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闘神伝 昴 - (2013/02/16 (土) 01:09:24) のソース

*闘神伝 昴
【とうしんでん すばる】
|ジャンル|格闘アクション|&amazon(B00006LJK5)|
|対応機種|プレイステーション|~|
|発売元|タカラ|~|
|開発元|不明|~|
|発売日|1999年8月12日|~|
|分類|''クソゲー判定''|~|
|>|>|CENTER:''[[闘神伝シリーズリンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/1925.html]]''|
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#contents(fromhere)
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**概要
-タカラ(現・タカラトミー)から発売されたコンシュマーオリジナル3D武器格闘ゲーム『闘神伝』シリーズの最終作。
-開発は『3』まで一貫してシリーズを手がけてきた(SS版や派生作品を除く)タムソフトではない。
-前作の『3』では描画速度を30フレームと60フレームのいずれかを選ぶ事が出来たのだが、本作は30フレームで固定となっている。

**特徴
-コマンドなしで必殺技が出せる「一発必殺技ボタン」が改良され、同時押しや方向キーをプラスする事でほぼ総ての必殺技を出すことができるようになった。
-「フリー移動」が追加。L1+L2で好きな方向に走りまわれるが、敵より一定距離以上離れることはできない。
-前作まではエンディングで短い文章が流れるだけ(『S』や『にとうしんでん』等の外伝作を除く)だったが、本作ではステージ毎にデモが挿入されるようになった。
-ファニーウェポンというお遊び武器が用意されており、専用の勝利セリフもある。
-中々出来の良いミニゲームが多数収録されている。ただしすべて出すのには9時間かかる。
-プレイヤーキャラクターを一新し、前作の32人から13人に。
--前作から続いて出ているキャラは「エイジ」と「ナル」と「ヴァーミリオン」のみ。
--前作のキャラの性能や設定を受け継いだ後続キャラも登場している。
---エイジ→スバル、カイン→ナル、ウラヌス→プエラ、モンド→フェン、カオス→ゲンマ。
-オープニングムービーのアニメはかなりのハイクオリティ。それに準じたキャラクターイラストやゲーム中の一枚絵なども総じてクオリティが高い。
**問題点
-3人チーム制導入の弊害
--最初に使えるキャラは3チームだけ。大会という設定なのにも関わらず、主催者チームを合わせても4チームしかいない。
--チーム戦なのにローディングがひたすら長く、1戦戦うごとにかなりの時間を待たされる。そのくせ前作よりもグラフィックが退化。
--キャラのパターンを削る事でロード時間を短縮する事も可能だが、それでも遅い。
-格闘ゲームとしての完成度が低い
--側転移動による立体的な戦闘が売りだったシリーズだが、既に様々な格闘ゲームが立体的な戦闘を取り入れており、真新しいシステムではなくなった。
---ガードキャンセルやフリー移動など他の格闘ゲームのシステムを節操なく取り入れた結果、纏まりも独創性もないゲームになってしまった。
--ゲームバランスもあまり良好とは言えず、隠しキャラのヴァーミリオンは''通常技を含めたほとんどの技がガード不能の銃撃。''唯一チームが組めず3対1の戦いを強いられるが、それを物ともしない圧倒的超火力を誇る。
---『2』や『3』の時とは違って銃弾が視認できるようになり、ちゃんと飛び道具と相殺するようになったのはある意味良心的とも言える。
--デフォルトキャラではナルが強過ぎる。全く隙の無い飛び道具のソニックスラッシュ、判定激強でガードされても隙が皆無のショルダークラッシュ、威力が馬鹿高い上に様々な状況で確定する超必殺技のヘルズインフェルノなど、全ての技が軒並み高性能。
--逆に最弱キャラだとされているのが、『2』の中ボスでありで圧倒的な強さを誇っていた「ウラヌス」の後続キャラである「プエラ」。
---超必殺技のコカトリスだけは切り返し技としてそれなりに強力だが、通常技のリーチが短過ぎる、飛び道具のイーグルレイジが出が遅過ぎて見てから余裕で避けられる、切り返し技のスワニースワップがほぼ密着しないと当たらないなど、それ以外の技があまりにも弱過ぎる。特にヴァーミリオンが相手だと冗談抜きで何も出来ずに詰んでしまう。
-珍妙な必殺技
--物理法則を無視している技や、技名が意味不明だったりするのは他の格闘ゲームでも珍しくないが、それらを踏まえても首を傾げたくなる必殺技が多々ある。
--中でも女忍者の「みやび」が使う技は珍妙さが際立っており、何の説明もなく''隕石を召喚する。''ご丁寧に隕石が地球に迫るカットイン付き。
---更には相手を抱えたまま''生身で大気圏外まで飛び上がり''再突入して地面に叩き付け、技名の「月下白百合」をデカデカと画面に表示したのち、叩き付けられて噴水のように流血している相手の頭に月下に照らされた白百合の花が串刺しになっている様にカットインが現れるという、最早どこからツッコミを入れていいかわからない技もある。
--前作の主人公だった「エイジ」が新たに会得した「真・地獄門」という技は''神社の鳥居を召喚し、相手にぶつける飛び道具技。''唐突に現れた鳥居が拡大しながら相手に迫る光景はシュールという他はない。当たると相手を鳥居に張り付けにして斬り裂く。確かに地獄門という技名に相応しい演出ではあるが…。
---ちなみに「地獄門」という技は『2』から存在した技で毎回性能や演出が違う。『2』では突進後、相手を切り刻みながら共に上昇する技。『3』では非ロック型乱舞技。そして今回では炎の塊をぶつける飛び道具技となり、当たると背景が炎の嵐に包まれたように変化、炎で作られた結界に相手を張り付け、結界ごと相手を切り刻むという、まるでアニメか特撮ヒーローの必殺技のような演出になっている。

#region(究極宝技、秘伝必殺技集の動画)
&nicovideo2(sm14707570)
#endregion

-キャラやストーリー等
--今回は前作から10年後という設定で、前作のキャラの大半が一線を退いているか、消息不明になっている。
--熱血主人公キャラだった「エイジ」は、今回は黒幕ポジションとなっており、その豹変っぷりに前作を知る者は驚かされた。
---オーソドックスな剣術を捨てて、居合い斬りオンリーの戦闘スタイルになり、なぜか初代のラスボス「ガイア」の技を会得していたりする。
---問題なのはその外見で、ツンツン頭の黒髪は''総白髪に変貌、目元以外を隠した覆面を装着''(しかもOPやパッケージでは白目)見違えるほど膨れ上がった体格に武者の鎧のような追加装甲を身に纏っている。白髪に覆面、大柄な体格に武者の鎧などは前述のガイアの特徴でもあり、無関係ではないかもしれない。他キャラとの関係なども含めて、この10年の間に何があったのか疑問を抱かずにはいられない。
--前作の主要キャラ「カイン」と「ショウ」が行方不明になっており、エンディングで存在が示唆されるものの、失踪した理由は明かされない。
---エイジが真相を知っているはずだが、多くを語ろうとはせず、真相は闇の中である。
--シリーズ通しての人気キャラだった「エリス」は登場していない。登場したとしても''28歳''だが…
---「ナル」のファニーウェポンである「丸めたポスター」がエリスのポスターである事が専用セリフで触れられるのみ。
--外見からして露骨なロリキャラである「プエラ」はストーリー上では13歳のはずだが、プロフィールでは何故か''16歳''と表記されている。
---フェンシング使いの少年「ランスロット」とプエラの出会いのきっかけが''インターネットの掲示板。''しかも2人は未成年で、おまけにそれぞれイギリスとスイス在住である。金銭的にも倫理的にも色々と問題があるのではないだろうか。
--『2』ではカオスを洗脳したり、自分に求愛してきたデュークを利用するだけ利用して最後はゴミクズのように捨てたり、秘密結社のボスであるマスターを利用する事で世界征服を企んでいるなど、実質真の黒幕ポジションだった「ウラヌス」が、本作ではプエラに朱雀の弓を託したりエンディングでプエラを助けたりと、『2』とは一転して善人キャラとして描かれている。かと思えば登場キャラの一人「イオス」の美貌を妬んで封印していたりする。
---このウラヌスの変貌振りについてプエラのストーリーモードにおいて、ウラヌスに封印された張本人であるイオスが何かしらの事情を知っているかのような発言をするのだが、結局真相は明らかにされていない。そしてウラヌスもやはり消息不明である。
--前作から縁もゆかりもないキャラが多く、追加された新キャラたちもそれを補うほどの魅力があるとは言い難い。
//-ナルの声
//特徴が無さ過ぎて反応に困る声ではあるけど、わざわざ話題するほど致命的な演技力でもない
**余談
-『闘神伝』シリーズは家庭用オリジナル作品でありながら高い完成度を誇り、他の格闘ゲームにも少なからず影響を与えていた。
--特に同じ3D武器格闘ゲームである『ソウルキャリバー』シリーズの原点『ソウルエッジ』には差別化のための再開発を即させ、発売日を遅らせたほど。
---しかし『昴』の発売日はDC版『ソウルキャリバー』の一週間後であり、完全に遅れを取ってしまった感が否めない。
-後にPS2で続編製作の話があったようで、電撃プレイステーションでも特集が組まれた事もあったのだが、結局中止になってしまった模様。
-その後、Wiiで本作のパラレルワールドという設定の『闘真伝』が発売された。