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スーパー特撮大戦2001 - (2013/05/10 (金) 22:23:34) のソース

*スーパー特撮大戦2001
【すーぱーとくさつたいせん にせんいち】
|ジャンル|シミュレーションRPG|&amazon(B00005QBBN)|
|対応機種|プレイステーション|~|
|発売元|バンプレスト|~|
|開発元|日本アートメディア|~|
|発売日|2001年9月6日|~|
|価格|6,800円(税抜)|~|
|分類|''クソゲー判定''|~|
|ポイント|致命的なバグ&br不条理すぎる難易度&brあんまり協力してないヒーロー達&br巨大ユニットのことなんかいいよ|~|
|>|>|CENTER:''[[ウルトラマンシリーズ>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/928.html]]''|
|>|>|CENTER:''[[仮面ライダーシリーズ>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/961.html]]''|
|>|>|CENTER:''[[スーパー戦隊シリーズ>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/959.html]]''|
|>|>|CENTER:''[[メタルヒーローシリーズ>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/2023.html]]''|
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#contents(fromhere)
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**概要
そっくりそのまま『[[スーパーロボット大戦>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/287.html]]』の特撮版。成長システムなどに若干の違いがあるが、ベースはスパロボである。スパロボにおける『スーパー系』『リアル系』に対応するのは生体改造兵器に変身する『バイオ系』と強化スーツを装着する『メタル系』。参戦作品は以下の項目を参照されたし。

#region(参戦作品一覧)
-ウルトラマン
-ウルトラセブン
-帰ってきたウルトラマン
-仮面ライダー
-仮面ライダーV3
-仮面ライダーBLACK
-仮面ライダーBLACK RX
-宇宙刑事ギャバン
-宇宙刑事シャリバン
-宇宙刑事シャイダー
-人造人間キカイダー
-キカイダー01(ゼロワン)
-イナズマン
-イナズマンF(フラッシュ)
-秘密戦隊ゴレンジャー
-ジャイアントロボ
-スーパーロボット レッドバロン
-大鉄人17(ワンセブン)
-バンプレストオリジナル
#endregion

特撮のクロスオーバーゲームは[[ウルトラマン>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/928.html]]や[[仮面ライダー>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/961.html]]同士がそれぞれ共演するものや、[[ガンダム>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/924.html]]を交えたSDキャラ達が活躍する『[[コンパチヒーローシリーズ>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/908.html]]』などがあるが、スパロボシリーズのように、版権の壁を越えての、原作をベースにしたクロスオーバー作品は今のところ本作が最初で最後となっている。

**問題点
***ゲームバランス
-まともに調整されているのは序盤の数話のみ。それ以降は目茶苦茶。
-ヴォルテックス((バイオ系のオリジナル主人公。))やイナズマンなど、バランスブレイカー級の強さを持っているユニットも何人かいるが、''彼らをフル活用させてようやく勝てる''難易度だと言えばその凄さが分かっていただけるだろうか。
--ヴォルテックスは非常に攻撃力が高く、接近戦も遠距離攻撃もこなせる万能キャラ。運動性などの基礎能力も優秀で、レベルの上がってきた後半戦では''並の怪人程度なら変身しなくても倒せる''ほど。
---逆に、メタル系主人公のルシファードはヴォルテックスほど強くはないため、その時点で難易度に大幅な差が付く。スパロボシリーズでも主人公のタイプ選択によって難易度に差が出ることはあるが、おそらくそれ以上の落差ではないだろうか(ただし、ルシファードには宇宙刑事系の異次元空間でも活動できるというアドバンテージがある)。
--イナズマンのみが持つ特殊能力・逆転チェストは''気力が一定以上のとき一定確率で相手の攻撃をそのまま相手に跳ね返す''という前代未聞の能力である。イナズマン自身の攻撃は別に行われるので、場合によっては攻撃→逆転チェストという怒涛の2連撃も可能。更に逆転チェストとは別に''分身で敵の攻撃を回避することも出来る''ため、極めて被弾が少ない。運動性がやや低いという欠点があるが、ある程度レベルが上がれば全く気にならないほど強くなる。
---ちなみに、あるイベントを経由するとイナズマンF(フラッシュ)にパワーアップすることができ、その際に追加される新必殺技・ゼーバーイナズマンフラッシュは''桁外れの圧倒的な攻撃力と射程距離を誇る''。これがあれば、かなりゲームを進めるのが楽になるだろう。
---そもそも味方ユニットで専用特殊能力を持つのはイナズマンだけである点がおかしい。攻撃を反射する技や武器を持つヒーローは他にもいるはずなのだが。

-常に強制出撃ユニットが中心となって話を進めていくため、任意で出撃できるユニット数の制限がシビアで、''ほんの数人程度しか出撃させることが出来ない''。キャラの成長具合が偏りやすいのは勿論、ゴレンジャーを5人全員出撃させることさえままならない(ちなみに、このゲームの最終ステージの選択出撃ユニットは''4体まで''である)。後述の理由で巨大ロボも同様。
--それなのに、唐突にサブキャラや巨大ロボが強制出撃させられるマップが幾つもある。もちろん、''彼らを育てていなかったら詰みである''。

-スパロボシリーズと同様の"改造"によるパワーアップ方式((仮面ライダーやキカイダーなどのキャラが該当。))と"レベルアップ成長"によるパワーアップ方式((イナズマンや宇宙刑事などのキャラが該当。))が存在し、それぞれが一長一短…のように見えるが、実は能力の上昇比率はレベルアップ成長するキャラのほうが圧倒的に有利であり、改造パワーアップ方式のキャラはゲームが進むたびに差が開く一方。能力値に倍近くの差がつくことさえある。
--武装と本体が異なる成長設定となっているキャラクターは武器と本体の成長度に差が開き、変身しないで格闘する方が強い場合が出てくる。
--その仕様の煽りをモロに受け、全ての能力を改造でパワーアップさせるキカイダーは、いつしか''あらゆる能力値が他のヒーローに劣る弱キャラ''に成り果ててしまう。
---キカイダーは後述のハカイダー関連の問題もあり、ハカイダーがでると敗北条件にキカイダーの撃破が加わるのに弱いため、シナリオでは助けにきたはずなのに、むしろプレイヤーにとって敗北条件を増やされるだけになってしまう。
---ちなみに敵キャラは所属組織の系統に関係なく、怪人もロボットも''全てレベルアップのタイプ''。まるで嫌がらせである。
--「資金さえ稼いでいれば最初から強いキャラクターで戦う事が可能」という触れ込みだが、ゲームバランスが悪く全滅プレイの概念も無いこのゲームでそんなに資金をつぎ込む余裕など全く無い((一応、無限に資金稼ぎできるマップが幾つかある。))。
---また「一見ロボットのように見えるがれっきとした生命体である」という設定がファンには常識であるはずのウインダム((『ウルトラセブン』のカプセル怪獣。))に改造パワーアップを採用したり、逆にサイボーグ人間であるはずの荒井誠((『イナズマンF』の登場人物。))にレベルアップ成長を採用したりするなど、その選考基準にもいささか不可解な点がある。
--「資金」だけでユニットを改造するのではなく「資金」と「資材」の両方が必要となるのだが、どちらか片方が余ったりするなどして''明らかに煩わしいだけ''。独自のシステムを活かしきれているとは言い難い。
---成長タイプのユニットは資金も資材もかからないので、この資金と資材が必要なことも改良ユニットと成長ユニットの格差を招いている。

-特殊能力のひとつ「太陽電池」の効能があまりにも微々たるもので、プレイしていても全く効果を実感出来ず、こんな能力を設定した意味が分からない。
--その効果は昼間のマップでは毎ターンENが5回復、夜間のマップでは毎ターンENが2減るというもの。5%とかなら役に立ったかもしれないが固定数値では効果が低すぎる。

-スパロボシリーズではレベル不足のユニットの救済措置の役目も果たしていた''「精神コマンド」が存在しない''。
--安易に真似をしたくなかったのかもしれないが、こういう作品だからこそ、精神コマンドは苦境に陥ったヒーロー達の一発逆転の手としてむしろ入れるべきではなかったろうか。
---そのため、実際に戦う前から結果がかなり予測できてしまい、戦術・戦略的にも底が浅くなってしまっている。
--代わりに"コンティニューするたびに敵のレベルが1つ下がる"という措置がありはするが…最大で10までしか下がらないので、もしそれで駄目なら完全な詰み。
---インターミッション画面でのセーブとマップ上でのセーブが同一枠として扱われるため、やり直しの余地が残せるようにセーブのタイミングにまで気を使うことになる。
--特に命中率や回避率をフォローする手段に非常に乏しく、レベルの低いキャラを後から育てるのは難しい。

-クイックロードのやり方が説明書に書いていない。追い討ちをかけるように、''スパロボと入力が異なっている''。

-敵キャラクターの能力値を把握する手段は無い((一応、攻略本などに記載されている。))。そのため、敵の能力値や武器の強さは''戦って確かめるしかない''。

-ユニットの適応地形には「宇宙」というカテゴリーが存在するが、''宇宙で戦うマップはたった1つしかない''((その上全ルート共通のステージではないため、ゲームの進み方によっては全くお目にかかれないことも。))。
--しかも、そのシナリオというのが「''街の中に突如宇宙空間が出来た''」という無茶苦茶な舞台設定である。
--他にも「魔空空間」「幻夢界」「不思議時空」という地形が存在するが、それらの地形に適応できるのは宇宙刑事系のキャラクターとメタル系主人公・ヒロインのみで、それ以外のキャラは適応「E」で操作自体不能になる。
---これらの地形は基本的にイベントで発生するのだが、自発的に発生させることができる敵もおり、そいつらを野放しにしておくとマップがとんでもないことになる(ただし、後半になれば無効化する強化パーツが開発できる)。

-とんでもない高難易度のステージが幾つか存在する。
--味方のHP強制半減や変身の強制解除が立て続けに起こる『世紀王ブラックサン』、超強力なボスキャラを2度も倒さなければならない『赤射・蒸着・焼結』などは、多くのプレイヤーが辛酸を舐めた。
--後述の『超合金バロニウム』も負けず劣らずのとんでもない難易度で、下手をすると詰む可能性すらある極悪ステージである。
--前後半に分かれているステージの後半開始時は、「HPやエネルギーが全回復し、気力も初期値に戻る」、「HPやエネルギーが全回復するが、気力は上がったまま」、「''HPやエネルギーは減ったまま、気力も初期値に戻る''」など、ステージによって状況が異なり、その選考基準は謎。
---序盤ステージでは連戦なのに回復していたりするが、中盤以降のステージでは(''たとえ前半と後半の間で数日が経過している設定であっても'')ほぼ全て3番目の状況になっており、理不尽に苦戦を強いられる事が多い。

-ヒーロー側は、マシンに乗った姿や飛行する姿など各形態が(意味もなく)細かく用意されているのだが、その分敵側のユニットを圧迫したのか、どこの面でも同じような怪人ばかり何度も出てくる。とりわけゴルゴムは、雑魚怪人がサイ怪人のみという冷遇ぶり。
--例を挙げると、ライダー1号・2号のバイクであるサイクロン号は徐々にバージョンアップする上に変身後と変身前の通常形態まで再現されており、なんと計6ユニット(2人分で合計12ユニット)もある。ゲーム的に意味があるかはかなり怪しいが…。

***巨大ユニット関係
ストーリー、ゲームバランス共に人間サイズユニットに比重が偏りすぎているため、巨大ユニットはあらゆる意味でとにかく不遇。~
いっそ、等身大ヒーローオンリーにした方がもっとマトモなゲームになったのでは? とさえ思える。これでは巨大ヒーローのファンが楽しめるはずがない。
-人間サイズユニットと巨大ユニット間の戦闘は専用武器でしか行えないのだが、味方の巨大ユニットは人間サイズユニットを攻撃できないものが大半であり、レベルを上げにくい。
--敵の巨大ユニットは、怪獣などのボスクラスのユニットが単体でちらほらと出てくるだけであることが殆どなので、尚更レベルを上げにくい。ザコキャラがワラワラと出てくるマップもあるにはあるが、そういうマップに限って''味方ユニットの引退試合だったりする''。

-登場する巨大ユニットで、ザコキャラといえるのはオリジナル敵の「ケルバーン」のみ(宇宙刑事シリーズやゴレンジャーなど、版権作品のザコ兵器は登場しない)。が、このケルバーン、とりわけ後継機のケルバーンIIは妙に強く、''並み居るヒーローを一瞬で蜂の巣にしてしまう''。こんなザコキャラがワラワラと登場するのだからたまったものではない。マトモに戦っては太刀打ちできず、''逃げに徹してチャンスを伺うのが精一杯''である。ザコを潰してレベル上げ…なんて悠長なことはとてもじゃないが出来ない。

-レッドバロン、大鉄人ワンセブン、ジャイアントロボはそれぞれの初登場マップと最終決戦を除けば、''自由選択出撃の機会がなんと2回だけ''。レベルの底上げ等の救済も無く、レベル1桁で50台の敵の相手をさせられる。しかも出現位置が悪く、戦闘に満足に参加できないこともある。
--特にレッドバロンは、『超合金バロニウム』という''6体の敵を1ターン(しかもレッドバロン1体だけ)で倒さないとゲームオーバーというすさまじい難易度のマップ''がある。前述の通りロボ系のユニットは極端に使いにくいので、最悪詰まってしまう。選択肢によって回避できるが、このマップを通らないとレッドバロンが強化されないというジレンマもある。

-ダメージ計算式がおかしいのか、武器の攻撃力が非常に極端だったり、巨大ロボは改造しても殆ど性能が変わらなかったりする。

-ウルトラマン系は必殺技が強いが、中盤までは避けられず、当てられず、おまけに脆い。初登場イベントの初戦で即瀕死なんてザラ。ただ、レベルアップ成長型のため後半はパラメータが凄まじい勢いで伸び、スパロボで言うアムロやカミーユの如き無双キャラとなるので育てておいて損は無い。そこに至るまでが茨の道だが。
--またウルトラ勢は、空を飛んでいる間は大技が殆ど使えず、もっぱら''頭突きや体当たりなどで戦う''。原作では、飛行中でもスペシウム光線などの必殺技を普通に使っていたのだが…。
--何気にゾフィーとジャックのユニット名が「ゾフィ」と「帰ってきたウルトラマン」であり、つまり放送当時の旧表記。本作の発売時点で既に彼らの正式名称は決まっていたのに、敢えて旧表記を採用した意図は不明。
--ちなみに、これはどうでもいいことであるが、初代マンの顔グラフィックは画像の縮尺比率を微妙に間違えており、''上下に潰れたような顔''になっていて非常にカッコ悪い。他のウルトラ兄弟はまともな顔なのに何故…?
--1ターン=1分という設定のため、初代マンやジャック、ゾフィーが3ターンしか戦えないのは解るが、ウルトラセブンだけ何故か6ターン。セブンは資料によって制限時間の設定にバラつきがあるものの、ゲーム的には''えこ贔屓されているようにしか見えない''。
--一方で「巨大化だけでなく人間サイズでも戦闘できる」という原作設定は再現されていない為、変身後は常に巨大ユニット扱いである。なぜプレイヤーにとって有利になりそうな設定だけは採用しないのか?

-''ゾフィーに関する全てがおかしい''。不具合の塊でまともに使うことができない。特定ルートを通らなかった時、終盤に初代マンの離脱するタイミングで加入するのだが…。
--武器を含むユニット能力が一切成長しない。加入レベルは64もあるのに初期値なのはこのためで、レベルを上げても一切成長しない。おまけに''倒されるか3ターン経つとユニットが消滅して2度と使えなくなる''。しかもゾフィーだけ、''空を飛べない''。
---なお、ゾフィーが飛行不能なのは「原作で飛んでいなかったから」…と攻略本に記述されているが、原作初登場話にてしっかりと飛行している上に、後の登場でも飛行シーンがあるので完全に誤り。このことからも飛行中のデータを用意できなかった、もしくは用意する気が無かったのだと思われる。むしろ上記の有様であることから、開発途中に投げたように見える。
--そもそも攻略本の情報では仲間にならないルートで中盤に加入すると記載されており、実際会話シーンなどシナリオの内容からも、''本来加入するタイミングで正常に加入されない不具合''が発生しているのだとしか考えられない。
--さらにM87光線を使うと、戦闘シーンではダメージが表示されないわ敵のHPも減らないわでメチャクチャ。内部処理はされているので、敵はダメージを受けているのだが何故か戦闘シーンでのみ反映されていない。もうどうなっているのか。

-巨大ロボはレベルの他に改造も可能だが、上記の通り出撃のチャンスが限られ過ぎな上、出撃できるマップでも敵との能力差がありすぎで改造しても意味が無く、無駄遣いにしかならない。仮にフル改造して臨んだとしても焼け石に水である((もちろん、無改造だと手も足も出せずに即死。))。

-ウルトラ勢は各防衛隊のメンバーまで全員出演しているのに対し、巨大ロボ勢は必要最低限の登場人物しか出演していない。例を挙げると、「ジャイアントロボ」のユニコーンの隊員の中でユニットとして戦わせることが出来るのは''主人公の草間大作だけ''である。
--敵ユニットは全体的に不遇だが、なかでも「レッドバロン」は敵ユニットが仮面ライダーBLACKと並んで少なくたったの3体しか登場せず不遇さに拍車がかかっている。
--また「ジャイアントロボ」は登場ユニットがかなり偏っており、ほとんどロボットばかりで怪獣はスパーキィしか登場していない。逆に原作では動いてすらいないカラミティが、普通に動いて敵ユニットとして登場する点もいまいち理由がよくわからない。

-上記3体の冷遇に反し、宇宙刑事トリオの巨大戦艦はマップ上で召喚できるうえに原作ムービー付きで変形までするが((ドルギランはイベントのみ。))、やはりフル改造しても移動手段や時間稼ぎにしかならない。
--なお、シャリバンとシャイダーの巨大戦艦は各種形態がきっちり再現されているのに、何故かギャバンの戦艦のみ変型できない((電子星獣ドルはメタル編のオープニングのみでユニットとして登場しない。にもかかわらずドルレーザーのカットインは存在する))。

-巨大ユニットは種類こそ多いものの、上記の宇宙刑事の戦艦のように、非常に能力値が低くザコキャラにすら太刀打ちできないなど''何のために登場したのか解らない''ようなユニットがとても多い。

-ウルトラ警備隊のメンバーの1人・フルハシ隊員は超強力な対巨大ユニット用兵器であるライトンR30爆弾((''ウルトラマンの必殺光線よりも強い''))をシナリオの途中で入手できる。一介の脇役隊員が何故そんな強い武器を持てるのかも謎だが、前述のように計算式がおかしいため''あんまり強いような気がしない''。
--一方で、科特隊のアラシ隊員が持つペンシル爆弾((原作のラストを飾った最強兵器。フルハシとアラシは演じている俳優も同一人物である。))は''そこまで強くはない''ため、原作再現だとしても疑問が残る。
--もっとも、フルハシで大型ユニットを相手にしないといけないステージがあるので、もしライトンR30が弱ければ絶対にクリアが不可能ということもあり、その点では妥当な調整ともいえるが…。

-これらの滅茶苦茶なバランスのせいで、中盤辺りまでの対巨大ユニット戦は、ウルトラマンなどをベンチにして、シャイダーのビッグマグナムなど人間ユニットの対巨大ユニット武器でちまちま削った方が確実という有様である。しかし、エネルギー消費量の関係上連発は出来ないため、それはそれで楽な道とは言い難い。
--結局のところ、最終的には長い冬の時代を堪え忍んで大器晩成型のウルトラ勢を使い続ける以外に道は無い。
--もっとも、マン、セブン、ジャックはそれぞれハヤタ、ダン、郷の姿で戦闘に参加することも出来るので、育てるのは比較的簡単である((最終的には、原作のように結局離脱してしまうのであるが…))。
--またウルトラ勢は上記の用に隊員として出撃するので、巨大ユニットの出撃枠ではなく、等身大ユニットの出撃枠で出撃できるというのも非常に大きい。巨大ロボはそもそも出撃自体が出来ないのである。

-そもそもユニットの特徴((先例のスパロボで言うところの、リアル系とスーパー系))として、''等身大系・巨大系''となっているが…シナリオでのルート分けの基準は''バイオ系・メタル系''。この時点で''巨大ユニットを活躍させようと言う気がない''。
--最終決戦は等身大系のみで行われ、''巨大系は最終決戦に参加することは出来ない''。自分達がメインの時は理不尽な戦いばかりを強いられ、いざシナリオが重要な部分に差し掛かったら退場させられてしまうなんて、何のためにいるのだろうか。ファンに対してもこの扱いではあんまりである。

***バグ
-弾数制の武器が''ステージをクリアしても補充されない''。
--弾数は回復アイテムなどを使い、マップ上で回復させる必要がある。''弾数消費制の武器しか持っていないキャラが大勢いる''ため、弾数回復アイテムは何よりも重要。ちなみに、このことは取扱説明書で言及されていないため、仕様ではなくバグであると思われる((攻略本では仕様とされている。))。
--基本的にメタル系には弾数制武器、バイオ系にはEN制武器が多い傾向があり、上記のパワーアップ方式の違いにより''ただでさえバイオ系に劣るメタル系が更に使いづらい存在となっている''。
--一応、マップ中にある補給基地で弾数を回復できるステージも多いため、武器が弾数制のユニットもまったく役に立たないというわけではない((ただし、使い勝手の点ではかなり劣る。))。

-ENの自然回復がない。つまりENが0になるとなんらかの方法で回復しないとステージ中はずーっと0のままである。この仕様、実はプレイヤー側にとっての問題点と言うより、敵側に対して問題が多々発生する。
--特に深刻なのが、敵ユニットのEN切れによる詰まりである。そもそも敵ユニットは武器が必要最低限以下しかないのだが、EN消費式の武器しか持たないユニットが多い(特にボスクラス)ため、敵ユニットに倒される必要のあるステージでは相手がEN切れになると本当にゲームが進まなくなってしまい、取り返しがつかなくなる。
---一部のステージにあるように必中即死扱いにすればよかったのだが、多くのユニットは通常判定。
---特に敗北戦闘の相手・ブラックキングが弱い。バイオ系の終盤で原作通りウルトラマンジャックが離脱するシナリオで、この怪獣に倒される必要があるのだが、敗北しなければならないユニットにしては異様に能力が低く、さらに悪いことに必中即死判定になっていない。そのため、攻撃を外してガス欠を起こす可能性が敗北戦闘用のユニットの中で最も高い。ブラックキングはEN消費式の武器しかない上に燃費も悪いので、そうなると完全に詰む。原作では明らかな強敵であったのだが。
--味方側はパーツやマップ上の施設での回復が可能。

-''敵を全滅させてもクリアできない''など、フラグがおかしくなることがある。
--そうなった場合、何故かマップ兵器で自殺などするとクリアになることがある。後述のキカイダー01の初登場ステージなどもこの例の一つ。

-味方キャラクターの1人であるキカイダー01が初登場するシナリオで、01が''マップ上に2人登場する''など、ひとめ見ただけで異常と分かる不具合も存在する。

-また、一部のキャラクターに、装備した強化パーツが強制的に解除されてしまうバグが存在する。

-マップ上にある天才塾に入るステージでは入らなくてもクリアに何の影響もない。

-大鉄人ワンセブンが休止状態になっているときの形態である「要塞ワンセブン」は、インターミッション画面と図鑑では姿を見ることが出来るものの、実際のゲーム本編には一切登場しない。

-本編に登場しないキャラクターが何人か辞典に居る(閲覧不可)。チートによって閲覧することはできるが、逆に本編に登場しているのに辞典に存在しないキャラも多い。

-キャラクター辞典で、フルハシ隊員とソガ隊員のグラフィックを取り違えてしまっている((ゲーム本編内では正常。))。

-バイオ系シナリオの後半、ヒロインが暴走し異形の姿となって襲い掛かってくるというシリアスなシーンにおいて、何故か''まるで関係のないキャラの変身ムービーが流れる''。オプション内では正しいムービーを観ることができるので、つまり''純然たるプログラムミス''。

-終盤のシナリオで、『V3』の敵幹部であるヨロイ元帥の顔グラフィックが''ヒラ怪人のテレビバエになっている''というバグが起こる。

-変身した状態でないと使用することが出来ない宇宙刑事系の乗り物ユニット(サイバリアンなど)は、"パイロットが乗っている間に変身が解除されてしまう"といった事態を全く想定に入れていなかったらしく、もしそうなってしまった場合は''誰も乗っていないはずのユニットがさも当たり前のように戦闘画面で敵を攻撃する''。

-一部のシナリオでウルトラホーク1号をα号、β号、γ号へと分離させると、合体前の各機にパイロットの設定をしていなかったのか、搭乗者のいない無人機が発生することがある。
--この状態のウルトラホークを地上に降ろすと、巨大ユニット以外なら誰でも''適正の有無に関わらず''搭乗させることができ、''戦闘機に乗って敵を攻撃する仮面ライダー''といった極めてシュールな光景が展開されることとなる。ゲームの進行不能を誘発するので注意。

***シナリオ
-シナリオのクロスが不足している。この手のゲームの魅力である、版権を超えた''クロスオーバーシナリオが殆ど見られない''。最初の数話だけなら非常に引きこまれる作りであるのだが、だんだん完成度が低くなっていく。
--基本的にライダー達はライダー同士、宇宙刑事達は宇宙刑事同士、という風に同じシリーズ同士でしかつるまない。
---版権の枠を超えたクロスオーバーといえるのは等身大ヒーロー達がスナックアミーゴ((仮面ライダーに登場した喫茶店。))に集うシーンと、終盤アミーゴの常連たちがオリジナル系シナリオで協力体制を組むぐらいである。
---他にも、イデ隊員が立花藤兵衛(おやっさん)に自分の悩みを相談したり、『帰ってきたウルトラマン』の次郎君が少年ライダー隊のメンバーになったり、『ゴレンジャー』の機関車仮面がアミーゴに来店したりもするが、細かいところまで挙げてもこの程度である。
---あるキャラが他のキャラに呼びかけているのに相手は返事もせず1人で決意表明をしていたり、セリフが噛み合っていなかったり、やたらオウム返しを連発したりと、会話は常にグダグダ。
--何らかの原作エピソードを再現したシナリオでは、他の番組のキャラが不自然に登場しない事が多い。出撃できず、会話にも混ざらず、そもそもどこで何をしているのかすら全く触れられない。
--敵の組織達も基本的にバラバラに活動しており、足の引っ張り合いはまったくしない((ショッカーの死神博士と、新人類帝国の帝王バンバがイヤミを言い合うぐらいのもの。))。一応は互いの存在を認知しており、中盤から協力し合う組織も出てくる((ダークとシャドウ、マクー&マドー&フーマ、ガッツ星人とサロメ星人。))のだが、ヒーロー達と結託先以外の組織については、その存在や行動を意識した様子が無い。
---複数の組織の怪人が同時に現れるマップもあるが、''偶然同じ場所に居合わせただけ''で、怪人同士のやりとりも何もない。
--多くのマップでは原作を元にしたシナリオが他作品の要素と"クロス"されず、マップの左でウルトラマンシナリオ、右でイナズマンシナリオ、といった具合に、1つのマップで複数の原作のシナリオが''"並行"''して展開される。戦闘に入った際に「近くでたまたまイナズマンが別の事件追ってるから協力しあえ」と取って付けた台詞があるが、それに対する掛け合い等もなく、物語上は一切無干渉である。
---特にゴレンジャー、ジャイアントロボ、17、レッドバロンは他作品との絡みが異常に少ない。

-敵組織を騙すために本郷と一文字が一芝居打つというシーンがあるのだが、「うわー大変だー」といった感じの棒読みの演技をする。勿論原作ではそんなシーンはなく、主人公達にドン引きされているだけでなく敵組織は全く疑う事無く信じている。コメディ描写のつもりなのかもしれないが、ライターの力量不足のため&bold(){二人を馬鹿にしているようにしか見えない}。
-「アイデンティティ」という言葉の意味を脚本家が(キャラクターが、ではない)明らかに理解せず使っている会話がある。

-話がクロスオーバーしていないので、原作からチョイスしたエピソードの羅列と化しており、各話に連続性が無い。まるで傑作選のビデオ。
--しかも、ファンですら覚えていないような非常にマイナーな回も多く含まれる。

-一応有名どころも抑えられているが、「有名な回=サブキャラが殺されるなどして、話が大きく動く」なので主人公の親友や家族がいきなり出てきては無残に殺される連続である。
--エピソードの羅列になっているものだから、ついでの様に殺される人すら出てくる始末。中にはジャミラ等のメジャーキャラも存在する。クロスオーバーものなら死なないルートが用意されて居てもいいと思うのだが…。

-''仮面ライダーBLACK RXが登場したかと思ったらいつの間にかクライシス帝国と決戦間近''だったりと、時間軸が目茶苦茶。
--『RX』関連のテキストは原作そのままが多いので、原作を見たことの無い人には状況が飲み込めない場面が多い。『ゴレンジャー』も同様で、マグマン将軍のエピソードなどがいい例である。

-イナズマンFが隠しユニット扱いなのに、敵の組織であるデスパーは普通に出てくる。RXのクライシス帝国も同様。

-キカイダーのライバルキャラとして有名なハカイダーはもちろん登場。しかし、ハカイダーは倒すと自動的にゲームオーバーになってしまう特別な敵キャラであり、しかも交戦すればただでは済まないくらい強いため、現れたら戦闘を避けて逃げ回るしか選択肢が無い。原作を再現するとどうしてもこうなってしまうとはいえ、これでは何のために登場したのか解らない。
--結局、ハカイダーはキカイダーと1度もガチンコ勝負をすることが無いまま、''原作とは違う理由により''退場してしまう。
--あくまでもゲームであるのだから、倒したとしても手負いにしたという扱いで逃げるといった、スパロボでよく見られる方式にでもすればハカイダーとの戦闘も可能だったのに、戦闘自体避けるべきでは意味がわからない。原作では普通に戦っていたはずなのに。
--それらの点を踏まえてもBGMの優先順位がおかしくステージBGMを十数秒おきに無理矢理ぶつ切りにしてくるので嫌がらせでしかない。

-原作で恋仲であった''ビジンダーとワルダーが二者択一''の扱い(『[[第4次スパロボ>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/677.html]]』におけるダンクーガとコン・バトラーVのようなもの)で、片方しか仲間に出来ない。
--ビジンダーには専用のマップ兵器があるから優遇されているように思えるのだが、中立ユニットとして登場するたびに敵のど真ん中だったり勝手に敵に突っ込んで死んでしまうので嫌な印象しか無い。

-『宇宙刑事シャイダー』の中で特にファンからの評価が高いといわれている第14話『恋のミュータント』を再現したシナリオがあるが、キー・パーソンであるジミー北原はシナリオを進めている途中でいつの間にか姿をくらまし、そのことについて何も語られることがないまま次の話へ進んでしまう。つまり、''完全に投げっぱなしになったシナリオすらある''ということである…。

-終盤、バイオ系ヒロインがモンスター化し敵となるのだが、倒すとゲームオーバーなのでハカイダー同様逃げ回るしかない。
--そして彼女は''突然謎のポエムを呟き始め、勝手に自己解決して正気に戻る''。何が何だかわからない。

-『シャイダー』の敵組織であるフーマと決着をつけるシナリオがなく、壊滅したことがテキストによって触れられるだけ。
--ルート分岐により直接の決戦をしないまま壊滅する敵組織は珍しくないが、''分岐に関わらずそもそも存在しない''のは異例である。

-メフィラス星人のマップでは何故か『ウルトラマン』のフジアキコ隊員ではなく『ウルトラセブン』のアンヌ隊員と『シャイダー』のアニーが巨大化。上述したような有様なのにいきなりクロスオーバーされても誰得としか言えない。

***訳の分からないシナリオ分岐条件
シナリオの分岐条件に不可解なものが多い。製作スタッフとしては意外性やサプライズを狙いたかったのかもしれないが、ただ単に''脈絡が無くて意味不明なだけに終わっている''ものが殆どである。
-たとえば、このゲームではベル・ヘレン(『宇宙刑事シャリバン』)とライダーマン(『仮面ライダーV3』)が完全な二者択一キャラとなっており、その選考基準は「''ウルトラマンが宇宙怪獣ベムラーをスペシウム光線で倒したか否か''」。
--確かにベル・ヘレンとライダーマンは共通項も多く、ベムラーはスペシウム光線を使わなくとも倒せてしまうような弱い怪獣なのだが、「原作通りベムラーをスペシウム光線で倒してしまったばっかりに、ライダーマンが登場しなくなる」というのは関連性もなく意味不明である。
--なお、ウルトラマンとライダーマン、もしくはベル・ヘレンの間にストーリー的な因果関係は一切無く、ただウルトラ系シナリオから地続きになっているだけである。

-分岐条件のステージから実際に分岐するまで結構シナリオを挟むことが多く、分岐のやり直しが非常に面倒。ただでさえプレイするだけで苦労する本作でこの仕様は非常に厄介である。

-''「ヘリのパイロットにならない」という、原作とあべこべの行動を取らないと光太郎がRXにならない''。
--一応、仮面ライダーBLACKはRXにならなくても他のライダーに引けをとらない程度の強さは持っているのだが、こうまで完全に引っ掛けられるとは誰も思わないだろう。「原作どおりの行動をとりたい」というファンの心情を踏みにじる行為とも取られかねない。
//---ちなみに、この項目を編集した筆者は、予めそのことに関する予備知識があったため「ヘリのパイロットにならない」のルートを選択したのだが、''それなのにRXが登場しなかった''。まさか、この選択肢にもバグがあるのだろうか? 詳しい方がいたら、情報提供をお願いしたい。

-「''キレンジャーが食べたカレーの料金を、主人公が肩代わりするか否か''」という分岐条件がある。ここまでくると完全にお遊びや悪ふざけの領域である。

-ヒロインと話をしているときに、「レッドバロンとジャイアントロボのどちらが好きか」という話題が出てくる場面がある。これは答えたほうのロボットにパワーアップイベントが起こるという伏線になっているのだが、もしどちらも選ばずにヒロインの機嫌をとるような選択肢を選んだ場合、''何のイベントも起こらない''。
--ちなみにこのシーン、メタル系主人公の場合は特に問題無いのだが、バイオ系の場合ヒロインがレッドバロンを「''消防自動車''」、ジャイアントロボを「''カツラお化け''」呼ばわりするなど、原作ファンに怒られても仕方のないような失言をかましている。
--特にカツラお化けは完全に悪意のこもった発言であり、キャラクターの設定を考慮しても酷い暴言である。一応、主人公には「間違っても本人の前で言うな」と強く諌められるのだが…。

***登場人物の改悪
-「おやっさん」こと立花藤兵衛が必要以上に粗野な性格になっている。
--「ダイラカツヨシ((逆から読むと「シヨツカライダ」つまりショッカーライダーを使った作戦。))」という暗号の意味を、主人公に解説されても理解できない。説明されて逆さから読んでも「シヨツカライダ」じゃないかと、まだわからない。主人公たちがさじを投げた後、一人で頓珍漢な解釈をする。
--要人(科学者)の護衛に失敗した一文字隼人を手厳しく批難し、「お前の替わりはいくらでもいる」とまるで悪役みたいな台詞まで言い放つ。…その後で、他のヒーローに一文字のフォローを頼むのだが。

-ヤマオカ極東支部長官が、ウルトラ警備隊を厚遇する一方、MATに対しての態度は厳しく、「MAT不要論が市民から出ているのでしっかりしてくれ」などと手厳しい叱咤激励をしたりする。
--つまり、本作では『セブン』のヤマオカ長官が『帰ってきたウルトラマン』の岸田長官の役回りも兼任しているということ。((ちなみに、この二名を演じた俳優は同じ人物である。))
--が、そのおかげで、まるで''部下の選り好みが激しいタチの悪い上司''のように見えてしまう。役者は同じとはいえ、ヤマオカ長官と岸田長官は違う人物像であるため、役者つながりというだけで兼任させてしまった弊害といえる。
---MATの扱いは他の防衛組織に比べるとやや悪く、伊吹隊長も登場しなければ、ペンシル爆弾やライトンR30のような強力な武器も追加されない。また、ゲーム内の一条寺烈の台詞によれば「TDFにより怪獣退治専門のために結成されたチームである」という設定であるらしく、つまりウルトラ警備隊の下部組織ということになる。
-TDFの参謀たち(日本人)がこれまでの体制を見直す中、明らかに1人だけ何も考えていないボガード参謀(アメリカ白人)。

***無駄な原作再現
-昭和特撮特有のナレーションの多さ。ストーリーの説明にナレーションを使うのは昭和特撮の常だが、本作でもそれを再現。登場人物の台詞以外のメッセージは''全てナレーションとしてフルボイスで読みあげられる''。
--しかも、製作会社のロゴすらボイスで読み上げられる。演出としては悪くは無いが、昭和特撮の如く話の細部をナレーションで片付けてしまうため、ただでさえ少ない登場人物の絡みが更に無い。キャラゲーには不向きな演出である。
--ナレーションを担当しているのは仮面ライダーシリーズでお馴染みの故・中江真司氏。ファンなら嬉しい要素である。
---ただ、一部のデモムービーでは、''政宗一成氏や大平透氏のナレーションもノーカットで堂々と流れてしまう''ため違和感も強い。

-ゴレンジャーや草間大作には原作どおり空中飛行形態が用意されているが、なんと''武装が皆無になる''ため使い道はあまりない。

-ウルトラマン抜きで怪獣と戦うマップでは、''本当に防衛軍系のユニットしか使えない''。

-原作でサブキャラが独りで戦って死亡するようなシナリオは''本当に独りで戦わなければいけない''。
--しかも万が一敵を全滅させたとしても''救済措置は無く原作通り死亡''。そのくせクリア条件はボス撃破。普通に死ぬとゲームオーバーである。

-巨大ロボ勢であるジャイアントロボ、ワンセブン、レッドバロンは、3体とも途中離脱する。
--Gロボ&ワンセブンについては原作通りだが、レッドバロンは原作でも破壊されておらず、むしろ途中リタイヤは原作に反している。
---厳密に言うと本作でもレッドバロンは明確に離脱する訳ではないのだが、Lサイズ最終出撃時に強制でジャイアントロボが出る(Gロボルートと逆になる)。

-ラスボスが、いくらレベルを上げようと速攻で瀕死になる程の異様な強さ。
--しかし、マップ兵器やアウトレンジ(射程距離外)攻撃で反撃の機会さえ与えなければ意外なほどあっけなく倒せる。

-シナリオをラストまでたどり着いても、結末は尻切れトンボ同然。続編を匂わす終わり方にはなっているものの、2013年現在、続編の発表は一切ない。
--エンディングに使われるムービーの一部がオープニングに使われている始末。
--もっとも、オープニングムービーにエンディングを使いまわした可能性もあるが。
---ちなみに強制参加以外のヒーローは最後のイベント会話に加わらない。そもそも居ないのだから仕方ないが、別ルートで合流してくるなど出来たはず。

***参戦作品
-タイトルにもある通り2001年に発売されたゲームなのに、''一番新しい参戦作品は1988年の『仮面ライダーBLACK RX』''。参戦しているのは昭和作品のみで、90年代以降のヒーローは完全にスルーされている。
--ウルトラマン放送は1966年なので、参戦作で最も古い作品の放送開始からは35年経っている。例えるなら、2007年に出た『スーパーロボット大戦W』に参戦している作品が、マジンガーZ、ゲッターロボ、コン・バトラーV、1stガンダム…と続いていき、1994年公開の「機動武闘伝Gガンダム」が最新参戦作、といった感じになる。当然、今こんなソフトを出しても一部のマニアしか買うまい。子供は完全に置いてけぼりである。
--このゲームの時代設定は現代にされているが、作中の登場人物の台詞が原作と殆ど変わっていないため、''今が現代なのか昭和なのかさえ把握することが困難''。現代的な箇所を強いて挙げれば、作中に携帯電話やパソコン、携帯ゲーム機が出てくるくらい。『帰マン』のシナリオでは原作どおり「先の戦争で…」というセリフがあるため、尚更時代設定が解りづらい。
---同様のミスが[[スーパーヒーロー作戦]]にもあったが。
--こればっかりは仕方のない事なのかも知れないが、夏服と冬服の統一も出来ていない。
--参戦作品が昭和ばかりなうえにラインナップにも乏しく、一部の例外を除けば''ほぼ全てが東映or円谷プロダクションの作品のみ''。それだけこの2社の守備範囲が広いことを物語っているともいえるが、ピープロや国際放映、萬年社の作品はない。また、円谷プロからの参戦はウルトラシリーズ3作だけであり、それ以外の作品は1つもない。実質本作の参戦作品は、東映作品のみであると言っても良いだろう((巨大ユニットが前述の有様なことを考えると尚更。))。
---『ゴジラ』の東宝もなければ『ガメラ』の大映もない。これらの圧倒的な知名度を誇る作品までも出演させないとは、冷静に考えるとおかしな話ではある((他の特撮系ゲームとは違い『ヒーロー』ではなく『特撮』大戦のため怪獣映画が出てもおかしくはない。))。本作の巨大キャラクターへの配慮の無さを如実に物語っている一例と言えるだろう。
--90年代は仮面ライダーのTV番組がなかったとはいえ、メタルヒーローシリーズやスーパー戦隊シリーズ、平成ウルトラ3部作といった有名どころはそれなりに多く、決して参戦作品の種類が足りないということはないはずである。もっともこの完成度では、たとえ参戦させたとしても原作の魅力をどこまで引き出せたか疑問が残るが。

-現状の参戦作品自体に特に問題があるという訳ではないが、若年層の特撮ファンにとっても、昭和作品に精通したマニアック志向のファンにとっても、巨大ヒーローのファンにとっても不満の残るラインナップで、このゲームの地味な印象を強めてしまうことになってしまった。
--むしろタイトルに2001などとつけてしまったせいで、古い作品ばかりであることとタイトルがかみ合っていないのが問題だと思われる。

***その他
-なぜか自衛隊((厳密に言うと、ウルトラ警備隊を包括する組織・TDFの下部構成員))のオリジナル隊員や兵器が登場する。ウルトラシリーズにも一般の自衛隊員が登場するシーンは何度かあったが、東宝のような自衛隊絡みの作品が参戦していない本作では違和感が強い。
--リーダー格にして紅一点のキタクラ班長はそれなりにシナリオ上でも目立ち、能力も頭ひとつ抜けているが、はっきり言ってそれ以外の隊員たちは数が多いばかりで戦力としてはまるで役に立たない。キタクラ班長より更に格上であるはずのサワ隊長でさえ、なぜか能力値は一般隊員と同レベルに設定されている。
---自衛隊の兵器は、戦車、自走砲、高射砲…などかなり細かく分類され、それぞれの性能も丁寧に差別化されているが、一部のヒーロー側のマシンがポンコツ同然であることを考えれば、''明らかに力の入れどころを間違えている''。
---というか『大鉄人17』のレッドマフラー隊(未登場)は制服や兵器が自衛隊とほぼ同じなため、あと少しいじるだけで「レッドマフラー隊」として成り立つのに、なぜわざわざオリジナル隊員を出したのか?という疑問も残る。


-ヒーロー達の拠点が、ただの喫茶店であること。この喫茶店・アミーゴはたしかに仮面ライダーのシリーズ通して登場する極めて重要な施設である。が、本作は仮面ライダー以外にも多くのヒーローや組織が存在している中、わざわざ拠点がアミーゴであることには違和感を感じてしまう。もちろん最初から最後まで拠点はアミーゴのまま。
--そのためか、本作のシナリオの舞台は(具体的には地名は出てこないが)関東周辺に集中しており、宇宙はおろか海外すら舞台にならない。ウルトラシリーズや宇宙刑事は宇宙で戦うことすらあったのに。おかげで事実上、宇宙という地形が意味をなしていない。

-これは一部でまことしやかに囁かれている噂なのだが、「このゲームの開発スタッフたちがある日バンプレストの『[[スーパーロボット大戦α>http://www23.atwiki.jp/ggmatome/pages/861.html]]』を見てみたところ、あまりにも自分達のゲームと出来栄えに差があることに気付き、なんとか追いつこうと大急ぎで作り直したものの、過酷な突貫工事に嫌気が差したスタッフ達が次々と抜けていったため、最終的にどこかちぐはぐで詰めの甘いゲームに仕上がってしまった」と言われている。
--実際、本ソフトの中身を解析したユーザーによれば、本編には登場しないはずのバイオマンやXライダーのデータや使用されていない謎の顔グラフィックが複数残されていたとのことである。ゴタゴタの末に没になってしまったデータなのだろう。

-レッドバロンを主役とした『超合金バロニウム』というタイトルのシナリオがあるが、''『レッドバロン』の番組に出てくる金属は「バロニウム」ではなく「バロンニウム」である''。「バロニウム」は、同シリーズの『スーパーロボット マッハバロン』に登場する金属。

-ジャイアントロボが攻撃を仕掛ける際、わざわざメッセージウインドウに「''ま゛っ!''」と台詞が表記されるが、ジャイアントロボ=ま゛っ!というのは当時の視聴者が草の根的に広めた単なるネタであり、''別に公式設定というワケではない''(尚、公式では「マッシ!」と喋っている)。

-ウルトラホーク1号・2号や変身後の宇宙刑事達の宇宙適応が最低のE、RXが「リボルクラッシュ!」と言う、アニーの持っている光線銃が「バードニアブラスター」であるなど、細かい所でも原作無視をしている。

-意外と少ないのが中の人ネタ。ムラマツキャップと立花藤兵衛((どちらも小林昭二氏。))のような有名どころをあまり取りあげない一方、『キカイダー』のハンペンこと服部半兵衛に化ける不思議獣((どちらもうえだ峻氏。))やマリに惚れる滝((滝を演じた千葉治郎氏は『01』ではマリに恋する漁師役。))のようなマイナーなネタが出てきたりする。
--この怪人はアニーメインのシナリオに登場しているため前記の巨大アニーを含め製作スタッフに思い入れがあるのかもしれないが、不思議界フーマの扱いが悪いためやはり誰得感が否めない。

**評価点
-登場するヒーローは、変身した姿だけではなく変身前の人間の姿でも戦うことが出来る。これらの姿は状況に応じて適度に使い分けていく必要があり、戦略的にもきちんとした意味を持っている。
--変身前のヒーロー(本郷猛、渡五郎、一条寺烈など)は原作再現度もそれなりで、いかにも本人(演じた俳優)が言いそうな台詞、やりそうな殺陣を繰り出してくれる。

-ヒーローだけでなく、ヒーローに変身しない脇役のサポートキャラ(ウルトラシリーズの防衛隊員など)も大勢参戦しており、味方ユニットとして実際に使うことが出来る。これも従来の特撮ゲーでなかなか見られなかった斬新な点である。
--もちろん、これらのサポートキャラは主役級のヒーローに比べれば戦闘力は格段に低いのでウンザリしたプレイヤーも多かったであろうが、なるべく意識して活躍の機会を与えてやればゲームを進めるのがグッと楽になる。かつてウルトラシリーズで再三に渡って語られたように、「''地球の平和は我々地球人が努力して勝ち取ることに意義がある''」ということか。
---ちなみにこれはどうでもいいことであるが、ウルトラシリーズの防衛隊員たちは何故か''揃いも揃って無駄に大仰なファイティングポーズを取っている''のに、肉弾戦は一切不可能で武装は携行火器のみ。キタクラ班長率いる一般隊員たちなら、''銃剣''で攻撃を行えるのだが。

-BGMはまあまあ良く出来ており、『ゴレンジャー』のみED曲(いわゆるバンバラバン)を採用したり、知る人ぞ知る『アニーにおまかせ』を戦闘用BGMに起用するなどツボを押さえた選曲がなされているが、これら2曲と『イナズマン』『同F』の主題歌のみ何故か曲の一部分が省略されている。
--ただし、『ウルトラマン』のBGMは作中でよく用いられていた「戦え!ウルトラマン」のインストアレンジではなく、歌のほうのメロディーで収録されている。この選曲は違和感を感じる。

-オープニングムービーで流れる主題歌『君は閃光☆THUNDERBOLT』はかなり熱い名曲。歌うのは宇宙刑事シリーズでおなじみの串田アキラ氏。タイトル画面で流れるだけのスパロボシリーズと違い、ちゃんとムービー中に流れてくれるのは嬉しい。
--ただし、肝心のムービーの出来は微妙。初代マンが夕日をバックにゆっくり歩いてきたり((ジャックやシャリバンではない。))、''ギャバンが自分の足で延々走っていたり''((サイバリアンには乗らない。))と、原作的に違和感のある描写も。
---また、このムービーに登場するのは主人公2名、ギャバン、イナズマン、ウルトラマン、仮面ライダー5人のみ。キカイダーや巨大ロボ勢、ゴレンジャーは何故か一切登場しない。別シリーズの版権ヒーローが同時に映っている場面は、ギャバンとイナズマンが並んで走っているごく短いパートしかない。
--ちなみに、主題歌のアレンジBGMが最終決戦時に流れるのは、『第2次α』より早かったりする。

-戦闘シーンのON/OFFは「決定に使うボタンが○か△か」で判定され、非常に分かりやすくスピーディー。
--戦闘シーンのアニメーションも意外と頑張っている。同時期の『スパロボα』に比べれば派手さで劣るとはいえ、少ない作画枚数で堅実に動きを生みだしている。敵キャラはユニットごとにおおまかではあるが撃破時の爆発演出も異なっているし、決して出来が悪いわけではない。

**総評
ぶっちゃけ、このゲームは普通に遊ぶこと自体がやり込みプレイである。ある程度の攻略に関する予備知識やルート分岐のプランニングは必須、場合によっては''(禁じ手であるはずの)チートコードでゴリ押ししてもクリアが困難''という有様である。また、「敵に倒される」ことでイベントが進行するステージが複数あるため、敵の攻撃が当たらないぐらいに強化していると進行不能になることがある。~
企画者の意気込みはよく伝わってくるが、それを実現するための全ての要素が不足していたといえる。不必要な部分でスパロボを意識しすぎだと思われる部分も少なくなく、無理に意識した結果ちぐはぐになってしまったとも見れるかもしれない。バイク等のサポートメカの召喚と搭乗、ユニットの変形などの要素は忠実に再現されており、ゲームとしての出来はアレだが、ごっこ遊びゲーとしてはまあまあだと言える。~
また、2組のオリジナル主人公はデザインや「敵組織に改造され、親友が敵幹部で戦わざるをえない宿命がある(バイオ系)」「実は敵組織の幹部であり、首領や他の幹部は家族。ギャバンとも交戦しており因縁がある(メタル系)」という設定はベタながらも評判は悪くは無く、今後別の形での再登場が期待される。

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