないが、各地に散らばる「謎の石版」を集めて神殿の台座にはめ込むことで新しい大陸に行くことができる。
--本作には過去の世界と現在の世界があり、石版を集めるとまず過去の世界の大陸が現れる。そこを訪れて問題を解決すると封印が解け、現在の世界にも同じ大陸が復活する…といった形で、序盤~中盤はこれを繰り返してゲームを進めていく。

''転職システム''
-『[[VI>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/395.html]]』から転職システムを継承。戦闘回数(熟練度)を重ねることで職業のレベルを上げ、特技や呪文を覚えていく。転職すると職業ごとにパラメータの補正がかかるが、特技を忘れたりLvが下がったりはしない。
--本作では通常の職業のほかに上級職を複数マスターすることで転職できる「最上級職」や大量の''「モンスター職」''が追加され、育成の幅が広がった。モンスター職は通常の職業に比べ呪文や特技への耐性が強く、低レベルクリアにはありがたい存在。''マスターするとそのモンスターに変身する''という遊び心もある。
--また、特定の組み合わせで連続して転職することで特技を覚えられる「職歴」という要素が取り入れられた。

''仲間との会話''
-本作の目玉システムの一つ。移動時や戦闘時に「はなす」コマンドを選ぶことでパーティメンバーと会話できる。内容はイベントフラグの切り替えがあるたびに変わる。
--本作はパーティメンバーがストーリーに直接絡むことが少なく、この会話を通してキャラクター性がフォローされている。中でもマリベルはこの会話内容のバリエーションが豊富で、後に''「早すぎたツンデレ」''と再評価された。
--後のシリーズ作品やリメイク作品にも会話システムは継承されているが、戦闘中でも会話できるのは本作だけ。ボス戦では専用の会話も用意されている。
--その状況下で設定された台詞が出つくすと沈黙するため、「道に迷ってしまい無言の仲間と延々とダンジョンをさまよう」といったリアルに怖い状況が生まれてしまうことも。

''移民の町''
-ストーリーを進めると、とある場所で「町を作りたいので人を集めてほしい」と頼まれる。以降、町にランダムでNPCが現れ、彼らに話しかけることで「移民の町」の住人が増えていく。住人には性別・職業が設定されており、住人の構成によっては特殊な町も作ることができる。

''グラフィックの向上''
-ハードの性能が上がったことで、町やダンジョンなどのマップが3D化。また、ボタンを押すことで視点変更ができるようになっており、視点を変えることで物陰に隠れた扉やアイテムなどが発見できる。
--その一方でキャラクターのグラフィックは2Dのままにすることで、従来のドラクエらしさを損なうことなく擬似3D化に成功している。
--戦闘時の敵のアニメーションも豊富なモーションや効果音でさらに生き生きとしたものになった。「モンスター図鑑」というアイテムを入手すれば、いつでもアクションを見ることができる。

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**賛否両論点
''文字通り「100時間遊べるRPG」''
-「CD2枚組」というところから想像がつくと思うが、本作は想定クリア時間が''70~100時間以上''というとてつもないボリュームを持つ。しかもこの想定時間は「カジノなどの寄り道を全てスルーした場合」のものであり、何の予備知識もなく進めた場合はクリアまで200時間を超えることもある。~
ボリュームの多さ自体は評価点でもあるのだが、「石版集め」に代表される面倒くささや飽きやすさが目立つシステムであったため、それが仇になって途中でリタイアしてしまう人も多かった。

-最初のイベントの長さもよく指摘される。石版の台座がある神殿の奥に行くまでに''戦闘の全くないパズルダンジョンを何十分も''((慣れた人でも30分、最速でも15分ほど、事前知識がない場合はおそらく1時間以上かかる。))延々と攻略する必要がある。~
「主人公たちの住む島には魔物がいない」という設定のせいもあるが、実際のゲーム内容に戸惑いを感じ、あまつさえ「スライムと初戦闘するだけで感激するプレイヤーが続出」という妙な事態が起こることに。~
ちなみにこのパズル、以降のストーリーには全く関係ない。
--この戦闘の無い謎解きについては、3DS版の発売に際したインタビューにて「『[[MYST>http://www23.atwiki.jp/ggmatome/pages/692.html]]』が面白いと思って入れてみた」と述懐した、と同時に「今振り返ると''あれはいらなかったんじゃないか?''と思っている」と反省の弁を語っている。
--この反省か、次作『VIII』では開始1分で初戦闘という展開になり、目的地なども分かりやすくなった。

''ストーリー進行に苦労する''
-''1.「石版集め」''~
石版のありかはある町までノーヒント。普通に進めていればある程度は自然に集まるが、たいていはどの台座でも1枚か2枚足りなくなるため、どのみち探索は必要になる。
--3Dマップ・視点変更など新要素を生かした隠し場所が多く、慣れないプレイヤーを苦しめた。ありかは物語が進むと「占いおばば」が教えてくれるが、具体的な位置まではわからず、ヒントに示された町を数十分かけて探しまわるということもザラ。
--過去の世界と現在の世界を両方探索しないと石版は揃わないが、構造のほぼ変わらない町やダンジョンを繰り返し攻略する展開には飽きがきやすく、その結果として探索漏れもよく起こる。
---とはいえ、時間の経過による町の様子や人々の会話の移り変わりなどはよく作りこまれている。会話や宝探しを楽しみつつ、同時に取得必須の石版探しも楽しめるかどうかは、人によって差の出やすいところ。
--過去の作品でも「小さなメダル」等、細かい探索やサブクエストをこなすことでゲーム進行が有利になる要素はあったが、本作のようにストーリー進行で強制されることはなかった。ここが「長く遊べていい」「つきあいきれずに投げた」と本作の評価が割れる主な原因である。
--隠しダンジョンへ行くにも特定の石版が必要になるが、その石版を手に入れる方法がいやに面倒なものばかり。カジノの景品だったり、小さなメダルの景品だったり、ラスボス撃破後にある手順を踏む必要があったり。
---特に小さなメダルは、石版と同じように隠されており、しかも占いおばばのような救済措置もない。

-''2.作業感の強いイベント''~
過去の世界では、人々がみな何かしらの問題を抱えている。主人公一行は旅人としてそこに通りかかり、何かと「○○に行って××してきてくれ」「△△さんにこれを渡してくれ」と頼みごとをされる。これが数十ヶ所ある町という町全てで繰り返されるため、非常に飽きやすい。
--わずかな例外を除き町ごとに話が完結してしまっていてストーリー全体との関わりが薄く、悪く言えば使い捨ての舞台と人物を使った小話の繰り返しになってしまっている。これがまた流れ作業感を強く感じさせる一因。その代わり1つ1つのエピソードは話の幹も起承転結もしっかりしており、エピソード単体の評価は高い。
--イベントによっては以前に行った場所に戻らなければならなかったり、過去と現在を行ったり来たりしなければならない。特に過去と現在の移動は一度神殿に行かなければならないので手間がかかる。
--世界の広さ故にシナリオフラグも複雑であり、砂漠の世界のイベントフラグである「ティラノスの発見」など苦労をするイベントが多い。

-''3.前半の山場・ダーマ神殿''~
転職の場であるダーマ神殿には序盤の終わり頃に行くことができるようになるが、そこまでに早くても20時間強はかかり、過去作と比べるととても遅い。しかも実際に転職できるようになる前にもうひとイベントあるが、これが長いうえにゲーム中でも指折りの難所である。
--''「直前にパーティ人数が1人減る」「今までより1ランク強い敵が出現」「特技・呪文を全て封印される」「行動範囲が制限される上に最寄の町の物価が高い」''と極めて厳しい条件下でダンジョン攻略などをしなければならない。
--そんな絶望感の漂うイベントの中に強制敗北イベント(所謂「負けバトル」)が2回も存在するのもやる気をなくす所。その内1回は再戦の機会があるものの、もう1回はリベンジさせてもらえない。負けっぱなしである。
---これに限らず、本作では負けバトルが多い傾向にある。さすがに再戦の機会さえ無いものは上記戦ともう1つ(ストーリー上仕方のないもの)だけではあるが。
--なおこの負けバトルの再戦では、ある程度ストーリーを進んだ所でそのキャラが現れNPCの力で弱体化をされて再戦、という流れになるのだが、弱体化されていてもかなり手強い。
---更にこの初回のバトルで全滅した場合は当然教会からのリスタートとなるのだが、''以降の再戦ではNPCが取り巻きの対処に追われているせいで戦闘に加われなくなる''ためただでさえ高い撃破難易度が大幅に上がる。
--一応救済アイテム(ホイミの効果。しかも壊れない)が手に入り、店の武器防具で多少のフォローは可能。神殿より前にカジノにも入れる為、事前にセーブしていたならそれなりに装備を整え直す事もできる。ただしそれに気づかずに行った場合非常に面倒な事になる。
--ダンジョンを進んで呪文・特技を取り戻し、その先の決闘場でボス6連戦、最後に大ボス(高威力の特技を多く持つ)を倒すことでようやくクリアとなり、転職が可能になる。
--要所でNPCが加わるなどバランス調整はされるが、越えなければならない関門は多い。DQ2の『ロンダルキアへの洞窟』やDQ6の『真ムドー』と並ぶ難所とも称され、ここでゲームを放棄した人も多い。
--なお、バグか仕様なのかは不明なのだが決闘場でのとあるイベント中、スライムナイトに襲われている人物がおり、話しかけると「助けますか?」の選択肢が出て「はい」を選ぶと戦闘になるのだが…
---なぜかスライムナイトではなく「フライングデビル」というモンスターが出現する。このモンスターは本来DISC2で戦うことになるザコ敵であり、下手するとダーマの大ボスより強い。
---まさしくこのモンスターの存在そのものが「フライング」デビルというオチ。ちなみにスライムナイトの方に話しかけると普通にスライムナイトと戦うことになる。
-ちなみに、やっとのことでこれらの試練を乗り越え、念願の転職を済ませて意気揚々と旅立ち…かと思いきや、その直後に難敵である「山賊四人衆」との戦いが存在する。
--初見殺しな戦闘パターンを有しており、多くのプレイヤーがここで出鼻をくじかれることになる。きちんと対策すればそこまで手強くもない((特に「魔法使い」の職を経験してイオラを習得しているのといないのでは、雲泥の差。))のだが、あまりの強さにこれも負けバトルであると勘違いする人も多発した。

''全体的に話が重い''
-登場人物の心理描写は生々しくドロドロした内容のものが多い。掘り下げられた心理描写は物語に深みを与えており、本作の魅力の一つでもあるともいえるが、プレイヤーをやり切れない思いにさせることも。
--前述のパズルダンジョンを突破して初めて訪れる最初の世界ですら、そういった重い傾向のシナリオとなっている。
--数ある鬱展開エピソードの中でも最たる例として挙げられるのが、レブレサックという村のイベントである。このイベントは登場人物に対する救いのなさやその後の村人の言動が多くのプレイヤーの怒りを買い、『ロマンシング サ・ガ3』のキドラント、『ワイルドアームズ』のサーフ村と並んで「RPGで最もムカついた村・イベントは?」という話題になると真っ先に挙げられるようになった。
//更に、「リメイク後に改心イベントが作られた」サーフ村や「設定ミスが原因」のキドラントに対して、レブレサックにはフォローが一切ないため、いっそうプレイヤーの怒りを募らせることになった。
//わずかながら救いが~って後述してある通りこれはちがう。

#region(''レブレサックのイベント概要(ネタバレ注意)'')

--主人公たちは「村の教会に魔物が住みついたので倒してほしい」という依頼を受けるが、実は魔物の正体は''村の平和を条件に魔物と取引し、魔物の姿となった神父だった''(もともとは心優しく村人から慕われていた)。そのことに村の少年が気づくが信用されず、村人たちは魔物の姿となった神父を殺そうとする(この描写も生々しく、無抵抗の神父を一方的に殺せとわめく村人の姿はうすら寒いものがある)。一方、少年とともに岩山に閉じ込められた主人公たちはそこで諸悪の根源の魔物を倒し、神父を元の姿に戻すことに成功する。しかし、村人が嫌な思いをするのではないかと考えた神父はひっそりと村を出て行ってしまう。~
真相を聞かされた村人たちは自分たちの行いを後悔し(その中でも''のうのうと「私はあの魔物が神父様だって気づいてたよ!」とほざくババアもいる'')、戒めと反省の意味を込めて事件の一部始終を記した石碑を作った。…と、''ここまでならまだよかったのだが''。
---現代に戻ると石碑の内容は大きく変わっていた。''主人公たちは魔物扱いで村を救ったのは村人と神父、しかも魔物に変えられた神父を救ったのも村人になっているという具合に、村人を美化し事実を歪曲した内容になっていた''のである。~
そんななか村の子供たちが偶然本物の石碑を発見し、主人公たちはそれを村長に突きつける。すると村長は、''「こんなもの、あってはならないんですよ」と言うや本物の石碑を壊し、真実を闇に葬ってしまう''。さらに村のほぼ全員が「子供たちの話はウソだ」と決めつけるありさまで、「嘘を言っているのは大人たちなのに」「嘘をついちゃいけないっていつも僕たちに言ってるのにどうして…?」と、子供たちを苦悩させる((実はこのイベント、ストーリー進行には全く関係ない。村に石版があるのでそれは手に入れなければならないが村長の家に行く必要はないので、石版を取ったらさっさと立ち去った方がよいかもしれない。))。
---これに輪にかけてヒドイのが魔王復活後(DISC2)で、村人以外は全て敵だと思い込み、家にこもって主人公たちを罵倒するのである。これは神(実際は魔王)に裏切られたショックによるものなのだが、他の村と比べても常軌を逸した感じがあり、((実際、ゲーム中でも一部の住人が「この村はおかしい」「村人の方が魔物よりも怖い」と明言している。))DISC1での行いと相まってプレイヤーの心象を大いに損ねた。
--このようなあまりに自分勝手な言動に、多くのプレイヤーが「間違いなくドラクエ史上最低最悪の村」「とっとと滅びろ、むしろ滅ぼされた方が余程マシ」「住人が消えた町が他にあるのに何でここの連中は無事なんだ」「俺らの代わりに罵倒してくれるマリベルがよりによってこの場面にいない」と怒りを露にすることになった。一方で、真実を知った村の子供たちは後世まで真実を伝えようとしたり、主人公たちを信じて旦那に黙って泊めてくれる宿屋の女将などの救いはあるものの、7=鬱=レブレサックという評価ばかりが先行している昨今ではこれを知らない人も多い。
--ちなみに、村を出て行った神父はその後記憶を失って別の大陸の村に流れ着き、そこで主人公たちと再会する(ストーリー上はこちらの方を先に訪れる)のだが、ほどなくして''村を襲いに来たモンスターから主人公たちを逃がすために殺されてしまう''。
//それで村人たちは無事生きおおせているのだから、徹頭徹尾、救いがない。
--更にエンディングではこの村に立ち寄ることもできないため、平和になった後の村の様子も分からず、この村に関してはプレイヤーの心証が極めて悪いまま物語が終わってしまうのも低評価につながった。

#endregion

-他にも訪れた時点で滅んでいるダイアラック、昼ドラも真っ青なドロドロの愛憎劇を二回も繰り広げるグリンフレーク、三度も異なる魔物の勢力に襲われ、下手をすると救えず滅んだ状態のままゲームが進むルーメン、産まれたばかりの赤子が醜悪なモンスターに変えられてしまうコスタールなど、鬱イベントには事欠かない。なまじ主人公が牧歌的な外見(後述)なだけにそのギャップは凄まじい。

//''仲間の加入時期''
//-本作はストーリー進行によって仲間が3人加入する。最初に加わるガボは特に問題無いが後の2人は能力と時期が見合っているとはいい難い。
//--2人目であるメルビンは神がもしもの時に残した伝説の英雄なのだが、なんと''無職''。
//--ダーマ開放からほとんど間が無いならゲームバランスの調整上分からなくもないが、メルビン加入はダーマ開放からしばらく経ってから。意識して熟練度稼ぎをしていなくても下級職をマスターしているか、上級職に就いているキャラクターがいるくらい後になっている。
//--神に封印される以前にダーマが無かったなんて事もなく、ダーマに行けばメルビンの口から「当時からあった」と聞けてしまう。何故無職のまま神と戦場を転々としていたのか?神に仕える戦士なのだからパラディンになっていても良さそうなものだが。
//-3人目のアイラはユバールの出身。踊りを得意とするユバールの民らしく踊り子をマスターしており、少しではあるが戦士の経験も積んでいる。
//--職持ちな分メルビンよりマシではあるが加入時期がメルビンより更に遅い。しかもマリベルと入れ替わりで加入するがマリベルと違って戦士向きな為、マリベルに補助魔法や回復特技主体のサポート役をさせていた場合後々非常に苦しくなる。
//加入時の仲間が既存メンバーより育ってない、なんて7に限った話ではないよな?パラメータで言えばメルビンは十分育ってるし、装備適正がマリベル&ガボより高いから(というか二人が低すぎる)、ちょうどVの息子に近い感じで戦力になる。ぶっちゃけ上級職とかいくつもマスターするゲームだし、初期メンの2回目の上級職とメルビンの1回目の上級職がダブる頃には戦力差は殆ど無くなる。マリベル脱退に関してもメルビンはMP超伸びるから回復は代行させて問題なし。なんだかんだいってもゲームバランスは普通に取れてる。

''終盤の盛り上がり不足''
-石板集めの長さとは逆に、物語のまとめとも言うべき現代編の分量は石板集めの1,2エピソード分でありDISK1部分が膨大であった分アッサリ感が否めない。
--回収されている伏線も並列的に展開される物語を注意深く追っていかないと回収されていることに気付かない。例を挙げればグランエスタードが封印されなかった理由、謎の神殿や石版の由来、ユバール族の存在意義等。その為本作のシナリオについての「結」の部分及びエンディングに批判あるいは賛否両論を受け易い。プレイヤーを伏線の回収に興味を持たせるだけの配慮やインセンティブが終盤に不足していたとも言える。
-物語の大ボスともいうべきラスボスが何とも微妙な存在なのも終盤の盛り上がり不足感を助長している。世界中央の島を除いた全ての大陸を滅ぼしており、''世界征服をほぼなし遂げた魔王''なのだが…
--終盤に復活してからエピソードを挟むことなくラストダンジョンを進んで闘うことになり、ゲームのボリュームに比して1イベントでは影が薄い印象が強い。
//--戦闘自体も4形態あるが、「激しく燃えさかる炎」や「念じボール」といった防御無視攻撃をそれなりの確率で3回行動を起こす第2戦が一番キツく、最終形態は1回行動が目立ち召喚する手下も雑魚同然とパワーダウンが目立つ。変身する度にパワーアップして本領発揮するものという期待があるだけに「グダグダな戦い」とか「竜頭蛇尾」との声が目立った。
//---もっとも第3形態以降はメルビンも台詞で言っている様に弱ってボロボロになっていく姿を表現しているとも言える。
//---一応、到達レベルの低さと第2形態の強さもあり、ラスボスとしての体感的にはI,II,VIのラスボスに次ぐぐらいである。
//ボスの能力自体はとても弱いわけでもなく強すぎるわけでもなく納得がいくものだって言うならわざわざ各必要はない。この部分はCO
--この為、余談に書かれている様に歴代魔王の中では一番不人気である。

//DQ7における当時の批判はシナリオについても多くの部分を占めており、その要因についても纏めてみた上にラスボスの微妙さを絡めた。
//当時のDQ7のレビューの一例は http://web.archive.org/web/20060425151307/http://spalpha.com/DQ7/users/ であり他の批判点と共に終盤のシナリオについても多く含まれている。

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**問題点・不評点
''キャラクターの入れ替わりが中途半端''
-本作のパーティメンバーは基本的に4人で、ストーリーの進行と共にメンバーが抜けたり入ったりするが、中には唐突に離脱して二度と戻ってこない者や、長期離脱するために戻ってきた時には戦力外になってしまう者がいる。~
自由なメンバー交代は終盤に入ってようやくできるようになるが、''パーティ人数4人に対してプレイヤーキャラ5人''と中途半端。しかもパーティーから外れた1人は経験値や職業熟練度が入らないため、どんどんお荷物になっていく。積極的なメンバー入れ換えをうながすには、会話システムの牽引力だけでは力不足の感が否めない。

#region(''プレイヤーキャラの離脱に関する詳細(ネタバレ注意)'')
-問題の人物とは''キーファ''と''マリベル''である。
--キーファはメインキャラクターの1人であり、「一国の王子」「主人公の幼なじみ」という設定や前衛としての優秀さからそのままエンディングまで一緒なのだろうと思っていたら、とあるイベントのあと''「ユバール族の守り手になる」という理由で仲間も家族も祖国も捨てて主人公のもとを去ってしまう''。そのあまりに唐突な別れはプレイヤーを唖然とさせるとともに、彼が抜けた直後に例のダーマ神殿のイベントが起こるために、''「肝心なところでいない」''と反感を買う羽目になった。
---また、ステータスを上げる「種」を投入したプレイヤーからは「種を返せ!」という怒りの声が上がった。
---なおネット上には、アイラにキーファに使った分の効果が継承されるといううわさが出回っているが、明確なソースは全く無く、デマである可能性が高いので注意。
---確かに「冒険心にあふれ、堅苦しい王族としての暮らしにあきあきしている」という設定があった。気持ちは理解できなくもないのだがRPGのイベントとしては不親切だろう。
---さらには、本作と同時発売されたVジャンプの攻略本で、コスタールの世界のダンジョンの大灯台に''キーファがパーティの一員となっている写真があった''ため、''「またパーティに戻ってくるのではないか」''と多くのプレイヤーに誤解を与えてしまった。そして例によってキーファ再加入の裏技などがまことしやかにささやかれたり、攻略サイトにおいてキーファに関する質問が後を絶たなくなるなどした。
---なお、公式ガイドブックによると、キーファ離脱から遥か後にならないと入手できない武器・防具・アクセサリーにキーファが装備可能とされているものが何故か多数ある。…無意味な設定である。
---一応、「転職システムがあるはずなのにMPが0のまま少しも成長しない」という不審な点があるため、離脱することに気付いたプレイヤーも少数ながらいた。しかしこの点以外に離脱を予想させる材料がほとんど無いのが問題でもある。
---難所であるダーマの手前で抜ける事も批判要因の一つではあるが、これについても転職が可能になって永久離脱したらより批判されていたのは明らかなので仕方がない部分もある。
--マリベルも中盤のとあるイベントで長期離脱してしまう。こちらはDISC2になって戻ってくるが、離脱時期はマーディラスクリア後と転職後結構経ってからであるため、育て方によっては相当の戦力ダウンにつながる。((特にマリベルを回復役にしていた場合))
---彼女の離脱直後に出会うボス「ヘルクラウダー」は今作屈指の強敵であり、仲間を大量に呼び寄せてラリホーを連発させたり、100ダメージ程度(普通に進めているとこの時点でのHPの平均は170ぐらい)の強力な全体攻撃をしてきたりすることなどからプレイヤーに強烈なトラウマを植えつけた。
---こちらは、彼女が離脱する理由は「父親が倒れて冒険どころではなくなった」という誰しもが納得できるものであり、彼女が後で戻ってくることや、離脱後にすぐ加入するアイラが鍛えたら即戦力になりえる強さであること、話自体は普通の長さであったことなどから、キーファに比べれば批判するプレイヤーは少ない。
#endregion

''ムービーの出来がヒドイ''
-ユバールのライラの踊りが有名で、鳥山明の絵に無理に合わせようとして「表情の動きがない」「脇にシワが寄っている」など作画崩壊してしまっている。同じ場面を別のキャラが踊るシーンもあるのだが、こちらはもっと酷いことになっている。このため、とある漫画や2ちゃんねるなどで長い間ネタにされ続け、''「ドラクエにムービーは入れちゃいけないな」''と言われた。
--一応すべてのムービーの出来がヒドイ訳ではなく、ティラノス復活のムービーは出来がよくて好評。
--後の「IX」等ではムービーをトゥーンレンダリングアニメで作ってあるあたり、反省点が存分に生かされているといえる。

#region(参考動画)
&nicovideo2(http://www.nicovideo.jp/watch/sm10123167)
#endregion

''相変わらず職業のバランスが取れていない''
-最上級職は覚える特技だけでなく職業をマスターした際のパラメータ補正や特殊能力が強力であり、『VI』の問題点((ある職業をマスターしたまま戦闘をしていると「熟練度がもったいない」と感じて他の職業に転職してしまう。その結果、職業をコンプリートするまで中途半端な能力のままストーリーを進めることになったり、熟練度稼ぎに没頭してストーリーが全然進まなかったりする。))を解消しようとした形跡は見られるのだが、それでも転職を重ねたくなるプレイヤー心理を抑えられず、職業が増加したぶん、熟練度稼ぎの作業感は前作と同等かそれ以上になってしまった。
-モンスター職に転職するには「モンスターの心」というアイテムが必要なのだが、これが''宝箱などから手に入る数は少なく、モンスターから入手するかカジノの景品((「ラッキーパネル」という神経衰弱風のゲームで入手できる。ドロップを待つよりははるかに楽なのだが、「心」の出現率はやはり低く、物によっては「移民の町」をカジノにしてからでないと入手できない。))として手に入れるしかない''と、やたらと入手条件が厳しい。
--「心」のドロップ率は下級モンスター職でもかなり低いものも。狙って取るには''1個あたり数時間''の戦闘が必要である。~
特に基本モンスター職にはドロップでしか入手できないものがあるので、下級職から順に極めて上級職に就こうとする場合は長期戦を覚悟しなければならない((ちなみに、最上級職の1つ「ギガミュータント」に就くために必要なルートではドロップでしか手に入らない「心」が複数必要である。))。''最上級モンスター職に至っては、該当するモンスターを倒しても心が手に入らない''ものがある(相応に強力な職なので仕方ないが)。
//「通常アイテムのドロップがない場合」に、初めて心のドロップ抽選がある。アイテムをドロップした場合は絶対に心が手に入らず、攻略本などに載っている値よりもはるかに低くなる。
//↑これについては誤りだとわかったのでco。
--「どのモンスター職を極めるとどの上級職に就けるのか」といった情報はゲーム中の知識だけでは見当がつかず、ゲームに慣れないうちはモンスター職を選択すること自体のハードルが高い。さらに、モンスター職で覚える特技の大半が他の職業とかぶっているため新しい特技がなかなか増えず、うまみがないように感じてしまう。
--上級モンスター職である「ローズバトラー」はシリーズ最強の攻撃呪文「マダンテ」を覚えることができるのだが、なぜこんな設定にしたのかと首を傾げる人は多い。
---初登場の『テリーのワンダーランド』でも最初から習得できるようにはなっておらず、それを抜きにしてもマダンテに相応しそうなモンスター職が多い。
---ただし、ローズバトラー自体は苦行の域に近い本作のモンスター職の中では比較的就きやすい部類に入る((上級モンスター職の中で唯一下級モンスター職のマスターが条件に含まれる。))ので、救済措置と言えなくもない。
//---植物系モンスターであり、伝説級の最強攻撃呪文を操るタマにはとても見えない。初登場の『テリーのワンダーランド』でも、マダンテを覚えるのは「ローズバトラー」ではなく「にじくじゃく」というモンスターである。本作にも「にじくじゃく」職が存在するだけに余計に謎。なおにじくじゃく職はローズバトラー職より更に高位((にじくじゃく職に就くにはローズバトラー職を極める必要がある。ただし「にじくじゃくの心」はカジノの景品で手に入れることもできる。))の最上級モンスター職なのだが覚えられる最大の特技が「れんごく火炎」。他の職でも覚えられる上、マダンテより数段劣る技である。「にじくじゃく」職が割を食う事態になっている。
//にじくじゃく云々の記述はいらない。同じモンスターが過去作と攻撃方法が異なっているのは珍しい事ではないし、そもそも鳥系が良くて植物系がダメというのもおかしな話だ。
//とりあえず具体的な職業名は出さずに簡単な記述に修正。

''特技のバランスの悪さが解消されていない''
-『VI』での失敗(1回の戦闘だけで強力な魔法を覚えられるなどバランス面で批判が多かった)を踏まえてか、前作に比べ覚える呪文・特技の内訳や技の仕様が大幅に変更されたが、それでも「早い時期から習得できる飛び抜けて強い特技」「MPを消費しない強力な特技」が別の形で増えた為、攻撃呪文は''「『VII』に攻撃呪文なんてあったっけ?」''と言われるほど影が薄くなってしまった。
--''どとうの羊''~
レベルに依存して威力が上がる無作為の4回連続攻撃。一撃のダメージが大きく、敵が1体の場合はヘタな前衛職を上回る火力を誇る。ただし、ラスボスを除くボスのほとんどはこの特技に耐性を持っている。
---「ひつじかい」という一見弱そうな職業をマスターすると習得。早い時期に習得可能。
--''つるぎの舞''~
通常攻撃の0.6~0.8倍の威力で無作為に4回連続攻撃。4回とも同じ敵に命中すれば、1ターンで通常攻撃約3回分という高い火力が出る。装備している武器の特殊効果(まどろみの剣の「眠り」など)も回数分発動判定がある。
---戦士と踊り子という、上級職への転職と無関係な組み合わせの職歴で習得する隠し特技の1つ。
---早期に習得可能でありながら、戦士系を極めた技((戦士と武闘家をマスターした上級職「バトルマスター」をマスターすることで習得。))である「ばくれつけん(ダメージ倍率は0.5倍)」を超える威力。
--''いなずま''~
敵全体に約45のイオ属性ダメージ。習得が容易でありながら序盤では破格の火力を持ち、耐性を持つ敵が少ないことから、序盤~中盤のバランスブレイカーになってしまった。
---魔法使い+船乗りという、上級職への転職と無関係な組み合わせの職歴で習得。
--''しんくうは''~
「どとうの羊」のようにレベル依存でバギ属性ダメージ。ダメージは不安定だが高火力で、いなずまから乗り換えるのに最適。
-一応補足しておくと、職歴の判定仕様(後述)もあり、いなずまとしんくうはは前情報無しの初見プレイでは気づきにくい特技である。つるぎのまいとどとうのひつじも、説明書に習得方法が明記されているものの、習得するには踊り子、羊飼いという地雷的なイメージのある((実際の所、踊り子はともかく羊飼いはどとうのひつじを無しにしても有用な職業である。))職業に転職しなければいけないため強さを知らなければやはり習得させようという気になりにくい。
-呪文と特技間や特技同士で効果がかぶっているものが複数ある。「あしばらい」「あみなわ」「くすぐりの刑」や、「ラリホー」と「ゆりかごの歌」等。
-「職歴」での特技習得は、二つの職業で連続して条件を満たす必要がある。転職直前に就いていた職業以外は勘を忘れてしまう為、間に別職業を挟まず再びその職業に戻らないと条件を満たせない。

''寄り道要素が面倒''
-モンスターパーク~
本作でも戦闘後にモンスターを仲間にできるが、一緒に戦うのではなく、ただ「モンスターパーク」という施設にコレクションされるだけ。
--もちろん従来と同様にモンスターごとに「なつきやすさ」が設定されており、なつきにくいモンスターも多数存在する。全280種類を揃えると「チビィのかたみ(「どとうのひつじ」を確実に発動)」というアイテムをもらえるが、ありがたみの割には恐ろしいほどの手間がかかる。
-移民の町~
移民となるNPCは数が増えるほど出現率が下がり、最終形態まで大きくするには移民出現ポイントを出入りする張り込み作業が必要になる。
--特別な町(カジノ・バザール・大聖堂・農村)を作るためには特定の職業の移民を一定人数以上と集めなければならない。しかもこの特別な街でしか手に入らないアイテムがあるため、全アイテム収集のためには嫌でも移民の選別が必要。
---窮余の策として「同じセーブデータを何個も増やして移民を交換する」という手はある。これなら時間はかかるが簡単に人数を集めることができる。
//この辺面倒と言い切るには主観が入りすぎてるかと。クリアに必須の要素でもない完全なオマケだし、賛否に移していいかな。

''一部キャラクターデザインが不評''
-特に主人公。ごく普通の漁村の子供という設定なので間違ってはいないのだが、非常に地味なデザインである。
--ちなみに1~8までの歴代主人公のイラストを並べた画像が[[これ>http://www23.atwiki.jp/ksgmatome?cmd=upload&act=open&pageid=325&file=%E3%83%89%E3%83%A9%E3%82%AF%E3%82%A8%E6%AD%B4%E4%BB%A3%E4%B8%BB%E4%BA%BA%E5%85%AC.jpg]]。7主人公は右から2番目。
---ヒーロー然とした他シリーズ主人公と比べると等身が低く、明らかに異質である(設定年齢は16歳で、3主人公と同い年)。
---ただし、絵柄そのものは「COWA!」など当時の鳥山明作品に見られるもの。本作のキャラクター全体がこのタッチであり、デザイナーの画風の変化による影響と言える。
---なお画像の1~4はリメイク版のもの。発売当時の画風とは異なっている。
--もっとも、能力はかなり強く平凡とは程遠い。その強さ、''メタルスライム((ドラクエ伝統の高経験値モンスター。非常に固いため、通常は会心の一撃を出さないと倒せない。))を素手で一撃できる''ほど。本作のメタルスライムは柔らかめであるとはいえ、それでもシリーズ中でも屈指の実力持ちなのだ。

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**バグ
''※これらのバグは後期出荷版ではあまり起こりません''。
-「とうぞくのはな」や「レミラーマ」で、店の中等の絶対に取れない宝箱まで数えてしまう。このため、隠し通路があるのではないかと考えたプレイヤーもいた。
-''フリーズが発生しやすい。しかも場所やシチュエーションを問わず''。
--「過去のフォロッド城でからくり兵が攻めてきた時にフリーズする」という報告が多数寄せられたことから、「からくり兵バグ」という名称が生まれた。
--同じ世界でボス「デスマシーン」を倒すとフリーズするという報告も多々あり、こちらは「デスマシーンバグ」と呼ばれた。デスマシーンは序盤におけるかなりの強敵であり、2連戦ということもあり、倒すのに時間もかかるボスであったため多くのプレイヤーが涙を飲んだ。
---しかも、戦闘後にデスマシーンが「''キノウテイシ…」と言った後にフリーズ''するというタイミングの良さ。「狙ってやったんじゃないか」という邪推までされた。
--他にも「ルーラで飛んだまま降りてこない」「戦闘が終わった瞬間にブラックアウト」など、報告例は数知れず。
--極めつきは「何が起こるかわからない呪文『パルプンテ』」で、本作でこの呪文を使うと''3割前後の高確率でフリーズする''。呪文の内容が内容だけにシャレにならない。習得条件がマダンテ並みに厳しかったことからあまり話題にならなかったが、もし他の魔法で起こっていたら間違いなく大問題になっていただろう。
---ちなみに、パルプンテが登場したのは本作が最後である。バグが多かったためにリストラされたのかもしれない。
//8以降は戦闘カメラワークが変わったせいで、パルプンテ1つのためだけに10以上の専用グラフィックを作る必要が出てくる。だから消されたんじゃないか。少なくともバグのせいではない
-これらのフリーズは後に発売された廉価版では激減し、ついでに細かい各種バグも修正されている(PS one Books、アルティメットヒッツ)。それでもいくつかフリーズ報告はあるものの危険性はかなり違うので、新しく買う場合はこちらを。
--ちなみに発売時期の関係で、フリーズ多発のものは「エニックス」名義、廉価版は合併後の「スクウェア・エニックス」名義になっている。見分ける際の一つの目安としてどうぞ。

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**評価点
-ボリュームが多いため相対的に中だるみの期間も長く感じるが、個々のエピソードはテンポよく進む。ストーリーのよさも相まってのめり込むようにプレイできる。
--現在と過去のつながりを示す描写はあちこちにあり、先祖と子孫の共通点を見つけたり、過去のできごとが現在にどのように伝わっているのかを観たりするとなかなか感慨深い。ゲームを進めればいつの間にか伏線が分かるようになっており、長い物語を注意深く理解すればシナリオが楽しめる。
--DISC2からの展開はそれまでのDQでは考えられなかったような超展開。だがこれも過去と今のつながりが非常に大きな伏線となっている。鬱だらけのストーリーであるぶん、それを乗り越えて迎えたEDは、とあるイベントのこともあってかなり感動的。
-ロード時間はPSであることを全く感じさせないほど早い。ハートビートが開発した「ロード時間をほぼ皆無にする技術」を採用しており、''戦闘開始前からマップ移動、ムービーに至るまで、全ての場面でのロード時間は1秒以下''。当時としては考えられないほどの速さであり、下手するとROMカセットより早いかもしれない。
--ただ、これがフリーズ多発の原因にもなってしまったようで、結局やり直すハメになっているのが残念な点。
-ストーリーの自由度が低いぶん戦闘の自由度は高い。
--職業システムの一番の利点である「誰でもどんな職業にでもなれる」という点はしっかり引き継いでおり、そのためプレイヤーのプレイスタイルに合わせて自由に職業柄を変えていくことが出来る。
--職業バランスこそ非常に悪いが実際の戦闘バランスはかなり良好。大ボリュームを感じさせず難易度のメリハリがよい絶妙なバランスになっている。
--熟練度や経験値稼ぎに没頭せずキャラクターの途中離脱に注意して職業を選べば、だるさや冗長さを感じさせないよう工夫された難易度になっている。
-戦闘のエフェクトが派手なわりに動きが早く、PS1のRPGの中では戦闘のテンポがトップクラスに良い。
--さらに呪文や特技は「ダメージ」「回復」などの機能別に分類されるようになっており、ごちゃ混ぜであった6までと比べると地味ながら快適な戦闘がこなせるようになっている。
-PSに機種が移ったためセーブはメモリーカード式になった。ROMカセットだった前作まではいつデータが消えるかわからず、消えたときの効果音(作中で呪いにかかった時のもの)がトラウマになったというプレイヤーも多かったが、以降はそういったことが減った。
-会話システムの導入によりメインキャラクターの人物像がより強く印象づけられた。マリベル嬢やお茶目な英雄メルビンなどが好評を得ている。
--本作の過去のダーマ神殿で大神官をつとめるフォズという少女は、ダーマの神官に初めて個性がついたという点もさることながら、イベントを通じて垣間見える「頑張り屋な少女」というキャラクターが一部のコアなファンの間で人気を博し、転職のたびにわざわざ過去のダーマ神殿へ通う者もいたとか。

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**総評
世界を解放して広げていくというストーリー展開や、そこで語られる個々のシナリオには必ずしもハッピーエンドで終わらない内容の深いのが多いなど評価の高い要素も多い。~
だが、石版集めに苦労させられたり必須イベントがあまりにも多すぎたりしたことから、作業量の多さに音を上げてしまったプレイヤーが多かった。~
また、やり込み要素がたくさんある反面、それがストーリーの攻略に少なからず必要であることもプレイヤーを挫折に追い込む一因となった。やりこみには莫大な手間と時間が必要となるが、それを前提としたゲームデザインは賛否両論である。~
しかし近年では、PSにしてはポリゴン特有のカクカク感のないグラフィックや、大量の職業を用意したことによる戦闘の自由度や戦略性、クセはあってもシリーズでも屈指の奥深さを誇るストーリーが評価され、この作品自体の評価も少しずつではあるが上がってきている。

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**その後の展開・余談
-本作はそもそも、ニンテンドウ64の周辺機器、64DDを前提とした内容だったとされる。石版による複数の世界と独立したシナリオも、ディスクによって書き換えを行うシステムに対応した物であり、PSらしからぬグラフィックも64向けに作られたためである。それを、PSに変更して発売したため、このような内容になったとされる。
-幼少期のキーファを主人公にしたスピンオフ作品『ドラゴンクエストモンスターズ キャラバンハート』が発売された。本作は、エニックスブランドでの最後の作品でもある(その後に合併しスクウェア・エニックスとなった)。
--上述のフォズ大神官も『キャラバンハート』に登場している。
-関連作品として、藤原カムイ氏による漫画版や土門弘幸氏によるノベライズ版がある。漫画版はオリジナル要素もいくつか含んでいるが、完結されることなく打ち切りエンド((作者曰く「打ち切られたというより打ち切った。」とのこと。))。ノベライズ版は過去の『小説ドラゴンクエスト』に比べるとゲームの設定や進行に忠実な内容となっているが、現在は入手困難。なお、本作以降シリーズのノベライズはされていない。
--なお、小説版は終盤の展開などが独自の路線になっているが、前述の「エスタード島が封印されなかった理由」などが説明されており評価は高い。
-Yahooゲーム、DQMVBコンテンツ内で2010年8月から9月に行なわれた「一番思い入れのある(ナンバリング限定)主人公は?」「お気に入りの(ナンバリング限定)大魔王は?」というアンケートでは、全9作中、『VII』の主人公・魔王がともに最下位だった。
-発売当時、バラエティ番組『ダウンタウンDX』にて、バイオシリーズのファンとして知られるアナウンサーの鈴木史朗氏が若者から「おい、お前ドラクエ持ってるんだろ?」とカツアゲされていたのが視聴者からの投稿で明らかにされた。

-2013年2月7日にはニンテンドー3DSでリメイク版が発売された。
//これに関連する詳細説明は、今はまだ控えてください。
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