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人生ゲーム伝説 - (2012/12/03 (月) 23:07:13) のソース

*人生ゲーム伝説
【じんせいげーむでんせつ】
|ジャンル|ボードゲーム|&image(569716_7541_front.jpg,http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000069S3C/ksgmatome-22/ref=nosim,height=160)|
|対応機種|ゲームボーイ|~|
|発売元|タカラ|~|
|開発元|アドバンスコミュニケーション|~|
|発売日|1991年6月28日|~|
|定価|3980円|~|
|分類|''クソゲー判定''|~|
|ポイント|あまりにも険しいゴールへの道のり&br()人生ゲームを名乗った初のソフト|~|
|>|>|CENTER:''[[人生ゲームシリーズリンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/1339.html]]''|
//このゲームは未分類で記事が立って微妙ゲー一覧に登録された後、仕分けでクソゲー判定に移りました(本記事が微妙に分類されていた理由は総評参照、判定変更の経緯は移転議論スレ1参照)。

**ストーリー
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遠い遠い昔、あるところに超お金持ちの王様がいました。~
先祖代々伝わる莫大な財産と趣味で始めたお金儲けで溢れかえったお金に埋もれ、やる事もなくただ退屈な日々を過ごしていました…。~

王様「あーあ、なーんかすっげえ退屈。おーい、何かする事ないのかー?」大臣『はあ、そんなこと言われましても…また、カラオケなどどうですか?』~
「飽きた」『はあ?』~
「あっ!そうだっ!いーこと思いついちゃったっ!聞きたい?」『はあ…』~
「あのね、この城に来た国民にね、ワシの持っている国をあげちゃうの。でも、ただ来るだけじゃ駄目だよ。ここに来るまでにたっくさん金を稼いできた奴にしかあげない」『そっ、そんな無茶苦茶な!』~
「うるさい、この国はワシのものだ!ワシが何をしようとお前にとやかく言われる筋合いはなーいっ!うるさいこと言ってると、お前便所掃除にするぞっ!」『ひっひどすぎる~』~
「おらっ!ぐずぐず言ってないでとっととお触れを出してこい!」召使い「はーい」~

気まぐれで我儘な王様の提案で国中は大騒ぎ。お城を目指す者達で溢れかえったのでした…。~
(ほぼ原文ママ)
#endregion
**概要
言わずと知れた有名ブランド「人生ゲーム」の初の携帯ゲーム機へのゲーム化ソフト(家庭用ゲーム機初の人生ゲームソフトはPCエンジンの『[[遊遊人生>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/637.html]]』)。

本作の設定は「人生の流れを双六のシステムで再現」というシリーズ定番のスタイルとは一線を画する、いわば&bold(){剣と魔法の世界で繰り広げられる冒険を題材にした双六ゲー}である。しかしこれまた人生ゲームの定番である「人生の評価は最終的に所持金で判断される」という設定はきちんと採用されており、次のような背景設定になっている。

-『''暇を持て余したお金大好きの王様が、『より多額のお金を上納した者に領土の一部を分け与える。各自精を出して金を稼げ!』''という趣旨のお触れを出した。それを知った冒険者(プレイヤー)は、お城を目指して冒険を開始するのであった…』

**特徴
-本作はマップが固定で1種類、マップBGMも1種類で固定である。こう書くと2009年KOTYノミネート作「[[人生ゲーム(Wiiware版)]]」と比較されそうだが、マップは一応冒険している感を演出する程度には長く、手抜きというわけではない。しかしこの長さはある重要な問題の原因ともなっている。
-また、同作とは異なり本作はミニゲームも備えている。おまけ程度での存在ではあるが、ルーレットを回すだけ(詳細は後述)という作業になりがちな本作の一服の清涼剤としてそこそこ有効に機能している。

-本作の冒険者にはパラメータが存在せず、唯一絶対の評価尺度は前述の「持ち金」である。当然借金になることもある。
-それ以外にもショップマスにとまった際に購入可能なアイテムが存在し、それらはお城の直前で全て換金される。この辺りの扱いは通常の人生ゲームとさして変わらない。
--アイテムの一部はイベントで失うこともある。((例:国境警備隊に捕まり賄賂として宝石を渡す、など。))

**転職システムの功罪
-本作には対戦者同士の妨害要素(いわゆるカードの類、あるいは「ドカポン」シリーズのような直接戦闘)や、共通で取り組むミニゲームなどはない。また、ルート分岐もマップ終盤に一度あるっきりで、プレイヤーの戦略選択の余地はほとんどないに等しく、駆け引きの要素がほとんどない純然たる運ゲーである。

-唯一他プレイヤーとの戦略差別化を図れる要素が、本作の目玉でもある「&bold(){転職システム}」で、マップ中に数か所存在する「転職所」を通過する際に必ず転職するか否かの呼びとめがかかり、はいと選択すれば転職ルートに進む。
-用意されている職業は「けんし」「とうぞく」「まほうつかい」「しょうにん」の4種類で、それぞれ転職ルートにいる間に規定のゴールドを稼げたかで転職の成功判定がかかる。高い収入が見込める職業ほど必要ゴールド数は高い。

-ただしこのゲーム、一人プレイで始める場合にプレイの供となるCPUは「選択肢出現の際『はい』と選択する率が非常に高い」仕様となっている。&bold(){このため、CPUは全ての転職所で必ず転職を希望する}。前述の通りマップは比較的長めに作られているが、その分転職所もかなりの頻度で存在し、その都度転職イベントが発生することになる。
--尚、CPUの名誉のために付け加えておくが、彼らは決して一つの職業が長続きしない半端者というわけではない。転職所では「現在の職業と同じ職業のコースは選択できない」という仕様なのだが、&bold(){「前回苦労して獲得した職業と同じ職業を何度も選んで拒否される」というCPUらしからぬ椿事}が頻繁に発生するのである。「はい」しか選択できないのは、恐らく彼らの意志をも越えた何者かによる鎖に違いない。
--同様に、ミニゲーム可能なカジノマスに止まった際も、翌ターン「続けて遊んで行きますか?」という選択肢が発生し、やはり「はい」選択率が非常に高い。ルーレットを回しての奇数・偶数によって遊べるか否かが判定されるのだが、出目次第では数ターンカジノに居座り続ける事態もざら。

-また本作では、双六ではお馴染みの&bold(){「振り出しに戻る」が、常にランダムで降りかかり得る}。当然CPUも例外ではなく、スタートに戻ったCPUは再び全ての転職マスで転職を繰り返す。CPUの数を増やすと転職発生頻度・振り出しに戻る発生率が比例して倍増するため、全員ゴールが条件のエンディングへの道のりは果てしなく険しくなる。
--なおこのゲームは最終所持金でエンディングが変化する。最高ランクのエンディングを見るには15万以上稼がなければならないが、その場合何度も振り出しに戻るを引き当てるか、75000以上持ってゴール直前で必ず行くことになる大バクチを成功させなければ達成はほぼ不可能である。

-かように長期化しやすい本作であるにも関わらず、&bold(){途中セーブの機能はない}。

-また、人生ゲームの売りの一つであるイベント(通常マスに止まった際に発生するもの)は多いとは言えず、プレイが長引いてくると既出のメッセージに遭遇する可能性はかなり高い。
--強制転職はある意味、表示メッセージのマンネリ化防止を企図されて設定されたのかもしれないとすら思える。

**総括
よくも悪くも&bold(){「本来双六は運ゲーである」という事実を体現している}作品である。ゲーム性から言って同列に扱うのは語弊があるが、その運ゲー度は至高の運ゲー「[[ちびまる子ちゃん おこづかい大作戦!]]」にも通ずるところがある(なお、この両ゲームは同じスタッフが開発に携わったらしい)。~
それにも関わらず、CPUの「はい」縛りによるプレイ時間の長期化や、メッセージの少なさなどにより、「展開は全て運に任せて、さっくりと繰り返し楽しむ」という楽しみ方も難しい。ただの双六ゲーなのにゴールシーンがなかなか見られないというのはかなり稀有な例ではある。

本作の発売時期や、シリーズ初のTVゲームデビュー作であったことを考えると仕方がないと思える部分も多く、単に出来だけで本作を語りきれるものではない。しかし、本作発売の3ヶ月前に発売されたGB版「スーパー桃太郎電鉄」が中々の好移植作で、また同年にFCで発売された「いただきストリート」も好評だったことから、これらと比較する形で本作はクソゲーのレッテルを貼られることになってしまった。

その後人生ゲームは、94年のスーパーファミコンへの進出を機にイベントの充実や対戦要素の拡充などを図り、TVゲーム界でも定番ボードゲームとしての素地を固めて行く事になるわけだが、本作は結果的にそんなシリーズのほろ苦い携帯ゲームデビューとなってしまった。

なお、本作はボードゲームなので、一応通信ケーブルにも対応している。しかも4人用アダプターにまで。友人と協力してCPUを排除してプレイすれば、それなりにゴールは近い…かもしれない。