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ガンフロンティア - (2012/06/21 (木) 08:39:58) のソース

*ガンフロンティア
【がんふろんてぃあ】
|ジャンル|縦スクロールシューティング|~|
|対応機種|アーケード(F2システム)|~|
|販売・開発元|タイトー|~|
|稼動開始日|1990年|~|
|分類|&bold(){バランスが不安定なゲーム・賛否両論ゲー・鬱ゲー}&br()※一覧ではバランス不安定として扱う|~|
|ポイント|敵の挙動にクセが強い&br()見た目も難易度も絶望的な5面&br()映画のようなゲームとも評される|~|

**ストーリー
かつてアメリカで起こったゴールド・ラッシュのように、金を求めての宇宙開拓が始まった22世紀。開拓地の1つ惑星グロリアは、突如として宇宙海賊「ワイルドリザード」に襲われ、開拓民の多くが殺された。生き残った人々は奴隷として、過酷な労働にさいなまれていた。&br()そのとき、何処からともなく2機の戦闘機がグロリアへ降り立ったのであった・・・。

**概要
近未来の惑星を舞台にしながら、荒野を眼下に空飛ぶ拳銃が撃ち合う、という西部劇をディフォルメしたような画面展開が持ち味の縦シューティング。&br()
一般的なショット&ボム方式のゲームだがボム周りの仕様が少々変わっている。地上ザコを破壊すると出る金塊を1個取るごとに小ボムが補給され、小ボムが一定量集まると大ボムに変化する仕組み。&br()大ボムを持っていなくてもボムを撃つことは出来るが効果範囲は狭くなっている。またシステムの都合上ミスってもボムがあまり増えない。

水煙のもうもうと上がる滝口から現れ、雷雲の中で決戦する2ボス、砂浜に着くと敵歩兵と戦車がぞろぞろ上陸する3面の船、映画館を壊すとラストシーンが地面に投影される4面、
絶望的な戦力の集う光景を眼下に突き進む5面冒頭、というような演出面では稼働当時から好評を得ており、1991年のゲーメスト大賞では編集部特別賞を受賞していた。

BGMは珍しく原曲を外部のコンポーザーが手がけており、タイトーお抱えのサウンドチームとして知られるZUNTATAは今回編曲担当だったようである。

**難点
ただしこのゲームの難易度は現在から見てもかなりのいやらしさを誇っている。

全体的にゲームスピードが遅く、自機もザコ敵の弾も遅め。殆どの敵弾は棒状で当たり判定も大きい。加えてある程度狙いがアバウトで、自機の移動する方向へそらすように撃ってくるため誘導が難しく、中途半端な動作ではあっさり弾に追い込まれる。&br()
また一部の空中ザコは撃ち損ねると弾を撃ちながら自機の周りにまとわりついてなかなかスクロールアウトしてくれない。敵弾の遅さも相俟って絶えずプレッシャーをかけてくる。地上物も処理を忘れると、画面にしつこく居残り横や斜め下から容赦なく狙い撃ってくる。&br()
そこへミサイル戦車など速めの弾を撃つザコに狙われるとボムしない限りお手上げ、なことになりがちである。&br()
ボムに関しても非常にクセのある性能で、押した瞬間に自機が無敵とはならない。攻撃に使うにしても防御に使うにしても、ある程度決め打ちしないと難しい。&br()
1面からして、ショットパワーが上がるコインを持ったザコが突撃してくる、いきなり後ろから戦車が現れて撃ちまくってくる、後半の空中ザコが迎撃しづらい角度で飛び込んでくる、という風に非常にクセのある敵配置となっている。&br()そして似たようなのはこの先の面でもちょくちょく出て来る。

それらに加えて、ショットを連射するとだんだんゲームランクが上昇する仕様が曲者となっている。前半面で調子に乗ってショットを垂れ流しまくっていると、3面あたりで常にザコや敵弾に包囲されるという胃の痛い代償を覚悟しなければならない。&br()
それでなくても、5面(6面はラスボス戦のみなので事実上の最終面)はステージの長さといい敵の物量といい4面以前とは別格となっており、ランクが上がろうと下がろうと関係ないという地獄である。&br()BGM、シチュエーションともに非常に燃えるのだが、難易度の面も熱過ぎるため今でも語り草になっている。&br()ついでに、この5面ではあるポイントにボムを撃ち込むと大量のムササビが出現し、それにボムを撃つと得点が入る。某ゲームで有名な技である「焼き鳥」のネタ元と思われるが、上級者以外は、こんなことをしている余裕はあまりないと言える。&br()
最後にこのゲームはミスると特定のポイントまで戻されるルール(ただし、ボス戦のみはその場復活)のため、残機に任せて押すような強引な手は全く通じない。

**鬱要素
-全残機を没収された状態でラスボスとの一騎打ちを強いられる。代わりに2発までならラスボスの弾が当たっても耐えられるが、負けるとコンティニュー不能で強制的にバッドエンド(ゲームオーバー)を迎えてしまう。
--この一騎打ち、こっちは6発しか撃てず、敵がセコいことにバリアみたいなのを回転させてこっちの弾を防ぐため、負けてこれまでの苦労がパーになりやすい。
--とは言え、グッドエンドはタイトー系シューティング屈指の英雄的な内容なので、鬱ゲーとまで言い切れるかは微妙である。
-アトラクトデモで、ワイルドリザードによる侵略の様子を切々と語る少年の顔がかなり恐い。これも鬱かというと少し違うが。
--字幕に合わせて、社員か誰かの棒読みで「僕たちは、待っていたんだ。」とのボイスが入る。

**裏話
[[こちら>http://www6.ocn.ne.jp/~t-1008dx/]]にて、本作品をはじめとする「プロジェクト・ガンフロンティア」を手がけた仙波氏による裏話を観ることが出来る。&br()
「低予算でシューティングゲームの自社開発ラインを開拓する」という目的を持っていたようである。&br()
当時のタイトーシューは東亜プランなどへの外注作が多く、自社開発ではダライアスII、ナイトストライカーのように特殊筐体を用いたバブリーな代物が多かったのは確かである。

『[[バトルガレッガ>http://www23.atwiki.jp/ggmatome/pages/296.html]]』が本作のフォロワーとして有名だが、「バトルガレッガ」のヒットで原点となった本作が再評価されたとも言える。ランクゲー、また名作として知られる一方で嫌う人は蛇蝎の如く嫌うゲーム(要は賛否両論)繋がりでもある。

**移植
-セガサターンとプレイステーション2に家庭用移植がされている。
-SS『アーケードギアーズ ガンフロンティア』(エクシング製、1997年9月25日発売)は移植度に関して非常に評判が悪い。「僕たちは…待っていたのにー!」という揶揄も。
--メインプログラマーは、現在トライアングルサービスの社長兼プログラマーである藤野氏。藤野氏はINHの「トゥエルブスタッグ&トライジール」攻略DVD付属冊子のこの件のインタビューに対し、「キャリアもノウハウも怪しい駆け出しの頃に功を焦って仕事を受けてしまった事が原因でありファンの方々に大変申し訳なく思っているが、その反省と経験は活きている」という旨の言葉を返している。
-PS2『タイトーメモリーズ下巻』(2005年8月25日発売)の一作として収録。ただし最初は本作で遊ぶことは出来ず、一定条件を満たすか隠しコマンドを入力することで解禁。廉価版では最初から全てのタイトルがプレイ可能。